JPS6336490Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は往復走行型テープレコーダに関し、そ
の目的とするところは磁気テープが正、反いずれ
の方向に走行した場合でも、その際の録音再生特
性が同等の最良なものになるようにすることにあ
る。

従来の往復走行型テープレコーダでは、１つの
磁気ヘツドの前面中央部に上下に分けて正転録音
再生用のギヤツプ部と反転録音再生用のギヤツプ
部が設けられている。この種のテープレコーダで
はテープ正転送りの状態で最大出力が得られるよ
うに磁気ヘツドの角度調整が行なわれている。し
かしながら、このように角度調整を行なうと、テ
ープを反転送りにして再生したとき、その出力が
最大値にならいことがある。これは磁気テープと
磁気ヘツドのギヤツプ部との間の相対的な当り条
件が、テープ正転送りの場合とテープ反転送りの
場合とで異なつてくるためである。そこで従来で
は、最大出力を得ることを犠牲にして正転送りと
反転送りの再生出力がほぼ同じになるように調整
することが行なわれているが、これによれば周波
数特性が悪化し、特にその高域における出力が低
下してしまう欠点がある。また磁気ヘツドの前後
の傾斜を変えながら正転送り、反転送りでの出力
調整を行なう方法も行なわれているが、いずれに
しても調整に長時間を要し、最適な調整状態を得
ることは不可能であつた。

そこで本考案はこのような従来の欠点を解消
し、正転、反転いずれの方向へのテープ送りの場
合でも、最大出力が得られるようにしたもので、
以下にその一実施例について図面と共に説明す
る。

図において、１，２は互に逆方向に回転するキ
ヤプスタン、３はテープカセツト（図示せず）に
内蔵された磁気テープ、４，５は上記キヤプスタ
ン１，２に磁気テープ３を介して選択的に圧接さ
れキヤプスタン１，２と協働してテープ３を正
転、反転方向に定速走行させるピンチローラ、
６，７は上記ピンチローラ４，５を回転自在に支
持するピンチローラアーム８，９を回動自在に支
持する軸、１０，１１はピンチローラアーム８，
９を夫々時計方向、反時計方向に回動付勢するピ
ンチローラばね、１２，１３はリール台、１４，
１５は互に逆方向に回転されるリール台１２，１
３の駆動用プーリ、１６は上記リール台１２とプ
ーリ１４、リール台１３とプーリ１５間に選択的
に介在され運動伝達を行なうアイドラ、１７は上
記アイドラ１６に関連する制御ピン、１８は操作
手段に連動するピン、１９，２０は上記ピン１８
の移動に伴い往復動される駆動板２１を案内する
軸、２２は上記駆動板２１の突部２１ａとヘツド
基板２３の突部２３ａに両端が懸案され該ヘツド
基板２３上の軸２３ｂに中央部が嵌着された駆動
板とヘツド基板の連結用捩りばね、２４，２５は
上記ヘツド基板２３上に取付けられたヘツド取付
板２６，２７上に近接して固定されている正転録
音再生用磁気ヘツドと反転録音再生用磁気ヘツ
ド、２８，２９はヘツド取付板２６，２７をヘツ
ド基板２３上に保持する第１、第４のねじ、３
０，３１は上記ねじ２８，２９を通るＹ軸、
Y′軸上に設けられた前後角度調整用の第２、第
５のねじ、３２，３３は上記ねじ２８，２９を通
るＸ軸、X′軸上でヘツド２４，２５の外方に設
けられた左右角度調整用の第３、第６のねじ、３
４はヘツド基板２３とヘツド取付板２６，２７と
の間に配された複数個の圧縮ばねである。上記
Ｙ，Y′軸はヘツド２４，２５の前面から後面に
向う中心線に平行、Ｘ，X′軸は上記Ｙ，Y′軸に
直角なものである。上記一方のヘツド取付板２６
は第１、第２、第３のねじ２８，３０，３２とば
ね３４とにより略Ｌ字形状に取付けられ、他方の
ヘツド取付板２７は第４、第５、第６のねじ２
９，３１，３３とばね３４により略Ｌ字形状に取
付けられている。またヘツド取付板２６の一端２
６ａはヘツド２５とヘツド取付板２７の突片２７
ａの下側を通りヘツド２５の右側方に位置してお
り、ヘツド取付板２７の一端２７ｂもヘツド２４
とヘツド取付板２６の下側を通りヘツド２４の左
側方に位置するごとく構成している。またヘツド
２４，２５はカセツト３５のパツド３６を有する
開孔部３５ａに同時に挿入可能とされており、ヘ
ツド２４，２５のギヤツプ（スリツト）部２４
ａ，２５ａは該パツド３６の中心線の両側に分け
しもかもパツド３６の側方に位置せしめ、かつ動
作するギヤツプ部はテープ３の走行時にテープ下
流側に位置されるとともにテープ巻付角度を有す
るよう配されている。

この様に構成することによりヘツド２４の角度
調整は第２のねじ３０でＸ軸のまわりに前後の傾
斜調整が可能となり、また第３のねじ３２でＹ軸
のまわりに左右傾斜調整が可能となるものであ
り、ヘツド２５の角度調整も第５のねじ３１で
X′軸のまわりに前後傾斜調整、第６のねじ３３
でY′軸のまわりに左右傾斜調整が可能となり、
ヘツド２４，２５はいずれも最大出力位置に調整
することが容易となり周波特性が良くなるもので
ある。また正転方向（第２図の矢印ａ方向）にテ
ープが走行されている時はヘツド２５とパツド３
６とによりテープ３に張力が加わり、これがヘツ
ド２４に対するテープテンシヨンとなりヘツドギ
ヤツプ２４ａとテープ３の接触が良くなり出力特
性が安定するものである。また反転方向（第２図
の矢印ｂ方向）にテープが走行されている時はヘ
ツド２４とパツド３６によりテープテンシヨンが
加わりこれがヘツド２５のギヤツプ２５ａとテー
プ３のタツチを良くする。

またヘツドギヤツプ２４ａ，２５ａともテープ
巻付角度を有しており、寸法のバラツキによるテ
ープタツチの影響等のないように配慮されてい
る。

以上述べたように本考案の往復走行型テープレ
コーダによれば、今まで非常に多くの時間を要し
た磁気ヘツドの角度調整作業が極めて簡単となる
とともに、テープ走行方向が正転、反転のいずれ
であつても最大出力角度に調整でき周波数特性も
向上する等大なる効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における往復走行型
テープレコーダの略平面図、第２図はそのヘツド
取付部分の略平面図、第３図は同正面図である。 ３……磁気テープ、２４……正転録音再生用磁
気ヘツド、２５……反転録音再生用磁気ヘツド、
２４ａ，２５ａ……ギヤツプ部、２６，２７……
ヘツド取付板、２８〜３３……ねじ、３４……ば
ね、３５……テープカセツト、３６……パツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前進後退運動可能なヘツド基板と、このヘツド
   基板に互に接触しないように上下の関係で取付け
   られた第１、第２のヘツド取付板と、前記第１の
   ヘツド取付板上に固定され、磁気テープが正転方
   向に走行されているときに作動し録音再生を行な
   う第１の磁気ヘツドと、前記第２のヘツド取付板
   上に前記第１の磁気ヘツドに近接するように固定
   され、前記磁気テープが反転方向に走行されてい
   るときに作動し録音再生を行なう前記第１の磁気
   ヘツドとは別個の第２の磁気ヘツドと、前記第１
   のヘツド取付板と前記ヘツド基板との間に前記第
   １、第２の磁気ヘツドの前面から後面に伸びる中
   心線に対し平行なＹ軸上に所定間隔をもつて配さ
   れた第１の取付部材と第１の前後傾斜角調整部材
   および上記第１の取付部材を通つてＹ軸に直角な
   Ｘ軸上でかつ前記第２の磁気ヘツドの側方に配さ
   れた第１の左右傾斜角調整手段と、前記第２のヘ
   ツド取付板と前記ヘツド基板との間に上記Ｙ軸に
   平行なY′軸上に所定間隔をもつて配された第２
   の取付部材と第２の前後傾斜角調整部材、および
   上記第２の取付部材を通つてY′軸に直角なX′軸
   上でかつ前記第１の磁気ヘツドの側方に配された
   第２の左右傾斜角調整手段とを備え、前記２つの
   磁気ヘツドは上記磁気テープを内蔵するテープカ
   セツトのパツドが配された１つの窓部に共に挿入
   されるようになし、かつ上記２つの磁気ヘツドの
   ギヤツプ部が上記パツドの中心線に対しその両側
   に分かれて配され、テープ走行方向に対しパツド
   のテープ走行方向下流側に位置するギヤツプ部を
   持つ磁気ヘツドが作動するように構成した往復走
   行型テープレコーダ。