JPS6336293B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は穀粒調質装置の改良に関する。

一般に、米飯の食味に重要な要素となるものは
白米の標準含水率であるとされており、その含水
率はたとえば14.5〜15％程度である。しかしなが
ら、従来から籾乾燥処理の過程で検査の不合格に
対する安全性から１〜1.5％の過乾燥米にして供
出される状況である。そして通常の精米用玄米は
13〜14.5％のものが多く、また精白米の含水率は
0.6〜0.8％くらい減少するのが通例である。そこ
で前記精白米を食味のよい標準含水率に加湿処理
したり、また食品添加物を溶解した水溶液の霧状
湿風を前記精白米に通過させその加湿作用と添加
物の吸収作用を併行的に実施したりするが、精米
機から出た直後の精白米は約35℃〜38℃の温度と
なつており、該精白米を穀粒調質装置の調質室に
供給して常温湿風により加湿すると、該湿風は精
白米を通過する間にその温度が上昇し、ために前
記調質室の外気温に直接接触する周壁内面に結露
水を生じ、周壁内面を流下する精白米が前記結露
水を吸収してその澱粉層が急膨張し、粒面亀裂
（胴割粒・砕粒等）を発生して精白米の品質を大
幅に低下する等の欠点を有するものである。

そこで、本発明は上述の諸点に鑑み、上部に穀
粒供給口を下部に排出口を備えた調質室におい
て、前記調質室の周壁を二重壁体構造に形成して
その空間部を通気用風路となし、該風路を給風室
と排風室に区劃すると共に、前記給風室を空気調
質装置に連絡し、また該調質装置に前記排風室を
返還用風路によつて連絡することにより、前記調
質室の二重壁体構造の周壁に常温以上の温湿風を
充満し、その内側壁面を保温して前述の結露水の
発生を防止すると共に、その排風エネルギーの有
効利用を達成し、常に粒面亀裂（胴割粒）のない
標準含水率の良質精白米を確実に量産する装置を
開発して提供せんとするものである。

本発明を実施例図について説明する。第１図な
いし第３図において、その周壁２を内側壁３と外
側壁４とから成る二重壁体構造に形成した調質室
１の上部に設けた上部室５の下部において、横断
面山形状の給風用脈条傘６と排風用脈条傘７を多
数平行状に両側の内壁間に横架し、給風用脈条傘
６はその一側壁に多数の通孔８を設けると共に、
他端を閉塞して湿風の通風路となし、また、排風
用脈条傘７はその他側壁に多数の通孔９を設ける
と共に、他端を閉塞して前記湿風の排風路とな
し、それぞれ任意適切に混合して配設する。そし
て前記調質室１の周壁２の二重壁体構造の空間部
を通気用風路１０となすと共に、該風路１０を劃
壁１３，１３によつてその一方向側を給風室１１
に、また三方向側を排風室１２にそれぞれ区劃
し、前記給風室１１に給風側の各通孔８…を、ま
た前記排風室１２に排風側の各通孔９…をそれぞ
れ連通させ、前記給風室１１はダクト１４によつ
て噴霧機・加温機などを備えた空気調質装置１５
を介して送風機１６の送風口１７に連絡すると共
に、前記排風室１２はその下部に設けた排風口１
８を返還用風路１９によつて前記送風機１６の給
風口２０に連絡して一体的に循環風路を形成す
る。また前記返還用風路１９には混合用調節弁２
１を設けると共に、その分岐支管に排気弁２２と
空気取入弁２８をそれぞれ設け、前記空気調質装
置１５には調質用水の水槽２４をポンプ２５を介
装した水管２６によつて連結してある。このよう
にして調質室１内に各脈条傘６…，７…を備えた
加湿部２７を形成すると共に、該加湿部２７の下
方には室２８を設け、その下部にある排出口２９
…には回転翼車の排出弁３０Ａ，３０Ｂ，３０Ｃ
を脈条傘６，７に平行して横架し、排出口２９…
から流下した穀粒はスクリユーコンベア３１を経
て揚穀機３２により調質室１の穀粒供給口３３に
供給される。調質室１の上部室５には飛散機３４
を設けて穀粒供給口３３から流下する穀粒を室１
内に均一に流下するように形成してある。

上述の構成であるから、原料精白米を供給ホツ
パーに供給すると共に、揚穀機３２を回転して調
質室１内に供給し、加湿部２７の上部に漏風を防
ぐ天蓋となる穀粒層を形成するように図示する位
置まで貯留する。次に調質水を貯蔵した水槽２４
のポンプ２５と共に該装置の駆動部を起動する
と、水槽２４の調質水は空気調質装置１５内で超
微粒子の霧状となると共に、送風機１６から流入
する風力によつて湿風となつて調質室１の給風室
１１に供給される。給風室１１内の超微粒子の霧
状の湿風は給風用脈条傘６…から排風用脈条傘７
…に流れて排風室１２に排出され、その間加湿部
２７内の穀粒層の精白米はその温湿風によつて略
均一的に、かつ均量的にそれぞれ加湿されると共
に、その精白米は下部の各排出弁３０Ａ，３０
Ｂ，３０Ｃの回転翼車の回転により、順次に下部
の流穀槽に排出され、スクリユーコンベア３１、
揚穀機３２、穀粒供給口３３、飛散機３４を介し
て上部室５に返還され、該流動行程を所定回数循
環して所定の水分率に調質されて精白米は機外に
排出される。

そして前記調質室１の周壁２では、その二重壁
体構造の空間部を給風室１１と排風室１２に形成
して前記空気調質装置１５で発生した常温の温湿
風、またはその排風をそれぞれ充満して保温され
るから、前記周壁２の内側壁３内面に前記加湿部
２７の温湿風による結露水が生じないので、前述
した内側壁３面を流下する精白米の結露水の吸着
による胴割粒・砕粒等の発生は完全に防止でき、
また、循環風路において環流するから排湿風の機
外漏出は防止されると共に、排風エネルギーの有
効利用を達成できる等の効果がある。

第４図ないし第５図は本発明の別実施例であ
り、調質室１Ａの内部にその両側を多孔壁面にし
た穀粒流下路３５を適宜間隔を介して数条列連設
し、各流下路３５…の両側に給風路３６と排風路
３７を交互にそれぞれ配置すると共に、各給風路
３６…を二重壁体構造に形成した周壁２Ａ内の給
風室１１Ａに、また各排風路３７…を周壁２Ａ内
の排風室１２Ａそれぞれ連絡すると共に、返還風
路を設けた穀粒調質装置であるから、周壁２Ａ内
の給風室１１Ａおよび排風室１２Ａには常温の温
湿風またはその排風が充満され、常時その内側壁
３Ａ面が保温されて結露水が生じないので、前記
同様に結露水の吸着による胴割粒・砕粒等を完全
に防止できる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例図である。第１図は本装
置を一部切開した側面図、第２図はその正断面
図、第３図はその平断面図、第４図は別実施例の
一部切開した側面図、第５図はその正断面図であ
る。 １，１Ａ……調質室、２，２Ａ……周壁、３，
３Ａ……内側壁、４……外側壁、５……上部室、
６……給風用脈条傘、７……排風用脈条傘、８…
…通孔、９……通孔、１０……通気用風路、１
１，１１Ａ……給風室、１２，１２Ａ……排風
室、１３……劃壁、１４……ダクト、１５……空
気調質装置、１６……送風機、１７……送風口、
１８……排風口、１９……返還用風路、２０……
給風口、２１……混合用調節弁、２２……排気
弁、２３……空気取入弁、２４……水槽、２５…
…ポンプ、２６……水管、２７……加湿部、２８
……室、２９……排出口、３０Ａ，３０Ｂ，３０
Ｃ……排出弁、３１……スクリユーコンベア、３
２……揚穀機、３３……穀粒供給口、３４……飛
散機、３５……穀粒流下路、３６……給風路、３
７……排風路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部に穀粒供給口を下部に排出口を備えた調
   質室において、前記調質室の周壁を内側壁と外側
   壁とからなる二重壁体構造に形成してその空間部
   を通気用風路となし、該風路を給風室と排風室に
   区劃すると共に、前記給風室を空気調質装置に連
   絡したことを特徴とする穀粒調質装置。 ２ 前記排風室が、前記空気調質装置に返還用風
   路によつて連絡してある特許請求の範囲第１項記
   載の穀粒調質装置。