JPS6333796Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は包装兼陳列容器に係り、特にカメラ、
時計、小型卓状計算機等を包装並びに陳列するの
に適した容器に関する。

従来、カメラ、時計、小型卓上計算機などのよ
うに展示販売される物品の包装容器に於いては、
その物品を店頭に展示する場合には包装容器の蓋
を開け、その状態でシヨーウインドー等に陳列配
置するか、若しくは包装容器内部から物品を取出
し、専用の展示台に物品を陳列設置するようにし
ている。しかしながら前者の陳列方法は物品の陳
列が平面的になり立体感に乏しくて展示効果が少
なく、また後者に於いては物品を一々包装容器か
ら取出さなければならない繁雑さがあり、更に専
用の展示台を設けなければならない不具合があ
る。

本考案はこのような事情に鑑みて為されたもの
で、物品を容器内に入れた状態で陳列でき、しか
も陳列されている物品に立体感があつて展示効果
の優れた包装兼陳列容器を提案することを目的と
している。

本考案は、前記目的を達成するために、底面に
差込み孔が穿設された収納箱と、収納箱を閉じる
蓋箱と、収納箱の底面側から差込み孔を通つて収
納箱内に突出可能な突片を有する支持片とから成
り、前記支持片は蓋箱内で斜設された収納箱底面
と蓋箱との間に位置して収納箱を展示状態に支持
することを特徴としている。

以下添付図面に従つて本考案に係る包装兼陳列
容器の好ましい実施例を詳説する。

第１図は本考案に係る包装兼陳列容器の分解斜
視図で、１０は収納箱、１２はこの収納箱１０を
閉じる蓋箱、１４は収納箱１０と蓋箱１２とを連
結する支持片である。収納箱１０は第１図に示す
ように長方形状に形成され、その上面は開放して
物品の出し入れが出来るようになつており、底面
１６には矩形状の差込み孔１８が穿設されてい
る。この差込み孔１８からは後述する突片が収納
箱１０内に突出し、陳列時に収納箱１０内の物品
を前面に押し出すようになつている。また蓋箱１
２も収納箱１０と対応する長方形状に構成されて
いる。一方支持片１４には第１図に示すように略
コ字状の切込み２０が形成され、この切込み２０
によつて突片２２が構成されている。突片２２は
前記したように三辺が切込み２０によつて支持片
１４本体側と分離され、残された一辺が突片２２
の基端２４を形成する。また支持片１４の一方の
辺縁２６と平行に第１の折目２８が形成される。
第１の折目２８は突片２２の基端２４と同一線上
に形成され、基端２４の部分を残して形成され
る。この第１の折目２８と所定間隔を置いて第２
の折目３０が第１の折目２８と平行に形成され
る。

支持片１４に於いて辺縁２６と第１の折目２８
とで画成される帯状部は収納箱１０側との接着部
Ａを形成し、また第２の折目３０と他方の辺縁３
２とで画成される帯状部は蓋箱１２側との接着部
Ｂを形成し、また接着部Ａと接着部Ｂとの間の部
分は展示時に収納箱１０を支持する支持部Ｃを構
成する。即ち、支持片１４は一方の辺縁２６から
他方の辺縁３２に向けて、収納箱１０との接着部
Ａ、支持部Ｃ、蓋箱１２との接着部Ｂが折目２
８，３０を介して連接されている。支持片１４に
於いては接着部Ａと支持部Ｃとの合計幅が収納箱
１０の底面の幅に相当するように形成される。

前記の如く構成された収納箱１０、蓋箱１２、
支持片１４は次の如く組立てられる。第２図で示
すように支持片１４の接着部Ａは収納箱１０の底
面１６に接着され、また接着部Ｂは蓋箱１２の側
面３４の内側に接着される。この状態に於いて支
持片１４に形成される突片２２は収納箱１０の底
面１６に形成された差込み孔１８と対応する位置
に位置している。これで本考案に係る包装兼陳列
容器が完成する。第２図に於いて示すように蓋箱
１２は実線で示す位置が開放状態を示し、図の２
点鎖線で示す位置が閉じた状態を示している。こ
の状態で本考案に係る陳列容器は包装容器として
使用される。また蓋箱１２の開閉動作に於いて支
持片１４の第２の折目３０は蓋箱１２のヒンジ機
能を果たしている。

次に本考案に係る実施例を陳列容器として用い
る場合について説明する。第１の折目２８をヒン
ジ部として支持片１４を第３図で示すように折り
曲げ、収納箱１０を矢印Ｐ方向に回動し、支持片
１４の支持部Ｃを徐々に収納箱１０の底面から離
接させる。収納箱１０をＰ方向に回動すると差込
み孔１８と対応する位置にあつた突片２２が第３
図に示すように徐々に起立し、差込み孔１８から
収納箱１０内に突出する。この動作を進めて第４
図に示すように蓋箱１２を下側に位置させると共
に収納箱１０を蓋箱１２内で斜設させる。この状
態で収納箱１０は背面に於いて支持片１４の支持
部Ｃで支持され、前面に於いて蓋箱１２の側面３
６に当接して係止される。この状態にあつて突片
２２は差込み孔１８から突出し、第５図に示すよ
うに物品３８を前面に押し出す。

前記実施例によれば、収納箱１０の上面に蓋箱
１２を閉じた状態で包装容器として利用され、ま
た蓋箱１２を開放し、蓋箱１２を下にして収納箱
１０を斜設することにより陳列容器として利用す
ることができ、陳列時に於いて収納箱１０内の物
品３８は突片２２によつて前面に押し出され、陳
列時に立体感が呈出し、展示効果を上げることが
できる。また陳列時に於いて物品３８は収納箱１
０から前面に押し出されているので、容易に収納
箱１０から物品３８を取り出すことができる。し
かもこの陳列容器とするに当たつて容器の中の物
品を一々取り出すことなくワンタツチで陳列する
ことができる。

前記実施例では、支持片１４の両側は収納箱１
０と蓋箱１２とに接着されていたのであるが、支
持片は収納箱１０のみに接着し、蓋箱１２とは切
離してもよい。即ち、第６図に示すように支持片
４０は収納箱との接着部Ａと支持部Ｃとが折目４
２を介して構成され、第１図の実施例で設けられ
ていた蓋箱１２との接着部Ｂが形成されていな
い。このように形成された支持片４０は、包装箱
として用いられるときは収納箱１０の底面１６に
密着している。一方陳列時には支持片４０は第７
図に示すように支持部Ｃを収納箱１０の底面１６
から離し、収納箱１０を蓋箱１２内で斜設した状
態で支持する。この時、支持片４０に形成された
突片２２は差込み孔１８から突出し物品３８を前
方に押し出し、第１図乃至第５図の実施例と同様
に展示効果を上げることができる。

また、支持片４０は収納箱１０と蓋箱１２との
両方から切離し、収納箱１０の展示状態のときに
収納箱１０を斜設状態で支持するようにしてもよ
い。この場合には、支持片１４の接着部Ａの部分
は突片２２を残して切除してもよい。

前記実施例に於いては差込み孔１８、突片２２
の位置を変えることにより、収納箱１０に複数の
物品を収納する場合一物品のみを前面に押し出す
こともできるし、また突片２２の数を変えること
により複数の物品を同時にあるいは選択的に前面
に押し出すこともできる。また突片２２の大きさ
を変えることにより突出量を変え、物品の押し出
し量を調整することができる。更に前記実施例に
於いては差込み孔１８並びに突片２２は矩形状に
構成したのであるが、これに限定されるものでは
なく物品を前面に押し出す形状であればよく、円
弧状、三角形状の突片を形成してもよい。

前記実施例の容器を形成する材料は、薄板状材
料であればよく、紙、プラスチツク等の合成樹脂
材料を用いることができる。

以上説明したように本考案に係る包装兼陳列容
器によれば、陳列時に於いて容器内の物品は収納
箱を展示状態に支持する部材に形成された突片に
よつて収納箱内から押し出され前面に突出するの
で、陳列された物に立体感が呈出し、展示効果を
上げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る包装兼陳列容器の分解斜
視図、第２図は本実施例の包装兼陳列容器を組立
てた状態を示す断面図、第３図は本実施例に係る
包装兼陳列容器を陳列状態にするための動作を示
す斜視図、第４図は本実施例に係る包装兼陳列容
器を陳列状態にした状態を示す斜視図、第５図は
第４図の陳列状態に於ける本考案に係る実施例の
断面図、第６図は本考案に係る他の実施例で用い
られる支持片の斜視図、第７図は陳列状態に於け
る他の実施例の断面図である。 １０……収納箱、１２……蓋箱、１４……支持
片、１６……収納箱の底面、１８……差込み孔、
２０……切込み、２２……突片、２４……突片の
基端、２６……一方の辺縁、２８……第１の折
目、３０……第２の折目、３２……他方の辺縁、
３４……蓋箱の側面、Ａ……収納箱との接着部、
Ｂ……蓋箱との接着部、Ｃ……支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面に差込み孔が穿設された収納箱と、収納箱
   を閉じる蓋箱と、収納箱の底面側から差込み孔を
   通つて収納箱内に突出可能な突片を有する支持片
   とから成り、前記支持片は蓋箱内で斜設された収
   納箱底面と蓋箱との間に位置して収納箱を展示状
   態に支持することを特徴とする包装兼陳列容器。