JPS6332901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は流体噴射式織機の緯入方法及び装置
に関するものである。

今日における様に織機が高速化されるにともな
い、織機は始動時から定常運転状態に立上る迄数
回転を要するものである。この為、織機始動時に
定常運転時と同じ緯糸索引力でもつて、メインノ
ズルから拘束されていない緯糸を噴射させた場合
には織機の主軸の回転速度が遅いため、織機の主
軸からタイミングを取つて作動する緯糸に関連し
た諸装置との同期がとれないという問題が発生
し、種々のトラブルを引き起こしている。例えば
メインノズルの噴射のみによつて緯入を行なう型
式の織機においては緯入反対側に設けられたフイ
ーラとの周期がとれないといつた問題があり、メ
インノズル及び複数のサブノズルの噴射によつて
緯入を行なう型式の織機にあつては緯糸とサブノ
ズル噴射との周期がとれないといつた問題があ
る。

以下後者の型式の織機の緯糸とサブノズル噴射
との周期問題を例にとつて本発明について更に詳
しく述べる。

メインノズル及び複数のサブノズルの噴射によ
つて緯入を行なう型式の流体噴射式織機において
は、緯糸給糸体から引き出された緯糸は、１回の
緯入れに必要な長さに測長された後、緯糸貯留装
置内に一旦貯留され、爾後メインノズルの噴射に
より経糸開口中に送り込まれる。そして、緯糸は
複数のサブノズルのリレー噴射に助けられて緯糸
先端を伸ばされながら経糸開口内を飛走する。

この型式の流体噴射式織機に於いては、メイン
ノズルの噴射及び複数のサブノズルのリレー噴射
は織機の主軸のクランク角が所定の角度に達した
ときに行われるようになつている。

従つて、織機の始動時から定常運転に至る迄の
数回転においては、メインノズルからの緯糸飛走
速度は定常運転時と同じであるのに対し織機の主
軸の回転速度が遅いため、サブノズルの噴射タイ
ミングが遅れ、緯糸先端がサブノズルの位置に到
達したときに、サブノズルの噴射が行われていな
い状態となる。

このため、緯糸先端は充分に伸びきらずに経糸
開口中を飛走することになる。そうすると緯糸先
端が折れ曲つたりし、この折れ曲がつた状態で緯
打ちされたりする等の不都合が発生する。

この発明は織機始動時から定常運転に至る迄
の、織機の主軸の回転速度の遅れが原因で発生す
る緯入関係のトラブルを除去することを目的とす
る。

この発明の要旨とするところは、織機運転始動
時から定常運転に至る迄の間において、メインノ
ズルから噴射される緯糸の飛走速度を緯糸に抵抗
を付加することにより定常運転時よりも遅くしよ
うとするものである。

以下添付の図面に基づいて更に詳細にこの発明
について説明する。

第１図に示すのは、この発明の流体噴射式織機
の緯入方法に用いられる装置を示したものであ
る。即ち、メインノズル１と緯糸貯留装置３間に
はグリツパー５が設けられており、このグリツパ
ー５と緯糸貯留装置３との間には、上記メインノ
ズル１の緯糸繰出し方向とは異る方向に流体を噴
射して緯糸に抵抗を付加する第２の流体噴射ノズ
ル２が設けられている。緯糸貯留装置に一旦貯留
された緯糸は、この第２のノズル２内を通り、更
にグリツパー５を介してメインノズル１に至る。
そして、このメインノズル１より流体が噴射され
ると緯糸Ｙはこの流体及び所定のタイミングでグ
ループ別に噴射されるサブノズル８から噴射され
る流体に乗つて経糸開口中１０を飛走するもので
ある。

ところで、織機始動時から定常運転に至る迄の
間は前記した様に織機の主軸の回転は遅く、その
ため、メインノズル１から緯糸が噴射されて経糸
開口内１０に至つても、サブノズル８の噴射はい
まだ行われていない状態である。そうすれば定常
運転時における噴射力と同等の噴射力でもつて噴
射された緯糸Ｙは、サブノズル８からの補助噴射
を受けず先端が曲がつた状態で飛走する。

そこで、この織機始動時から定常運転に至る迄
の間、第２の流体噴射ノズル２から緯糸引出し方
向とは異る方向に流体を噴射させてやる。そうす
ればメインノズル１が貯留糸を引出す際に引出し
抵抗が加わる。

このため、メインノズル１より噴射された緯糸
Ｙの飛走速度は小さくなりこの結果緯糸先端が、
サブノズルの噴射パターンより先行しないことに
なる。

そして、織機始動後、定常運転状態に入つた後
は、当該ノズル２の噴射を停止してやる。そうす
ると定常運転後はメインノズル１は従来通りの付
加抵抗の無い引出し抵抗で緯糸を貯留装置から引
出せることになり、サブノズル８のリレー噴射中
に緯糸を送り込む。

尚、上記説明に於いては、第２の流体噴射ノズ
ル２をグリツパー５と緯糸貯留装置３間に設けた
が、これに限定されるものではなく、メインノズ
ル１とグリツパー５間に設けても良いことは勿論
である。

また、上記説明に於いては、第２の流体噴射ノ
ズル２内に緯糸を挿入してやつたが、この考案は
これに限定されるものではない。

即ち、第２図に示す様に、織機始動時から定常
運転に至る迄の間において、緯糸貯留装置３から
の緯糸引出し抵抗を増加させるために第２の流体
噴射ノズル２１を緯糸貯留装置３に貯留用流体噴
射ノズル３１と噴射方向が同一方向になる様に設
けてやつてもよい。

先ず、図示しない測長装置から測長された緯糸
は、貯留用噴射ノズル３１の噴射により貯留装置
３内に送り込まれ貯留される。織機の始動時から
定常運転に至る迄の間第２の流体噴射ノズル２１
が噴射する。この時、測長装置側の緯糸は測長装
置で拘束されているため、この第２流体噴射ノズ
ル２１から流体が噴射されると、メインノズル１
の噴射力によつて引出されていく緯糸に張力が掛
る。このためメインノズルから引き出されていく
緯糸に引出し抵抗が加わり、緯糸の飛走速度が定
常運転時に比べ小さくなる。そして定常運転後
は、前記の場合と同様この第２の流体噴射ノズル
２１から流体が噴射されない様に設定してやれ
ば、定常運転時には、緯糸に緯糸引出し抵抗がほ
とんど加えられず、正常な緯入れをすることがで
きる。

この発明の流体の噴射式織の緯入方法によれ
ば、織機始動後定常運転状態に入る迄の間、メイ
ンノズルの緯糸引出しに抵抗が加えられる。した
がつてこの間においてメインノズルから定常運転
時と同様の噴射力で噴射された緯糸が、サブノズ
ルの噴射に先走つて緯糸先端がサブノズルを通過
するといつたことはなくなる。

この発明は、織機始動後定常運転状態に入る迄
の間のみ、第２のノズル２，２１が噴射する様に
設定してやれば良いのであるが、実際問題として
運転開始ボタンを押圧しても、これと同時に第２
のノズル２又は２１の噴射が開始する訳ではな
い。したがつて運転開始ボタンの押圧前に操作さ
れる運転準備ボタンの押圧によつて噴射指令が出
る様に該ノズル２又は２１の噴射タイミングを設
定してやるのが好ましい。

以上においては緯糸の飛走速度を遅くする方法
として、緯糸引出しに抵抗を付加させる方法をと
り流体噴射ノズルを使つた場合について説明した
が、緯糸をグリツパー等で軽く挾持する等、機械
的なブレーキをかけてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の流体噴射式織機の緯入装置
を示した平面図、第２図はこの発明の流体噴射式
織機の緯入装置の第２の実施例を示した平面図で
ある。 １……メインノズル、２，２１……第２の流体
噴射ノズル、３……緯糸貯留装置、５……グリツ
パー、８……サブノズル、１０……経糸開口、３
１……貯留用噴射ノズル、Ｙ……緯糸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 織機運転始動時から定常運転に至る迄の間に
   おいて、メインノズルから噴射される緯糸の飛走
   速度を緯糸引出しに抵抗を付加することにより定
   常運転時よりも遅くする ことを特徴とする流体噴射式織機の緯入方法。 ２ メインノズル１と緯糸貯留装置３との間の所
   定の位置にメインノズルの流体噴射方向とは異な
   つた所定方向に流体を噴射すべく第２のノズル
   ２，２１が設けられており、 織機始動時から定常運転に至る迄の間において
   メインノズルの緯糸引出し方向と異る方向の抵抗
   を緯糸に与えるべく上記第２のノズルから流体が
   噴射する ことを特徴とする流体噴射式織機の緯入装置。 ３ 上記第２のノズル２内を緯糸が挿通してお
   り、 該第２のノズル２の流体噴射方向がメインノズ
   ル１の噴射方向とは反対方向に設定されている ことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の流
   体噴射式織機の緯入装置。