JPS633114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の分野〕 この考案は誘導加熱装置にかかり、特に温度プ
ローブを使つて誘導加熱動作の制御も行なえる誘
導加熱装置の改善に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

誘導加熱装置に代表される電磁誘導加熱調理器
にあつては通常、調理器本体内に内装した加熱コ
イルの出力調節で調理を行なうようにしている。
しかしながら、このような出力調節で調理を行な
うものは、出力の加減だけで鍋などを発熱させる
ことから、食品に対する温度制御としてはどうし
てもラフになりやすく、温度に敏感な食品の調理
は満足にできない欠点がある。

そこで、温度プローブを使つて細かい温度コン
トロールもできるようにした電磁誘導加熱調理器
が開発されている。この種の電磁誘導加熱調理器
としては、温度プローブに、温度センサー部とプ
ラグとを長尺なケーブルで連結したものを用い、
この温度プローブのプラグを調理器本体に設けた
差込部に脱着自在に接続して、温度センサーを差
込部を通じて調理器本体内に内装された誘導加熱
回路に接続し、これにより食品の温度にもとづい
た調理を行なうようにしている。

ところで、この種の電磁誘導加熱調理器は、第
１図でも示すように従来から調理器本体ａの上面
側に差込部ｂを設け、この差込部ｂの差込口に温
度プローブ（図示しない）のプラグを差込むよう
にしている。

ところが、このような調理器本体ａの上面側に
差込部ｂを設けた構造によると、温度プローブを
使用しないときの調理中、異物としての食品の汁
などがトツププレートｃを含めて調理器本体ａの
上面にこぼれたり、食品のかすなどが調理器本体
ａの上面にこぼれたりすると、それら汁、かすな
どが差込部ｂの差込口に入つて、絶縁不良や詰ま
りを生じてしまう不都合がある。このため、安全
性に劣り、また温度プローブを使用する際におい
ては信頼性にも問題を伴なつてしまうものであつ
た。しかも、調理器本体ａの上面側に差込部ｂを
設ける構造は、差込部ｂ、ならびにこの差込部ｂ
に差込まれるプラグが、鍋などの被加熱物の移動
ならびにトツププレートｃへのセツトなどの際、
差込部ｂあるいは差込部ｂから突出するプラグに
被加熱物などがきわめて干渉しやすく、差込部
ｂ、温度プローブのプラグが外力により破損して
しまうおそれが多大であつた。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、差込部ならびに温
度プローブのプラグで発生するトラブルを回避し
た安全性、信頼性、耐久性に優れる誘導加熱装置
を提供することにある。

〔考案の概要〕

この考案は、加熱装置本体の側部に凹所を設
け、この凹所に温度プローブのプラグを受ける差
込部を設けるとともに、上記凹所の奥行を差込ん
だプラグが凹所内から突出しない空間寸法に構成
することにより、差込部の凹所内の設置で加熱装
置本体上面から差込部への異物の進入を回避する
とともに、差込部に対する干渉を回避し、また凹
所の空間寸法で差込まれるプラグに対する干渉を
回避して温度プローブのプラグで発生するトラブ
ルを未然に防止しようとするものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案を第２図ないし第４図に示す一
実施例にもとづいて説明する。第２図中１は誘導
加熱装置の装置本体である電磁誘導加熱調理器の
調理器本体（以下、本体と称す）、２はその本体
１の上面側に装着したトツププレート、３はトツ
ププレート２に隣接して本体１の上面右側部に設
けたパネル面で調理ランプ４および出力表示部５
を配する表示パネル、６はフライド式の電源スイ
ツチ、７はスライド式の出力調節ノブである。ま
た本体１内には第４図に示すように、トツププレ
ート３に対向して加熱コイル８が設けられている
とともに、加熱コイル８を駆動するインバータ回
路を内蔵した電源回路部９、さらに上記電源スイ
ツチ６、出力調節ノブ７の操作を受けて電源回路
部９を制御する制御回路部１０がそれぞれ設けら
れていて、加熱コイル８を通じてトツププレート
２上に載置される被加熱物、たとえば鍋１１を発
熱させることができる誘導加熱回路２０を構成し
ている。

そして、このように構成される電磁誘導加熱調
理器は、温度プローブ１２を使つて調理を温度コ
ントロールのもとで細かく制御することができる
ようになつている。すなわち、温度プローブ１２
は第３図に示すように、長尺なケーブル１３の先
端部に杆状の温度センサー部１４を、基部に先端
にジヤツク部１５ａを備えるプラグ１５をそれぞ
れ連結して構成されている。また本体１の表示パ
ネル３に隣接した本体１の右側部には、その右側
部の幅方向全域に渡つて凹所１６が設けられ、こ
の凹所１６内の側面に、電源回路部９につながる
差込部１７が、上記電源スイツチ６および出力調
節ノブ７と共に配設されていて、第４図でも示す
ように、差込部１７に上記温度プローブ１２のプ
ラグ１５を脱着自在にに差込むことにより、温度
プローブ１２を用いた誘導加熱動作を適宜に行な
うことができるようになつている。したがつて、
差込部１７は凹所１６の設置ならびに本体１の側
部への設置により、本体１の上面からの異物、た
とえば食品の汁、かすなどに対してきわめて進入
しにくい位置に配設される。また凹所１６はその
凹所奥行がプラグ１５を差込部１７に差込んだと
きプラグ１５が凹所１６内から突出しない空間寸
法で構成されていて、差込部１７はもちろん、プ
ラグ１５も鍋１１等に対してきわめて接触（干
渉）しにくい構造となつている。加えて、温度プ
ローブ１２のプラグ１５には、ジヤツク部１５ａ
の基部側に位置してたとえば凹状に成形した円盤
形状のつば部１８が設けられていて、このつば部
１８を遮断部としてケーブル１３を伝わつて差込
部１７側へ流れようとする食品の汁や蒸気の凝縮
水（水滴）などの液体の侵入を防止できるように
なつている。

一方、被加熱物としての鍋１１には温度プロー
ブ１２に適したそれ専用の調理容器が用いられて
いる。ここで、その鍋１１について説明すれば、
第４図で示すように鉄、ステンレスなどの誘導加
熱に適した部材で構成した容器本体１１ａの底部
壁１１ｂに、上記温度プローグ１２の温度センサ
ー部１４の形状に対応したセンサー収容室１９を
設けて鍋１１を構成してなり、挿脱操作により、
センサー収容室１９内へ温度センサー部１４を収
容して温度プローブ１２を使つた調理を行なうこ
とにより専用の鍋１１との組合せで安定した温度
コントロールを得ることができるようになつてい
る。なお、鍋１１は調理用途に応じて、たとえば
天ぷら用、鉄板焼用、その他種々用意されている
ものである。

そして、このように構成された電磁誘導加熱調
理器を用いて専用の鍋１１ならびに温度プローブ
１２を使つた調理を行なうときには、食品を入れ
た鍋１１をトツププレート３上に正しく載せ、つ
いで、差込部１７に差込み接続した温度プローブ
１２の温度センサー部１４を鍋１１のセンサー収
容室１９内に挿入してセツトし、しかるのち電源
スイツチ６をON操作することにより、温度セン
サー部１４から調理する食品の温度情報がフイー
ドバツクされつつ加熱コイル８にその温度情報に
対応した高周波電流が電源回路部９から供給さ
れ、加熱コイル８で発生する高周波磁界を通じて
鍋１１にうず電流を発生させ、鍋１１を発熱させ
ることになる。しかして、食品は温度プローブ１
２による誘導加熱の動作制御により調理される。
なお、専用の鍋１１を用いないときは、温度プロ
ーブ１２の温度センサー部１４を直接食品に差込
めばよい。

また専用の鍋１１ならびに温度プローブ１２を
使用しないで調理を行なうときには、食品を入れ
た鍋１１をトツププレート３上にセツトしたの
ち、電源スイツチ６をON操作するとともに、出
力調節ノブ７を所要にセツトすることにより、加
熱コイル８を通じて鍋１１を発熱することにな
り、広範囲に渡つて調理を行なうことができる。

しかして、このような調理に際して、従来では
本体１の上面にこぼれる異物としての食品の汁、
かすが差込部１７に入つて差込口で絶縁不良、さ
らには詰まりを生じる問題、さらに差込部１７お
よびその差込部１７に差込まれたプラグ１５が鍋
１１等の移動、セツトの際干渉して差込部１７、
プラグ１５の破損をきたすなどの諸々の問題をき
たしたが、この考案では差込部１７は本体１の側
部に設けた凹所１６内に配備されることから本体
１の上面に食品の汁がこぼれても、また食品のか
すがこぼれても、凹所１６を形成する壁部に達す
るばかりで凹所１６内の差込部１７には至らず、
異物の差込部１７への進入を回避できるようにな
る。したがつて、差込部１７における絶縁不良、
詰まりを防止することができる。また凹所１６は
プラグ１５が凹所１６から突出しない空間寸法を
備えて構成されているので、差込部１７、ならび
プラグ１５は凹所１６にて外からの干渉に対して
保護され、差込部１７、プラグ１５に鍋１１等が
当たることを未然に回避することができるように
なる。したがつて、差込部１７、プラグ１５の外
力による破損を防止することができるのである。

かくして、差込部１７、温度プローブ１２で発
生するトラブルを簡単な構造で未然に回避するこ
とができ、安全性、信頼性、耐久性の向上を図る
ことができる。

なお、上述した一実施例では凹所に差込部の他
に電源スイツチ、出力調節ノブを設けて、差込部
のみならず電源スイツチ、出力調節ノズをも保護
するようにした最も好適なものを一例に挙げた
が、差込部のみを凹所に配設するようにしてもよ
い。

また上述した一実施例ではつば部を温度プロー
ブのプラグ部に設けたものを一例に示したが、つ
ば部はなくともよい。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、加熱装
置本体の側部に設けた凹所の差込部の設置で、加
熱装置本体上面から差込部への異物の進入を回避
することができるとともに差込部に対する干渉を
回避し、また凹所の空間寸法で、差込まれるプラ
グに対する干渉を回避することができるようにな
り、差込部ならびに温度プローブのプラグで発生
するトラブルを未然に防止することができる。し
たがつて、安全性、信頼性、耐久性に優れる誘導
加熱装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の誘導加熱装置を示す全体斜視
図、第２図ないし第４図はこの考案の一実施例を
示し、第２図は誘導加熱装置の全体斜視図、第３
図は差込部廻りならびに温度プローブを示す分解
斜視図、第４図はその差込部廻りならびに温度プ
ローブの使用状態を示す断面図である。 １……調理器本体（加熱装置本体）、１２……
温度プローブ、１５……プラグ、１６……凹所、
１７……差込部、２０……誘導加熱回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱装置本体に、プラグを有する温度プローグ
   を脱着自在に接続するようにした誘導加熱装置に
   おいて、上記加熱装置本体の側部に凹所を設け、
   この凹所に上記温度プローブのプラグを受けて誘
   導加熱回路へ接続する差込部を設け、かつ上記凹
   所はその凹所奥行が、プラグを差込部に差込んだ
   ときそのプラグが凹所内から突出しない空間寸法
   で構成されてなることを特徴とする誘導加熱装
   置。