JPS63284336A - 発泡コンクリ−ト用アンカ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、発泡気泡軽量コンクリート（以下ｒＡＬＣＪ
と称す）に固定されるアンカーに関するものである。

（従来技術及びその問題点） 例えば建築物の骨組みにＡＬＣ製のパネルを取付けて外
壁を構築するに際しては、従来、パネルの外面に座ぐり
を形成し、この座ぐり部分にボルトを挿通してパネル内
面側に突出させ、このボルトによりパネルを固定してい
た。

しかし、このような方法では、座ぐり部分の埋め戻しが
必要であるが、この埋め戻しに適する材料が存在しない
ことから、埋め戻し部分が剥離して脱落し易く、このた
め雨漏りが発生する等の不都合があった。また、パネル
にボルトを挿通する作業および上述の埋め戻し作業に足
場が必要であり、この足場の組立および撤去作業に多く
の時間と費用とを要するという不都合があった。

そこで、ＡＬＣ製のパネルに予めアンカーを固定してお
き、このアンカーを利用してパネルを取付ける方法が望
ましいが、従来はＡＬＣに十分強固に固定できるアンカ
ーが存在しなかった。

すなわち、従来のアンカーとして、例えば実公昭８（１
−２３５４３号公報に、スリットを有するスリーブの先
端部をコーンナツトに沿わせて拡径させるものが記載さ
れているが、このような従来のアンカーでは、スリーブ
の外周面がほぼ正確な円筒面であるため、拡径時に広い
面積でパネルの孔の壁面に当接することになり、スリー
ブのパネルへの食込みの抵抗が非常に大きく、食込み量
が少ないことから、アンカーの引抜力すなわち引張強度
が小さいという不都合があった。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本発明の発泡コンクリート
用アンカーは、上下両端部外周面にねじが形成されたね
じ軸と、このねじ軸の上端部に螺合する第１のナツトと
、前記ねじ軸の下端部に螺合しかつ外周面に回り止め用
突起が突設された第２のナツトとを設け、前記ねじ軸の
前記第１のナツトと第２のナツトとの間に、第１のスリ
ーブと、リング体と、第２のスリーブとを上から下へこ
の順に遊嵌させ、前記第１のスリーブの上半部外周面に
は、上端部内周面に第１のスリーブの上端面に係合する
係合突起が突設された筒状体を遊嵌させ、前記第２のス
リーブの内周面には、筒状の弾性体を装着し、前記第１
のスリーブに、第１のスリーブの下端から前記筒状体の
下端近傍に至る複数の第１のスリットを周方向適当間隔
おきに形成して複数の第１の舌片を形成すると共に、こ
れら第１の舌片を下開き状に拡径させ、前記第２のスリ
ーブに、上端から下端側に向かう所定長さの複数の第２
のスリットを周方向適当間隔おきに形成して複数の第２
の舌片を形成し、組立状態において、前記第１の舌片の
下端部と前記第２の舌片および前記弾性体の上端部とが
前記リング体の外周面に嵌合する構成とし、使用状態に
おいては、前記第１のナツトを締付けて前記第１および
第２の舌片を外周側に折曲させたときに、第１の舌片の
下面に第２の舌片の先端が当接する構成としたものであ
る。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図〜第１９図に基づいて
説明する。

第１図は本発明の一実施例における発泡コンクリート用
アンカーの半縦断正面図で、金属製のねじ軸１は第２図
からも明らかなように、上端部が大径に構成されており
、この大径部分にねじ２が形成されていると共に、下端
部にねじ３が形成されている。

前記ねじ輔１の上端部には金属製の第１のナツト５が螺
合しており、この第１のナツト５は第３図および第４図
からも明らかなように、外周が断面６角形で、内周には
軸方向全長にわたってねじ６が形成されており、このね
じ６が前記ねじ軸１のねじ２と螺合している。第１のナ
ツト５の外周には、上端部に溝７が形成されており、こ
の溝７が後述のＡＬＣパネルの穴にアンカーを挿入する
に際しての目印になるものである。

前記ねじ軸１の下端部には金属製の第２のナツト９が螺
合しており、この第２のナツト９は、第５図および第６
図からも明らかなように、内周に軸心方向全長にわたっ
てねじ１０が形成されており、このねじ１０が前記ねじ
軸１のねじ３と螺合している。第２のナツト９は上半部
が下半部よりも小径の２段構造になされており、下半部
の外周面には、後述のＡＬＣパネルに貫入する平面視略
３角形の２個の回り止め用突起１１が周方向に１８０度
の間隔をあけて突設されている。

前記ねじ軸１には、前記第１のナツト５よりも下側に金
属製の第１のスリーブ１３が遊嵌しており、この第１の
スリーブ１３は、第７図および第８図から明らかなよう
に、下半部に下端から上向きに延びる所定長さの４本の
第１のスリット１４が周方向適当間隔おきに形成されて
おり、これら第１のスリット１４の上端部は円形に形成
されている。これら４本の第１のスリット１４により第
１のスリーブ１３の下半部には４個の第１の舌片１５が
形成されており、これら第１の舌片１５の下端部は下端
側はど薄肉になるように内面がテーパ面になされている
。なおこれら第１の舌片１５は、組立前に第１図のよう
に外面側へ折曲し、全体的に見れば下端側はど大径とな
るように拡径させておく。

前記ねじ軸１には、前記第１のスリーブ１３よりも下側
に金属製のリング体１７が遊嵌しており、このリング体
１７は、第９図および第１０図からも明らかなように、
外周面が上端部を除いて下細り状のテーパ面１８を形成
している。

前記ねじ軸１には、前記リング体１７よりも下側に金属
製の第２のスリーブ２０が遊嵌しており、この第２のス
リーブ２０は、第１１図および第１２図からも明らかな
ように、上端から下端近傍に至る４本の第２のスリット
２１が周方向適当間隔おきに形成され、これら第２のス
リット１４により４個の第２の舌片２２が形成されてい
る。

前記第１のスリーブ１３の上半部には金属製の筒状体２
４が遊嵌しており、この筒状体２４は、第１３図および
第１４図からも明らかなように、上端部内周面に、前記
第１のスリーブ１３の上端面に係合する環状の係合突起
２５が一体に突設されていると共に、上端部外周面に環
状フランジ２６が一体に突設されている。またこの筒状
体２４の下端は、前記第１のスリーブ１３の第１のスリ
ット１４の上端近傍に位置している。

前記第２のスリーブ２０の内周面と前記リング体１７の
外周面との間には弾性体２８が装着されており、この弾
性体２８は弾性変形している。この弾性体２８は、第１
５図および第１６図からも明らかなように、弾性変形し
ていない状態では円筒状であり、ウレタンにより構成さ
れている。

次に作用を説明する。上記アンカーは、第１７図に示す
ような外観であり、ＡＬＣのパネル等に固定するに際し
ては、まず第１図のようにＡＬＣパネル３０に予め穴３
１を形成しておき、この穴３１にアンカーを挿入する。

この穴３１は、筒状体２４の環状フランジ２６と同一の
直径で、かつアンカーを第１のナツト５の溝７の位置ま
で挿入できる深さに形成しておく。第２のナツト９の回
り止め用突起１１は、穴３１の直径よりも大きいので、
アンカーの穴３１への挿入時には、アンカーを適当な工
具により穴３１に打込む。これにより回り止め用突起１
１の先端部がＡＬＣパネル３０を削り取りながら侵入し
ていくことになる。アンカーを第１のナツト５の溝７ま
で穴３１に挿入した状態では、第２のナツト９の下端が
六３１の底壁に当接し、筒状体２４の環状フランジ２６
外周面が穴３１の周壁に当接している。この状態で適当
な工具を用いて第１のナツト５を所定方向に回すと、第
２のナツト９の回り止め用突起１１がＡＬＣパネル３０
に食込んでアンカーの回転を阻止しているので、第１の
ナツト５は回転しながら下方へ進む。これにより、局状
態２４を介して第１のスリーブ１３が下方へ押込まれ、
第１のスリーブ１３の第１の舌片１５がリング体１７に
より外周側へ開かれると同時に、リング体１７が弾性体
２８を介して第２のスリーブ２０の内部に押込まれるの
で、第２のスリーブ２０の第２の舌片２２が外周側へ開
かれる。このとき、第１の舌片１５は当初から下開き状
に拡径しており、また第１の舌片１５の開かれる角度は
第２の舌片２２よりも大きいので、第２の舌片２２の先
端が第１の舌片１５の内面（開いた状態では下面）に当
接する。

なお、筒状体２４の下端は第１のスリット１４の上端近
傍に位置しているので、第１の舌片１５は筒状体２４の
下端に沿って正確に折曲され、外周側へ開かれる。第１
のナツト５の捩込みの進行にともなって、第１の舌片１
５および第２の舌片２２の開き角が大きくなり、第１の
舌片１５は穴３１の周壁に貫入していく。このとき、第
１の舌片１５は当初から下開き状に拡径しており、第１
の舌片１５の穴３１周壁への食込み角度が大きいので、
容易にかつ深く食込む。すなわち従来のアンカーでは、
ＡＬＣパネルの穴の周壁に当接する円筒状のスリーブの
先端部を拡径させて周壁に食込ませる構造であったので
、スリーブ先端部の広い面積で周壁を押圧することにな
り、食込みの抵抗か非常に大きく、はとんど食込ませる
ことができなかったが、この実施例のアンカーでは、穴
３１の周壁に第１の舌片１５が鋭い角度でその先端から
食込んでいくので、容易にかつ深く食込ませることがで
きる。かくして第１のナツト５を捩込んでいくことによ
り、第１８図のように第１の舌片１５がほぼ９０度開い
た状態になる。以上の固定作業において、筒状体２４の
環状フランジ２６が穴３１の周壁に当接しているので、
アンカーが穴３１の中で傾斜姿勢になってしまうことが
なく、アンカーの軸芯を穴３１の軸芯と正確に一致させ
ることができる。したがってアンカーの固定後にアンカ
ーを利用してＡＬＣパネル３０を取付けるに際して不都
合を生じることがない。

かくしてアンカーの固定が完了すれば、第１のナツト５
のねじ６に図外の頭なしボルトを螺合させることにより
、ＡＬＣパネル３０の裏面にボルトが突出した状態にな
るので、このボルトを利用してＡＬＣパネル３０を建築
物の鉄骨構造体等に取付けることができる。

固定後のアンカーは、第１の舌片１５がＡＬＣパネル３
０に深（食込んで９０度開いており、しかも第１の舌片
１５の下面に第２の舌片２２の先端が当接して、第２の
舌片２２が第１の舌片１５の支持梁として機能するので
、アンカーの引張強度が極めて大きい。この試験結果を
第１９図に示す。第１９図において、縦軸は引張強度、
横軸は変位量であり、実線ａは上記アンカーをＡＬＣパ
ネル３０の表側に打設した場合の特性、破線すは上記ア
ンカーをＡＬＣパネル３０の裏側に打設した場合の特性
、一点鎖線Ｃは従来のアンカーの特性をそれぞれ示して
いる。なお上記アンカーをＡＬＣパネル３０の表側より
打設した場合は３９５ｋｇの引張加重でＡＬＣが破壊し
、ＡＬＣパネル３０の裏側より打設した場合は４７３ｋ
ｇの引張加重でＡＬＣが破壊した。

（別の実施例） 上記実施例においては、第１のナツト５として長ナツト
を用いたが、必ずしもこのようにする必要はなく、例え
ばねじ軸１を長くして、第１のナツト５として通常のナ
ツトを用いてもよい。

また上記実施例においては、第２のナツト９をねじ軸１
のねじ３に螺合させたが、ねじ軸１全体の直径をねじ２
と同一にする場合、第２のナツト９はねじ軸１の下端に
固着してもよい。

また上記実施例においては、第１および第２のスリット
１４．２１を４本形成したが、これらは４本に限るもの
ではなく、任意の複数本形成すればよい。

また上記実施例においては、回り止め用突起１１を２本
形成したが、これは１本でもよいし、あるいは３本以上
であってもよい。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、第１のスリーブ
の下端から筒状体の下端近傍に至る複数の第１のスリッ
トを周方向適当間隔おきに形成して複数の第１の舌片を
形成すると共に、これら第１の舌片を下開き状に拡径さ
せたので、第１のナツトを捩込んでリング体により第１
の舌片を開かせた時に、アンカ一本体の沈み込みと同時
に第１の舌片が拡張するので、第１の舌片が先端から鋭
い角度で穴の周壁に食込み、したがって容易にかつ深く
第１の舌片がＡＬＣパネルに食込んでほぼ９０度開き、
しかも第２の舌片の先端が第１の舌片の下面に当接して
第２の舌片が第１の舌片の支持梁の機能を果たすことか
ら、従来のアンカーと比較して、ＡＬＣに極めて強固に
固定でき、引張強度が飛躍的に増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における発泡コンクリート用
アンカーの半縦断正面図、第２図はねじ軸の正面図、第
３図は第１のナツトの平面図、第４図は同正面図、第５
図は第２のナツトの平面図、第６図は同正面図、第７図
は第１のスリーブの平面図、第８図は同正面図、第９図
はリング体の正面図、第１０図は同底面図、第１１図は
第２のスリーブの平面図、第１２図は同正面図、第１３
図は筒状体の平面図、第１４図は同正面図、第１５図は
弾性体の平面図、第１６図は同正面図、第１７図は本発
明の一実施例における発泡コンクリート用アンカーの固
定前における外観斜視図、第１８図は同アンカーの固定
後における外観斜視図、第１９図は同アンカーおよび従
来のアンカーの引張強度の説明図である。 １・・・ねじ軸、２，３・・・ねじ、５・・・第１のナ
ツト、９・・・第２のナツト、１１・・・回り止め用突
起、１３・・・第１のスリーブ、１４・・・第１のスリ
ット、１５・・・第１の舌片、１７・・・リング体、２
０・・・第２のスリーブ、２１・・・第２のスリット、
２２・・・第２の舌片、２４・・・筒状体、２５・・・
係合突起、２６・：・環状フランジ、２８・・・弾性体 特許出願人　ヤヒロ鋼業株式会社 第１図 第７’７回 第１３図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）上下両端部外周面にねじが形成されたねじ軸と、
   このねじ軸の上端部に螺合する第１のナットと、前記ね
   じ軸の下端部に螺合しかつ外周面に回り止め用突起が突
   設された第２のナットとを設け、前記ねじ軸の前記第１
   のナットと第２のナットとの間に、第１のスリーブと、
   リング体と、第２のスリーブとを上から下へこの順に遊
   嵌させ、前記第１のスリーブの上半部外周面には、上端
   部内周面に第１のスリーブの上端面に係合する係合突起
   が突設された筒状体を遊嵌させ、前記第２のスリーブの
   内周面には、筒状の弾性体を装着し、前記第１のスリー
   ブに、第１のスリーブの下端から前記筒状体の下端近傍
   に至る複数の第１のスリットを周方向適当間隔おきに形
   成して複数の第１の舌片を形成すると共に、これら第１
   の舌片を下開き状に拡径させ、前記第２のスリーブに、
   上端から下端側に向かう所定長さの複数の第２のスリッ
   トを周方向適当間隔おきに形成して複数の第２の舌片を
   形成し、組立状態において、前記第１の舌片の下端部と
   前記第２の舌片および前記弾性体の上端部とが前記リン
   グ体の外周面に嵌合する構成とし、使用状態においては
   、前記第１のナットを締付けて前記第１および第２の舌
   片を外周側に折曲させたときに、第１の舌片の下面に第
   ２の舌片の先端が当接する構成としたことを特徴とする
   発泡コンクリート用アンカー。
2. （２）筒状体は、外周面に環状フランジが突設されてい
   る構成とした特許請求の範囲第１項に記載の発泡コンク
   リート用アンカー。