JPS6326089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は繰出容器に於ける化粧料充填口の閉止
機構に係るもので、従来口紅、アイシヤドー等の
棒状化粧料を繰出し使用する繰出容器に化粧料を
充填する場合は、繰出容器の後端に化粧料充填用
の充填口を開口して行なつているが、化粧料充填
後にこの充填口からごみ等が混入するのを防止す
るため、閉止蓋を接着剤により固着する方法が用
いられていた。しかしながらこの接着による方法
は極めて多くの手数を要するため、実公昭54−
14147号の如く嵌合本体を繰出容器に嵌合固定す
ることによつて、充填口と外部との連通を容易に
遮断し得るようにしたものが存在する。この方法
は組立作業が容易である利点を有するものの、一
度嵌合本体を繰出容器に固定してしまうと、これ
を取外すことができず、嵌合本体または繰出容器
の一方にのみ不良個所が存在しても不良品として
全体を廃棄しなければならないとか、組立を完了
した嵌合本体または繰出容器の内部検査を行う場
合に破壊検査を行なわねばならず不経済であると
ともに販売計画の変更により、組立を完了してい
る嵌合本体または繰出容器の一方を分離し、他の
別個の部品と組合わせて使用するようなことがで
きず、計画変更に対処できない欠点を有してい
た。

本考案は上述の如き欠点を除去したものであつ
て、適宜の繰出機構によつて本体内を出入する中
皿に化粧料の充填口を設けるとともにこの充填口
と連通する挿入開口の内周に係合段部を設けた保
持筒を繰出し機構に固定し、この保持筒の係合段
部に嵌合本体の一端に突出した弾性突片の外周を
弾性的に係合することにより、嵌合本体で挿入開
口を閉止するとともに嵌合本体の外端面から治具
の挿入孔を弾性突片の外周に臨ませて開口し、こ
の挿入孔より適宜の治具を挿入し弾性突片を内方
に弾性変形することにより弾性片と係合段部との
係合を解除し、嵌合本体を保持筒から分離可能と
して成り、保持筒の係合段部に嵌合した嵌合本体
の外端面から治具の挿入孔を弾性突片の外周に臨
ませて開口したものであるから、この挿入孔より
適宜の治具を挿入し弾性突片を内方に弾性変形す
ることによつて、弾性突片と係合段部との係合を
解除することが可能と成り、嵌合本体を保持筒か
ら分離可能としたから、嵌合本体または繰出容器
の一方にのみ不良個所が存在するときには、嵌合
本体と繰出容器を分離して一方のみを交換するこ
とができ、また組立を完了した嵌合本体または繰
出容器の内部検査を行う場合にも、破壊検査を行
なう必要がなく経済的であるとともに販売計画の
変更等を生じても、組立を完了している嵌合本体
または繰出容器を分離し、その一方を他の別個の
部品と組合わせて使用することができ、計画変更
等に容易に対処できるものである。

以下本考案の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、１は中皿で、アイシヤドー、口紅等の棒状化
粧料２を固定する固定口３を一端に形成するとと
もに棒状化粧料２形成用の液状化粧料組成物を充
填するための充填口４を固定口３と連通して他端
に形成している。この中皿１は従来公知の適宜の
繰出機構５によつて本体６内を進退するが、一実
施例に於ては外面の係合突起７を、内筒８の軸方
向直線溝９と中筒１１の螺溝に係合し、内筒８と
中筒１１を相対的に回転可能とすることにより繰
出機構５を構成している。また中皿１の充填口４
と連通する挿入開口１２を設けた保持筒１３を、
繰出機構５の内筒８一端に固定し、この保持筒１
３の挿入開口１２内周に係合段部１４を形成して
いる。この係合段部１４に、嵌合本体１５の一端
中央に割溝１６を介して突出した弾性突片１７の
外周段部１８を弾性的に係合することにより、挿
入開口１２を閉止している。また嵌合本体１５の
外端面から治具１９の挿入孔２０を弾性突片１７
の外周に臨ませて開口し、この挿入孔２０より治
具１９の固定片２１と可動片２２を挿入する。こ
の固定片２１は治具１９の保持部２３に固定軸２
４で不動的に固定されるとともに割溝２５により
弾性変形可能に形成され、固定片２１の外周に位
置する可動片２２は、発条２６により外部方向に
摺動自在に付勢されるとともに外端部から固定片
２１の先端部を外方に突出している。

このように形成した治具１９は第３図に示す如
く固定片２１と可動片２２を挿入孔２０から挿入
し、固定片２１を弾性突片１７外周のテーパー面
２７に突当てて押圧することにより弾性突片１７
を内方に弾性変形し、弾性突片１７と係合段部１
４との係合を解除し、嵌合本体１５を保持筒１３
から分離可能としている。このように嵌合本体１
５と保持筒１３は固定片２１のみによつても分離
が可能であるが、前述の如く可動片２２を設ける
ことにより可動片２２は保持筒１３の挿入開口１
２の内面に突当つた後に、押圧力によつて保持部
２３内方向に後退するから、可動片２２が突出し
第３図に示す如く相対的に弾性突片１７が挿入開
口１２の内面内に引込まれるものとなり、良好な
る分離を可能とすることができるものである。

本考案は上述の如く保持筒の係合段部に嵌合し
た嵌合本体の外端面から治具の挿入孔を弾性突片
の外周に臨ませて開口したものであるから、この
挿入孔より適宜の治具を挿入し弾性突片を内方に
弾性変形することにより、弾性突片と係合段部と
の係合を解除することが可能と成り、嵌合本体を
保持筒から分離可能としたから、嵌合本体または
繰出容器の一方にのみ不良個所が存在するときに
は、嵌合本体と繰出容器を分離して一方のみを交
換することができ、また組立を完了した嵌合本体
または繰出容器の内部検査を行う場合にも、破壊
検査を行なう必要がなく経済的であるとともに販
売計画の変更等を生じても、組立を完了している
嵌合本体または繰出容器の一方を分離し、他の別
個の部品と組合わせて使用することができ、計画
変更等に容易に対処できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので第１図は
断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３
図は治具による嵌合本体と保持筒の分離状態を示
す断面図である。 １……中皿、４……充填口、５……繰出機構、
６……本体、１２……挿入開口、１３……保持
筒、１４……係合段部、１５……嵌合本体、１７
……弾性突片、１９……治具、２０……挿入孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜の繰出機構によつて本体内を出入する中皿
   に化粧料の充填口を設けるとともにこの充填口と
   連通する挿入開口の内周に係合段部を設けた保持
   筒を繰出機構に固定し、この保持筒の係合段部に
   嵌合本体の一端に突出した弾性突片の外周を弾性
   的に係合することにより、嵌合本体で挿入開口を
   閉止するとともに嵌合本体の外端面から治具の挿
   入孔を弾性突片の外周に臨ませて開口し、この挿
   入孔より適宜の治具を挿入し弾性突片を内方に弾
   性変形することにより弾性突片と係合段部との係
   合を解除し、嵌合本体を保持筒から分離可能とし
   たことを特徴とする繰出容器に於ける化粧料充填
   口の閉止機構。