JPS632375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ワゴン・バン・トラツク等の自動
車の、車体後部下面に装着するスペアタイヤの保
持装置に関する。

（従来技術） 従来、車体後部下面に装着するスペアタイヤの
保持装置は、スペアタイヤを載せたタイヤハンガ
をクランプボルトに係合させて、クランプボルト
を締め込むことにより固定する方法（例えば実開
昭56−69575号）が一般に多く実施されている。

この場合、スペアタイヤを収納するのに、スペ
アタイヤを載せたタイヤハンガを片手で支え、他
方の手でクランプボルトをタイヤハンガに係合す
る必要があつた。

しかし、スペアタイヤは相当の重量があるの
で、これをタイヤハンガに載せた状態で片手で支
えることは容易なことではなく、特に女性ドライ
バーには無理な作業であり、走行中にパンクが発
生した時などタイヤ交換に難儀するものであつ
た。

（考案の目的） この考案は上記したような従来の問題点を解消
するために、両手でタイヤハンガを持ち上げたら
係止杆が自動的にタイヤハンガのフツク部材に係
合するようにして、楽にスペアタイヤの収納がで
きるようにしたものである。

（発明の構成） この考案は、車体後方の下面にスペアタイヤを
収納するようにした自動車において、車体下面に
基端を枢着して上下方向に回動自在とし、先端に
切り欠ぎが形成されたフツク部材を有するタイヤ
ハンガと、車体下面に揺動自在に垂下して取り付
けられ、上記タイヤハンガのフツク部材に係合す
る係止杆と、該係止杆に設けられ、タイヤハンガ
の持上時にタイヤハンガ上のスペアタイヤと、そ
の一部が当接して係止杆をタイヤハンガのフツク
部材に向けて回動させるガイド部材とからなる、
車両のスペアタイヤの保持装置である。

（実施例） 以下図面にもとづいて実施例を説明する。

実施例 １ 第１図は車両１の車体後部２の下側にスペアタ
イヤ３を保持した状態を示す側面図であつて、第
２図はスペアタイヤ３の保持装置部分を一部断面
にして示した詳細図で、スペアタイヤ３を載せる
タイヤハンガ４は基端５を車体６の下面のクロス
メンバ６ａに取り付けたブラケツト７に枢着し、
このタイヤハンガ４の先端には切り欠ぎ８を形成
したフツク部材９が取り付けられている。

１０は係止杆で、車体６の下面のクロスメンバ
６ｂに取り付けたブラケツト１１に揺動自在に枢
着して垂下し、下端にクランプボルト１２を螺合
してある。

この係止杆１０には、スペアタイヤ３の方向に
突出する棒状のガイド部材１３が設けてあり、さ
らに、ガイド部材１３の反対側にはスプリング１
４が車体６下面のクロスメンバ６ｂに固定したス
プリング受１５との間に張設されて、タイヤハン
ガ４が係合されていない場合は、第２図に示すよ
うに係止杆１０がスプリング１４によつて後方に
引き寄せられて傾斜し、従つてガイド部材１３に
下方に傾斜した状態となつている。

この状態からスペアタイヤ３を載せたタイヤハ
ンガ４を矢印Ａの方向に両手で持ち上げればスペ
アタイヤ３の後端上面がガイド部材１３に当接し
てガイド部材を持ち上げるから係止杆１０をブラ
ケツト１１を基点に矢印Ｂの方向にスプリング１
４に抗して回動され、係止杆１０の先端のクラン
プボルト１２がタイヤハンガ４の先端のフツク部
材９の切り欠ぎ８に自然に嵌り込んで係合するの
で、後はタイヤハンガ４から手を離しても落ちる
ことがなく、クランプボルト１２を締め込んで第
３図に示すようにスペアタイヤ３およびタイヤハ
ンガ４が固定されて装着を完了するものである。

スペアタイヤ３を取り出す時は、反対にクラン
プボルト１２を緩めればタイヤハンガ４が下がる
ので、スペアタイヤ３とガイド部材１３とが離れ
る傾向となるから、適当にクランプボルト１２が
緩んだ処でタイヤハンガ４を両手で支えて一寸浮
かすようにすれば、スプリング１４が係止杆１０
を引つ張つてクランプボルト１２をフツク部材９
から引き外すから、第２図の状態にタイヤハンガ
４を下げてスペアタイヤ３を取り出すことができ
るものである。

実施例 ２ 第４図は他の実施例を示すもので、前記した実
施例１のガイド部材１３が係止杆１０に突設した
棒状のものであつたのに代えてガイド部材１３ａ
を係止杆１０と車体６下面のクロスメンバ６ｃと
を斜めに連結したチエーンとしたもので、第４図
は装着を完了した処を示しており、スペアタイヤ
３の装着および取り出しは実施例(1)と同様であ
り、装着時にはスペアタイヤ３の後端上面がチエ
ーンからなるガイド部材１３ａに当接して係止杆
１０を引き寄せ、クランプボルト１２がフツク部
材９の切り欠ぎ８に自然に嵌り込むものである。

上記２つの実施例によれば、ガイド部材が機能
を発揮するスペアタイヤ収納時に加え、スペアタ
イヤ取出時にスプリングによりクランプボルトを
フツク部材から強制的に離脱することができるの
で、スペアタイヤ収納及び取出時に両手でタイヤ
ハンガを支えることができる。

なお、上記第２実施例のガイド部材１３ａはチ
エーンであるが、これに限定されるものではな
く、ワイヤー、ベルト等のすなわち係止杆と車体
下面のクロスメンバを連結し、上記チエーンと同
一の作用を発揮するものであれば何でもよい。

（考案の効果） このスペアタイヤ保持装置は、上記した構成に
よるため、重いスペアタイヤを装着するのに、従
来のように片手で支えて他方の手で係止杆を嵌め
たりする必要がないから、両手でスペアタイヤが
載つたタイヤハンガを持つことができるため、極
めて容易に装着ができ、非力な婦人であつても楽
に作業ができるから、走行中にパンク事故が生じ
てもタイヤ交換が簡単迅速に行い得る効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両にスペアタイヤを装着した状態を
示す側面図、２図はスペアタイヤの装着前を示す
一実施例の一部切断側面図、第３図は第２図の状
態からスペアタイヤの装着を完了した状態を示
す、一部を切断した局部拡大斜視図、第４図は他
の実施例によるスペアタイヤの装着完了状態を示
す、一部を切断した局部拡大斜視図である。 ３……スペアタイヤ、４……タイヤハンガ、６
……車体、８……切り欠ぎ、９……フツク部材、
１０……係止杆、１３，１３ａ……ガイド部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体下面に対して上下方向に回動自在に取り付
   けられ、先端に切り欠ぎが形成されたフツク部材
   を有するタイヤハンガと、車体下面に揺動自在に
   取り付けられ、上記フツク部材に係合する係止杆
   と、該係止杆に設けられ、タイヤハンガ持上時に
   タイヤハンガ上のスペアタイヤとその一部が当接
   して係止杆をタイヤハンガのフツク部材に向けて
   回動させるガイド部材とから成る、車両のスペア
   タイヤ保持装置。