JPS6323226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のリヤシート装置の改良に関す
る。

例えば特開昭55−4249号に開示されている第１
図のリヤシート６では、シートバツク５を前傾さ
せた後にシートクツシヨン３を前傾させる際に、
シートクツシヨン３背側の操作レバー１１でフツ
ク部材８を回動操作してストライカ７から離脱さ
せる必要があるので、その操作が煩わしいという
問題があつた。この場合、シートバツクに、フロ
アに設けたストライカと係合するフツク部材を設
け、シートバツク傾倒時に連動してこのフツク部
材を外すようにすることができるが、これでは、
シートバツク傾倒時にフツク部材が後方に突出す
るため、荷物等の積載スペースを阻害する恐れが
ある。

本考案は上記従来の問題点に鑑みてなされたも
ので、シートバツクの下部に車体フロアのストラ
イカと係脱自在なフツク部材を回動自在に取付け
て、該フツク部材にシートベルトと回動部材を取
付け、突起部を形成して、シートバツクにピン部
材を設けて、シートバツクの後傾時にはフツク部
材に回動部材でストライカ係合方向の回動力を与
えて係合の確実を保障する一方、シートバツクの
前傾時にはシートバツクのみを前傾させてフツク
部材を後方に突出させないようにすると共に、フ
ツク部材をピン部材でストライカ離脱方向に回動
させて別に手操作することなくストライカから自
動的に離脱させるようにしたものである。

以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第２図及び第３図に示すように、リヤシート１
５は、車体フロア１６に前端下部がヒンジ金具１
７で回動可能に取付けられるシートクツシヨン１
８と、該シートクツシヨン１８の後部両側のブラ
ケツト１９，１９にヒンジピン２０，２０で前傾
可能にヒンジ結合されたシートバツク２１とで構
成され、該シートバツク２１はシートバツクロツ
ク部材２２により、例えばリヤサスタワー２３に
対してロツクされると共に、上記シートクツシヨ
ン１８はフツク部材２４により車体フロア１６に
対してロツクされる。

上記シートバツクロツク部材２２は、一方のみ
しか図示しないがシートバツク２１の両側に取付
けられるブラケツト２５と、該ブラケツト２５の
支軸２６に回動自在に軸支されるレリーズレバー
２７と、リヤサスタワー２３に取付けられるスト
ライカ２８とよりなり、レリーズレバー２７はス
トライカ２８に係合する係合爪２９と操作用把手
３０とを備え、常時はばね３１によりストライカ
係合方向に付勢されている。

上記フツク部材２４は、シートバツク２１のヒ
ンジピン２０に回動可能に枢着され、下部には、
車体フロア１６の凹所１６ａに取付けたストライ
カ３４に後方から係脱可能なフツク３５が形成さ
れ、中間部には一方のリヤシートベルト３６の一
端部が取付けられている。

なお、フツク部材２４はヒンジピン２０に同軸
に枢着する必要は必ずしもなく、偏心した位置に
別のピンで枢着してもよい。

該フツク部材２４のシートバツク２１への取付
部（枢着部）近傍には回動部材である第１突起部
３７と第２突起部３８とが形成され、シートバツ
ク２１の側部には第１、第２突起部３７，３８の
間に位置するピン部材３９が植設されている。

該ピン部材３９は、シートバツク２１の後傾時
には第１突起部３７に当接してフツク部材２４を
右旋、つまりストライカ係合方向に回動させると
共に、シートバツク２１の前傾時には第２突起部
３８に当接してフツク部材２４を左旋、つまりス
トライカ離脱方向に回動させる。

なお、第４図に示すように、回動部材が、フツ
ク部材２４をブラケツト係合方向に付勢するばね
４０とすることもできる。この場合はシートバツ
ク２１の後傾時にはフツク部材２４がばね４０で
ストライカ係合方向に回動される。

上記のようなリヤシート装置であれば、第５図
のようにシートバツク２１の後傾時には、シート
バツク２１はシートバツクロツク部材２２でリヤ
サスタワー２３にロツクされると共に、シートク
ツシヨン１８は、シートバツク２１のピン部材３
９が第１突起部３７に当接してフツク部材２４が
ストライカ係合方向に回動されるのでストライカ
３４と係合してロツクされる。

つぎに、第６図のようにシートバツクロツク部
材２２のロツクを解除してシートバツク２１を前
傾させると、シートバツク２１のみが前傾して、
前傾直前にピン部材３９が第２突起３８に当接し
てフツク部材２４がストライカ離脱方向に回動さ
れるのでストライカ３４から離脱する。

このシートバツク２１の前傾時、フツク部材２
４はシートバツク２１の後方に突出しないので、
荷物４１をシートクツシヨン１８に沿わせて積込
むことができデツドスペーが生じない。

また、フツク部材２４がストライカ３４から自
動的に離脱されるので手操作でロツク解除操作す
る必要もない。

そして、シートクツシヨン１８を前傾させた場
合、フツク部材２４にリヤシートベルト３６が取
付けられているので、リヤシートベルト３６が車
体フロア１６に残らない。

以上の説明からも明らかなように、本考案は、
シートバツクの下部に車体フロアのストライカと
係脱自在なフツク部材を回動可能に取付けたもの
であるから、シートバツクのみが前傾するのでフ
ツク部材が後方に突出することがなくなり、安全
性が向上して荷室にデツドスペースが生じること
がなくなる。

また、シートバツクの後傾時は回動部材により
フツク部材のストライカ係合が確実であると共
に、シートバツクの前傾時はピン部材でフツク部
材をストライカ離脱方向に回動させるので自動的
にロツクが解除され、煩わしい手操作をする必要
がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリヤシート装置の側面図、第２
図は本考案に係るリヤシート装置の斜視図、第３
図は第２図の側面図、第４図はフツク部材の変形
例の要部側面図、第５図及び第６図はリヤシート
装置の作動分解側面図である。 １５……リヤシート、１６……車体フロア、１
７……ヒンジ金具、１８……シートクツシヨン、
２０……ヒンジピン、２１……シートバツク、２
４……フツク部材、３４……ストライカ、３５…
…フツク、３６……リヤシートベルト、３７……
第１突起部、３８……第２突起部、３９……ピン
部材、４０……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体フロアにシートクツシヨンの前部が回動
   可能に取付けられ、該シートクツシヨンの後部
   にシートバツクが前傾可能にヒンジ結合された
   リヤシートにおいて、 上記シートバツクの下部に、車体フロアに設
   けられたストライカと係脱自在なフツク部材が
   回動可能に取付けられていて、該フツク部材の
   中間部にはシートベルトの一端部が取付けら
   れ、該フツク部材のシートバツクへの取付部近
   傍には突起部が形成され、該フツク部材にはス
   トライカ係合方向の回動力を与える回動部材が
   取付けられ、上記シートバツクには、シートバ
   ツクの前傾時に上記突起部に当接してフツク部
   材をストライカ離脱方向に回動させるピン部材
   が設けられていることを特徴とする自動車のリ
   ヤシート装置。 (2) 上記回動部材は、シートバツクの後傾時に上
   記ピン部材に当接してフツク部材をストライカ
   係合方向に回動させる今一つの突起部でなるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項
   記載の自動車のリヤシート装置。 (3) 上記回動部材は、フツク部材をストライカ係
   合方向に付勢するばねでなることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の自動車の
   リヤシート装置。