JPH046980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車のシート装置に関する。

（従来の技術） 自動車のシート装置は例えば実開昭58−78229
号公報に示されるように構成される。

即ち、この構成では、シートが車室フロアに形
成されたシート支持面上に支持され、このシート
の前方で上記シート支持面よりも一段下つた位置
に着座者用足踏面が形成される。

また、同上シートが使用されない場合におい
て、フロア上の車室空間を有効利用するために、
このシートは足踏面の前部に収納可能とされてい
る。また、上記シートには枢支具により補助フロ
アパネルが上下回動自在に枢支されている。そし
て、上記のようにシートを収納して補助フロアパ
ネルを下方回動させたときには、この補助フロア
パネルが上記シート支持面の前縁部と枢支具とに
より支持されるようになつており、この補助フロ
アパネルの上面が荷受面となる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記補助フロアパネル上に荷物を載
せたときには、その荷重の一部は枢支具によつて
支持されることになるが、このような枢支具は十
分の強度を有しないものであるため、荷物の載置
によつて枢支具が容易に変形し、がたつきが生じ
るなどのおそれがある。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、シート支持面と、収納されたシート
との間に補助フロアパネルを支持させた場合に、
この支持が簡単な構成で、かつ、強固になされる
ようにすることを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、足踏面上にシートを収納して補助フ
ロアパネルを下方回動させたとき、この補助フロ
アパネルがシート支持面の前縁部と、シートの構
成部品であるスタビライザとに載置されるように
した点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

図において、１は自動車の車室フロアで、この
フロア１には車体の前後方向に離れて前部シート
支持面２と後部シート支持面３とが形成される。
そして、前部シート支持面２上に前部シート５が
支持され、後部シート支持面３上に支持部材６を
介して後部シート７が支持される。

上記両シートはそれぞれシートクツシヨン８
と、このシートクツシヨン８の後端に前後回動自
在に枢支されるシートバツク９とで構成される。
また、後部シート７はその前方回動でシートクツ
シヨン８上に折畳み可能とされ、後方回動でシー
トクツシヨン８と共に平坦面を形成する。

また、上記フロア１には後部シート７の前方で
上記後部シート支持面３よりも一段下つた位置に
着座者用足踏面１１が形成される。

上記支持部材６について詳しく説明する。

上記後部シート７のシートクツシヨン８前部に
おけるシートクツシヨンフレーム１２には後方に
向つて左右一対の支持アーム１３，１３が突設さ
れる。この各支持アーム１３の突出端に側面視が
くの字状の前部脚１５の上部が枢支され、同上前
部脚１５の下端が前後回動自在となつている。一
方、上記足踏面１１の後部に支持片１６が取り付
けられ、上記前部脚１５の下端が上記支持片１６
に支軸１６ａを介して枢支されている。つまり、
上記シートクツシヨン８の前部から下方に向つて
左右前部脚１５，１５が突設されている。また、
左右前部脚１５，１５は車幅方向に延びるスタビ
ライザ１７で連結される。

そして、前部脚１５の長手方向中途部に突設さ
れた支持ピン１８が支持アーム１３の下面に当接
することで、後部シート７前部の上記支軸１６ａ
を中心としたそれ以上の下方回動が阻止され、こ
れによつて、後部シート７の前部がフロア１上に
支持されている。

一方、同上シートクツシヨン８の後部下面には
緩衝ゴム１９が突設され、かつ、後部脚２０が枢
支されている。この後部脚２０の回動端は緩衝ゴ
ム１９の下面よりも下方に向つて突出され、後部
シート支持面３の上面に当接し、これによつて、
後部シート７の後部が後部シート支持面３上に支
持されている。

また、上記後部シート７を上記後部シート支持
面３上にロツク可能とするロツク手段２３が設け
られる。次に、このロツク手段２３について説明
する。

上記各支持アーム１３には第１枢支軸２４を介
して係止アーム２５が枢支される。この係止アー
ム２５の下部回動端には係止切欠２６が形成さ
れ、この係止アーム２５は上記支持ピン１８に係
合可能とされる。そして、この係合によつて後部
シート７と前部脚１５との相対移動が阻止され、
後部シート７が後部シート支持面３上にロツクさ
れる（各図実線図示）。また、係止切欠２６が支
持ピン１８に係合するように係止アーム２５を弾
性的に付勢する第１ばね２８が設けられる。

また、上記各支持アーム１３には第２枢支軸２
９を介して上記係止切欠２６と支持ピン１８の係
合を解除させ、後部シート支持面３上に対する後
部シート７のロツクを解除させる操作レバー３０
が設けられる。

上記操作レバー３０は第２枢支軸２９の位置か
ら下方に向つて延びる把持操作部であるレバー本
体３１と、このレバー本体３１の回動に伴つて回
動するロツク解除アーム３２とで構成される。ま
た、上記レバー本体３１を後方に向つて回動させ
るように弾性的に付勢する第２ばね３３が設けら
れる。また、左右レバー本体３１，３１はスタビ
ライザ３４で連結される。

そして、この第２ばね３３の弾性力に抗してレ
バー本体３１を前方回動させれば、ロツク解除ア
ーム３２が第１ばね２８の弾性力に抗して係止ア
ーム２５の上部回動端を押動し係止切欠２６と支
持ピン１８の係合が解除され、つまり、ロツク手
段２３のロツク動作が解除される。

そして、上記したようにレバー本体３１の前方
回動で、ロツク手段２３のロツク動作を解除させ
れば、上記シートクツシヨン８と各前部脚１５と
が相対回動可能となる。

一方、上記ロツク手段２３をロツク動作させ
て、同上シートクツシヨン８の前部から各前部脚
１５が下方に向つて突出する状態にロツクさせ、
かつ、後部シート７のシートバツク９をシートク
ツシヨン８上に折畳んだ状態で、前記支軸１６ａ
を中心として後部シート７を前方に押動すれば、
後部シート７はシートクツシヨン８とシートバツ
ク９が折畳まれた状態で起立姿勢とされ、足踏面
１１の前部位置に収納される（第１図中一点鎖線
図示）。

上記構成において、後部シート支持面３の前縁
部と、シートバツク９をシートクツシヨン８上に
折畳んだ状態で足踏面１１上に起立姿勢とされた
後部シート７との間にこの後部シート支持面３と
ほぼ面一となるような補助フロアパネル３６が設
けられる。

上記補助フロアパネル３６の前端は前部連結手
段３７を介して支持アーム１３に連結される。一
方、補助フロアパネル３６の後端は後部連結手段
３８を介して後部シート支持面３の前縁部に連結
される。

上記前部連結手段３７は各支持アーム１３に突
設された連結ピン３９と、この連結ピン３９に枢
支される連結板４０とを有している。そして、こ
の連結板４０と補助フロアパネル３６前端とがボ
ルト４１にてねじ止めされ、これによつて、補助
フロアパネル３６は支持アーム１３に上下回動自
在に枢支されている。

一方、上記後部連結手段３８は後部シート支持
面３の前縁部にねじ止めされたブラケツト４３
と、上記補助フロアパネル３６の回動端に取り付
けられゴム等の弾性板４４を介してブラケツト４
３上に支持される係止板４５とで構成される。

上記ブラケツト４３と係止板４５の車幅方向寸
法は補助フロアパネル３６の車幅方向寸法とほぼ
同じとされ、これらブラケツト４３と係止板４５
とは車幅方向の全体にわたり弾性板４４を介して
面接触している。そして、上記係止板４５はブラ
ケツト４３の前縁に当接して補助フロアパネル３
６が後方移動することを阻止する。

上記の場合、補助フロアパネル３６の前部は後
部シート７の構造物であるスタビライザ１７上に
載置され、この補助フロアパネル３６の下面は後
部シート７に車幅方向全体にわたり当接する。

また、上記補助フロアパネル３６を上方に回動
させれば、ブラケツト４３に対する係止板４５の
係止が解除される。そして、図示しないがこの補
助フロアパネル３６の回動端はシートバツク９の
後端下面に係脱自在に係止され、この状態で後部
シート７は前部シート支持面２上に支持可能とさ
れる。

（考案の効果） この考案によれば、足踏面上にシートを収納し
て補助フロアパネルを下方回動させたとき、この
補助フロアパネルがシート支持面の前縁部と、シ
ートの構成部品であるスタビライザとに載置され
るようにしたため、上記補助フロアパネル上の荷
物の荷重は、シート支持面とスタビライザとで支
持されるのであつて、この場合、これらシート支
持面やスタビライザは、その機能上十分の強度を
有しているものである。よつて、上記支持は、従
来、枢支具でなされていたことに比べて十分強固
となる。しかも、この支持には、車室フロアやシ
ートの一部が有効利用されるため、上記支持は簡
単な構成によつて得られるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は後部シ
ートを収納する場合の全体側面図、第２図は第１
図の部分拡大図、第３図はロツク手段の斜視図、
第４図は補助フロアパネルを後部シート支持面と
シートとの間に位置させた場合の側面図、第５図
は第４図における補助フロアパネルの前部支持部
の斜視図である。 １……フロア、３……後部シート支持面、７…
…後部シート、８……シートクツシヨン、１１…
…足踏面、１５……前部脚、１７……スタビライ
ザ、３６……補助フロアパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室フロアにシートを支持するシート支持面を
   形成すると共に、このシート支持面の前方でこの
   シート支持面よりも一段下つた位置に上記シート
   におけるシートクツシヨン上の着座者用足踏面を
   形成し、上記シートクツシヨンの前部から下方に
   向つて左右前部脚を突設し、これら前部脚同士を
   互いに連結するスタビライザを設け、上記各前部
   脚の下端を上記足踏面上に枢支し、この枢支部を
   中心としたシートの前方回動で、このシートを上
   記足踏面上に収納可能とし、同上シートに補助フ
   ロアパネルを上下回動自在に枢支した自動車のシ
   ート装置において、上記足踏面上にシートを収納
   して補助フロアパネルを下方回動させたとき、こ
   の補助フロアパネルがシート支持面の前縁部とス
   タビライザとに載置されるようにしたことを特徴
   とする自動車のシート装置。