JPS6321097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電池時計、カメラ、電子計算機等の電
子機器の電池の保持装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の電子機器の電池の保持装置には、電池の
上面より押エバネ等で固定するもの、ムーブメン
トとケースの裏蓋等により電池を挾持するもの、
及び導通をとるための端子部材の側面にかかる力
によつて電池を保持するものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし前述の従来技術において、電池の上面よ
り押えバネ等で固定するもので、電池の出し入れ
の際にその都度押えバネ等を固着させているネジ
を取りはずさなければならず不便であるという問
題点と、押えバネの分だけムーブメントが厚くな
るという問題点を有していた。またムーブメント
とケースの裏蓋等により電池を挾持するものはム
ーブメント単体で電池を保持することができず、
電池との導通がとれないため組立時におけるムー
ブメント単体でのチエツク、あるいは精度調整等
のための特別の治具を用いる必要があつた。また
導通をとるための端子部材の側面にかかる力によ
つて電池を保持するものは、端子部材の形状が複
雑であるという問題点を有していた。

そこで本考案はこのような問題点を解決するも
ので、その目的とするところは、電池の出し入れ
が容易にでき、かつムーブメント状態で電池を保
持できる電池の保持装置を提供するところにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の電池の保持装置は、電池の外周を包囲
して該電池を保持する収納部８を有するプラスチ
ツク枠１と、前記電池の電極と導通をとるため
に前記電池を側面より押圧する弾性を有する金属
板３と、前記電池の電極を押圧する弾性を有す
る金属板４とを具備した電池の保持装置におい
て、前記プラスチツク枠１は、前記収納部８の内
周８ａより突出し電池を挾んで対向する少くとも
２個の突起５と、前記収納部８の外側で前記突起
５と対向する位置に前記収納部８の内周形状に沿
つて伸長するよう設けられた長穴６と、前記突起
５を有する収納部８の内周８ａと前記長穴６との
間の残肉部により形成され、弾性的に撓み変形し
得る弾性部９と、前記収納部８の内周８ａに形成
された電池取り出し用のこじあけ溝７とを一体に
有し、前記突起５が前記弾性部９の弾性撓み変形
により前記金属板３及び４のバネ力より大きな力
で前記電池を側面より弾圧し保持して成ることを
特徴とする。

〔作用〕

本考案の上記の構成によれば、電池の装着時
は、金属板３及び４が電池を収納部８より飛び出
させようとする力で押圧するが、突起５が弾性部
９の弾性撓み変形により金属板３及び４のバネ力
より大きな力で電池を側面より弾圧するため、電
池は収納部８内に安定的に保持される。この時の
弾性部９は、長穴６が収納部８の内周形状に沿つ
て伸長するのに伴つて弾性的に撓み、撓みにより
生じたバネ力を突起５に伝えて突起５と電池を圧
接させる。

〔実施例〕

本考案の実施例を電池時計の例を用いて説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す平面図であ
り、第２図は第１図をａ−a′、ｂ−b′で切断した
断面図である。

第１図及び第２図において、１はプラスチツク
枠、２は電池、３は電池の電極と導通をとるた
めに電池２を側面より押圧する弾性を有する金属
板、４は電池の電極を押圧する弾性を有する金
属板である。プラスチツク枠１は電池２の外周を
包囲して電池２を保持する収納部８を有す。５は
収納部８の内周８ａより突出し電池２を挾んで対
向する２個の突起である。収納部８の外側で各突
起５と対向する位置には、長穴６が収納部８の内
周形状に沿つて伸長するよう設けられている。突
起５を有する収納部８の内周８ａと長穴６との間
の残肉部は、弾性的に撓み変形し得る弾性部９が
形成される。７は収納部８の内周の一部に形成さ
れた電池取り出し用のこじあけ溝である。上記収
納部８、突起５、長穴６、弾性部９、溝７はプラ
スチツク枠１に一体に成型されている。従つて、
収納部８、突起５、弾性部９、長穴６、溝７のす
べてが一工程でプラスチツク成型でき、製造が容
易であるとともに、組立も一度の組込操作ですべ
ての部品を組み込むことができ、組立工程も少
く、コスト低減に非常に効果がある。

以上の構成において、電池２を収納部８に装着
する時は、弾性部９のバネ力に抗して電池２を圧
入するだけで電池の電極と金属板３，４とが
夫々圧接して確実に導通がとれる。この時金属板
３及び４は、電池２を収納部８より飛び出させよ
うとする力で押圧するが、突起５が弾性部９の弾
性撓み変形により金属板３及び４のバネ力より大
きな力で電池２を側面より弾圧するため、電池２
は収納部８内に安定的に保持される。この時の弾
性部９は、長穴６が収納部８の内周形状に沿つて
伸長するのに伴つて弾性的に撓み、撓みにより生
じたバネ力を突起５に伝えて突起５と電池２とを
圧接させるものである。従つて、寸法精度のバル
ツキを吸収でき、安定したバネ力が得られるとと
もに、弾性的撓み変形を利用していることによ
り、バネ力の劣化が少く、電池を長時間確実に保
持できる。このようにプラスチツク枠１と一体の
弾性部９の弾性撓み変形により電池２が保持され
るので、電池保持用に電池押え板のような格別の
弾性保持部材を用いる必要がない。従つて電池を
保持するために小さく取り扱いにくい部品を組立
の過程で組み込む必要がなく組立作業が容易とな
り、また、電池交換時にもそのような部品を取り
扱う面倒や紛失を心配する必要がないため、電池
を容易に交換できる。更に、格別の弾性保持部材
を必要としない分、部品点数を削減でき、コスト
ダウン、軽量化が可能となる。またプラスチツク
枠１と一体の突起５が弾性部９の弾性的な撓み変
形を利用して電池２を側面より弾圧し保持するこ
とにより、時計のムーブメント単体で電池の保持
ができ、かつ、弾性を有する金属板３，４により
導通をとることができるため、組立時における時
計の時間調整、機能チエツクが容易となる。更
に、腕時計においては特に薄型であることが商品
価値を高める大きな要素となるので非常に有利と
なる。

電池２を収納部８より取り出す時は、金属板３
及び４が電池２を飛び出させる方向にある程度の
力を加えているので、こじあけ溝７にピンセツト
などを差し込み軽くこじあけるだけで容易に電池
を取り出せる。

また、時計携帯時等における大きなシヨツクに
よりたとえ電池が浮き上がつても、の金属板４
が弾性を有しているため、裏ブタが電池を押えこ
の浮き上がつた電池２に金属板４が追随するの
で、導通は確実に保たれる。

尚、以上電池時計を実施例にあげて説明してき
たが、上述した本考案の構成をカメラ、電子計算
機等の電子機器に応用しても同様の効果が得られ
ることはいうもでもない。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば以下の効果が
得られる。

ａ 収納部８を有するプラスチツク枠１が、突起
５を有する収納部８の内周８ａと長穴６との間
の残肉部により形成され弾性的に撓み変形し得
る弾性部９を一体に有し、突起５が弾性部９の
弾性撓み変形により金属板３及び４のバネ力に
より大きな力で電池を側面より弾圧し保持する
ことにより、プラスチツク枠１と一体の弾性部
９の弾性に抗して電池を収納部８に圧入すれば
電池が容易に保持され、電池押え板のような格
別の弾性保持部材を用いる必要がなく、又、電
池を圧入するだけで電池の電極と金属３，
４とが夫々圧接して確実に導通がとれるもので
ある。従つて、電池を保持するために、小さく
て扱いにくい別部品の弾性保持部材を組立時に
組み込む必要がなく、組立作業が容易になると
いう効果と、電池交換時にそのような部品を取
り扱う面倒や紛失を心配する必要がなく、電池
を容易に交換できるという効果を有す。また、
電池押え板のような格別の弾性保持部材を必要
としない分、部品点数を削減でき、コストダウ
ン、軽量化が可能となる。

ｂ 弾性部９は、突起５を有する収納部８の内周
８ａと長穴６との間の残肉部により形成され、
弾性的に撓み変形し得るので、突起寸法にバラ
ツキがあつても安定したバネ力が得られ、製品
毎の電池の押し込み力を一定に保つことができ
るメリツトを有す。また、弾性的撓み変形を利
用していることにより、バネ力の劣化が少く、
電池を長時間確実に保持できる。

ｃ 突起５が弾性部９の弾性撓み変形により金属
板３及び４のバネ力より大きな力で電池を側面
より弾圧し保持することにより、電子機器のム
ーブメント単体で電池を保持することができ、
且つ、弾性を有する金属板３及び４により導通
を確実にとることができるため、組立時におけ
る機能チエツクが容易になる。

ｄ プラスチツク枠１が収納部８、突起５、弾性
部９、長穴６、溝７を一体にすることにより、
これらの全部材を一工程でプラスチツク成型で
き、製造が容易であるととも、組立も１度の組
込操作で全ての部品を組込むことができ、組立
工程も少く、コスト低減に非常に効果がある。
尚、プラスチツク枠１が収納部８の内周に形成
された電池取り出し用のこじあけ溝７を一体に
有することにより、溝７を一体に有することに
より、溝７にピンセツトなどを差し込み軽くこ
じるだけで電池を容易に取り出せる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電池の保持装置の一実施例を
示す平面図、第２図は第１図をａ−a′、ｂ−b′で
切断した断面図。 １……プラスチツク枠、２……電池、３，４…
…金属板、５……突起、６……長穴、７……こじ
あけ溝、８……収納部、８ａ……電池収納部８の
内周、９……弾性部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電池の外周を包囲して該電池を保持する収納部
   ８を有するプラスチツク枠１と、前記電池の電
   極と導通をとるために前記電池を側面より押圧す
   る弾性を有する金属板３と、前記電池の電極を
   押圧する弾性を有する金属板４とを具備した電池
   の保持装置において、 前記プラスチツク枠１は、 前記収納部８の内周８ａより突出し電池を挾ん
   で対向する少くとも２個の突起５と、 前記収納部８の外側で前記突起５と対向する位
   置に前記収納部８の内周形状に沿つて伸長するよ
   う設けられた長穴６と、 前記突起５を有する収納部８の内周８ａと前記
   長穴６との間の残肉部により形成され、弾性的に
   撓み変形し得る弾性部９と、 前記収納部８の内周８ａに形成された電池取り
   出し用のこじあけ溝７とを一体に有し、 前記突起５が前記弾性部９の弾性撓み変形によ
   り前記金属板３及び４のバネ力より大きな力で前
   記電池を側面より弾圧し保持して成ることを特徴
   とする電池の保持装置。