JPS6320494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクリアランス調整装置関わり、更に詳
細にはシヤリングマシンにおける自動クリアラン
ス調整装置に関するものである。

シヤリングマシンの一つであるブランキングシ
ヤーは、直交する２辺からなる下刃をテーブル上
に備え、この下刃に対応する直交する２辺からな
る上刃を備えたラムが下刃に対して昇降駆動され
て、板状ワークの一隅から２辺を一挙に切断して
角形のブランク（プレス用素材）を得るシヤリン
グマシンである。

シヤリングマシンである以上、ワークの厚さに
よつて上下の刃のクリアランス（間隙）を適宜に
調整しなければならない。

本考案は上記したクリアランス調整を遠隔操作
で安全で容易に行なう装置を提供する目的でなさ
れたものである。

以下に本考案の好適実施例を図面にもとづいて
詳細に説明する。

第１図．第２図は本考案を実施する前のブラン
キングシヤー１である。

ブランキングシヤー１は第１図に明らかなよう
に、下部テーブル３と上部フレーム５との間にギ
ヤツプ部７を備えたＣ字形の構造をしていて、下
部テーブル３には直交する第１下刃９と第２下刃
１１とが固定してある。

前記した第１と第２の下刃に対応する第１上刃
１３と第２上刃１５を備えたラム１７が第１下刃
９に平行な偏心軸１９のまわりを例えば第４図に
示したクランク軸２１に駆動されて揺動昇降して
切断作業を行なう。

前記した偏心軸１９の一方の外端（第１図の手
前側端）にはセクタギヤー２３が固定してあつ
て、セクタギヤー２３の上方の上部フレーム５に
設けた第１調整ハンドル２５と同軸で回転するピ
ニオンギヤー２７が上記したセクタギヤー３と係
合している。

したがつてレバー付きロツクボルト２９をゆる
めて第１調整ハンドル２５を任意の方向に回動す
ることで、偏心軸１９が回動し第１下刃９と第１
上刃１３のクリアランスを任意に調整することが
できる。

他方でラム１７は、ラム１７の第２上刃１５を
設けた辺にブラケツト３１・ピン３３・弾機３５
を介し、更に引張りボルト３７がラム１７の対辺
の円弧孔３９を貫いて上部フレーム５にとりつけ
てあるために、偏心軸１９の長手方向（第２図の
−Ｙ方向）に引きつけられている。

ラム１７の外側にスライドプレート４１が設け
てあつて、ラム１７を偏心軸１９の長手方向（Ｙ
−Ｙ方向）に位置を調整する調整装置４３の一部
をなすスライドパツド４５とスライドパツド押え
４７とが設けてある。

前記したスライドパツド押え４７は、上部フレ
ーム５に固着したナツト部材４９と螺合する螺子
部材５１によつてＹ軸方向に進退して、スライド
パツド４５と当接するスライドプレート４１の昇
降する位置が規制される。

言い換えれば前記した螺子部材５１がナツト部
材４９と螺合する角度位置によつて第２下刃１１
と第２上刃１５とのクリアランスが調整できるの
である。

前記した螺子部材５１・５１には第１図に明ら
かなように同寸同形のリンク５３・５３が固着し
てあつて、上部フレーム５の側壁には同寸同形の
駆動リンク５５が軸５７に固着してあり、２つの
リンク５３と駆動リンク５５が平行を保つて揺動
するように連杆５９がピン６１によつて連結され
ている。

前記した軸５７にはセクタギヤー６３が固着し
てあつて、第２調整ハンドル６５に設けたピニオ
ンギヤー６７と係合している。

したがつてレバー付きロツクボルト６９をゆる
めて第２調整ハンドル６５を適宜に回動すること
で第２下刃１１と第２上刃１５との間のクリアラ
ンスを調整することができるのである。

以上説明したブランキングシヤー１は第１調整
ハンドル２５を手動操作することで第１下刃９と
第１上刃１３のクリアランスを調整し、第２調整
ハンドル６５を手動操作することで、第２下刃１
１と第２上刃１５のクリアランスを調整する機能
を備えているが、本考案の実施例に係る装置は第
３図以下に説明するように遠隔操作の駆動装置７
１によつて２方向のクリアランスを同時に自動的
に調整するものである。

すなわち本実施例では第２調整ハンドル６５の
軸に相等する軸７３をラム１７の上方で上部フレ
ーム５を貫通して設け、第５図に示したように上
部フレーム５の＋Ｙ方向外側に第１調整ハンドル
２５の軸に相等する軸７５を設け、偏心軸１９と
ともに３軸を上下方向に直線状に配置し、軸７３
に固着したピニオンギヤー７７と、軸７５に固着
したピニオンギヤー７９とに上下で係合する駆動
ギヤー８１を上部フレーム５の＋Ｙ方向外側に設
けた。

上記した駆動ギヤー８１の盤面の一部に植設し
たピン軸８３に遠隔操作の駆動装置７１としての
流体圧シリンダ８５のピストンロツド８７の先端
のリンク８９が連結してある。

この流体圧シリンダ８５は第６図に拡大して示
したように直列２連の第１ピストン９１と第２ピ
ストン９３を備え、Ａ・Ｂ・Ｃの流体圧導管ポー
トを備えている。

上記した流体圧シリンダ８５の第１ピストン９
１のピストンロツド９５は、第２ピストン９３の
ストローク長さを大小に変化させる機能を備えて
いるから、駆動ギヤー８１を３つの回転角度位置
に停止させることができる。

上部フレーム５をＹ軸方向に貫いた軸７３の−
Ｙ方向外側には、第４図に明らかなようにピニオ
ンギヤー９７が設けてあつてギヤー９９と噛み合
つていて、該ギヤー９９の盤面の一部に植設され
たピン軸１０１にリンク１０３が装着してある。

このリンク１０３と前記した連杆５９の＋Ｙ側
端との間にはベルクランク１０５が設けてあつ
て、軸７３の回動が連杆５９の往復動に変えられ
ている。

第３図の＋Ｘ端付近に設けてあるのはラム１７
を第１下刃９から離反する方向（＋Ｘ方向）に付
勢している引張り弾機装置１０７であつて、ラム
１７の偏心軸１９のまわりの遊びを無くすための
ものである。

次に第７・８・９図に例示したように、本実施
例装置には、偏心軸あるいは調整軸の回動角度を
検出する検出装置１０９が設けてある。

第７図・第８図では軸７３が上部フレーム５を
貫通した内側に検出装置１０９を設けた例であつ
て、軸７３に切欠部１１１を備えたカム１１３が
キー１１５を介して固定してあり、カム１１３の
両側の適宜な位置に検出器としてのリミツトスイ
ツチ１１７と１１９とが、上部フレーム５からブ
ラケツト１２１を介して設けてある。

したがつて、第９図Ａに示した状態は前記した
流体圧シリンダ８５のピストンロツド８７が最も
収縮した状態で、第１下刃９と第１上刃１３との
クリアランスと、第２下刃１１と第２上刃１５と
のクリアランスとがともに例えば1.2mm厚さのワ
ークに適した値になつていることを検出し確認で
きるものである。

同様に第９図Ｂは例えば2.0mm厚さのワークに
適したクリアランスに、第９図Ｃは例えば3.2mm
厚さのワークに適したクリアランスに保たれてい
ることを検出できるのである。

上記の本実施例によれば、シヤリングマシンの
一種であるブランキングシヤーの切断２辺におけ
るクリアランスを、遠隔操作の駆動装置によつて
同時に調整することが可能となり、調整が安全で
容易に行なえる効果を得たのである。

またクリアランスの調整が行なわれた状態を確
認する検出装置を備えてあるから、誤動作を未然
にチエツクすることも可能となつたのである。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲に記載のとおりであるから、本考案によれ
ば、第１下刃と第１上刃とのクリアランスおよび
第２下刃と第２上刃とのクリアランスを同時に調
節することができ、クリアランス調整が容易であ
ると共に、一方のクリアランス調整のみで他方の
クリアランス調整を忘れるようなことがないもの
である。

なお本考案の技術思想を逸脱することなく設計
変更も容易であることも明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施する前のブランキングシ
ヤーの側面図、第２図は第１図の−断面矢視
図、第３図は本考案の実施例としてのブランキン
グシヤーの第２図に相当する断面平面図、第４図
は同上側面図、第５図は第３図の−矢視図、
第６図は駆動装置の実施例である流体圧シリンダ
の拡大断面図、第７図は検出装置の平面図、第８
図は同上側面図、第９図は軸の回動角度位置検出
の説明図である。 図面の主要部を表わす符号の説明、１……ブラ
ンキングシヤー、１９……偏心軸、４３……調整
装置、７１……駆動装置、９１……第１ピスト
ン、９３……第２ピストン、１０５……ベルクラ
ンク、１１３……カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部テーブル３に直交して備えられた第１下刃
   ９及第２下刃１１と協働する第１上刃１３及び第
   ２上刃１５を備えたラム１７を、第１下刃９と平
   行でかつ下部テーブル３と一体の上部フレーム５
   に回動自在に支承された偏心軸１９の偏心部に上
   下方向へ揺動自在に支承して設け、上記ラム１７
   を偏心軸１９の軸方向へ移動可能に設けると共に
   一方向へ付勢して設け、上記付勢力に抗してラム
   １７を押圧自在なスライドパツド押え４７を支承
   した螺子部材５１を前記偏心軸１９の軸方向に進
   退自在に上部フレーム５に螺着して設け、前記第
   １下刃９と第１上刃１３とのクリアランスを調節
   すべく前記偏心軸１９に連動して上部フレーム５
   に回動自在に支承された駆動ギヤ８１に、前記第
   ２下刃１１と第２上刃１５とのクリアランスを調
   節すべく前記螺子部材５１を作動するためのギヤ
   ９９を連動して設け、上記駆動ギヤ８１の回動に
   より第１下刃９と第１上刃１３とのクリアランス
   及び第２下刃１１と第２上刃１５とのクリアラン
   スを同時に調節自在に設けてなることを特徴とす
   るシヤーリングマシンにおけるクリアランス調整
   装置。