JPS6319939Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気ヘツド取付構造に係り、特に磁気
ヘツドをバイモルフ等の圧電素子に取付けてなる
構造において、圧電素子の基部側を保持する取付
台部材に腕部を設け、該腕部の作用により、取付
作業時での圧電素子の破損を防止すると共に、位
置調整を容易に行ないうるよう構成した磁気ヘツ
ド取付構造を提供することを目的とする。

現在、ヘリカルスキヤン型VTRにおいて、ト
ラツキング精度の向上を目的とした回転磁気ヘツ
ド取付構造として、磁気ヘツドをバイモルフ等の
圧電素子の自由端に取付けた構造のものが種々提
案されている。

この構造においては、圧電素子の基部側を取付
台部材に固定し、この取付台部材を回転ドラムに
固定する構成としてある。従来の取付構造におい
ては、圧電素子が取付台部材外に露出していて取
付作業中に圧電素子を破損する事故を起こし易く
なつたり、また取付位置調整が困難であるという
欠点があつた。

本考案は、圧電素子の基部側を支持する取付台
部材を所定の腕部を有する形状とすることによ
り、上記二つの欠点を同時に除去したものであ
り、以下図面と共にその一実施例について説明す
る。

第１図は本考案になる磁気ヘツド取付構造の一
実施例を適用してなるVTR装置のガイドドラム
の一部の構造を示し、第２図は第１図中上側回転
ドラムを上下反転させて本考案の要部を示す。第
３図及び第４図は夫々取付作業時での位置調整方
法を示す。

第１図、第２図中、ガイドドラム１は、下側の
固定ドラム２と、回転軸３と一体的に回転する上
側の回転ドラム４とよりなる。ビデオヘツド５は
回転ドラム４の下面側に、ヘツド取付機構６によ
り取付けてあり、直径方向上反対側位置に配して
ある（一方は図示せず）。

ヘツド取付機構６において、ビデオヘツド５は
バイモルフ７の先端に貼付けてあり、バイモルフ
７の基部側が取付台部材８に接着剤等で固定して
あり、取付台部材８が回転ドラム４の下面中所定
位置にネジ９によりネジ止めしてある。

取付台部材８は、黄銅製であり、基台部８ａ、
この両側より突出する一対の腕部８ｂ，８ｃ、腕
部の付け根部の位置で上方に突き出た取付台８ｄ
とよりなる。バイモルフ７の基部側は取付台８ｄ
の取付面８d_-1に押し付けた状態で接着剤１０に
より接着固定してある。ビデオヘツド５が貼付け
られたバイモルフ７が取付台部材８に取付けられ
た状態において、バイモルフ７は一対の腕部８ｂ
と８ｃとの間に位置することになり、即ち、腕部
８ｂ，８ｃがバイモルフ７の左右側に沿つて延在
することになる。従つて、腕部８ｂ，８ｃは保護
腕として機能し、後述する取付作業時等において
作業者の手又は器具等がバイモルフ７に直接触れ
ることがなくなり、取扱い不注意によるバイモル
フ破損事故を無くし得る。

バイモルフ７が接着固定された取付台部材８
は、取付台８ｄを回転ドラム４の直径方向溝４ａ
内に嵌合させ、基台部８ａを回転ドラム下面４ｂ
に当接させた状態で、ネジ８を基台部８ａの孔８
a_-1を通して回転ドラム４に螺合させて取付けら
れる。

この後、ビデオヘツド５の回転方向上の位置、
ドラムよりの突出量、高さ位置等を正確に定める
位置出し作業を第３図、第４図に示すように行な
う。この位置出し作業は、ドラム４を顕微鏡を備
えた治具に取付け、ヘツドの位置を顕微鏡を通し
て確認して行なう。

位置出しのためには、先端に偏心ピンを設けた
偏心ピン治具１１が使用され、回転ドラム４には
この偏心ピン治具１１が嵌入する孔４ｃ，４ｄ，
４ｅが夫々取付部材８の基台部８ａ、腕部８ｂ，
８ｃに夫々対向する位置に穿設してある。

ヘツド突出量については、第３図に示すよう
に、偏心ピン治具１１を孔４ｃに挿入して回動さ
せ、このとき偏心ピン１１ａが基台部８ａの壁面
８a_-2を矢印X₁方向に押して取付台部材８を同方
向に移動させることにより調整される。

回転方向位置、即ち180゜割りについては、第４
図に示すように、偏心ピン治具１１を孔４ｄ，４
ｅに挿入して回動させ、このとき偏心ピン１１ａ
が腕部８ｂ，８ｃの外側壁面８b_-1，８c_-1を矢印
Y₁，Y₂方向に押して取付台部材８をネジ９を中
心に回動させることにより調整される。即ち、保
護作用を行なう腕部８ｂ，８ｃの外側壁面８b_-1，
８c_-1は、位置出し用治具が当接する当接部とし
て機能する。

また、高さ位置については、ドラム４に螺合し
ている高さ位置調整ネジ１２の螺合の程度を変え
ることにより、取付台８ｄを基台部８ａに対して
強制的に彎曲させることにより調整される。こゝ
で、取付台８ｄの取付面８d_-1とドラム４の下面
４ｂとが同一平面上に位置しているため、ビデオ
ヘツド５は調整前の状態において予め所望高さ位
置近傍に位置することになり、上記の高さ位置調
整は調整ネジ１２を微調操作するだけで充分とな
り、調整作業上好都合である。

なお、上記の調整後にネジ９を締めるとヘツド
位置が変化する危険があるため、ネジ９は調整作
業後に締め付けが不要となる程度に予めきつく締
め付けてある。しかし、ネジ９の頭部と基台部８
ａとの間にすべり摩擦抵抗が小さいナイロン製ワ
ツシヤ１３が介挿してあるため、ネジ９が締付け
状態にあるにも拘らず、取付台部材８は偏心ピン
治具１１の回動操作に応じて滑らかに且つ微細に
動き、調整が正確に且つ容易に行なわれる。

なお、極細のヘツドワイヤ１４ａ，１４ｂは、
バイモルフ７の上面或は下面に沿つて導き、更に
その取付根元から基台部８ａ上の基板１５ａ，１
５ｂに導いてある。これにより、バイモルフ７が
彎曲して動作したときに、ヘツドワイヤ１４ａ，
１４ｂが断線する危険は全くなくなる。

また、ドラム４中上記腕部８ｂ，８ｃに沿う位
置に溝等を設け、位置調整用治具としてマイナス
のドライバーを使用することもできる。即ち、ド
ライバーを溝内に差し込んで回わすことにより腕
部８ｂ，８ｃが押されて取付台部材８が回動し、
これによりヘツドの回転方向位置が調整される。
この場合にも、腕部８ｂ，８ｃの外壁面はドライ
バー先端部が当接する当接部として機能する。

なお、再生モード時、バイモルフ７にトラツキ
ング誤差信号に応じた電圧が印加されて上下に彎
曲し、ビデオヘツド５が上下方向に変位し、テー
プ上のビデオトラツクを正確に走査する。

また、取付台部材８は略コ字状であり、軽量で
ある。しかも、取付台部材８は基台部８ａを回転
ドラム４の中心に近い部位に配して固定され、そ
の重心は回転ドラム４の中心に近い位置となる。
これにより、取付台部材８が固定された回転ドラ
ム４は、ダイナミツクバランスを取り易くなる。

上述の如く、本考案になる磁気ヘツド取付構造
によれば、取付台部材のうちの一対の腕部により
圧電素子を保護することが出来、しかも一対の腕
部及び基台部が取付位置調整用治具が当接する当
接部となり、且つ回転ドラムに上記治具が嵌入す
る孔を設けた構成により、磁気ヘツドを回転ドラ
ムに対する高さ、突出量及び回転方向上の位置に
ついて調整することが出来、更には取付台部材が
基台部と一対の腕部とよりなる軽量のものであ
り、且つ取付状態において重心が回転ドラムの中
心に近くなるため、磁気ヘツドが取り付けられた
回転ドラムのダイナミツクバランスをとり易いと
いう特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる磁気ヘツド取付構造の一
実施例をこれが適用してあるガイドドラムと併せ
て示す図、第２図は第１図中上側回転ドラムを上
下反転させた状態で磁気ヘツド取付構造部分を示
す図、第３図及び第４図は夫々ヘツド位置調整状
態を示す図である。 １……ガイドドラム、２……固定ドラム、４…
…回転ドラム、４ｃ，４ｄ，４ｅ……孔、５……
ビデオヘツド、６……ヘツド取付機構、７……バ
イモルフ、８……取付台部材、８ａ……基台部、
８ｂ，８ｃ……腕部、８b_-1，８c_-1……外側壁
面、８ｄ……取付台、９……ネジ、１１……偏心
ピン治具、１２……高さ位置調整ネジ、１３……
ナイロン製ワツシヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 先端部に磁気ヘツドが取付けられ、電圧印加に
   より変形する平板状の圧電素子と、 該圧電素子の基部側が取付けられる基台部と、
   該基台部より上記圧電素子の両側に沿つて延在し
   て上記圧電素子を外部より保護する一対の腕部と
   よりなる取付台部材と、 該取付台部材がその基台部を固定されて取り付
   けられ、且つ該取り付けられた取付台部材の上記
   基台部及び上記一対の腕部に隣接して配され取付
   位置調整用治具又はねじが嵌入する孔を有する回
   転ドラムとよりなり、 上記取付台部材の上記基台部が、前記磁気ヘツ
   ドの上記回転ドラムに対する高さ及び突出量を調
   整するときに、上記取付位置調整用治具又はねじ
   が当接する当接部となると共に、上記一対の腕部
   が、上記磁気ヘツドの上記回転ドラムの回転方向
   上の位置を調整するときに、上記取付位置調整用
   治具又はねじが当接する当接部となる構成の磁気
   ヘツド取付構造。