JPS631952B2 - - Google Patents

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JPS631952B2
JPS631952B2 JP54139262A JP13926279A JPS631952B2 JP S631952 B2 JPS631952 B2 JP S631952B2 JP 54139262 A JP54139262 A JP 54139262A JP 13926279 A JP13926279 A JP 13926279A JP S631952 B2 JPS631952 B2 JP S631952B2
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JP
Japan
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deoxykanamycin
amino
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JP54139262A
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Hamao Umezawa
Sumio Umezawa
Osamu Tsucha
Toshiaki Myake
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Publication date
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Priority to FR8023421A priority patent/FR2468616B1/fr
Priority to GB8034764A priority patent/GB2061942B/en
Priority to DE3040611A priority patent/DE3040611C2/de
Priority to CA000363650A priority patent/CA1151161A/en
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Publication of JPS631952B2 publication Critical patent/JPS631952B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/22Cyclohexane rings, substituted by nitrogen atoms
    • C07H15/222Cyclohexane rings substituted by at least two nitrogen atoms
    • C07H15/226Cyclohexane rings substituted by at least two nitrogen atoms with at least two saccharide radicals directly attached to the cyclohexane rings
    • C07H15/234Cyclohexane rings substituted by at least two nitrogen atoms with at least two saccharide radicals directly attached to the cyclohexane rings attached to non-adjacent ring carbon atoms of the cyclohexane rings, e.g. kanamycins, tobramycin, nebramycin, gentamicin A2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカナマイシンB保護誘導体からトブラ
マイシン、すなわち3′−デオキシカナマイシンB
の新製造法に関する。
本発明者らは既にカナマイシンBを出発原料と
して用いて、これのアミノ基のすべてをアルキル
オキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニ
ル又はアリールオキシカルボニル基型のアミノ保
護基、例えばエトキシカルボニル基、ベンジルオ
キシカルボニル基、あるいはシツフ塩基の形のア
ミノ保護基例えばサリシリデン基で保護し、
4″位、6″位の水酸基を2価のヒドロキシル保護基
例えばシクロヘキシリデン基、テトラヒドロピラ
ニリデン基で保護してから、100℃以下の温度で
多くとも1.5モル比の量のアルキルスルホニル・
ハライド、アラルキルスルホニル・ハライド又は
アリールスルホニル・ハライド、あるいはこれら
に対応するスルホン酸無水物を塩基性有機溶媒、
好ましくはピリジン中で作用させることにより、
4′位水酸基をスルホニル化せずに3′位水酸基を選
択的にスルホニル化し、その3′−O−スルホニル
化生成物を次いでアプロテイツクな有機溶媒中で
50%以上の濃度のナトリウム又はリチウムの臭化
物又は沃化物の溶液を作用させることにより3′−
スルホニルオキシ基をブロム又はヨード基と置換
し、さらにこの3′−ブロム又は3′−ヨード基を水
素で還元的に置換してカナマイシンBの3′−デオ
キシ誘導体を生成し、さらにこれより常法で残留
の保護基を脱離することによつて3′−デオキシカ
ナマイシンBを合成する方法を発表した(特開昭
49−80038号、米国特許第3929762号参照)。
しかし、この3′−デオキシカナマイシンB合成
法では3′−O−スルホニル化生成物を3′−ハロ化
生成物に転化するに当つて、反応温度を100℃以
上にしてアルカリ金属臭化物又は沃化物を50%以
上の濃度で作用させた場合でも、3′−ハロ置換反
応の完了に約24時間又はそれ以上を要し、これに
伴つて、望ましくない副生成物の生成、また分解
が生ずる短所があつた。これよりも温和な反応条
件を用いたり、反応剤濃度を50%より低くした時
には、3′−ハロ置換反応が緩慢すぎて実用に適さ
ないことも認められた。
上記の短所を解消するために、本発明者らは研
究を行つた。前記の特開昭49−80038号又は米国
特許第3929762号の方法で用いたアミノ保護基と
してのアルキルオキシカルボニル基、等に代えて
アルキルスルホニル基、アラルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基の如きスルホニル基型
のアミノ保護基の中からアリールスルホニル基、
特にトシル基をカナマイシンBのアミノ基用の保
護基として選択・使用した場合には、特開昭49−
80038号又は米国特許第3929762号明細書に記載さ
れたと同じ要領でスルホニル化剤を使用させれば
同様に3′位水酸基を選択的にスルホニル化できる
ことを発見し、さらにこうして得られた3′−O−
スルホニル化生成物に対してアルカリ金属又は他
の金属の臭化物又は沃化物を作用させると、後者
の反応剤濃度を3〜50%にしても30分〜約2時間
で3′−ブロム又はヨード置換反応が実質的に終了
し、反応所要時間の大巾な短縮ができること、ま
たアルカリ金属又は他の金属の塩化物を用いて
3′−クロロ化も可能であることを発見した。本発
明はこれらの発見を基にして完成されたものであ
る。
他方、本発明者らはカナマイシンBから3′・
4′−ジデオキシカナマイシンBを合成する方法
(特公昭50−7595号、特公昭51−46110号)の別法
として、特開昭52−71446号又は英国特許第
1555661号の方法を開発した。この方法では、カ
ナマイシンBのアミノ基全部は前記と同様のスル
ホニル基型のアミノ保護基で保護し、4″位及び
6″位水酸基を2価のヒドロキシル保護基で保護し
てから、−30℃〜+30℃の比較的低温でピリジン
中でベンジルスルホニル・クロライドを作用する
ことによつて3′位、4′位の水酸基を夫々スルホニ
ル化して3′・4′−ジスルホン酸エステル体を作
り、さらにこれを50〜150℃の温度で沃化ナトリ
ウムで処理することにより脱スルホニルオキシ化
して3′・4′−エノ体(3′・4′−不飽和結合を含む
誘導体)を作り、さらに3′・4′−不飽和結合を水
添して3′・4′−ジデオキシ−3′・4′−ジヒドロカ
ナマイシンB保護誘導体を生成し、その後にアミ
ノ保護基としてのスルホニル基を液体アンモニア
中金属ナトリウムによる処理又はこれに類する処
理で脱離させて3′・4′−デオキシカナマイシンB
を製造することから成る。この製造法では、ピリ
ジン中でベンジルスルホニル・クロライドを比較
的低温で作用させるに当つて、3′位、4′位水酸基
は両者ともスルホニル化を受けることを本発明者
は見出しているから、今回、本発明者がアリール
スルホニル基でアミノ基を保護されたカナマイシ
ンB保護誘導体については、3′位水酸基のみをス
ルホン酸エステル化した物質を取扱うものであ
る。
結局、第1の本発明においては、次の一般式 〔式中、Rはアルキル基、アラルキル基又はアリ
ール基であり、Yは2価のヒドロキシル保護基と
しての炭素数1〜6のアルキリデン基又は炭素数
3〜6のシクロアルキリデン基又はフエニルアル
キリデン基であり、Zはアミノ保護基としてのア
リールスルホニル基である〕で示される3′−O−
スルホニル化カナマイシンB保護誘導体に次式 MX () 〔式中、Mは金属、XはCl、Br又はIである〕
の金属ハライドを作用させて次式 〔式中、X、Y、Zは前記と同じ意味である〕で
示される3′−ハロゲン化生成物を生成し、次いで
これを還元して3′位ハロ基を水素で置換すること
により3′−デオキシカナマイシンB保護誘導体を
生成し、なお必要に応じて残留のアミノ保護基、
ヒドロキシル保護基を公知の脱保護法で脱離する
ことを特徴とするトブラマイシンの製造法を要旨
とするものである。
トブラマイシンは次式で示される。
本発明の方法はトシル化又は一般にアリールス
ルホニル化されたアミノ基をもつ2−アミノ−2
−デオキシ−α−D−グルコピラノジドの3位水
酸基をスルホニル化(スルホン酸エステル化)し
た物質は極めて容易にその3位がハロゲン化
(Cl、Br及びI化)され、したがつてこの3位ハ
ロゲン化化合物はひきつづき常法により水素と置
換されて3−デオキシ化を達成されるという発見
をカナマイシンBからトブラマイシンの製造に応
用したものである。上述の発見は本発明者らが初
めてなしたものであり、したがつてその応用も始
めてである。
まづ式()で示される出発物質の調製方法に
ついて述べる。素物質であるカナマイシンBの全
アミノ基をアリールスルホニル化した後4″・6″位
水酸基を2価ヒドロキシル保護基で保護してカナ
マイシンB保護誘導体を調製することについては
既に特開昭52−71446号、英国特許第1555661号明
細書や、カーボハイドレート・リサーチ
(Carbohydrate Research)49巻141頁、(1976
年)にて記載した。
このカナマイシンB保護物質をピリジン等の有
機溶媒に溶解し、式RSO2Xのスルホン酸ハライ
ド又は無水物特にアリールスルホン酸ハライドや
アリールスルホン酸無水物を作用せしめると、
3′位水酸基の選択的スルホニル化が行われ、式
()の物質が得られる。この選択的3′−O−ス
ルホニル化反応の溶媒としてはピリジンが最適で
あるが、一般的にはピコリン、N−アルキルモル
ホリン、トリエチルアミン等の有機塩基性物質を
含む溶媒たとえばメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エーテル、クロロホル
ム、ベンゼン、スルホラン等原料物質を溶解乃至
部分的に溶解せしめるアフロテイツクな中性溶媒
なら何れも使用できる。上記のスルホン酸ハライ
ド又は対応の酸無水物の使用量はカナマイシンB
保護物質に対して1〜5モル比が適当である。
使用される具体的なスルホニル化試薬としては
塩化トシル、トシル酸無水物、塩化ベンジルスル
ホニル、塩化メタンスルホニル等であるのが好ま
しい。3′−O−スルホニル化の反応温度は−40℃
〜100℃の範囲であるが−20℃〜25℃が通常は最
適である。反応時間は30分〜2日が適当である。
なお、4′位水素基もスルホニル化される副反応が
多少起るけれども、3′・4′及び3′・4′・2″の水酸
基がジ−又はトリ−スルホン酸エステル化された
物質は3′・4′−ジデオキシカナマイシンB(ジベ
カシン)等に導き得るので本発明によるルートは
その意味からも無駄のないものと云える。
第1の本発明の方法においては、式()の出
発物質に式()の金属ハライドを作用せしめ
る。ハロゲンXとしてはCl、Br、又はIが適当
であり、弗素は使用できない。金属Mとしてはア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、さらに重金属も
使用できるが実用的には塩化リチウム、臭化リチ
ウム、沃化リチウム、沃化ナトリウム等が適す
る。金属ハライドの使用モル数は出発物質()
に対し数モル〜100モルが適当である。使用する
溶媒としては出発物質、反応剤をともに溶解する
ものが望ましいのでジメチルホルムアミド、ヘキ
サメチルフオスホリツクトリアミド、ジメチルス
ルホキシド等がよく、あるいは上記溶媒と通常の
前述のアプロテイツクな中性溶媒との混合物が望
ましい。3′−ハロ置換の反応温度は0゜〜150℃が
最適であり、反応時間は30分〜約2時間が適当で
ある。かくして得られた式()で示される3′−
ハロゲン化物質は水素化トリブチルスズ等のハロ
ゲン還元剤又は接触水素添加で公知の方法により
3′位を還元的に脱ハロゲン化すると、3′−デオキ
シカナマイシンB保護誘導体が得られらる。
次にこの3′−デオキシカナマイシンB保護誘導
体を特開昭42−71446号又は英国特許第1555661号
明細書に記載された公知方法で液体アンモニア中
金属で処理することによりアミノ保護基としての
アリールスルホニル基を除去し、また酸加水分解
により4″・6″−O−保護基(アルキリデン基、シ
クロアルキリデン基又はアラルキリデン基)を脱
離すれば目的とする3′−デオキシカナマイシンB
すなわちトブラマイシンが得られる。あるいは式
()の物質を直接に液体アンモニア中金属、又
はナトリウムアマルガム等を作用せしめれば、
3′−ハロ基の還元的脱離、アミノ保護基としての
アリールスルホニル基(Z)の脱離、そのまま目
的の3′−デオキシカナマイシンBが得られる。
前述した第1の本発明の方法においては、4′位
の水酸基を保護してないので、式()の出発物
質の調製法での3′−O−スルホニル化の段階で
は、4′−OHまでスルホン酸エステル化される副
反応が起る恐れが多少ともある。この恐れを完全
に解消するために、4′位水酸基を選択的に保護す
れば良いのである。他方、本発明者らはカナマイ
シンAから3′・4′−ジデオキシカナマイシンAを
合成する方法を開発した(特願昭54−11402号)
が、その過程でカナマイシンAの4′位水酸基と、
アルキルオキシカルボニル基、アラルキルオキカ
ルボニル基又はアリールオキシカルボニル基で保
護されたウレタンの形の6′−アミノ基とを、水酸
化ナトリウムによる処理で4′・6′−環状カルバメ
ートを形成することにより4位水酸基を閉塞でき
ることを知見した。この4′・6′−環状カルバメー
トの形で4′位水酸基を保護する手法がカナマイシ
ンBの6′−N−保護誘導体にも適用できることを
今回本発明者は知見した。そして、後記の式
()で示されるカナマイシンB保護誘導体を調
製することに成功し、第2の本発明を完成した。
すなわち、第2の本発明においては、次の一般
〔式中、Rはアルキル基、アラルキル基又はアリ
ール基であり、R1は水素であるか又は基RSO2
と同じアルキルスルホニル基、アラルキルスルホ
ニル基又はアリールスルホニル基であり、Yは2
価のヒドロキシル保護基としての炭素数1〜6の
アルキリデン基又は炭素数3〜6のシクロアルキ
リデン基又はフエニルアルキリデン基であり、Z
はアミノ保護基としてのアリールスルホニル基で
ある〕で示される3′−O−スルホニル化カナマイ
シンB保護誘導体の4′・6′−カルバメート体に次
式 MX () 〔式中、Mは金属、XはCl、Br又はIである〕
の金属ハライドを作用させて次式 〔式中、R1、X、Y、Z、は前記と同じ意味で
ある〕で示される3′−ハロゲン化生成物を生成
し、次いでこれを還元して3′位ハロ基を水素で置
換することにより3′−デオキシカナマイシンB保
護誘導の4′・6′−カルバメート体を生成し、なお
必要ならば4′・6′−カルバメート環の開裂、残留
のアミノ保護基、ヒドロキシル保護基の公知の脱
離をすることを特徴とするトプラマイシンの製造
法を要旨とするものである。
次に第2の本発明の方法で用いられる出発物質
のカナマイシンB保護誘導体(環状カルバメー
ト)()の調製について説明し、またその調製
例を後に参考例として示す。
まづカナマイシンBを素物質として用い、その
6′−アミノ基のみを選択的にアルコキシカルボニ
ル化、アリールオキシカルボニル化又はアラルキ
ルオキシカルボニル化して保護する。この6′−ア
ミノ基はカナマイシンBの他のアミノ基より反応
性に富むので、たとえば川口らの方法(ジヤーナ
ル・オブ・アンテイビオテクス25巻、695〜708
頁、1972年)にしたがつてアルコキシカルボニ
ル、アリールオキシカルボニル又はアラルキルオ
キシカルボニルクロロホルメートの0.5〜3モル
をカナマイシンB(遊離塩基)の水溶液に0〜10
℃で反応させることによつて、アルコキシカルボ
ニル型、アリールオキシカルボニル型又はアラル
キルオキシカルボニル型のアミノ保護基を導入で
きる。例えば、この場合、6′−N−ベンジルオキ
シカルボニルカナマイシンAを得る手法(米国特
許第3925353号、実施例1参照)と同様にするの
がよい。また、カナマイシンBから出発してその
6′位アミノ基を選択的に保護するのに、米国特許
第4136254号のナガブツシヤンらの2価遷移金属
錯体法、あるいは本発明者らによる亜鉛錯体法
(特願昭53−138402号)の方法を利用すると、好
収率で6′−アミノ保護体が得られた。こうして得
た6′−N−アルコキシカルボニル−又はアリール
オキシカルボニル−又はアラルキルオキシカルボ
ニルカナマイシンBを有機溶媒中アリールスルホ
ニル化をすると対応の1・3・2′・3″−テトラ−
N−アリールスルホニルカナマイシンB誘導体が
得られる。このアリールスルホニル化誘導体の調
製に当つては、例えば前記の6′−N−保護カナマ
イシンBを炭酸ナトリウムの如きアルカリの存在
下にジオキサンの如き不活性の有機溶剤中で−30
〜50℃の範囲でアリールスルホニルクロライド、
特にトシルクロライドを実質的に化学量論量で作
用させるのがよい。次にこのアリールスルホニル
化生成物に対して特公昭50−7595号公報又は米国
特許第3929762号明細書に記載されるようにアセ
タール又はケタール基型のヒドロキシル保護基
(Y)で4″・6″−ヒドロキシル基を保護するため
に該公報に記載されるアセタール化試薬又はケタ
ール化試薬、すなわちアルキリデン化剤、アラル
キリデン化剤、シクロヘキシリデン化剤として
1・1−ジメトキシシクロヘキサン又はテトラヒ
ドロ−4−ピラニリデン化剤を比較的低温で例え
ば10〜80℃の範囲の温度で作用させる。これによ
つて、4″・6″−ヒドロキシル基がアルキリデン
基、又はアラルキリデン基、もしくはシクロヘキ
シリデン基又はテトラヒドロ−4−ピラニリデン
基で保護された4″・6″−O−保護誘導体が生成さ
れるのである。
次にこの4″・6″−O−保護誘導体を適当な溶媒
たとえばジメチルホルムアミドに溶解し水素化ナ
トリウム等の塩基性試薬を作用せしめる(ジヤー
ナル・オブ・アンチビオチクス25巻、12号、741
−742頁(1972))と対応の4′・6′−環状カルバメ
ート体が得られる。環状カルバメート化の方法は
本発明者らによる多数の特許たとえば特公昭53−
24415号、特開昭49−80039号、特開昭49−101355
号、特開昭51−127046号、特開昭52−23043号、
の発明で記載した。
次にこの環状カルバメート体に対して次式 RSO2X又は(RSO22O () 〔式中、R及びXは前記と同じ意味をもつ〕のス
ルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物を特開昭
52−71446号又は英国特許第1555661号明細書に記
載された要領で作用させると、3′位水酸基がスル
ホニル化され、また時には2″位水酸基もスルホニ
ル化される。従つて式()でR′=Hである3′−
O−スルホニル化カナマイシンB保護体、あるい
はこれと式()でR′=RSO2−である3′・2″−
O−ジ−スルホニル化カナマイシンB保護体とを
生ずる。
第2の本発明の方法においては、上記の如くし
て得られた式()の出発物質(R′=Hのとき
とR′がH以外のとき)をそれぞれ別々に、単離
し、あるいは混合物のまゝ用いて、前述の第1の
本発明の方法について記したと全く同様に式
()の金属ハライドを作用させ、3′位をハロゲ
ン化する。この際2″位はスルホン酸エステル化さ
れていてもひきつづいて同様に脱保護すると目的
とするトブラマイシンが好収率で得られる。
第1及び第2の本発明の方法によるトブラマイ
シン収率は30%前後である。当本発明者らによる
前の特許特開昭49−80038号又は米国特許第
3929762号の方法の収率25%に比し或る程度改善
されており、しかも反応のステツプ数は前特許に
比し減少し、さらに各ステツプの操作は単純で容
易になつているから工業生産に適している。
参考例 1 (1) 3′−O−ベンジルスルホニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−1・3・2′・6′・3″−ペ
ンタ−N−トシルカナマイシンBの製造 4″・6″−O−シクロヘキシリデン−1・3・
2′・6′・3″−ペンタ−N−トシルカナマイシン
B(カーボハイドレート・リサーチ、49巻、141
〜151頁、1976年)1.56gをピリジン31mlに溶
解し、−20℃に冷却後、塩化ベンジルスルホニ
ル225mgを加え、−20℃にて21時間放置した
(3′−O−ベンジルスルホニル化)。反応液に水
0.11mlを加えて後、濃縮し得られたシロツプを
100mlのクロロホルム溶液とし、5%炭酸水素
ナトリウム水溶液、水で洗浄し、濃縮、乾燥後
固体178gを得た。得られた固体をシリカゲル
カラムにてクロロホルム−メチルエチルケトン
(1:1)を展開溶媒として精製し、固体391mg
(23%)を得た。〔α〕25 D−2゜(c1、クロロホル
ム)。
元素分析値:C、53.20;
H、5.51;N、4.52;S、12.71%。
計算値(C66H81N5O22S6として):C、53.25;
H、5.48;N、4.70;S、12.92%。
(2) 4″・6″−O−シクロヘキシリデン−1・3・
2′・6′・3″−ペンタ−N−トシル−3′−O−ト
シルカナマイシンBの製造 4″・6″−シクロヘキシリデン−1・3・2′・
6′・3″−ペンタ−N−トシルカナマイシンB
(前出、カーボハイドレート・リサーチ、49巻、
141〜151頁、1976年)104mgをピリジン2mlに
溶解し、塩化トシル74.6mgを加え、70℃にて12
時間放置した(3′−O−トシル化)。前項(1)と
同様の後処理を行ない固体98.6mg(85%)を得
た。〔α〕25 D−3゜(c1、クロロホルム)。
実施例 1 (第1の本発明) (1) 4″・6″−O−シクロヘキシリデン−3′−デオ
キシ−3−ヨード−1・3・2′・6′・3″−ペン
タ−N−トシルカナマイシンBの製造 A 参考例1(2)で得た物質64.8mgをジメチルホ
ルムアミド1.3mlに溶解後、ヨウ化ナトリウ
ム650mgを加え、100℃にて1時間撹拌を続け
た(3′−ヨード化)。室温にて固化した反応
液を20mlのクロロホルム中に懸濁後、水、10
%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水で順次洗浄
し、濃縮、キシレン共沸、乾燥後、固体62.8
mgを得た。こうして得られた固体をシリカゲ
ルカラムにてベンゼン−酢酸エチル(2:
3)を展開溶媒として精製し、無色固体51.2
mg(83%)を得た。〔α〕25 D+11゜(c1、クロロ
ホルム)。
元素分析値:
C、49.06;H、5.16;N、4.85%。
計算値(C59H74N5O19S5Iとして):
C、49.18;H、5.18;N、4.69%。
B 前項(2)で得た物質107mgをジメチルホルム
アミド2mlに溶解後、ヨウ化ナトリウム1.1
gを加え、100℃にて40分撹拌を続けた
(3′−ヨード化)。前項Aと同様の後処理を行
ない、固体93.6mg(90%)を得た。
(2) 4″・6″−O−シクロヘキシリデン−3′−デオ
キシ−1・3・2′・6′・3″−ペンタ−N−トシ
ルカナマイシンBの合成 前項(1)で得た物質51.1mgをジオキサン1mlに
溶解し、水素化トリ−n−ブチルスズ0.1mlを
加え、さらにα・α′−アゾビスイソブチロニト
リル5mlを加え、窒素雰囲気下80℃にて2時間
放置した(3′−ハロ基を水素で還元的置換)。
濃縮して得られたシロツプにエチルエーテルを
加え、析出した固体を、エチルエーテル洗、乾
燥後固体33mg(84%)を得た。〔α〕25 D+10゜
(c0.5、ジメチルホルムアミド)。
(3) 3′−デオキシカナマイシンB(トプラマイシ
ン)の製造 前項(2)で得た物質47.9mgを−50℃にて液体ア
ンモニア約5mlに溶解し、金属ナトリウム50mg
を加え、同温度にて1時間撹拌した(トシル基
の脱離)。メタノールを加えて後室温にて撹拌
し、さらに減圧にてアンモニアを除去した。残
渣を水に溶解し、強酸性イオン交換樹脂ダウエ
ツクス50W×2(H型)(米国ダウケミカル社
製)を加え、中和した(シクロヘキシリデン基
の脱離)。この樹脂をカラムにつめ1規定アン
モニア水で展開するとニンヒドリン活性の物質
が溶出するのでこの部分を濃縮し、乾固すると
粗3′−デオキシカナマイシンB25.9mgを得た。
こうして得られた固体を水に溶解しCM−セフ
アデツクスC−25(NH4型)(フアルマシア
フアイン ケミカルズ社製、スエーデン)のカ
ラムにチヤージし、O→0.15規定のアンモニア
水で勾配法で展開すると純粋な3′−デオキシカ
ナマイシンB12.0mg(62%)を1炭酸塩として
得た。〔α〕25 D+125゜(c1、水)。
元素分析値:
C、42.95;H、7.62;N、13.01%。
計算値(C18H37N5O9・H2CO3として):
C、43.09;H、7.42;N、13.23%。
参考例 2 (1) 6′−N−ベンジルオキシカルボニルカナマイ
シンBの製造 カナマイシンB(遊離塩基)500mgをジメチル
スルホキシド20mlに懸濁させこれに酢酸亜鉛二
水和物0.76gを加え、均一溶液となるまで撹拌
した。形成されたカナマイシンB−亜鉛イオン
錯体を含むこの溶液にN−ベンジルオキシカル
ボニルオキシサクシンイミド280mgを加え常温
にて一夜放置した。反応液をエーテル中に滴下
し上澄を除去後エーテル洗を行ない、乾燥後得
られたシロツプを(M−セフアデツクスC−25
(NH4型、水−ジオキサン=1:1で処理後の
カラムにチヤージし、水−ジオキサン(1:
1)で洗浄後、0〜0.15規定アンモニアを含む
水−ジオキサン(1:1)で勾配法により展開
すると6′−N−ベンジルオキシカルボニルカナ
マイシンB・1/2炭酸塩603mg(90%)を得た。
〔α〕25 D+109゜(c1、水)。
元素分析値:
C、48.84;H、6.94;N、10.50%。
計算値(C26H43N5O12・1/2H2CO3として):
C、49.07;H、6.84;N、10.80%。
(2) 6′−N−ベンジルオキシカルボニル−1・
3・2′・3″テトラ−N−トシルカナマイシンB
の製造 前項(1)で得た6′−N−ベンジルオキシカルボ
ニルカナマイシンB・1/2炭酸塩1.01gと無水
炭酸ナトリウム0.693gを水−ジオキサン
(1:1)の混液20mlに加え、撹拌しつつ塩化
p−トルエンスルホニル1.36gを加え、5℃で
2時間撹拌を続けた(N−トシル化)。濃縮後、
水を加え析出した固体をエチルエーテルで洗
浄、乾燥後、固体1.93gを得た。得られた固体
をシリカゲルカゲルカラムにてクロロホルム−
エタノール(10:1)を展開容媒として精製
し、無色固体1.39g(72%)を得た。〔α〕25 D
19゜(c1、ジメチルホルムアミド)。
元素分析値:C、51.86;
H、5.29;N、5.35;S、10.18%。
計算値(C54H67N5O20S4・H2Oとして):C、
51.79; H、5.55;N、5.59;S、10.24%。
(3) 6′−N−ベンジルオキシカルボニル−4″・
6″−O−シクロヘキシリデン−1・3・2′・
3″−テトラ−N−トシルカナマイシンBの製造 前項(2)で得た物質1.00gをジメチルホルムア
ミド10mlに溶解しp−トルエンスルホン酸28mg
と1・1−ジメトキシシクロヘキサン0.13mlを
加え、50℃、35mmHgにて1時間反応せしめた
(4″・6″−O−シクロヘキシリデン基導入)。反
応液中に5%炭酸水素ナトリウム水溶液1.3ml
を注ぎ、濃縮して得られたシロツプに水を加
え、生じた沈殿を乾燥後固体1.08gを得た。得
られた固体をシリガゲルカラムにて酢酸エチル
−ベンゼン(3:1)を展開溶媒として精製
し、無色固体986mg(92%)を得た。〔α〕25 D
3゜(c1、クロロホルム)。
元素分析値:C、54.62;
H、5.66;N、5.26;S、9.68%。
計算値(C60H75N5O20S4として):C、54.82;
H、5.75;N、5.33;S、9.76%。
(4) 6′−N:4−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−1・3・2′・3″−テトラ
−N−トシルカナマイシンBの製造 前項(3)で得た物質1.77gをジメチルホルムア
ミド35mlに溶解し、氷冷後50%油性水素化ナト
リウム581mgを加え、2時間撹拌後さらに一夜
常温で撹拌した(4′・6′−カルバメート化)。
酢酸0.69mlを加えて濃縮後得られた固体を水洗
し、乾燥後、再沈殿(アセトン−エチルエーテ
ル)にて精製し、淡褐色固体1.42g(89%)を
得た。〔α〕25 D−23゜(c1、ジメチルホルムアミ
ド)。
元素分析値:C、52.50;
H、5.53;N、5.79;S、10.45%。
計算値(C53H67N5O19S4として):C、52.78;
H、5.60;N、5.81;S、10.63%。
(5) 3′−O−ベンジルスルホニル−および3′・
2″−ジ−O−ベンジルスルホニル−6′−N:
4′−O−カルボニル−4″・6″−O−シクロヘキ
シリデン−1・3・2′・3″−テトラ−N−トシ
ルカナマイシンBの製造 前項(4)で得た物質107mgをピリジン2mlに溶
解し、−20℃に冷却後塩化ベンジルスルホニル
34mgを加え、−20℃にて2時間放置した3′−O
−ベンジルスルホニル化が行われ、3′・2″−ジ
−ベンジルスルホニル化も多少起きた。反応液
に水0.02mlを加えて後濃縮し、得られたシロツ
プを20mlのクロロホルム溶液とし、5%炭酸水
素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、濃縮乾燥後
固体134mgを得た。得られた固体をシリカゲル
カラムにてクロロホルム−メチルエチルケトン
(1:2)を展開溶媒として精製し、無色固体
の3′−O−ベンジルスルホニル体92.9mg(77
%)、3・2−ジ−O−ベンジルスルホニル体
9.8mg(7%)を得た。
(A) 3−O−ベンジルスルホニル体:〔α〕25 D
38゜(c1、ジメチルホルムアミド)。
元素分析値:C、52.12;
H、5.27;N、4.94;S、11.39%。
計算値(C60H73N5O21S5・H2Oとして):C、
52.27; H、5.48;N、5.08;S、11.63%。
(B) 3′・2″−ジ−O−ベンジルスルホニル体:
〔α〕25 D−52゜(c1、クロロホルム)。
元素分析値:C、53.01;
H、5.17;N、4.78;S、12.40%。
計算値(C67H79N5O23S6として):C、
53.13; H、5.26;N、4.62;S、12.70%。
実施例 2 (第2の本発明) (1) 6′−N:4′−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−3′−デオキシ−3′−ヨウ
ド−1・3・2′・3″−テトラ−N−トシルカナ
マイシンBの製造 参考例2(5)で得た3′−O−ベンジルスルホニ
ル体471mgをジメチルホルムアミド9.4mlに溶解
し、ヨウ化ナトリウム4.7gを加え、100℃にて
2時間撹拌を続けた(3′−ヨード化)。実施例
1、第(1)項、Aと同様の処理後、固体203mgを
得た。こうして得られた固体をシリカゲルカラ
ムにてクロロホルム−メチルエチルケトン
(1:2)を展開溶媒として精製し、無色固体
161mg(79%)を得た。〔α〕25 D−32゜(c1、ジメ
チルホルムアミド)。
元素分析値:
C、47.92;H、4.93;N、5.31%。
計算値(CE53H66N5O18S4I・H2Oとして):
C、47.71;H、5.14;N、5.25%。
(2) 6′−N:4′−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−3′−デオキシ−1・3・
2′・3″−テトラ−N−トシルカナマイシンBの
製造 前項(1)で得た物質145mgをジオキサン2.9mlに
溶解し、水素化トリ−n−ブチルスズ0.29mlを
加え、さらにα・α′−アゾビスイソブチロニト
リル14.5mgを加え、窒素雰囲気下80℃にて30分
放置した(3′−ヨード基を水素で還元的置換)。
濃縮して得られたシロツプにエチルエーテルを
加え、析出した固体をエチルエーテル洗、乾燥
後、無色固体127mg(97%)を得た。〔α〕25 D
20゜(c0.5、ジメチルホルムアミド)。
元素分析値:C、53.70;
H、5.65;N、5.66;S、10.47%。
計算値(C53H67N5O18S4として):C、53.48;
H、5.67;N、5.88;S、10.77%。
(3) 3′−デオキシカナマイシンB(トブラマイシ
ン)の製造 前項(2)で得た物質104mgを実施例1第(3)項と
同様に液体アンモニア溶液とし、金属ナトリウ
ムを加え、撹拌した(トシル基の脱離)。さら
に同様の処理後、得られた残渣の水溶液を80℃
にて1時間放置した(4′・6′−カルバメート基
の開裂)。反応後に強酸性イオン交換樹脂ダウ
エツクス50W×2(H型)を加え、中和した
(シクロヘキシリデン基の脱離)。さらに(1)のル
ート第5項と同様の後処理、精製を行ない3′−
デオキシカナマイシンB1炭酸塩26.0mg(56%)
を得た。
元素分析値:
C、42.70;H、7.53;N、13.46%。
計算値(C18H37N5O9・1H2CO3として):
C、43.09;H、7.42;N、13.23%。
(4) 3′−デオキシカナマイシンBの製造 前項(1)で得た物質300mgを前項(3)と同様、ま
ず液体アンモニア−金属ナトリウム処理し(ト
シル基の脱離、ヨウ素の脱離)、さらに4′・
6′−カルバメートの開裂、脱シクロヘキシリデ
ン化を行ない、同様に精製し、3′−デオキシカ
ナマイシンB1炭酸塩76.3mg(2%)を得た。
実施例 3 (1) 2″−O−ベンジルスルホニル−6′−N:4′−
O−カルボニル−3′−クロロ−4″・6″−O−シ
クロヘキシリデン−3′−デオキシ−1・3・
2′・3″−テトラ−N−トシルカナマイシンBの
製造 参考例2(5)項で得た3′・2″−ジ−O−ベンジ
ルスルホニル体50.0mgをジメチルホルムアミド
0.8mlに溶解後、塩化リチウム14.0mgを加え、
120℃にて1.5時間撹拌を続けた(3′−クロロ
化)。濃縮、キシレン共沸の後得られたシロツ
プを10mlのクロロホルム中に懸濁せしめ、水
洗、濃縮、乾燥後、固体42.0mgを得た。こうし
て得られた固体をシリカゲルカラムにてクロロ
ホルム−メチルエチルケトン(1:1)を展開
溶媒として精製し、無色固体23.9mg(53%)を
得た。〔α〕25 D−43゜(c1、クロロホルム)。
元素分析値:
C、52.36;H、5.31;N、4.89%。
計算値(C60H72N5O20S5Clとして):
C、52.26;H、5.26;N、5.08%。
(2) 3′−デオキシカナマイシンB(トブラマイシ
ン)の製造 前項(1)で得られた物質51.5mgを実施例2、(4)
項と同様にまず液体アンモニア−金属ナトリウ
ム処理し(トシル基脱離、3′−クロロ基の脱
離、ベンジルスルホニル基の脱離)、さらに同
様の脱保護処理を行ない、3′−デオキシカナマ
イシンB・1炭酸塩12.2mg(66%)を得た。
実施例 4 (1) 3′−デオキシカナマイシンB(トブラマイシ
ン)の製造 参考例2(4)で得た6′−N:4′−O−カルボニ
ル−4″・6″−O−シクロヘキシリデン−1・
3・2′・3″−テトラ−N−トシルカナマイシン
B287mgを参考例2(5)と同様に塩化ベンジルス
ルホニルで処理して得たベンジルスルホニル体
混合物328mgをジメチルホルムアミド6mlに溶
解後、塩化リチウム102mgを加え、120℃にて1
時間撹拌を続けた(3′−クロロ化)。実施例3
(1)と同様の後処理後固体300mgを得た。この固
体を実施例2(3)と同様に処理し、精製後、3′−
デオキシカナマイシンB・1炭酸塩66.6mg(ベ
ンジルスルホニル化の原料より収率53%)を得
た。
参考例 3 (1) 6′−N:4′−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−1・3・2′・3″−テトラ
−N−トシル−3′−O−トシルカナマイシンB
の製造 参考例2、(4)項で得た物質611mgをピリジン
12mlに溶解し、塩化トシル880mgを加え、50℃
にて50時間放置した。参考例2、(5)項と同様の
後処理、精製を行ない無色固体356mg(52%)
を得た。〔α〕25 D−30゜(C1、ジメチルホルムアミ
ド)。
元素分析値:C、51.75;
H、5.32;N、5.30;S、11.57%。
計算値(C60H73N5O21S5として):C、52.97;
H、5.41;N、5.15;S、11.78%。
実施例 5 (1) 6′−N:4′−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−3′−デオキシ−3′−ヨー
ド−1・3・2′・3″−テトラ−N−トシルカナ
マイシンBの製造 参考例3、(1)で得た物質60.5mgをジメチルホ
ルムアミド1.2mlに溶解し、ヨウ化ナトリウム
606mg加え、100℃にて4時間撹拌を続けた。実
施例1、(1)Aと同様の後処理、精製を行ない、
無色固体29.9mg(58%)を得た。
参考例 4 (1) 6′−N:4′−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−3′−O−メシル−1・
3・2′・3″−テトラ−N−トシルカナマイシン
Bの製造 参考例2、(4)項で得た物質201mgをピリジン
4mlに溶解し、−20℃に冷却後塩化メシル0.03
mlを加え、室温にて一夜放置した。参考例2、
(5)項と同様の後処理を行ない、得られた固体
218mgをシリカゲルカラムにてクロロホルム−
エタノール(12:1)を展開溶媒として精製
し、無色固体114mg(53%)を得た。〔α〕25 D
25゜(C1、ジメチルホルムアミド)。
元素分析値:C、50.18;
H、5.33;N、5.15;S、12.18%。
計算値(C54H69N5O21S5として):C、50.49;
H、5.41;N、5.45;S、12.48%。
実施例 6 (1) 6′−N:4′−O−カルボニル−4″・6″−O−
シクロヘキシリデン−3′−デオキシ−3′−ヨー
ド−1・3・2′・3″−テトラ−N−トシルカナ
マイシンBの製造 参考例4、(1)で得た物質50.0mgを実施例5、
(1)項と同様にヨウ化ナトリウムで処理し、無色
固体25.5mg(60%)を得た。
実施例 7 (1) 6′−N:4′−O−カルボニル−3′−クロロ−
4″・6″−O−シクロヘキシリデン−3′−デオキ
シ−1・3・2′・3″−テトラ−N−トシルカナ
マイシンBの製造 (i) 参考例2、(5)項で得た3′−O−ベンジルス
ルホニル体509mgをジメチルホルムアミド94
mlに溶解し、塩化リチウム159mgを加え、120
℃で30分撹拌を続けた(3′−クロロ化)。濃
縮、キシレン共沸の後得られたシロツプを90
mlのクロロホルム中に懸濁せしめ、水洗、濃
縮、乾燥後、固体485mgを得た。
こうして得られた固体をシリカゲルカラム
にてクロロホルム−メチルエチルケトン
(1:2)を展開溶媒として精製し、無色固
体386mg(84%)を得た。〔α〕25 D−78゜(C1、
クロロホルム)。
元素分析値:
C、51.69;H、5.31;N、5.71%。
計算値(C53H66N5O18S4Clとして):
C、51.97;H、5.43;N、5.72%。
(ii) 参考例3、(1)項で得た物質102mgよりも(i)
と同様の処理を行ない無色固体76.4mg(83
%)を得た。
(iii) 参考例4、(1)項で得た物質20.9mgよりも(i)
と同様の処理(処理時間は1.5時間)を行な
い無色固体16.7mg(84%)を得た。
(2) 3′−デオキシカナマイシンB(トブラマイシ
ン)の製造 前(1)項で得た物質204mgを実施例2、(3)項と
同様にまず液体アンモニア−金属ナトリウム処
理し(トシル基の脱離、3′−クロロ基の脱離)、
さらに同様の脱保護処理を行ない、3′−デオキ
シカナマイシンB1炭酸塩67.6mg(76%)を得
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次の一般式 〔式中、Rはアルキル基、アラルキル基又はアリ
    ール基であり、Yは2価のヒドロキシル保護基と
    しての炭素数1〜6のアリキリデン基又は炭素数
    3〜6のシクロアルキリデン基又はフエニルアル
    キリデン基であり、Zはアミノ保護基としてのア
    リールスルホニル基である〕で示される3′−O−
    スルホニル化カナマイシンB保護誘導体に次式 MX () 〔式中、Mは金属、XはCl、Br又はIである〕
    の金属ハライドを作用させて次式 〔式中、X、Y、Zは前記と同じ意味である〕で
    示される3′−ハロゲン化生成物を生成し、次いで
    これを還元して3′位ハロ基を水素で置換すること
    により3′−デオキシカナマイシンB保護誘導体を
    生成し、なお必要に応じて残留のアミノ保護基、
    ヒドロキシル保護基を公知の脱保護法で脱離する
    ことを特徴とするトブラマイシンの製造法。 2 次の一般式 〔式中、Rはアルキル基、アラルキル基又はアリ
    ール基であり、R1は水素であるか又は基RSO2
    と同じアルキルスルホニル基、アラルキルスルホ
    ニル基又はアリールスルホニル基であり、Yは2
    価のヒドロキシル保護基としての炭素数1〜6の
    アルキリデン基又は炭素数3〜6のシクロアルキ
    リデン基又はフエニルアルキリデン基であり、Z
    はアミノ保護基としてのアリールスルホニル基で
    ある〕で示される3′−O−スルホニル化カナマイ
    シンB保護誘導体の4′・6′−カルバメート体に次
    式 MX () 〔式中、Mは金属、XはCl、Br又はIである〕
    の金属ハライドを作用させて次式 〔式中、R1、X、Y、Z、は前記と同じ意味で
    ある〕で示される3′−ハロゲン化生成物を生成
    し、次いでこれを還元して3′位ハロ基を水素で置
    換することにより3′−デオキシカナマイシンB保
    護誘導体の4′・6′−カルバメート体を生成し、な
    お必要ならば4′・6′−カルバメート環の開裂、残
    留のアミノ保護基、ヒドロキシル保護基の公知の
    脱保護法による脱離をすることを特徴とするトブ
    ラマイシンの製造法。
JP13926279A 1979-10-30 1979-10-30 Novel preparation of tobramycin Granted JPS5663993A (en)

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US06/196,586 US4349666A (en) 1979-10-30 1980-10-14 Process for the production of kanomycin B derivatives and products obtained therefrom
FR8023421A FR2468616B1 (fr) 1979-10-30 1980-10-29 Nouveau procede de production de la tobramycine ou 3'-desoxy-kanamycine b a partir d'un derive protege de kanamycine b, et produits intermediaires obtenus au cours de ce procede
GB8034764A GB2061942B (en) 1979-10-30 1980-10-29 Process for the production of tobramycin and novel 3'-halo intermediates thereof
DE3040611A DE3040611C2 (de) 1979-10-30 1980-10-29 Verfahren zur Herstellung von 3'-Desoxykanamycin B (Tobramycin)
CA000363650A CA1151161A (en) 1979-10-30 1980-10-30 Process for the production of tobramycin

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