JPS6318205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、貨幣収納信号として交換局から送出
される転極パルス信号の切断時間における送話器
電流を補償するためのコンデンサを備えた公衆電
話機回路に関するものである。

第１図は、従来の押ボタンダイヤル電話機の主
要部を示す回路図である。同図において、L₁，
L₂は交換局の局線に接続する電話機端子、HSは
フツクスイツチで、送受話器を上げることにより
動作して掛戻すまで動作する接点、Ｍは応答監視
用リレーで、端子L₂に印加されるパルスの極性
が（＋）になつたとき動作し動作後通話終了まで
保持されて、送受話器を掛戻すことにより復旧す
る機能を備えている。CCLは送受話器を上げた
後硬貨の投入により機械的に動作し、送受話器を
掛戻すまで動作保持している接点であり、m¹〜
m³は応答監視用リレーＭの接点である。この応
答監視用リレーＭと接点m¹〜m³は、発信者の発
信時から被呼者の応答時までの間だけ後述する通
話補償用のコンデンサC₁を通話回路と切り離し、
コンデンサC₁の最初の充電に起因する後述する
PB信号発振器Ｏの駆動電圧の不足を補償するた
めのものである。D₁，D₂は電流方向検出用ダイ
オード、Ｔは送話器、Ｒは受話器である。Ｄは端
子L₁，L₂に印加される転極パルスの極性が変つ
てもPB信号発振器Ｏに一定方向の電流が流れる
ように接続されたダイオードD₃〜D₆よりなるダ
イオードブリツジ回路を示し、C₁は上記ブリツ
ジ回路Ｄの出力端子間に接続された駆動電流補償
用コンデンサ、CL₁，CL₂は交流を阻止するコイ
ル、C₂は交流バイパスコンデンサ、ＯはPB信号
発振器であり、該PB信号発振器Ｏは周波数接点
Pfと共通接点Pcよりなる押ボタンダイヤルＰの
操作により２周波のPB信号を発振し得るように
構成されている。ZD₁は前記駆動電流補償用コン
デンサC₁の充電に必要な電圧を加えるための高
抵抗素子として用いられているツエナーダイオー
ドであり、OLは緊急通報時における硬貨未投入
で回路が動作している際に、ダイヤル桁数が緊急
通報用のダイヤル桁数と一致しているか否かを監
視するための桁数監視リレーで、C₃は交流バイ
パスコンデンサである。

このように構成された電話機が自即公衆電話機
として使用される場合、貨幣収納信号としては一
般的に第３図に示すような通話電流を逆転する直
流の転極パルスが用いられている。この転極パル
スは、局内機器と端末機器間の信号送受信時にお
ける雑音を低減するために、転極前後に最大約
150msの電流切断時間tcが設けられてあるが、こ
の切断時間tcによつて電話機側において通話の切
断が生じないように、また、切断時間tcによつて
PB信号自体を通信手段として使用している際に
PB信号発振器Ｏの発振不能が生じないように、
ダイオードブリツジ回路ＤとPB信号発振器Ｏと
の線路間にコンデンサC₁を接続せしめて、この
コンデンサC₁の充放電を利用することにより通
話電流及びPB信号発振器Ｏの動作電流を補償し
ている。

また、送話器Ｔは抵抗値が小さいため該送話器
Ｔを上記コンデンサC₁と単に並列に接続した場
合には、コンデンサC₁には充電に必要な電圧が
加えられないので、上記送話器Ｔには直列にツエ
ナーダイオードZD等による高抵抗素子が設けら
れている。しかしながら、こうした高抵抗素子を
送話器Ｔと直列に接続した場合には、その高抵抗
素子の電圧降下が大き過ぎるため、上記切断時間
tcの終了付近において、送話器Ｔを流れる電流の
確保が困難になるという問題点があつた。すなわ
ち、、第４図のグラフ図に示すように、コンデン
サC₁の放電電流Ｉは急激に減少するものであり、
切断時間tcの終了付近では、送話器Ｔを働かせる
のに必要な電流の最少値Iminより下回つてしま
うことになる。

本考案は以上のような点に鑑みてなされたもの
であり、転極パルス信号の切断時間において、送
話器を流れる電流が所定値以下になつた際に、低
抵抗回路を高抵抗素子に並列に接続させる構成と
して、転極パルス信号の切断時間における送話器
電流を充分に確保することができる押ボタンダイ
ヤル電話機回路を提供することを目的とするもの
である。

次に、図面を用いて本考案を詳細に説明する。

第２図は、本考案に係る回路を有する公衆電話
機回路の一実施例を示す主要部の回路図であり、
第１図と同様の箇所には同等の符号を用いてあ
る。

すなわち、送話器Ｔと直列に電流検出素子であ
る桁数監視リレーOLと高抵抗素子としてのツエ
ナーダイオードZD₁が接続されており、このツエ
ナーダイオードZD₁と並列に低抵抗回路としての
ツエナーダイオードZD₂がスイツチング素子とし
ての接点OL¹を介して接続されている。上記桁数
監視リレーOLは送話器Ｔを流れる電流値に応じ
て接点OL¹をON・OFF操作せしめる機能を有し
ている。

次に、以上説明した構成による回路の動作を説
明する。

まず発信者が送受話器を電話機本体のフツクス
イツチHSから外して貨幣を投入すると硬貨投入
ループが形成され、発信が可能となる。ここで押
ボタンダイヤルＰを操作すると共通接点Pcが閉
じられてPB信号発振器Ｏに電流が流れ、PB信号
が発生し、ここで被呼者が応答すると応答監視用
リレーＭが動作して接点m²が切換えられる。こ
うしてツエナーダイオードZD₁の高抵抗によりコ
ンデンサC₁に充電が行われ、通話中に転極パル
スが送られてきた際の送話器電流が補償されるこ
とになる。詳述すると、上記転極パルスの切断時
間tcにコンデンサC₁は、コイルCL₁→コイルCL₂
→送話器Ｔ→桁数監視リレーOL→ツエナーダイ
オードZD₁→共通接点Ｐ→接点m²というループ
で放電を行い、そのループを流れる電流Ｉが時間
Ｔと共に減少して、送話器Ｔを働かせるのに必要
な電流の最少値Iminに近づくと、リレーが作動
し、ツエナーダイオードZD₁と並列に低抵抗回路
としてのツエナーダイオードZD₂が接続される。
上記ツエナーダイオードZD₂の接続により上記ル
ープの抵抗値が小さくなり、第５図に示すように
電流Ｉは一時的に上昇することになる。従つて、
転極パルスの切断時間tcにおいて、送話器Ｔを働
かせるのに必要な電流の最少値Iminは充分に確
保されることになる。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるも
のではなく、要旨を変更しない範囲で種々の変更
を行うことができる。

以上説明したように、本考案によれば、転極パ
ルス信号の切断時間において、送話器を流れる電
流が所定値以下になつた際に、高抵抗素子に低抵
抗回路を並列に接続させる構成としたので、切断
時間における送話器を働かせるのに必要な電流が
充分に確保される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の押ボタンダイヤル電話機の主要
部を示す回路図、第２図は本考案に係る回路を有
する公衆電話機回路の一実施例を示す主要部の回
路図、第３図は一般に貨幣収納信号として用いら
れている転極パルス信号の波形図、第４図は従来
の回路における電流補償用コンデンサの放電電流
を示すグラフ図、第５図は本考案に係る回路にお
ける電流補償用コンデンサの放電電流を示すグラ
フ図である。 C₁……駆動電流を補償するためのコンデンサ、
Ｔ……送話器、ZD₁……高抵抗素子としてのツエ
ナーダイオード、ZD₂……低抵抗回路としてのツ
エナーダイオード、OL……低抵抗回路と高抵抗
素子との接続を操作するスイツチング素子であ
り、送話器回路を流れる電流値を検出する電流検
出素子としての桁数監視リレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 転極パルス信号の切断時間における送話器回路
   の電流を補償するためのコンデンサ、及びこのコ
   ンデンサの充電に必要な電圧を加えるために送話
   器回路と直列に接続される高抵抗素子を備えた公
   衆電話機回路において、上記高抵抗素子と並列に
   接続される低抵抗回路と、上記送話器回路を流れ
   る電流値を検出する電流検出素子と、上記低抵抗
   回路と高抵抗素子との接続を操作するスイツチン
   グ素子と、を具備しており、転極パルス信号の切
   断時間において、送話器を流れる電流が所定値以
   下になつた際に、低抵抗回路が高抵抗素子に並列
   接続される構成とされたことを特徴とする公衆電
   話機回路。