JPS63171828A - 二重金属管等の残留応力改善方法 - Google Patents

二重金属管等の残留応力改善方法

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JPS63171828A
JPS63171828A JP62004490A JP449087A JPS63171828A JP S63171828 A JPS63171828 A JP S63171828A JP 62004490 A JP62004490 A JP 62004490A JP 449087 A JP449087 A JP 449087A JP S63171828 A JPS63171828 A JP S63171828A
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sleeve
thermal sleeve
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melting
stress
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JP62004490A
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English (en)
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Tadahiro Umemoto
忠宏 梅本
Toshio Motoi
本井 俊夫
Takaharu Nakamura
敬治 中村
Hitoshi Nakamura
均 中村
Akitake Matsushita
昭武 松下
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、二重金属管等の残留応力改善方法に係わり、
特に母管の内面とサーマルスリーブの基部との溶接部近
傍の残留応力改善方法に関するものである。
「従来の技術」 一般に、金°属材料、例えば原子力や化学プラント等に
多用されているオーステナイト系ステンレス鋼等におい
ては、引っ張り応力と腐食因子とが共存する場合に、腐
食割れが急速に進行することが知られている。
従来、オーステナイト系ステンレス鋼管の残留応力を改
善する場合には、鋼管の中に冷却水を挿通させながら鋼
管を誘導加熱して、母管壁の内外面に降伏点以上の熱応
力が生じる温度差を与え、鋼管の継ぎ目等の溶接部付近
の内面に、残留圧縮応力を発生させた状態とする応力改
善方法が考えられている。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような方法は、オーステナイト系ス
テンレス鋼管が直管等の単純な形状である場合には適用
可能であるが、母管の内面にサーマルスリーブの基部を
溶接してなる二重金属管であると、母管の板厚とサーマ
ルスリーブの基部とを合わせた厚さ寸法が、母管自身の
厚さ寸法より著しく大きくなるため、前述したように母
管を誘導加熱した場合に、母管壁の温度分布が不均一に
なる現象や、温度差によって発生する応力の大きさや向
きが、目的とする値から外れる現象が発生すると考えら
れる。
また、サーマルスリーブがオーステナイト系ステンレス
鋼からなるものである場合、サーマルスリーブの基部の
溶接部近傍には、溶接熱によって組織の一部が鋭敏化し
た状態となっていると考えられるので、前述した残留応
力改善処理をサーマルスリーブの基部の近傍で実施する
と、悪影響を及ぼしてしまうおそれもある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すること
を目的とするものであり、サーマルスリーブの基部内面
における組織の改善と、残留応力改善とを相乗させた状
態で行なうようにしているものである。
「問題点を解決するための手段」 本発明における二重金属管等の残留応力改善方法は、二
重金属管における母管の内面に溶接されたサーマルスリ
ーブの基部内面を、小入熱加熱により溶融状態とした後
、二重金属管の内部に冷却水を存在させた状態として母
管壁を加熱し、サーマルスリーブの基部近傍における母
管壁の内外面に降伏点以上の熱応力が生じる温度差を与
えるようにしているものである。
「作用 」 二重金属管における母管の内面に形成されているサーマ
ルスリーブについて、その内部を気体雰囲気にしておく
とともに、溶接継手が形成されているサーマルスリーブ
の基部から先端方向にかけての内面を、小入熱量に加熱
して溶融状態とした後、自然放置により冷却する。この
ときの溶融範囲は、サーマルスリーブの基部近傍におい
て母管内面の残留応力改善処理を実施する場合に、残留
応力改善処理がサーマルスリーブに与える影響を考慮し
て、サーマルスリーブ内面に付与される応力が圧縮とな
る部分に設定する。
サーマルスリーブがオーステナイト系ステンレス鋼から
なるものであるとき、表面を溶融状態にして冷却固化さ
せると、再凝固した組織がデルタフェライトを含むよう
になるため、溶融作業の進行に伴って溶融箇所をずらし
たときに、引き続く溶融熱によって鋭敏化を受けること
がない。また、小入熱量とすることによって、サーマル
スリーブの外面側の温度上昇が抑制され、組織が鋭敏化
する等の熱影響部の発生を伴うことを避ける。
次いで、二重金属管の内部に冷却水を送り込む等の冷却
水を存在させた状態としておいて、溶接継手の外側に位
置している母管壁を加熱し、サーマルスリーブの基部近
傍における母管壁の内外面に降伏点以上の熱応力が生じ
る温度差を与えた後、自然放置等により冷却する。
この残留応力改善処理によって、母管の内面に圧縮の応
力を付与し得るものとなるが、一方、サーマルスリーブ
の基部内面には、このような残留応力改善処理がなされ
ない部分、または引っ張り応力が残留する部分も生じる
可能性がある。しかし、この場合においても、サーマル
スリーブの基部内面は、前述した溶融処理によってフェ
ライトを含む組織とされているので、例えば引っ張り残
留応力と腐食因子とが両方存在するときでも、応力腐食
割れ等の現象が抑制されるものである。
「実施例」 第1図ないし第5図は、本発明に係る二重金属管等の残
留応力改善方法を沸騰水型原子炉の再循環系入口ノズル
の部分に適用した一実施例を示すものである。
図中、符号1は原子炉圧力容器1、符号2はノズル、符
号3はセイフェンド、符号4は母管、符号5は母管4の
内部に設けられるサーマルスリーブ、符号6は母管4と
サーマルスリーブ5との間に形成される筒状中空部、符
号7は母管4を長さ方向に連結する突き合わせ溶接部(
溶接継手)、符号8はサーマルスリーブ5の基部を母管
4の内面に取り付けている溶接継手である。符号9は前
記筒状中空部6の中に冷却水を噴出させて流水状態とす
るための冷却ノズル、符号IOは高周波電流をコイルに
流すことによって母管4の必要とする部分を表面側から
誘導加熱するための加熱手段、符号11は例えばティグ
溶接トーチやレーザビーム発生手段等の表面溶融手段で
ある。
また、第3図において、母管4を構成している各部につ
いて、■の部分はステンレスj14(SUS304 )
、■の部分は低合金鋼、■の部分はステンレスクラッド
、■の部分はステンレス肉盛溶接金属、溶接部7はステ
ンレス溶接金属、サーマルスリーブ5はステンレス鋼(
5US304  )、溶接継手8の部分はステンレス溶
接金属から構成されており、各部の寸法は、図示しであ
る通りである。
なお、一部の仕様を列記すると、 サーマルスリーブの平均半径:134.6mttrサー
マルスリーブの厚さ:5.1mm である。
二重金属管において、第1図ないし第3図に示すように
、母管4の内面にサーマル−スリーブ5の基部が溶接継
手8によって取り付けられている構造であると、溶接継
手8の形成時の溶接熱によって、溶接継手8の近傍位置
のオーステナイト組織の一部が鋭敏化して、腐食発生が
起こり易くなっている状態の鋭敏化域i〜鋭敏化域ii
iが発生し得ると考えられる。これら鋭敏化域i〜鋭敏
化域1;iのうち、母管側に位置している鋭敏化域ii
の部分は、従来技術に準じた誘導加熱による残留応力改
善処理を施すことによって、応力改善を行なうことがで
きるが、他の鋭敏化域i及び鋭敏化域iiiの部分につ
いては、前述したサーマルスリーブ5の基部の影響と、
筒状中空部6が狭あい部分となって冷却水が流れにくい
状態となっていることとに基づいて、有効な残留応力改
善処理を実施することができない場合も有り得る。
そこで、鋭敏化域iを含むサーマルスリーブ基部の内面
について、母管内面の残留応力改善処理によってサーマ
ルスリーブ5の内面に付与される応力が圧縮となる部分
を予測して、この部分と溶接継手8との間に、第2図に
示すように溶融処理範囲りを設定して、この範囲りの内
表面について溶融処理を行ない、また、筒状中空部6に
面している鋭敏化域iiiの部分については、誘導加熱
時に強制対流を生じ易くする処理を必要に応じて併用す
る。
以下、応力改善処理工程の順に説明する。
[溶融処理範囲の設定] 応力改善処理を実施するにあたって、まず、溶融処理範
囲■7を設定しておく。
第4図は、加熱手段10を作動させて、サーマルスリー
ブ5の基部近傍に位置している母管壁内面の残留応力改
善処理を施す場合におけるFEM解析モデル図を示して
いる。第5図は、第4図のモデル図の解析位置において
、残留応力改善処理後に母管壁に発生する軸方向の残留
応力分布の検討結果を示している。また、第5図におい
て、応力分布曲線の数値と応力との関係は、図の近傍に
併記しである通りである。例えば数値3は、その部分に
対応する応力−20kg/+n+a” (圧縮残留応力
)を表している。負は圧縮残留応力、正は引っ張り残留
応力を表すものである。
これらの検討結果を補足説明すると、母管内面の残留応
力改善処理を実施することによって、単管となっている
部分(鋭敏化域iiの表面を含む部分)と、二重管とな
っている部分(鋭敏化域111の表面を含む部分)等と
の近傍の母管壁の内面に、圧縮残留応力を付与した状態
とすることができることを示しているとともに、一方、
母管壁の残留応力改善処理によって、サーマルスリーブ
5の基部内面には、鋭敏化域iの近傍に引っ張り応力が
付与された状態となることを示している。また、母管壁
の残留応力改善処理によって、サーマルスリーブ5の内
面に生じる応力は、先端方向に離れるにしたがって、引
っ張り応力が徐々に小さくなり、次いで、圧縮応力が付
与された状態となることが明らかである。
このような現象をふまえて、溶接継手8の近傍からサー
マルスリーブ5の先端方向に、第2図に示すような溶融
処理範囲りを設定する。該溶融処理範囲りは、理想的に
は圧縮応力が付与される部分の中心までの距II(また
は応力が0となる部分までの距M)だけ、溶接継手8か
ら離間させるように設定する。
溶融処理範囲りは、第5図の検討結果等により、次式(
1)によって表すことができる。
1.0Ji−≦L≦3J吉−・・・・・・(1)ただし aニスリーブ平均半径(cm) hニスリーブの厚さくCl11) である。
また、第3図に示す仕様の二重金属管である場合、a 
=13.46c+aSh =0.51cmとなっている
から、 2.62≦L≦7.86(cm) が求められ、この範囲内で実施するとよい。
[気体雰囲気の設定] サーマルスリーブ5の内部について、気体雰囲気(大気
中雰囲気等)とする。この場合において、筒状中空部6
は必ずしも気体雰囲気としなくても良い。
[基部内面の溶融及び2相組織の形成]第1図に示すよ
うに、表面溶融手段11の先端をサーマルスリーブ5の
中に挿入して、表面溶融手段11を作動させることによ
り、前述した溶融処理範囲りの先端から(奥の方から)
基部に向けて、円周方向に溶融点をずらしながら内面の
溶融を行なう。また、この場合における表面溶融手段1
1の入熱量は、サーマルスリーブ5がオーステナイト系
ステンレス鋼からなるものであるとき、表面を溶融状態
にするときの熱伝達によって、サーマルスリーブ5の表
面側(筒状中空部6に面した側)が鋭敏化温度、例えば
550℃まで加熱されないように小入熱量Q(ジュール
/cm)となる条件下で行なう。この入熱量Qは、 Q≦(15または15h″の小さい方)・・・・・・(
2)である。
前述したように、サーマルスリーブ5がオーステナイト
系ステンレス鋼からなるものであるとき、表面を溶融状
態にして冷却固化させた溶融化表面Wとすると、再凝固
した組織がデルタフェライトを含むようになるため、溶
融作業の進行に伴って溶融箇所を徐々にずらしたときに
、引き続く溶融熱によって鋭敏化を受けることがない。
また、小入熱量Qとすることによって、溶融状態となっ
ているときのサーマルスリーブ5の内面側が溶融温度の
高温、気体雰囲気となっている外面側が低温状態となり
、サーマルスリーブ5の外面(筒状中空部6に面1.た
部分)の温度は550℃以下に押さえられる。
なお、サーマルスリーブ自身の壁について、先端方向の
溶融開始箇所の近傍には、小入熱に基づく鋭敏化域iv
が生じる可能性を有しているが、後工程の誘導加熱等に
よる残留応力改善処理により圧縮残留応力が付与される
か、あるいは応力0の状態に設定されることになる。
溶融処理範囲りについて、小入熱量Qの条件下で溶融状
態とした後、自然放置により冷却すると、溶融処理範囲
りにおける内面が主としてフェライトを含む組織、他の
大部分の壁がオーステナイト組織となる。
[母管部への冷却水の供給] 次いで、気体雰囲気となっている二重金属管の内部に冷
却水を充満させると、母管4とサーマルスリーブ5との
間に形成される筒状空間部6にも、冷却水が満たされる
。そして、母管4の加熱に先立って、第2図の矢印で示
すように冷却水に流れを生じさせておくことが望ましい
。流れを生じさせておかない場合、筒状空間部6が小さ
な間隙によって形成されていると、筒状空間部6の中に
存在している冷却水は、サーマルスリーブ5の中に生じ
る水流によってほとんど干渉されなく、自然対流を生じ
にくいので、滞留状態のまま維持されてしまう場合があ
ると考えられる。
[部分水流の発生] そこで、筒状空間部6に細い給水ノズル9の先端を挿入
して、サーマルスリーブ5の基部、セイフェンド3に向
けて、筒状空間部6に満たされている冷却水の中に、第
1図の左向きの矢印で示すように、部分水流を噴出させ
る。この部分水流は、サーマルスリーブ5の基部に当た
って広がるため、円周方向に沿う流水が形成される。
[母管壁部分の残留応力改善処理] 母管壁の内面に流水状態の冷却水を存在させ、加熱範囲
を必要な大きさに設定した加熱手段IOを作動させるこ
とにより、母管壁に例えば200℃以上の温度差を与え
る。次いで、加熱手段10を停止させ、以下、自然放置
等により常温状態に戻すと、冷却時間の経過とともに、
二重金属管の各部は、はぼ均一な温度、例えば、冷却水
の温度(常温)に戻る。
このように常温に戻すことにより、前述したように、母
管壁の内面において、第2図に範囲M1Nで示す部分に
、圧縮の残留応力を付与した状態とすることができる。
母管壁の残留応力改善処理時におけるサーマルスリーブ
5への影響は、第5図において検討した通りであり、サ
ーマルスリーブ5の基部内面の一部には、引っ張りまた
は圧縮応力が付与される。
[改善処理後の基部近傍の状態コ 母管壁の残留応力改善処理を実施−した後のサーマルス
リーブ5の基部近傍には、サーマルスリーブ基部の内面
における溶融処理と、母管壁の残留応力改善処理との相
乗作用に基づく種々の現象が現れる。
サーマルスリーブ5の内表面における溶融処理範囲りで
は、内表面を溶融させることによって、フェライトを含
む組織とする改質処理を行なうことにより、溶融化表面
Wとなっているから、残留応力改善処理によって引っ張
り応力が付与された状態となっても、応力腐食割れの発
生する因子の一つ、鋭敏化オーステナイト組織の存在が
除去されて、応力腐食割れの発生そのものが起こりにく
くなる。
この場合、前記溶融処理範囲りに位置している鋭敏化域
iの部分では、鋭敏化域iの発生の原因となっているク
ロム炭化物を溶融時に分解するとともに、フェライトを
含む組織に変換することになるので、廿−マルスリーブ
基部の組織内外面側部の鋭敏化域iを除去することはで
きないものの、内表面及びそれに近い鋭敏化域iを消滅
させ、耐食性を向上させるものとなる。
サーマルスリーブ基部における内表面は、溶融処理範囲
りにわたって、第2図に示すように溶融化表面Wとなり
、オーステナイト組織の上をフェライトを含む2相組織
で覆った状態となるので、機械的強度等を維持しながら
耐食性を向上させることができるものとなる。
また、溶融工程において、サーマルスリーブ5の基部内
面を範囲りにわたって溶融するので、内表面に応力腐食
割れの芽ともいうべき小欠陥が発生していたとしても、
溶融化表面Wとすることによってこれを消滅させること
になる。
残留応力改善処理時において、サーマルスリーブ5の内
面からの溶融処理と、二重金属管の外面からの誘導加熱
とによって、改善作業が行なわれるため、二重金属管の
端部から表面溶融手段11を挿入できる作業条件であれ
ば、応力腐食割れ対策を容易に実施することができ、サ
ーマルスリーブ5の交換等の作業を必要としない。
サーマルスリーブ5の基部材は根、特に筒状中空部6の
深くくびれでいる部分(クレビス部)は、機械力の集中
応力が発生し易い部分であるが、母管壁の残留応力改善
処理によって圧縮の残留応力を付与することができるの
で、二重金属管の以後の疲労強度が向上する。
サーマルスリーブ5の内面の溶融作業時に、小入熱量と
することにより、サーマルスリーブ5の組織の温度上昇
を例えば550℃以下に抑制して、サーマルスリーブ5
の外表面や溶融処理範囲りの組織中における鋭敏化域の
発生を抑制するとともに、鋭敏化域が発生したとしても
板厚のごく一部に限定させることができる。
また、サーマルスリーブ5の内面を溶融することによっ
て、溶融処理範囲りの先端近傍の組織中に鋭敏化域iv
が生じた場合でも、母管壁の残留応力改善処理を施すこ
とによって、その近傍の内表面に圧縮応力を付与した状
態とすることができるので、その後の応力腐食割れの発
生を抑制するものとなる。
なお、一実施例に代えて次のようにすることもできる。
(イ)サーマルスリーブ基部内面の溶融時に、溶融点を
基部から先端に向けて、円周方向に進行させて行くこと
(ロ)溶融点を管軸方向に進行させること、また、溶融
点を往復移動させながら溶融作業を行なうこと。
(ハ)溶融時に溶加棒を用いて、耐食性のある金属(例
えば炭素量<0.02%のオーステナイト系ステンレス
M)を肉盛ること。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係る二重金属管等の残留
応力改善方法は、二重金属管における母管の内面に溶接
されたサーマルスリーブの基部内面を、小入熱加熱によ
り溶融状態とした後、二重金属管の内部に冷却水を存在
させた状態として母管壁を加熱し、サーマルスリーブの
基部近傍における母管壁の内外面に降伏点以上の熱応力
が生じる温度差を与えるようにしているものであるから
、次のような優れた効果を奏する。 − (i)サーマルスリーブの内表面を溶融させることによ
ってフェライトを含む2相組織となり、応力腐食割れの
発生原因を無くして耐食性を向上させることができる。
(ii)機械的強度等を維持しながら耐食性を向上さ仕
ることができる。
(iii)サーマルスリーブの内表面に生じた腐食割れ
等の欠陥部を、溶融処理によって消滅させることになり
、信頼性を向上させることができる。
(iv)溶融処理に母管壁の残留応力改善処理を付加す
ること−により、サーマルスリーブの基部材は根に、圧
縮残留応力を付与して、疲労強度等を向上させることが
できる。
(V)サーマルスリーブの内面の溶融作業時に、小入熱
量とすることにより、温度上昇を制限して組織中におけ
る鋭敏化域の発生を抑制し、耐食性を向上させるととも
に、母管壁の残留応力改善処理による圧縮応力の付与現
象と合わせて、応力腐食割れの発生を抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る二重金属管等の残留応力改善方法
を沸騰水型原子炉の再循環系入口ノズルの部分に適用し
た一実施例を示す要部の縦断面図、第2図はサーマルス
リーブの基部近傍の状態を説明する拡大図、第3図は第
1図の鎖線■で示す部分における仕様を示す拡大図、第
4図はサーマルスリーブの基部近傍に位置している母管
壁内面の残留応力改善処理を施す場合におけるFEM解
析モデル図、第5図は第4図のモデル図の解析位置にお
いて、残留応力改善処理後に母管壁に発生する軸方向の
残留応力分布図である。 1・・・・・・原子炉圧力容器、 2・・・・・・ノズル、 3・・・・・・セーフエンド、 4・・・・・・母管、 5・・・・・・サーマルスリーブ、 6・・・・・・筒状中空部、 7・・・・・・溶接部(溶接継手)、 8・・・・・・溶接継手、 9・・・・・・冷却ノズル、 10・・・・・・加熱手段、 II・・・・・・表面溶融手段、 W・・・・・・溶融化表面。 第4U1!J 第5図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 二重金属管における母管の内面に溶接されたサーマルス
    リーブの基部内面を、小入熱加熱により溶融状態とした
    後、二重金属管の内部に冷却水を存在させた状態として
    母管壁を加熱し、サーマルスリーブの基部近傍における
    母管壁の内外面に降伏点以上の熱応力が生じる温度差を
    与えることを特徴とする二重金属管等の残留応力改善方
    法。
JP62004490A 1987-01-12 1987-01-12 二重金属管等の残留応力改善方法 Pending JPS63171828A (ja)

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