JPS6315495B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は天吊型空気調和ユニツトに適した熱交
換ユニツトに関する。

(ロ) 従来技術 遠心型フアンと熱交換器とを組み込んだ天吊型
空気調和ユニツトが実公昭58−2988号公報で提案
されているが、このユニツトは遠心型フアンの空
気吸込通路をフアンケーシングの上方に沿つて設
けた構造である為、ユニツトの厚さ寸法を小さく
するのに制限を受けると共に上下方向への強度を
ユニツトの外箱でもたせなければならない等の欠
点を有していた。併せて、このユニツトは背面と
両側面との三面から空気を吸入して前面から吹き
出す一方向への吹き出し構造である為、室内全体
を均一に空気調和することができず、しかも遠心
型フアンの空気吸込側に熱交換器を配設した構造
である為、遠心型フアンで発生する騒音が吹出口
から吹出空気と共に室内へ直接吐き出される欠点
があつた。

(ハ) 発明の目的 本発明は低騒音化と超薄型化を図ると共に上下
方向への強度をあげ、且つ、三方向への吹き出し
を可能とした熱交換ユニツトを提供することにあ
る。

(ニ) 発明の構成 本発明はユニツト本体内を前室と後室とに区画
する仕切板と、この仕切板の中途部に位置し後室
内へ張り出すフアンケーシングのスクロール部
と、このスクロール部内に一部臨む遠心型フアン
と、前室内に位置し両端部が仕切板と結合されて
遠心型フアンを囲む略Ｕ字状の熱交換器とで熱交
換ユニツトを構成することにより、ユニツトをス
クロール部の高さ寸法と略等しい超薄型形状に仕
上げると共にこのスクロール部と仕切板とを上下
方向への補強部材として兼用させ、且つ遠心型フ
アンの吹き出し側に位置する熱交換器でフアンに
て発生する騒音を遮断しながら三方向から調和空
気を吹き出させるようにしたものである。

(ホ) 実施例 本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、
第１図は熱交換ユニツトの横断面図、第２図は第
１図の―′線で切断した熱交換ユニツトの縦
断面図、第３図はこの熱交換ユニツトの要部を示
す透視図で、ユニツト本体１内は仕切板２，３と
この板の中途部に位置し、これと一体もしくは別
体に形成したフアンケーシング４のスクロール部
５とで遠心型フアン６と熱交換器７を収納する前
室８と、熱交換器７と連結された冷媒管９と電装
品１０を収納する後室１１とに区画されている。

１２はフアンケーシング４の上側壁を兼ねるユ
ニツト本体１の天板、１３はフアンケーシング４
の下側壁を兼ねるユニツト本体１の底板で、この
両板１２，１３間に跨がつて仕切板２，３とスク
ロール部５とが溶接されており、このスクロール
部５内に遠心型フアン６の一部を臨ませている。

而して、前室８内に位置した平面略Ｕ字状の熱
交換器７は、スクロール延長線１４に沿い端部１
５がスクロール部５の終端１６側の仕切板２と結
合された右側部７ａと、スクロール延長線１４の
終了箇所１７と交わり遠心型フアン６と近接する
中途箇所１８を有する前部７ｂと、端部１９がス
クロール部５の始端２０側の仕切板３と結合され
た左側部７ｃとの一体品から形成されている。

このようにスクロール延長線１４に沿つて熱交
換器７の右側部７ａをスクロール部５の延長部と
して兼ねさせることにより、遠心型フアン６から
の吐出される空気流を熱交換器７の前部７ｂ側へ
強制的に案内させるようにしており、併せてスク
ロール延長線１４と熱交換器７の右側部７ａとの
間に細長い吹出小空間２１を確保すると共に遠心
型フアン６とこれに近接する中途箇所１８とで左
右に二区分して吹出大空間２２，２３を形成する
ことにより、第４図の実線矢印の如く遠心型フア
ン６の後方側から吐出されスクロール部５に沿つ
て吹き出される空気流は吹出小空間２１を経て熱
交換器７の右側部７ａへ、遠心型フアン６の右方
側から吐出される空気流は右方の吹出大空間２２
を経て熱交換器７の前部７ｂの右半分へ、遠心型
フアン６の前方側から吐出される空気流は右方の
吹出大空間２２から左方の吹出大空間２３を経て
熱交換器７の前部７ｂの左半分へ、遠心型フアン
６の左方側から吐出される空気流は左方の吹出大
空間２３を経て熱交換器７の左側部７ｃへ夫々導
かれるようになつている。特にこれら空気流が熱
交換器７の各部７ａ，７ｂ，７ｃへ均一に導かれ
るようにスクロール延長線１４から熱交換器７の
右側部７ａへ至る吹出小空間２１の幅寸法l₁と、
遠心型フアン６と熱交換器７の中途箇所１８との
離間寸法l₂とを設定する必要があり、例えば幅寸
法l₁を小さくすると熱交換器７の右側部７ａへ導
かれる吹出空気量が減り、離間寸法l₂を小さくす
ると右方の吹出大空間２２から左方の吹出大空間
２３を経て熱交換器７の前部７ｂの左半分へ導か
れる空気量が減る為、充分注意しなければならな
い。

２４，２５，２６はこの熱交換器７の各部７
ａ，７ｂ，７ｃと均一に熱交換された吹出空気を
ユニツト本体１の前面及び左右両側面から室内へ
送出する吹出口、２７，２８，２９は吹出空気を
水平方向と斜下方向へ変更する風向変更板であ
る。

又、３０は底板１３に脚３１を介して固着した
遠心型フアン６のモーター、３２は脚３１と共に
底板１３にボルト３３締めした吸込ノズル板、３
４は熱交換器７で生じたドレンを受けるドレンパ
ンである。

このように、スクロール部５から左右方向へ延
びた仕切板２，３で遠心型フアン６の一次側（風
上側）と二次側（風下側）との区画と、熱交換器
７の一次側（風上側）と二次側（風下側）との区
画を行なうと共に、この仕切板２，３とスクロー
ル部５とで天板１２と底板１３とを上下方向に補
強し、且つこのスクロール部５の高さ寸法にユニ
ツト本体１の高さを抑えられるので、超薄型に仕
上げることが可能であるが、ユニツト本体１の奥
行と横巾の寸法を短くして小型化を図る為に熱交
換器７として熱交換パイプに針状フインを巻きつ
けた熱交換効率の高い針状フイン付熱交換器を用
いた方が好ましい。但し、この針状フイン付熱交
換器は熱交換効率が高い反面、通風抵抗が大き
く、熱交換器７で囲まれた吹出小空間２１及び吹
出大空間２２，２３内の空気圧が高くなる為、こ
の空気圧に打ち勝つ遠心型フアン６を採用する必
要がある。遠心型フアン６としてシロツコフアン
とターボフアンがあるが、シロツコフアンは羽根
出口部で得られる静圧が小さく、この圧力を徐々
に高めて吹き出させる長いスクロール部をフアン
ケーシング４にもたせなければ本来の送風特性を
得ることはできず、本発明のように熱交換器７の
右側部７ａでスクロール部５の延長部を兼ねさせ
てもスクロール部５をそのままスクロール延長線
１４上に延ばした完全なスクロール形態までに至
らない為、シロツコフアンによる本来の送風特性
を充分得ることはできない。これに対して、ター
ボフアンは羽根出口部で既に非常に高い静圧が得
られるので、シロツコフアンのように圧力を徐々
に高めて吹き出させる長いスクロール部は必要な
く、本発明のようにスクロール部５をフアン６の
一部が僅かに臨む程度に短くして小型化を図るに
は遠心型フアン６としてターボフアンを用いた方
が好ましい。

又、遠心型フアン６の吹き出し側にはこのフア
ンを囲むように熱交換器７を配設している為、遠
心型フアン６で発生する騒音が遮断され、特に熱
交換器７として通風抵抗が大きい針状フイン付熱
交換器を用いると、高い遮音効果が得られる。

(ヘ) 発明の効果 本発明によれば、スクロール部の高さ寸法と略
等しい超薄型の形状で、且つ、このスクロール部
と仕切板とで上下方向へ補強された強度のある熱
交換ユニツトを製作することができ、しかも熱交
換器で囲まれる吹出空間内で遠心型フアンからの
吹出空気流を均一に分散させることによりユニツ
トの奥行寸法を短く抑えながらもこの熱交換器は
均一に吹出空気と熱交換され、高い熱交換効率の
もとで三方向から吹き出される調和空気で室内を
満遍無く空気調和することができる。

併せて熱交換効率の高い針状フイン付熱交換器
を用いることにより更にユニツトの小型化を図る
ことができ、且つ、この針状フイン付熱交換器と
共にターボフアンを用いれば所望の吹き出し風量
を充分得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
熱交換ユニツトの横断面図、第２図は第１図の
―′線で切断した熱交換ユニツトの縦断面図、
第３図は熱交換ユニツトの要部を示す透視図、第
４図は空気流を示した熱交換ユニツトの横断面図
である。 １…ユニツト本体、２，３…仕切板、４…フア
ンケーシング、５…スクロール部、６…遠心型フ
アン、７…熱交換器、８…前室、１１…後室、１
５，１９…端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ユニツト本体内を前室と後室とに区画する仕
   切板と、この仕切板の中途部に位置し、後室内へ
   張り出すフアンケーシングのスクロール部と、こ
   のスクロール部内に一部臨む遠心型フアンと、前
   室内に位置し両端部が仕切板と結合されて遠心型
   フアンを囲む略Ｕ字状の熱交換器とを備えてなる
   熱交換ユニツト。 ２ 遠心型フアンがターボフアンである特許請求
   の範囲第１項記載の熱交換ユニツト。 ３ 熱交換器が針状フイン付熱交換器である特許
   請求の範囲第１項記載の熱交換ユニツト。