JPS63132809A - 芳香防腐剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、新規な防腐剤に係り、特にテルペン類やｐ
−シメンからなる揮発性芳香油を有効成分として含有す
る芳香防腐剤に関する。

［従来の技術］ 保存の目的をもって微生物の生理的活動を抑制し、成育
を阻害してその物質の腐敗を防止する方法としては、例
えば、加熱滅菌等の滅菌法、缶詰や瓶詰等により外界か
ら遮断する密閉法、冷凍や冷蔵等による低温保存法、塩
漬けや砂糖漬けのように浸透圧を利用する浸透圧法、燻
製法、発酵食品のように微生物の生産物を利用する発酵
法、酸や防腐剤を使用する方法等、多くの方法が知られ
ており、保存の対象となる物質の種類や性質に応じて種
々の方法が選択され適用されている。

しかしながら、これらの防腐方法では、例えば家庭の各
部屋内、自動車や電車等の車内、劇場やオフィス等大の
集まる屋内等、人の住環境それ自体を微生物の繁殖し難
い環境にすることはできず、このような場所ではせいぜ
い日当りを良くしたり、風通しを良くしたり、ざらには
エアークリーナーを使用して屋内の空気清浄を行う等の
方法が取られているにすぎず、いわゆる部屋に嫌な匂い
がつく等の問題が生じ、かかる場合には芳香剤を使用し
て部屋の嫌な匂いを緩和するという方法がとられていた
。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は、人の住環境それ自体を微生物の繁殖し
難い環境にすることができる防腐剤を提供することにあ
り、また、単に微生物の繁殖し難い環境を作るというだ
けでなく、心地好い芳香に富む快適な環境を作ることが
できる芳香防腐剤を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ すなわち、本発明は、テルペン類及び／又はｐ−シメン
からなる揮発性芳香油を揮発性防腐成分として使用する
芳香防腐剤であり、特にこの揮発性防腐成分がミルセン
、リナロール、ｐ−シメン、α−テルピネン、α−ピネ
ン、Ｄ−リモネン及び酢酸ボルネオールから選択された
１種又は２種以上の揮発性芳香油である芳香防腐剤であ
る。

本発明で使用する揮発性芳香油はテルペン類及びｐ−シ
メンであり、このテルペン類としては炭素数１０のモノ
テルペン類、炭素数１５のセスキテルペン類及び炭素数
２０のジテルペンがあるが、揮発性、芳香性及び防腐性
等の点を総合すると好ましくはモノテルペン類である。

そして、このモノテルペン類についても、例えば、オシ
メン、ミルセン、ゲラニオール、リナロール等の鎖式モ
ノテルペン類や、ジペンテン、α−テルピネン、〇−リ
モネン、α−テルピネオール等の単環式モノテルペン類
や、α−ピネン、酢酸ボルネオール、カンフエン等の二
環式モノテルペン類等を挙げることができるが、特に好
ましいのはミルセン、リナロール、α−テルピネン、α
−ピネン、Ｄ−リモネン及び酢酸ボルネオールである。

これらの揮発性芳香油については、それが天然の植物等
から抽出して精製された天然精油であってもよいが、好
ましくは安価にかつ大量に入手可能な合成精油である。

本発明で使用する上記揮発性芳香油は、これを揮発性防
腐成分として使用する場合、そのいずれか単独でも使用
し得るのであるが、好ましくは、例えば森林浴剤として
使用し得るような安らぎを与える桧、杉、松、ユーカリ
等の葉の処方や、その他ライムの処方、伊予柑の処方、
上記桧等の材木の処方、レモンやユズ等の果樹又は果実
の処方等、上記テルペン類及び／又はｐ−シメンを使用
して処方し得る種々の香りの芳香剤に調香するのがよい
。そして、複数の揮発性芳香油を調香する場合には、複
数の揮発性芳香油を一定の割合に従ってブレンドした俄
に所定温度で所定時間、好ましくは３０’Ｃ以上で１５
０時間以上熟成させるのがよく、これによって揮発性芳
香油の刺激的な香りが消失してまろやかな好ましい香り
になる。

上記テルペン類及び／又はｐ−シメンからなる揮発性芳
香油を単独で使用する場合及び調香して使用する場合の
使用量については、揮発性防腐成分として１種又は２種
以上の揮発性芳香油を１５重量％以上含有させるのがよ
く、好ましくは、α−ピネンを０．５〜１５重量％の範
囲内で含有するもの、Ｄ−リモネンを２〜９０重星％の
範囲内で含有するもの、あるいは、リナロール１〜３重
量％及び／又はｐ−ラメシミ〜８重量％を含有するもの
がよく、より好ましくはミルセン１０〜１６重量％、リ
ナロール１〜３重量％、ｐ−シメン４〜８重量％、α−
テルピネン２〜４重量％、α−ピネン２〜４重量％、０
−リモネン１０〜１６重量％、α−テルピネオール エン０．４〜１重量％、叶−カンファ−０．３〜０、７
重量％、酢酸ボルネオール０〜１２重量％及びγーテル
ピネンＯ〜１０重量％の組成を有して森林浴剤として使
用し得るものである。

また、本発明において、テルペン類及び／又はｐ−シメ
ンからなる揮発性芳香油を揮発性防腐成分とする芳香防
腐剤の剤型についても特に制限はなく、芳香及び防腐の
有効成分であるテルペン類及び／又はｐ−シメンが雰囲
気中に揮発し、この雰囲気内にある腐敗性の物質に対し
て防腐作用を発揮すると共に、この雰囲気内にいる人に
対して好ましい香気を与えることができるものであれば
よく、液体そのものであってもよいが、例えば硅酸カル
シウム等の適当な担体に担持させてもよい。

なお、本発明の芳香防腐剤については、必要により種々
の添加剤、例えばブチルヒドロキシルアニソール（ＢＨ
Ａ）　、ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤を添
加することができる。

本発明の芳香防腐剤は、液体のままあるいは適当な担体
に担持させて、例えば家庭の各部屋内、自動車や電車等
の車内、劇場やオフィス等大の集まる屋内等、人の住環
境に散布したり、設置したり、あるいはエアコンやエア
クリーナー等と併用したり、ざらには、食品保存箱や冷
蔵庫等に入れる、等の適当な方法で使用することができ
る。

［作用］ 本発明の芳香防腐剤は、揮発性芳香油を揮発性防腐成分
として活用するものであり、保存の対象となる物質がお
かれている雰囲気を微生物の繁殖に不適当な状態にして
腐敗の進行を防止するものであると考えられる。

［実施例］ 以下、実施例及び比較例に基いて、本発明の芳香防腐剤
を具体的に説明する。

実施例 揮発性芳香油として、α−テルピネオール（芳香油■）
、ミルセン（芳香油■）、Ｄ−リモネン（芳香油■）、
酢酸ボルネオール（芳香油■）、ｐ−シメン（芳香油■
）、α−テルピネン（芳香油■）、α−ピネン（芳香油
■）、リナロール（芳香油■）、ＤＬ−カンフェン（芳
香油■）及びＤ−力ンファー（芳香油［相］）を使用し
、これらの各揮発性力香油■〜■単独、及び、下記第１
表の割合で調香して製造した森林浴剤Ａ及びＢ並びにα
−テルピネオール６４．０型組％、Ｄ−リモネン２．２
重量％、α−ピネン１４．２重量％、シトロネロール１
６．３重量％及びゲラニオール３．３重量％の割合で調
香して製造した桧材木の処方Ｃを芳香防腐剤の試料とし
て使用した。なお、上記各揮発性芳香油■〜■はそのい
ずれも合成精油を使用した。

第１表 上記各試料（各揮発性芳香油■〜［相］並びに森林浴剤
Ａ，Ｂ及びＣについて、以下の方法でその防腐性能を調
べた。

上記試料１０ｇを入れたシャーレをガラス板の上にセッ
トし、このシャーレの上方的９０ｍの高さの位置にスタ
ンドを介して試験物質の鴻の卵（杓８．５〜９．５９．
５分間ボイル後設を取除いたもの）をセットし、これら
ガラス板上にセットしたシャーレ及び鴻の卵等を直径１
２０ｓＸ高ざ１８０ｍ（内容積約２Ｊ２）のガラス製玉
鐘で覆い、この玉鐘とガラス板との間にワセリンを塗っ
て密閉状態とし、常温常湿（温度２１〜３０℃、湿度１
７〜２８％ＲＨ）の条件で２週間放置し、鴻の卵につい
て下記の観察、すなわち、 観察ａ：白身における黴の発生の程度 ｂ：白身における膜状物の発生の程度 Ｃ：白身の変色の程度 ｄ：白身の白色点状盛上りの発生の程度ｅ：白身におけ
る黒斑点の発生の程度 ｆ：白身の弾力の程度 ｇ：黄身の黄色の変色の程度 ｈ：黄身の形崩れ・べとつきの程度 ｉ：腐敗臭の発生程度 の観察を行い、セットしたときの鴻の卵の状態を基準に
して、○：全く異常なし、Δニ一部に若干の変化は認め
られるが、全体的には殆ど異常なしと判断される、及び
、Ｘ：明らかな又は著しい変化（食品としての価値を失
する程度）が認められる、の三段階で評価した。結果を
第２表に示す。

第２表 ［発明の効果］ 本発明の芳香防腐剤は、テルペン類及び／又はｐ−シメ
ンからなる揮発性芳香油を揮発性防腐成分として使用す
るので、例えば家庭の各部屋内、自動車や電車等の車内
、劇場やオフィス等大の集まる屋内等、人の住環境で使
用した場合、これら人の住環境それ自体を微生物の繁殖
し難い環境にすることができると共に、芳香性によって
心地好い香りの快適な環境を作ることができる。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. （１）テルペン類及び／又はｐ−シメンからなる揮発性
   芳香油を揮発性防腐成分として使用することを特徴とす
   る芳香防腐剤。
2. （２）揮発性防腐成分がミルセン、リナロール、ｐ−シ
   メン、α−テルピネン、α−ピネン、Ｄ−リモネン及び
   酢酸ボルネオールから選択された１種又は２種以上の揮
   発性芳香油である特許請求の範囲第１項記載の芳香防腐
   剤。
3. （３）揮発性防腐成分として１種又は２種以上の揮発性
   芳香油を１５重量％以上含有する特許請求の範囲第２項
   記載の芳香防腐剤。
4. （４）α−ピネンを０．５〜１５重量％の範囲内で含有
   する特許請求の範囲第２項記載の芳香防腐剤。
5. （５）Ｄ−リモネンを２〜９０重量％の範囲内で含有す
   る特許請求の範囲第２項記載の芳香防腐剤。
6. （６）リナロール１〜３重量％及び／又はｐ−シメン４
   〜８重量％を含有する特許請求の範囲第２項記載の芳香
   防腐剤。
7. （７）ミルセン１０〜１６重量％、リナロール１〜３重
   量％、ｐ−シメン４〜８重量％、α−テルピネン２〜４
   重量％、α−ピネン２〜４重量％、Ｄ−リモネン１０〜
   １６重量％、α−テルピネオール４０〜６０重量％、Ｄ
   Ｌ−カンフェン０．４〜１重量％、ＤＬ−カンファー０
   ．３〜０．７重量％、酢酸ボルネオール０〜１２重量％
   及びγ−テルピネン０〜１０重量％の組成を有して森林
   浴剤として使用される特許請求の範囲第２項記載の芳香
   防腐剤。
8. （８）揮発性防腐成分を構成する揮発性芳香油が合成精
   油あるいはその混合油である特許請求の範囲第２項ない
   し第７項のいずれかに記載の芳香防腐剤。