JPS6313037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 軸筒の先端より突出するスライダー先端の芯管
の先端面、或いはスライダー先端の芯管より更に
突出する鉛芯の先端面をノツクすることで鉛芯の
繰出しを行なう、所謂、先端ノツク式シヤープペ
ンシルでは、例えばポケツトに差して携帯中に、
ポケツトの布帛類にスライダー先端の芯管が当つ
たり外れたりすることでスライダーの前後動が生
じ、全く知らぬ間に鉛芯が突出し、芯折損のおそ
れが増すことがある。

この考案は、使用しない携帯時等にはスライダ
ーを動かないようロツクしてしまうことによつ
て、上記した欠点を払拭すべく試みたものであつ
て、その目的とする所は、ロツクのための特別な
ノブ等を外部に顕出させることなしに達成できる
構造を提供することにある。

この考案を図面に示す実施例によつて説明する
と、つぎのとおりである。

鉛芯連行部材７を装填したスライダー３は第２
スライダー８の内側に前後動自在に配設され、第
２スライダー８は軸筒１を構成する先部材１ａの
内孔２に対して強い摩擦抵抗を示す摩擦部材９を
設け、前後動可能に配設する。スライダー３の後
方には第２スライダー８と衝突することができる
鍔６があり、スライダー３と第２スライダー８と
の間には、スライダー３を前方に押す弾撥部材５
を介装すると共に、その弾撥部材５に抗してスラ
イダー３を後退させたとき、その後退位置にスラ
イダー３を止めおくことができるように、スライ
ダー３には係止部材４を、第２スライダー８には
係止用溝１０を設けて係止部Ａを構成する。摩擦
部材９により摩擦抵抗は係止部Ａにおける解除力
よりも大とする。

コレツトチヤツク装置１１は弾撥部材１２で突
張らせたチヤツク作動管１３とチヤツク体１４と
の間に転子１５を介在させてなり、そのチヤツク
作動管１３は弾撥部材１６により常に前方に押さ
れている。

上記した構成において、スライダー３を動かな
いようにロツクするには、つぎのようにして行な
うことができる。すなわち後端ノツクによつてチ
ヤツク部を開いたチヤツク作動管１３の前端をス
ライダー３の後端に当接させてから、つぎに先端
ノツクによつてスライダー３、鉛芯１７およびス
ライダー３により押されるチヤツク作動管１３を
後退させ、第３図に示すように、スライダー３と
第２スライダー８との係合係止関係を樹立し、更
にそののちもスライダー３による押圧後退を続け
ることで軸筒１側との強い摩擦抵抗に抗して第２
スライダー８を後退させ、こうして後退の終りで
は、第４図に示すように、第２スライダー８の摩
擦部材９が内孔２から外れる迄（ただし摩擦部材
９により摩擦抵抗力が弾撥部材１６の弾撥力より
大の場合は摩擦部材９が内孔２から外れなくても
よい）押しこんだのち、前記先端ノツクによる紙
面等への押しつけをなくしてやる。

然るときは、弾撥部材１６の復帰力がチヤツク
作動管１３並びにこれと当接するスライダー３に
働くから、これによつて係止部Ａにおける係止が
解かれ、スライダー３は弾撥部材５の復帰力で前
進し、その前進は鍔６が第２スライダー８の後端
に衝突したところで停止する。一方、第２スライ
ダー８については、その摩擦部材９が強力に抵抗
して第４図の状態をそのまま維持する。結局スラ
イダー３後方の鍔６は、第５図に示すように、そ
の後端は弾撥部材１６の復帰力により通常状態に
復帰したチヤツク作動管１３と当接し、またその
前端は後退位置にある第２スライダー８でしつか
りと受けとめられ、こうして動かないようにロツ
クされるのである。

このロツクを解くには、後端ノツクによるチヤ
ツク作動管１３の前進によつて摩擦部材９が呈す
る強い摩擦抵抗に打ち克つて第２スライダー８を
前進させることにより、第２図の状態に戻すこと
ができる。

第２図の状態で先端ノツクすると芯出しができ
ること、下記のとおりで、その際、軸筒１側に対
する第２スライダー８の摩擦抵抗は係止部Ａにお
けるスライダー係止解除に要する力に較べて大で
あるから、先端ノツクによる芯出操作中、第２ス
ライダー８は不動であり、該芯出操作には関与し
ないことになる。すなわち、始めにスライダー３
先端の芯管或いは鉛芯１７の先端を紙面等に押し
つけると、スライダー３や鉛芯１７の後退だけで
なく、鉛芯１７を噛んでいるコレツトチヤツク装
置１１全体も弾撥部材１６を圧縮して後退し、ス
ライダー３とコレツトチヤツク装置１１との相対
的位置関係を一定に保つたままスライダー３を第
１の係止部Ａに係止させることになるから、その
後に上記した紙面等への押しつけを除くと、圧縮
された弾撥部材１６の力でコレツトチヤツク装置
１１とこれに喰えられた鉛芯１７は前進するの
に、スライダー３は係止部Ａで係止されたままと
するから、上記の相対的位置関係を短縮密着する
如くなし、その分だけスライダー先端の芯管より
鉛芯１７を突出する。やがて係止部Ａでの係止は
コレツトチヤツク装置１１の押圧で解除され、ス
ライダー３は弾撥部材５の力で始めの状態に戻る
ことになるが、これによつて前記した芯出量は変
らず、こうして先端ノツクによる芯出しが可能で
ある。

以上のように、この考案は、スライダー３とは
別にもう一つの第２スライダー８を設け、その第
２スライダー８の軸筒１側との摩擦抵抗は、第２
スライダー８内面に形成したスライダー３の係止
部Ａにおける解除力よりも大とするという比較的
簡単な構造でスライダー３を動かなくして予期し
ない芯出をなくす。しかもスライダー３ロツクの
状態で弾撥部材１６の弾撥力を受けなくできるか
ら、衝撃等でロツクが解除されるおそれも少なく
するといつた利点がある。また後端ノツクの状態
で強く先端ノツクすればよいので使用の煩わしさ
がないほか、このロツク装置は全てが軸筒１内に
納まつていて、外部に突出するものが何もないか
ら、シヤープペンシルとしての外観を損うことが
ない。

尚、上述した実施例において、係止部Ａにおけ
るスライダーの係止方法としては、第２スライダ
ーに係止部材を、スライダーに係止用溝を設けた
り、或いは、係止用溝と係止部材との組み合せ以
外のもので係止させることもできる。又、第２ス
ライダーに摩擦部材を設けたが、先部材の内孔に
摩擦部材を設けることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のスライダーロツク装置を有
する先端ノツク式シヤープペンシルの断面図、第
２図はその要部の拡大図、第３図から第５図まで
はスライダーロツクの過程を示す断面図である。 １……軸筒、３……スライダー、８……第２ス
ライダー、１１……コレツトチヤツク装置、１３
……チヤツク作動管、Ａ……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒１内に押込んだスライダー３をその位置に
   とめおく係止部Ａ、およびコレツトチヤツク装置
   １１のチヤツク作動管１３を前方に押圧する弾撥
   部材１６とを設けた先端ノツク式シヤープペンシ
   ルにおいて、軸筒１とスライダー３との間に該軸
   筒１側との摩擦抵抗が上記係止部Ａにおける解除
   力よりも大とした第２スライダー８を前後動自在
   に設け、スライダー３と第２スライダー８との間
   に上記係止部Ａを形成し、後端ノツクによるチヤ
   ツク部開放状態下で軸筒１内に押込んだスライダ
   ー３によつて、弾撥部材１６の力に抗しチヤツク
   作動管１３を押圧後退させて、スライダー３を係
   止部Ａに係止した第２のスライダー８が後退位置
   を占めることができるようになすと共に、弾撥部
   材１６の復帰力によりチヤツク作動管１３に押さ
   れてスライダー３の係止部Ａにおける係止解除を
   可能となし、後退位置にある第２スライダー８と
   弾撥部材１６の復帰力により通常状態に復帰した
   チヤツク作動管１３の間で係止部Ａにおける係止
   を解かれたスライダー３後方の鍔６をロツク可能
   としてなる先端ノツク式シヤープペンシルのスラ
   イダーロツク装置。