JPS6311570A - 炭素繊維強化炭素材の製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素材の製造方法

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JPS6311570A
JPS6311570A JP61260151A JP26015186A JPS6311570A JP S6311570 A JPS6311570 A JP S6311570A JP 61260151 A JP61260151 A JP 61260151A JP 26015186 A JP26015186 A JP 26015186A JP S6311570 A JPS6311570 A JP S6311570A
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pressure
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酢谷 潔
角南 好彦
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 く産業上の利用分野〉 この発明は、ロケットノズル、航空機用ディスクブレー
キ、或いは炭素発熱体等に使用して優れた性能を発揮す
る炭素繊維強化炭素材の製造方法に関するものである。
〈従来技術とその問題点〉 軽量で高強度を示し、しかも耐熱性にも優れた炭素繊維
強化炭素材(以下rC/C複合材」と略称する)は、今
や宇宙航空機部材や発熱体、更には医療用材料等として
欠かせない存在となっているが、その製造には“炭素繊
維と熱硬化性樹脂或いはピッチとを混合し炭化する手段
”が一般的に採用されている。しかし、C/ C71合
材の製造にこの方法を採用すると炭化後の成形体中に多
量の気孔が生成し易く、従って「ピッチ含浸−炭化処理
」を繰り返したり[炭素のCVD (化学蒸着)処理」
を施す等の高密度化処理が必要であるなど、工程が極め
て複雑となるので工業的に決して好ましい手段とは言え
なかった。
一方、「炭素繊維と炭素質骨材並びに高軟化点のピンチ
からなる混合物とを交互に積層し、これを加圧・加熱成
形してから炭化すると、ピッチ含浸やCVD等の高密度
化処理を施さなくとも高密度で強度の高いC/ C11
合材が得られる」との報告もなされている(「炭素材料
学会筒11回年会要旨集J第98〜99頁)。
しかしながら、炭素繊維と炭素質骨材・ピンチの混合物
とを均一な厚みで交互積層することは技術的に極めて困
難なことであり、従って、この方法にてC/C複合材の
工業的規模での生産を試みたとしても、得られる製品の
炭素繊維含有率は高々40%以下程度のものにしかなら
ず、所望の良好な物性(曲げ強度、引張り強度、圧縮強
度、剪断強度並びに耐摩耗性等)を有するC/C複合材
の安定な量産は望むべくもなかった。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者等は、上述のような観点から、曲げ、引張り、
圧縮及び剪断等の強度や、耐摩耗性を始めとするその他
の物性に優れた高炭素繊維含有率・高密度C/C複合材
を工業的規模で安定生産し得る方法を提供すべく、試行
錯誤を繰り返しながら研究を重ねたところ、以下に示さ
れる如き知見が得られたのである。即ち、 (a)  何れも微粉状態の炭素質骨材とバインダーピ
ッチとを、これら微粉並びに炭素繊維との濡れ性が良好
な溶液に分散させると共にこの分散液と炭素繊維とを接
触させると、該炭素繊維に前記混合微粉が均一・緻密に
付着した繊維体が極めて容易に、しかも確実に得られる
こと。
(bl  その上、この炭素質骨材とピッチとを均一付
着させた繊維体は炭素繊維の繊維面が前記混合微粉で殆
んど隙間なく被覆された状態となっているので、この繊
維体の複数をそのまま積層して所定温度域で加圧・加熱
成形し炭化乃至は黒鉛化処理すると、ピッチ含浸又はC
VD等の高密度化処理や“へら”等を使用して行われて
きた面倒な炭素繊維と炭素質骨材・バインダーピッチ混
合粉との交互積層処理を要することなく、炭素繊維含有
率も密度も高い優れた物性のC/C複合材が極めて簡単
にかつ安定して得られること。
(C)  更に、積層した繊維体の前記加圧・加熱成形
に際し、これに所定温度域で減圧する前処理を施すと、
繊維束内に残存する気体が除去されて繊維束内へのマト
リックス成分(炭素質骨材)の含浸が促進され、より緻
密で一段と優れた物性を有するC/C複合材が極めて安
定に得られるようになること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 微粉状炭素質骨材とバインダーピッチとを分散させた溶
液中に浸漬してこれらを付着させた炭素繊維織物の複数
を積層し、そのまま或いは必要により更に〔前記バイン
ダーピッチの軟化点+50℃〕〜450℃の温度域にて
100+uHg以下の減圧処理を施した後、加圧・加熱
成形して炭化乃至黒鉛化することにより、面倒な処理・
操作を要することなく、各種強度や体摩耗性等の物性に
優れた炭素繊維強化炭素材を安定して1tJIし得るよ
うにした点、 に特徴を有するものである。
ここで、炭素質骨材としてはC/C複合材の製造に従来
から使用されている炭素粉、カーボンブラック、黒鉛等
の何れをも採用することができ、またその粒径は格別に
限定されるものではないが、粒径が20μを越えると複
合体の炭化処理後に骨材とピッチのマトリックス中にク
ラックが発生し易くなることから、好ましくは20μ以
下の炭素質骨材(例えば5〜15μの粒径のものが主体
をなすもの)を使用するのが良い。
また、この発明の方法ではバインダーとしてピッチを採
用している。なぜなら、熱硬化性樹脂よりもピッチの方
が炭化収率が高くて有利だからである。そして、バイン
ダーピッチとしては高軟化点のものほど炭化収率が高く
て緻密なC/C複合材が得られるので、このような観点
からすれば軟化点(ここで言う“軟化点”とは、高化式
フローテスター内の試料が軟化変形し試料粒子自体の空
隙を充填し終わる温度を指す)が200°C以上のもの
が好ましく、出来れば250℃以上のものが推奨される
。しかも、バインダーピッチは炭素繊維フィラメント内
に含浸させなければならないものであって、成形時の加
熱過程で容易に溶融・流動することが必要である。従っ
て、適用するバインダーピッチは流動点(“流動点”と
は前記試料が流動化し始める温度であり、通常は「軟化
点+20〜40℃」である)を有するものが望ましい。
これらの点からは揮発分が15%以上のバインダーピッ
チが良いが、炭化収率の観点からは揮発分が30%以下
のものが好ましい。
上述のような軟化点が200℃以上でしかも流動点を存
するバインダーピッチは、例えばコールタールピッチや
石油系ピンチを減圧下で350℃以上の温度で熱処理す
る方法で得ることができるが、使用に当っては200μ
程度以下に粉砕するのが好ましい。
この発明で使用される炭素繊維は高強度品或いは低強度
品の何れでも良く、炭化温度は一般的な1000℃以上
である必要はなく500〜1ooo℃程度のものでも十
分であり(むしろ、これら比較的低温で焼成したものの
方が成形体の炭化時に収縮傾向を示すので、マトリック
スとの収縮差が無くなって高い強度を実現することが多
い)、C/C複合材の目標性能に応じて使い分けられる
。炭素繊維の形態としては、チョップ状のもの等何れを
採用してもよいが、高い性能が得られると言う観点から
織物状や長繊維状のものが好適であり、中でも“織物状
のもの”は繊維の配向方向に高い物性が得られるので特
に推奨されるものである。
また、繊維径は特に制限されるものではないが、5〜2
0μ程度のものが適当である。そして、これらの炭素繊
維はエポキシ樹脂等でサイジングされているのが普通で
あるが、サイジングされたまま用いると加熱時にサイジ
ング剤が硬化してピッチが炭素繊維束内へ含浸し難(な
る上、ピッチと炭素繊維との界面に異物が存在すること
になるため、使用に当っては事前に溶剤でサイジング剤
を除去しておくことが望ましい。
ところで、この発明の方法では、前記炭素質骨材粉とバ
インダーピッチとを炭素繊維に付着させるため、骨材粉
とバインダーピッチを分散させた溶液中に炭素繊維を浸
漬する手段が採用される。
このような手段を採用することにより、固体成分が炭素
繊維に良くなじんで均一な厚みで付着し、高炭素繊維含
有率の成形体を製造することが可能となるが、骨材粉と
バインダーピッチとを分散させる液体としては、これら
固体粉及び炭素繊維の何れとも濡れ性の良い、例えばア
セトン、エタノール、メタノール、〔水子界面活性剤〕
の溶液、或いはこれらと樹脂の混合液等が使用出来る。
なお、分散液に分散させたり浸漬したりする炭素質骨材
、バインダーピ・ノチ及び分散液の重量比率は1 : 
(0,2〜4) : (1〜6)程度が適当である。そ
して、このようにすればマトリックス成分(骨材+バイ
ンダーピッチ)と繊維との比率が1=(2〜2゜3)の
成形物の製造も可能である。
さて、炭素質骨材とバインダーピッチとを付着させた炭
素繊維が複数準備されると、これらは積層され、そのま
ま或いは予備成形の後加圧・加熱成形されるが、成形温
度は、ピッチが重合反応して固化することが必要である
ことから少なくとも430℃以上、好ましくは450℃
以上とするのが良い。また、該温度が高すぎるとピンチ
の収縮に起因した成形体の収縮が起こり、加圧力でプレ
ス面に拘束された状態では成形体に割れが発生するので
、成形温度の上限を550℃、好ましくは540 ゛c
程度に抑えるのが良い。成形圧は30kg/cm2未満
では成形体の緻密化が十分に行われないおそれがあるの
で30 kg/all”以上1.好適には40kg/c
m”以上とするのが良い。
更に、この場合、室温から成形の最終温度(最高到達温
度)まで高圧で加圧し続けると、成形体内に熱分解ガス
が内包されて多孔質となり易く、また例えピッチが高粘
度化する温度(550℃程度)から加圧を開始し650
℃程度まで加圧を続けて上記不都合の回避を図る方法を
採用すると、今度は加圧開始時にピッチが過度に重合し
て粘度が高くなり過ぎ、炭素質骨材と炭素繊維とを接着
する能力が低下しがちとなり易く、何れにしても得られ
るC/C複合材の強度に悪影響を及ぼす一抹の懸念を拭
い得ないものである。そこで、このような懸念を完全に
除いてしまうためには次のような手段が強く推奨される
即ち、加圧・加熱成形工程を、360〜480°Cの温
度範囲まで20kg/amz以下の圧力下(加圧しない
場合も含む)で昇温する第1工程と、これに引き続く、
第1工程での到達温度よりも高い最高到達温度域が43
0〜550℃(出来れば430〜540℃)の加熱下で
30kg/cm”以上(好ましくは40 kg/cab
2以上)の加圧を行う第2工程とで構成する手段である
。なぜなら、360℃を下回る程度の温度はピッチは軟
化するがピンチの熱分解反応は未だ起こらない領域であ
り、また360〜480℃の温度域はある程度熱分解も
進む領域であるが、この時点で20kg/cm”を越え
る高圧で加圧すると、被成形体は炭素繊維と骨材とが密
接すると共にその間隙をピッチが埋め尽くすまで圧密さ
れ、余剰のピッチが被成形体から流出するようになる。
ところが、加圧・加熱成形型のR終温度としては更なる
高温が必要であるので成形型を更に昇温すると、ピ・ノ
チは熱分解反応を起こすか或いは熱分解反応の程度を増
し、発生する熱分解生成ガス圧によりピンチは一層成形
型から流出してピッチ不足の状態を来たすため、得られ
る成形体は多孔質のものとなり強度が低下しがちとなる
懸念がある。また、いきなり480℃を越える温度域に
加熱すると、ピッチの熱分解反応が進み過ぎて高粘度化
するために加圧成形を行っても熱分解ガスが内包されて
しまう上、ピンチと炭素繊維との濡れや接着が十分に起
こらずに成形体の強度に悪影響がでる懸念がある。しか
し、加圧・加熱成形の初期工程を無加圧又は精々20 
kg/cm2以下の加圧下で360〜480℃の温度範
囲にまで加熱するように調整すると、成形に必要な高圧
加圧を実施する前にある程度熱分解が進んでそれ以降の
熱分解生成ガス量が減るので分解ガスによるピンチの流
出現象は低減され、更にこの範囲であればピッチの粘度
も未だ低いことから気泡の内包や骨材及び炭素繊維とピ
ッチの接着不良等の問題は完全に解消される。そして、
これに続いて被成形体を30 kg/cm”以上、好ま
しくは40kg/cm”以上の加圧下で更に昇温しで成
形を完了し、炭化乃至は黒鉛化すると、目的強度を十分
に満足するC/C複合材がより一層安定確実に得られる
。この場合、第1工程での到達温度よりも高い第2工程
での最高到達温度が430℃以上であるとピッチの分解
・固化反応が遅くて成形に長時間を要するような不都合
は完全に拭われ、一方、550℃以下であると、ピンチ
が固化を完了して収縮することに起因した“熱膨張する
金型面と収縮する成形体間の膨張・収縮差”で成形体に
割れが発生するとの懸念は皆無となり、その上、この時
の成形圧を30kg/cm”以上とすることで十分に緻
密化した成形体が確実に得られる。
また、このような加圧・加熱成形の前に〔バインダーピ
ッチの軟化点+50℃〕〜450℃の温度域にて100
mHg以下の減圧処理を施すのが良いことは前述した通
りであるが、この際の加熱温度が〔バインダーピッチの
軟化点+50°C〕の値よりも低いとピッチの溶融が不
十分で炭素繊維束内へ含浸しにくくなり、一方、450
℃を越える温度に加熱すると ピンチの熱分解−ガス発生−発泡一浸み出しを生じるこ
とから、この時の加熱温度は〔パインダーピンチの軟化
点+50℃〕〜450℃の温度域とした。更に、この時
の雰囲気圧がlQOmnHgよりも高いとマトリックス
成分の含浸効果が十分に発揮されないことから、加圧・
加熱成形の前に減圧処理を施す場合にはその減圧度を1
00 m−mHg以下と定めた。
つまり、炭素質骨材とバインダーピッチとを液中分散し
て炭素繊維を浸漬し、その複数を積層して加圧・加熱す
ると、均一に付着してはいるが浸漬時に繊維束内部にま
で侵入していなかったマトリックス成分(骨材とピッチ
)も溶融によって繊維束内へ侵入することとなるが、時
たまそれだけでは十分に含浸しない場合もある。なぜな
ら、繊維束が加圧によって密着するのでフィラメント間
の隙間が少なくなって融液の浸入が困難となったり、繊
維束内に残存していた空気等の気体が抜は難くて融液の
含浸を阻害したり、或いは溶融したピッチは成形金型の
隙間等から流出するので圧力の伝達が悪くなって含浸力
を低下させたりするからである。ところが、加圧・加熱
成形の前に前記条件の減圧処理を行うと上記不都合は完
全に取り除かれ、高密度の成形体を安定して製造出来る
ようになるのである。
何れにしろ、減圧処理を行う場合はもとより、このよう
な前処理を行わなくても、この発明の方法に従って加圧
・加熱成形された成形体は、従来のものに比して極めて
緻密で、繊維フィラメント同士の間が強固に結合された
構造を有している。
そこで、この成形体を常法の炭化処理或いは黒鉛化処理
に付すと、非常に良好な強度や耐摩耗性等を備えたC/
C複合材が得られる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明する。
〈実施例〉 実施例 1 コークスを微粉砕して粒径5〜10μに調整した炭素粉
、コールタールを430”Cで熱処理して得たバインダ
ーピッチ(軟化点=295℃1粒度ニーytooμ)並
びにエタノールを混合重量比5:5:20で混合・分散
させた後、この分散液に炭素繊維織物(糸強度: 35
0 kg/mm”、弾性率:23 ton/mm”の平
織1000フイラメント)を直径が50m1の円形にカ
ットしたものを複数枚浸漬し、引き上げて乾燥した。
次に、得られた微粉付着炭素繊維を30枚積層し、内径
50mφの金型に入れ、80kg/cm2の加圧下で加
熱速度:2℃/I!linにて室温から520℃まで昇
温し、10分間保持した後冷却した。
得られた成形体は重量比で68%の炭素繊維を含有して
おり、曲げ強度は1200 kg/cm”で、顕微鏡観
察により亀裂のない緻密な断面を有していることが確認
された。
続いて、この成形体を、N2ガス中で加熱速度:20℃
/hrにて1000℃まで昇温し、10時間保持してか
ら冷却した。
このようにして得られたC/C複合体は、曲げ強度16
00kg/cm”と言う高い値を示した。
実施例 2 天然黒鉛(粒径:5〜15μ)と、デカントオイルを4
50℃で真空度:20mmHgにて60分処理して得た
ピッチ(軟化点:310度)と、エタノールニア0%及
びフェノール樹脂=30%の混合液とを混合重量比3:
’7:40で混合・分散させた後、この分散液に炭素繊
維(糸強度:350kg/nm”、弾性率: 23 t
on/mm” 、フィラメント数: 6000本の長繊
維)を連続的に通過させ、その後回転しつつ軸方向に微
動する直径30cmのドラムに間隙無く巻き付けた。巻
き付けた糸の密度は、軸方向の長さ1■当り5本であっ
た。
このドラムに巻いた炭素繊維を90°Cで40分乾燥し
てエタノールを除去したところ、一方向性のシート状物
が得られた。
このシート状物を5CI!1角にカットし、繊維方向を
直角に交互に10枚積層した後、内寸が5 cm角の金
型に入れて50 kg/cm”の加圧下で500℃にて
30分保持してから冷却した。
次いで、得られた成形体を計雰囲気中で加熱速度:5℃
/hrにて1000 ’cまで昇温し、2時間保持後冷
却してC/C複合材を製造した。
製造されたC/C複合材は、曲げ強度が1900kg/
cm”であり、炭素繊維含有率は重量比で58%であっ
た。
実施例 3 炭素繊維長繊維(糸強度: 80kg/mm”、フィラ
メント数:6ooo本)を〔フェノール樹脂:30%十
エタノールニア0%〕の溶液中に浸漬してこれを含浸さ
せた後、実施例2におけると同様の回転ドラムに間隙無
く巻き付けた。続いて、このドラムを130℃で1時間
乾燥してから炭素繊維を剥がし取り、5 cra角にカ
ットして一方向性シートを得た。
一方、コールタールに濃硝酸を6%添加し真空度:20
uHgで400℃まてま加熱したところ、軟化点が31
5℃のピッチが得られたので、これを−200メソシ、
1に粉砕してバインダービ・ノチ扮を得た。
また、オイルコークスを1000℃で乾留した後倣粉砕
し、平均粒径:10μの炭素質骨材粉を得た。
次に、上記バインダーピッチ粉、炭素質骨材粉並びにア
セトンを混合重量比 3:1:5で混合・分散させた後
、この分散液に上述の1方向性シートを繊維方向が直角
となるように交互に40枚積層した後、内寸が5C11
角の金型に入れて90kg/cm”の加圧下で540℃
まで加熱し、10分保持してから冷却した。
得られた成形体をAr雰囲気中で加熱速度:30’C/
hrにて1200℃まで昇温し、1時間保持後冷却して
C/C複合材を製造した。
製造されたC / C?![合材は、曲げ強度が105
0kg/cm2であり、炭素繊維含有率は重量比で65
%であった。
比較例 1 実施例1で用いた炭素粉とバインダーピッチとを5=5
の重量比で乾式混合し、この混合粉と実施例1に示した
炭素繊維織物(50++nφにカット)とを、炭素繊維
の含有率が重量比で68%となるような割合で内径:5
0flφの金型中に交互に積層した。なお、炭素繊維の
積層枚数は30枚であり、混合粉を積層する時は“へら
”で面をならして出来る限り層厚が一定となるようにし
た。
次いで、この積層物を80kg/cmzの加圧下で加熱
速度:2℃/winにて室温から520℃まで昇温し、
10分間保持した後冷却した。
得られた成形体は重量比で67%の炭素繊維を含有して
いたが、曲げ強度は140kg/car2でしかなく、
この成形体を顕微鏡観察したところプレス面と平行な方
向に多数の亀裂が見られた。
続いて、この成形体を実施例1の場合と同様にN2ガス
中で加熱して炭化したが、得られたC/C複合材の曲げ
強度は240 kg/cm”を示すに止まった。
実施例 4 石油コークスを1000℃で炭化した後ロータリーミル
で粉砕して得られた粒径:15μ以下の炭素質骨材粉を
30部と、コールタールを真空度:5mmHgで440
″Cまで加熱して30分保持して得たところの粒径:1
25μ以下のバインダーピッチ(軟化点:300°C2
流動点:340℃)を70部用意し、これを200部の
エタノール中に均一分散してから、この分散液中にアセ
トンでサイジング剤を除去した9、5cm角の炭素繊維
織物(糸強度: 390kg/cm2. フィラメント
数: 1000本、平織)を浸漬し、引き上げた後、目
開き1cI11の金網上で乾燥した。このように処理さ
れた炭素繊維織物は、炭素繊維100部に対する骨材粉
とバインダーピッチの総付着量が95部となっていた。
次に、この炭素繊維織物を40枚積層してから内寸が1
0cn角の金型に装入し、この金型を更に減圧可能な容
器中にセットした。続いて、これを5 mu Hgの減
圧下で400℃まで昇温して10分間保持した後、N2
ガスを導入して大気圧にまで戻した。
次いで、この金型をプレス成形機にセントして80kg
/cm2の加圧下で加熱速度:3℃/minにて300
℃より520℃にまで昇温し、10分間保持した後冷却
した。
得られた成形体は、重量比で59%の炭素繊維を含有し
ており、曲げ強度は1300 kg/cm2で、顕微鏡
観察したところ緻密でかつ繊維フィラメント間が強固に
結合された断面を有しているのが確認された。
更に、この成形体を粉コークス中に入れ、N2雰囲気下
で加熱速度:12℃/hrにて1100℃まで昇温しで
10分間保持後冷却したところ、密度が1.50で、曲
げ強度が2100kg/cm” (厚さ:4mm)のC
/C複合材が得られた。
また、このC/C複合材を溶解したピッチ中に浸漬し、
230℃まで昇温後5 m Hgに減圧して30分間保
持してから大気圧に戻し、更に10分間保持した後ピッ
チ中から引き上げると言うピッチ含浸処理を施した。そ
して、このピッチを含浸させたC/C複合材を前記と同
じ条件で再炭化処理したところ、密度が1.60、曲げ
強度が3200kg/cm”のC/C複合材が得られた
実施例 5 石油コークスを1000℃で炭化した後ユーマイザーで
粉砕して得た平均粒径12μの炭素質骨材粉を30部と
、コールタールを真空度:5mmHgで430℃まで加
熱して90分保持して得たところの粒径:125μ以下
のバインダーピッチ(軟化点=300℃、流動点:34
0℃)を70部用意し、これを160部のエタノール中
に均一分散してから、この分散液中にアセトンでサイジ
ング剤を除去した9、5cm角の炭素繊維織物(糸強度
:390 kg/cm”、 フィラメント数: 100
0本、平織)を浸漬し、引き上げた後、目開き1co+
の金網上で乾燥した。このように処理された炭素繊維織
物は、炭素繊維100部に対する骨材粉とバインダーピ
ッチの絵付着量が95部となっていた。
次に、この炭素繊維織物を40枚積層してから内寸がL
oan角の金型に装入し、プレス成形機を使用し常温に
て20kg/cn+”で加圧して予備成形した後、第1
表で示す条件通りに加圧・加熱成形した。なお、加圧・
加熱成形は、予備成形が終了してから温度ts(加圧開
始温度)まではダイスの自重(0,1kg/cm”)の
みで加圧しつつ加熱速度:10’C/winにて昇温し
、1sで10分間保持した後、1、からtl、(最高到
達温度)までは第1表に示した成形圧を加えつつ加熱速
度:lO°C/minにて昇温しt□、で30分間保持
する手段によった。
続いて、このようにして得られた成形体を粉コークス中
に埋没し、N2雰囲気下で加熱速度:20”C/hrに
て1000℃まで昇温して2時間保持することにより炭
化した。
得られたC/C複合材の曲げ強度を第1表に併せて示し
たが、この第1表からも、本発明の方法によって優れた
強度のC/C複合材が安定して得られることが明らかで
ある。
実施例 6 実施例5におけると同様の材料を使用した実施例5と同
様の処理で、炭素繊維100部に対する骨材粉とバイン
ダーピッチの絵付着量が95部のマトリックス付着炭素
繊維織物を得、次にこの炭素繊維織物を40枚積層して
から内寸がioam角の金型に装入し、プレス成形機を
使用し常温にて80 kg/cm!で加圧して予備成形
した後、第2表で示す条件通りに加圧・加熱成形した。
なお、加圧・加熱成形は、予備成形が終了してから温度
11(加圧開始温度)までは第2表に示すような低圧加
圧を加えつつ加熱速度: 10 ’C/minにて昇温
し、1.で直ちに250 kg/cm2の加圧力を加え
てそのままjmax(最高到達温度)まで加熱速度:1
0℃/winにて昇温しt□8で1時間保持する手段に
よった。
続いて、このようにして得られた成形体を実施例5の場
合と同様条件で炭化し、その曲げ強度を測定して第2表
に併せて示したが、第2表からも明らかなように、本発
明の方法によって安定製造されるC / C71合材は
何れも優れた強度を有していることが分かる。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、炭素繊維含有
率が高くしかも高密度を有し、強度その他の緒特性に一
段と優れた炭素繊維強化炭素材を工業的規模で安定して
生産することが可能となり、炭素繊維強化炭素材の適用
分野の更なる拡大が期待できるなど、産業上極めて有用
な効果がもたらされるのである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)微粉状炭素質骨材とバインダーピッチとを分散さ
    せた溶液中に浸漬してこれらを付着させた炭素繊維の複
    数を積層し、次いで加圧・加熱成形して炭化乃至黒鉛化
    することを特徴とする、炭素繊維強化炭素材の製造方法
  2. (2)炭素繊維が織物状をなしている、特許請求の範囲
    第1項に記載の炭素繊維強化炭素材の製造方法。
  3. (3)加圧・加熱成形工程が、360〜480℃の温度
    範囲まで20kg/cm^2以下の圧力下で昇温する第
    1工程と、引き続いて第1工程での到達温度よりも高い
    最高到達温度域が430〜550℃の加熱下で30kg
    /cm^2以上の加圧を行う第2工程とで構成される、
    特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の炭素繊維強化
    炭素材の製造方法。
  4. (4)微粉状炭素質骨材とバインダーピッチとを分散さ
    せた溶液中に浸漬してこれらを付着させた炭素繊維織物
    の複数を積層し、次いで〔前記バインダーピッチの軟化
    点+50℃〕〜450℃の温度域にて100mmHg以
    下の減圧処理を施した後、加圧・加熱成形して炭化乃至
    黒鉛化することを特徴とする、炭素繊維強化炭素材の製
    造方法。
  5. (5)炭素繊維が織物状をなしている、特許請求の範囲
    第4項に記載の炭素繊維強化炭素材の製造方法。
  6. (6)加圧・加熱成形工程が、360〜480℃の温度
    範囲まで20kg/cm^2以下の圧力下で昇温する第
    1工程と、引き続いて第1工程での到達温度よりも高い
    最高到達温度域が430〜550℃の加熱下で30kg
    /cm^2以上の加圧を行う第2工程とで構成される、
    特許請求の範囲第4項又は第5項に記載の炭素繊維強化
    炭素材の製造方法。
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JPH03197360A (ja) * 1989-12-25 1991-08-28 Nippon Steel Corp 炭素繊維強化炭素材の製造法
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