JPS6310193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレス機のプレス型内へプレス材
料となる鋼板シートを一枚宛自動供給するシート
フイーダ装置に関するものである。

成形プレス機へ材料である鋼板シートを供給す
る装置として従来よりシートフイーダ装置があ
る。このシートフイーダ装置は、例えば、シート
を多数積層してストツクするストツク台と、スト
ツク台上のシートを一枚宛吸着して取出す取出し
機構と、取出されたシートをセンタリング位置へ
搬送する搬送機構と、センタリング位置でプレス
機のプレス型に対するシートの位置決めを行なう
センタリング機構と、位置決めされたシートを吸
着保持してプレス型内へ供給する供給機構と、前
記取出し機構、センタリング機構及び供給機構の
全体をプレス機のプレス型の高さに合せて上下動
させる高さ調整機構とで構成されている。

ところで、上記高さ調整機構はプレス機におけ
るプレス型の交換に伴ない、プレス型のシート被
供給高さが変ると、これに応じてシート供給機構
側のシート供給高さを最適な高さに調整する為に
設けられている。この高さ調整機構は、従来、第
１図に示す様に脚部２を四隅に有する架台１の各
脚部２の下端にウオーム並びにウオームホイール
とで構成されるウオーム減速機３を介して伸退可
能な支柱４を設け、架台１の下部に前記ウオーム
減速機３のウオームホイールを回転させるモータ
５を配設した構造となつている。尚、架台１上に
はシート取出し機構、搬送機構及び供給機構等が
集約されて設けられている。

そしてシートの供給高さの調整はモータ５を正
回転或いは逆回転させてこれをウオーム減速機３
に伝達し、支柱４を脚部より突出或いは退入させ
て架台１を上昇或いは下降させて架台１上の供給
機構のシート供給高さを調整する。調整後モータ
５の回転を停止させると架台１はその位置に保た
れる。

上記高さ調整機構では、ウオーム減速機３を用
いて支柱４を伸長或いは退入させているので、動
作時、ウオーム減速機３のウオームとウオームホ
イールの噛合部における隙間等の為にスムースに
動作せず、しかも四個所の脚部２で同時に動作し
ており、これらが均一に動作するとは限らず、架
台１がガタ付いて振れるといつた問題があつた。
また微調整が困難であつた。更に四個所にウオー
ム減速機３を設けており、構造が複雑で機構が大
型になつていた。

この考案は、従来のシートフイーダ装置におけ
る高さ調整機構の上記問題点に鑑み、これを改良
除去したもので、簡単な構造でもつて架台をガタ
付きなく昇降させ得るようにした装置を提供す
る。

即ち、本考案は、ストツク台上に積層されたシ
ートを取出す取出し機構及び、取出されたシート
をセンタリング位置まで搬送する搬送機構、セン
タリング位置で位置決めされたシートを保持して
プレス型へ供給する供給機構を集約して設けた架
台の下面に筒状の脚部を垂設し、ベース上に前記
脚部を案内する筒状のガイド部材を起立固定し、
前記脚部をガイド部材内にローラ或いはボールを
介して挿入し、前記架台の中央部を押し上げて架
台を昇降させる液圧シリンダを一個ベースと架台
との間に設けた装置である。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。

第２図は、シートフイーダ装置の全体を示す図
面で、床面上を移動可能に構成されたベース１０
上に、被供給物であるシート１１を多数積層させ
てストツクするストツク台１２、ストツク台１２
からシート１１を一枚宛取出す取出し機構１３、
取出し機構１３にて取出されたシート１１をセン
タリング位置へ搬送する搬送機構１４、センタリ
ング位置からシート１１をプレス機１７のプレス
型１８内へ供給する供給機構１５、及び供給され
るシート１１の供給高さをプレス型１８の高さに
合せて調整する高さ調整機構１６を配置して構成
されている。

前記ストツク台１２は、ベース１０の後部に支
持具１９を介して水平に支持されており、その上
面に多数のシート１１が積層される。

取出し機構１３は、ストツク台１２の上方に配
置された支持フレーム２０にバキユームヘツド２
１，２１を貫通させて上下動自在に設け、当該バ
キユームヘツド２１，２１の上端を連結させて支
持フレーム２０上に起立固定したエアーシリンダ
２２のピストンロツド２２ａに結合してある。ま
た支持フレーム２０の下面で且つバキユームヘツ
ド２１，２１の両側に第１のマグネツトコンベア
２３を適当な間隔を持たせて設けてある。この第
１のマグネツトコンベア２３は、例えば無端状に
循環するベルト２４の内面側にマグネツト（図示
せず）を設けたもので、バキユームヘツド２１，
２１の下端のバキユームカツプ２１ａ，２１ａに
て吸着保持されて来たシート１１をマグネツトに
て吸着し、ベルト２４にて前方へ送る。２５は第
１のマグネツトコンベア２３を駆動する駆動モー
タである。尚、前記支持フレーム２０はベース１
０に起立固定されたガイド部材２６にガイド部２
７介して上下動自在に支持された架台２８の後端
に結合支持されている。またバキユームヘツド２
１，２１は積層されたシート１１の中央部上方に
来る様に配置する。

搬送機構１４は、架台２８の上面で且つ第１の
マグネツトコンベア２３より下方に第２のマグネ
ツトコンベア２９を適当な間隔を持たせて複列配
置してある。この第２のマグネツトコンベア２９
の後端を第１のマグネツトコンベア２３の先端と
一部重合させ、且つ先端をセンタリング位置まで
設けてあり、同一の駆動モータ２５にて同時に駆
動される。但し、第１のマグネツトコンベア２３
と第２のマグネツトコンベア２９とは循環方向が
互いに逆方向になるように駆動モータ２５に連結
される。従つて第１のマグネツトコンベア２３に
て送られて来たシート１１は、その先端で下方へ
落下させられ、第２のマグネツトコンベア２９の
上面に載せられ、前方のセンタリング位置へ搬送
される。３０は第２のマグネツトコンベア２９の
先端両側に起伏自在に設けられたストツパで、リ
ミツトスイツチ等の検知手段（図示せず）が設け
られており、ストツパ３０にて停止させられたシ
ート１１を検知すると、駆動モータ２５を停止さ
せて第１・第２のマグネツトコンベア２３，２９
の送りを停止させる様になしてある。またシート
１１が前方へ送られる時は、ストツパ３０が倒状
してシート１１と干渉しない様になしてある。第
２のマグネツトコンベア２９の先端側方にはスト
ツパ３０に近接させてセンタリング機構（図示せ
ず）を設けてあり、停止させられたシート１１を
プレス機１７のプレス型１８に対する位置決めを
行なうようになしてある。

供給機構１５は対向する複列の第２のマグネツ
トコンベア２９の中間部上方に配置されており、
シート１１の後端を保持する保持手段３１と、保
持手段３１を支持する移動体３２と、移動体３２
を所定ストロークで往復動させるチエーンコンベ
ア３３とより成る。前記保持手段３２は、第３図
及び第４図に示す様に、先端部を若干下方に折曲
させた長尺な一対の固定爪３４，３４と当該固定
爪３４，３４の下面側に平行リンク３５，３６を
介して平行移動可能に連結された短尺な一対の可
動爪３７，３７とより成る。前記一対の固定爪３
４，３４の後端間をブラケツト３８にて結合し、
且つ平行リンク35，36の支軸35a，36aを両者に
跨がつて回転自在に架設し、一方の支軸３５ａの
中間部に駆動リンク３９を一体に結合してある。
また可動爪３７，３７は前進端では先端が固定爪
３４，３４の先端と合致し、後退端では固定爪３
４，３４内に入り込む大きさに形成されている。
そして前記固定爪３４，３４は移動体３２に取付
固定され、駆動リンク３９と移動体３２との間に
復帰スプリング４０，４０が牽引状に張設されて
可動爪３７，３７が常時後退端に保持される。４
１は移動体３２の下面に取付けられたエアーシリ
ンダで、そのピストンロツド先端をブラケツト４
２を介して駆動リンク３９に当接させてあり、エ
アーシリンダ４１の伸長に伴なつて可動爪３７，
３７が前進し、固定爪３４，３４との間でシート
１１の後端を掴む。移動体３２は、上面両側に長
手方向に沿つて側板４３，４３を起立固定し、当
該側板４３，４３に挾持ローラ４４，４４及びガ
イドローラ４５を複数個回転自在に設けてあり、
移動体３２の両側に長手方向に沿つて設置された
レール部材４６，４６に前記挾持ローラ４４，４
４及びガイドローラ４５を接触させて移動体３２
をスライド自在に支持させてある。チエーンコン
ベア３３は架台２８の上方に設けた支持台４７の
両端にスプロケツトホイール４８，４８を設け、
当該スプロケツトホイール４８，４８にチエーン
４９を無端状に張設してある。このチエーンコン
ベア３３は移動体３２の中心線上を通るように設
置され、移動体３２の上面に固定された結合ブラ
ケツト５０にてチエーン４９と結合してある。５
１は支持台４７上に設けられた正・逆回転可能な
直流モータで、減速機５２及び適宜の動力伝達手
段５３を介して一方のスプロケツトホイール４８
に連結してあり、直流モータ５１の回転によりチ
エーンコンベア３３を介して移動体３２を往復動
させる。この移動体３２のストロークは、保持手
段３１の先端でセンタリング位置で停止している
シート１１の先端を掴み得る位置からプレス機１
７のプレス型１８の側部に至る範囲に設定してあ
る。

高さ調整機構１６は、ベース１０上のガイド部
材２６に架台２８の脚部２８ａを上下動可能に挿
入したガイド部２７と、架台２８とベース１０と
の間に設置された液圧シリンダとからなり、当該
液圧シリンダ５４のピストンロツド先端を架台２
８の下面に結合してある。前記ベース１０のガイ
ド部材２６及び架台２８の脚部２８ａは四角筒状
又は円筒状に形成され、ガイド部材２６と脚部２
８ａとの間でガタ付きを極力生じない様にするた
めローラあるいはボール２６′が介装してある。
前記液圧シリンダ５４はその伸縮動作により架台
２８をベース１０に対して上下動させて架台２８
上の第２のマグネツトコンベア２９に保持された
シート１１の高さをプレス機１７のプレス型１８
の高さに合せて調整する。尚、図中５５はベース
１０に取付けられた車輪５６は車輪５５を駆動す
る駆動モータである。

上記構成の装置において、シート１１の供給動
作を説明すると、先ずストツク台１２上に多数の
シート１１を積層し、液圧シリンダ５４を動作さ
せて架台２８の高さを所定の高さに調整する。そ
して取出し機構１３のエアーシリンダ２２を短縮
させてバキユームヘツド２１，２１を下降させ、
その下端のバキユームカツド２１ａ，２１ａをシ
ート１１の上面に接触させる。この後バキユーム
カツド２１ａ，２１ａに負圧を作用させてシート
１１を吸着保持させる。同時にエアーシリンダ２
２を伸長させてバキユームヘツド２１，２１を上
昇させて吸着保持したシート１１を持ち上げ、第
１のマグネツトコンベア２３に吸着させる。そし
てバキユームカツド２１ａ，２１ａの負圧を解除
すると共に駆動モータ２５を動作させて第１・第
２のマグネツトコンベア２３，２９を循環させ、
第１のマグネツトコンベア２３に吸着されたシー
ト１１を前方へ送り出し、第２のマグネツトコン
ベア２９上に載置する。第２のマグネツトコンベ
ア２９に載せられたシート１１は更に前方のセン
タリング位置へ搬送される。一方前記取出し機構
１３では、再びエアーシリンダ２２が短縮してバ
キユームヘツド２１，２１を下降させて次のシー
ト１１に吸着させ、当該シート１１を持ち上げて
第１のマグネツトコンベア２３に吸着させ、同時
にバキユームヘツド２１ａ，２１ａの吸着を解い
てシート１１を第１のマグネツトコンベア２３か
ら第２のマグネツトコンベア２９の後部へ載置す
る。

第２のマグネツトコンベア２９にて搬送されて
いるシート１１がセンタリング位置に達し、スト
ツパ３０にて停止せられ、同時に検知手段にて検
知されると、駆動モータ２５が停止して第１・第
２のマグネツトコンベア２３，２９の送りが停止
させられる。停止したシート１１はセンタリング
機構にてプレス型１８に対する位置決めがなされ
る。

シート１１が位置決めされると、供給機構１５
のエアーシリンダ４１が伸長して保持手段３１の
可動爪３７，３７を復帰スプリング４０，４０に
抗して前方へ押し出し、固定爪３４，３４と可動
爪３７，３７との間でシート１１の後端２個所を
保持する。

シート１１が保持されると、ストツパ３０がシ
ート１１と干渉しない位置へ倒伏し、同時に直流
モータ５１が正回転し、チエーンコンベア３３を
循環させて移動体３２をレール部材４６，４６に
沿つて所定ストローク移動させ、保持手段３１に
て保持されたシート１１を第２のマグネツトコン
ベア２９から取出し、前方へ送つてプレス機１７
のプレス型１８内へ挿入する。続いてエアーシリ
ンダ４１へのエアーの供給が停止され、復帰スプ
リング４０，４０の牽引力により可動爪３７，３
７が後退し、シート１１を解放してプレス型１８
内へ供給する。

シート１１が供給されると、ストツパ３０が起
立し、直流モータ５１が逆回転し、チエーンコン
ベア３３を介して移動体３２及び保持手段３１が
後方へ復帰させられ、更に駆動モータ２５が動作
して第１・第２のマグネツトコンベア２３，２９
を循環させて第２のマグネツトコンベア２９の後
方で待機しているシート１１を前方へ送る。また
第１のマグネツトコンベア２９の動作中にバキユ
ームヘツド２１，２１が動作してストツク台１２
上のシート１１を吸着して取出し、当該シート１
１を第１のマグネツトコンベア２３から第２のマ
グネツトコンベア２９へ供給する。

そして第２のマグネツトコンベア２９のシート
１１がストツパ３０にて停止させられると、第
１・第２のマグネツトコンベア２３，２９の送り
が停止させられ、センタリング機構にてシート１
１の位置決めがなされ、この後供給機構１５が前
記した動作を行ない、位置決めされたシート１１
をプレス型１８内へ供給する。

上記した動作を順次繰り返してストツク台１２
上に積層されたシート１１を一枚宛取出してプレ
ス機１７のプレス型１８内へ供給する。

またプレス機１７のプレス型１８を交換する時
は、ベース１０上に設けられた駆動モータ５６を
動作させて装置全体を移動させてプレス機１７か
ら離し、この状態でプレス型１８の交換を行な
い、この後、再び装置全体を移動させてプレス機
１７に近接させてシート１１の供給を行なう。こ
のプレス型１８の交換に伴ない、シート１１の被
供給高さが変ると、高さ調整機構１６の液圧シリ
ンダ５４を伸長或いは短縮させて架台２８を上下
動させてシート１１の供給高さを調整する。

以上説明した様に、この考案によれば、架台の
下部に設けた筒状の脚部をベースに起立固定した
筒状のガイド部材内にローラ或いはボールを介し
て挿入して、架台を上下動自在に支持させ、且つ
架台とベースとの間に一個の液圧シリンダを配置
しており、架台はガイド部材のガイド部にてベー
スにどの方向にも傾きやガタ付きを生じないよう
に支持されているので、一個の液圧シリンダでも
つて架台を傾けることなく昇降させることができ
る。このように一個の液圧シリンダで各種機構を
備えた広い面積の、しかも非常に重量の重い架台
を昇降できるので、従来のように四本の脚を不要
とし、かつ各脚を同期させて昇降させる必要もな
くなり、構造が非常に簡単になる。また液圧シリ
ンダは無段階で伸縮することができ、シートの供
給高さを微調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートフイーダ装置における高
さ調整機構を示す要部側面図、第２図は本考案に
係かるシートフイーダ装置の全体を示す側面図、
第３図は本考案に係るシートフイーダ装置に使用
される供給機構の平面図、第４図はその側面図で
ある。 １０……ベース、１１……シート、１２……ス
トツク台、１３……取出し機構、１４……搬送機
構、１５……供給機構、１６……高さ調整機構、
２６……ガイド部材、２７……ガイド部、２８…
…架台、５４……液圧シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ストツク台上に積層されたシートを取出す取出
   し機構と、取出されたシートをセンタリング位置
   まで搬送する搬送機構と、センタリング位置で位
   置決めされたシートを保持してプレス型へ供給す
   る供給機構を架台上に集約させて配置し、架台の
   下面に筒状の脚部を垂設し、ベース上に前記脚部
   を案内する筒状のガイド部材を起立固定し、前記
   脚部をガイド部材内へローラ或いはボールを介し
   て挿入し、前記架台の中央部を押し上げて架台を
   昇降させる液圧シリンダを一個ベースと架台との
   間に設けたことを特徴とするシートフイーダ装
   置。