JPS627279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は外箱内にドラムを回転自在に支承し、
該ドラム内に温風を送るためのヒーターと、フア
ンとを備えた衣類乾燥機で特にドラム後部の軸受
けの改良に関するものである。

従来のドラム後部の軸受けは、第１図に示すよ
うにフアンケーシングの中央部に絞り部分を設け
てなるメタル係合部４１内に、グリース等含浸部
材とともに表面が球面で中央に軸受用の貫通孔４
２ａを有するメタル４２を収納し、メタル押え４
３を上からかぶせてこのメタル押え４３をフアン
ケーシングに設けた折曲げ加締部４１ａで加締固
着するものである。このようにして前記メタル４
２がメタル係合部４１とメタル押え４３の間で自
由に回転することにより軸の偏心に対応すること
が可能となる。

しかし、球面体としての軸受けメタルは高温や
湿気に弱く、またドラムの回転を安定させるため
に径を太くした軸には適さない。さらに、部品点
数が多く製造工程が面倒であり、またドラムの回
転による振動を直接他の部分に伝えやすいという
欠点がある。

本考案の目的は上記従来例の不都合を解消し、
高温多湿に充分耐えられ、しかも太い軸を受け入
れることができるのでドラム自体のガタツキもな
く、また部品点数が少なく容易かつ安価に製作で
き、さらに防振効果もある衣類乾燥機のドラム後
部の軸受けを提供することにある。

しかしてこの目的は本考案によれば、外箱内に
ドラムを回転自在に支承し、該ドラム内に温風を
送るためのヒーターと、フアンとを備えた衣類乾
燥機において、ドラム支持板を一部膨出させて円
形凹部を形成し、ドラム背面中央に固着した合成
樹脂製円盤体を該円形凹部内に回転自在に収納す
ることにより達成される。

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第２図は本考案の軸受けを用いた薄型除湿タイ
プの衣類乾燥機の縦断正面図、第３図は同上縦断
側面図で、図中１は外箱、２は外箱１の前面に設
ける気密機構の扉、３は前面の開口３ａ以外はす
べて閉塞した退転ドラム、４は温風循環用フア
ン、５は半導体ヒーター、６はモーターを示す。

前記ドラム３の開口３ａ上部に吸気側端７ａ
が、該開口３ａ下部に送気側端７ｂが連通するダ
クト７を外箱１内に設け、該ダクト７内に前記フ
アン４、多数の放熱フイン８ｂを通気管路８ａに
設けた熱交換器８、半導体ヒーター５を順次並べ
て配設する。なお、このダクト７は一体物でな
く、例えばフアン４周囲を覆うフアンケーシング
や熱交換器８や半導体ヒーター５のケーシングを
相互に他の部材で連結してなる組合せ物で構成し
てもよい。また、熱交換器８の排気側近傍のダク
ト壁に排水孔９を設け、その先端を外箱１外へ突
出させる。

さらに、前記ダクト７の吸気側端７ａにはリン
トフイルター１０を収納し、このフイルター１０
を着脱するための扉１１を外箱１に取付ける。

回転ドラム３の支承構造として、前部は前面開
口３ａ端面を回転軸として、外箱１に一体的に形
成した前部軸受１２でフエルトパツキン１３を介
して受ける。

第４図は回転ドラム３の後部軸受けの要部の縦
断側面図、第５図は同上分解斜視図で、図中１５
はドラム支持板を示し、該ドラム支持板１５は横
長の矩形板からなり第６図に示すように左右端を
外箱１の左右側板背面間に掛け渡しビス止めする
ものである。

このドラム支持板１５の中央を一部外箱１の中
央方向に膨出させて円形凹部１６を形成し、かつ
この凹部１６の形成部中央に円孔１７を穿設す
る。

一方、ドラム３の背面中央に円形凹部１８を形
成し、この凹部１８内に円形又は輪状のフエルト
シール１９を固着する。

前記円形凹部１６とほぼ同一形状の合成樹脂製
皿状円盤体２０及び該円盤体２０の円形凹部２０
ａと同形の金属製皿体２１を使用し、皿体２１を
円盤体２０の凹部２０ａ内に納め、さらに円盤体
２０を支持板１５内に納め、かつ円孔１７を介し
てドラム３、フエルトシール１９、円盤体２０、
皿体２１の順でビス２２を用いて固定する。

また、ドラム支持板１５は適宜外箱１の背面板
１ａにビス２３で固定する。

温風循環用フアン４の回動軸２４には同一形状
の冷却フアン２５をダクト７外に位置させて取付
け、該回動軸２４端にフアンプーリー２６を固定
する。この冷却フアン２５は、外箱１の下部に開
口した給気口２７から熱交換器８の外周面を通り
さらにダクト７に沿つて延びかつ開口する冷却風
路２８内に配設されるものであり、また前記給気
口２７に防塵フイルター２９を設置する。

モーター６は、本実施例では外箱１の片側に寄
せ天井板より支持板３０，３０′で挟み込んで吊
下げ、モーター駆動軸６ａに駆動プーリー３１を
取付け、この駆動プーリー３１、回転ドラム３の
周面及びフアンプーリー２６の順に一本の無端ベ
ルト３２を掛け渡す。

さらに、支持板３０に設けたバネ体３３の先に
アイドラープーリー３４を取付け、このアイドラ
ープーリー３４を無端ベルト３２に外側から押し
当ててゆるみを防止する。

次に使用法及び作用について説明すると、外箱
１の前面の扉２を開け、ドラム３内に被乾燥衣類
を入れた後に、電源スイツチを投入しタイマーを
セツトすればモーター６及び半導体ヒーター５に
通電する。モーター６の駆動軸６ａの回転は、無
端ベルト３２を介してドラム３に伝わり、該ベル
ト３２はドラム３の周面を両側から挟み込むよう
にして回転するのでドラム３も回転し、また、同
時に温風循環用のフアン４と冷却フアン２５も回
転する。

上記ドラム３の回転は後部軸受け構造として、
ドラム３に固定された合成樹脂製円盤体２０が回
転軸として支持板１５の円形凹部１６内を回転す
ることでスムーズに行われる。さらに該円盤体２
０は円孔１７端で係止されて凹部１６から抜け出
ることはなく、また支持板１５は外箱１の背面部
１ａその他にしつかりと固定されているので回転
するドラム３が前後に揺動することもなくガタツ
キ音も出ない。

フアン４により半導体ヒーター５で加熱された
空気は、ダクト７の側端７ｂからドラム３内に送
り込まれる被乾燥衣類を乾燥させる。

乾燥作用を行つた高温多湿な空気は、ドラム３
からダクト７の側端７ａに吸い込まれ、リントフ
イルター１０、フアン４を通過した後に熱交換器
８の通気管路８ａを通る。

１方、フアン２５の回転で給気口２７から外箱
１内に吸い込まれた外気は、前記熱交換器８の外
周面、すなわち放熱フイン８ｂ間を通り、冷却作
用をなす。通気管路８ａ内の高温多湿な空気は冷
やされて、管路８ａの壁に水分として結露する。

この水分は、管路８ａの傾斜に沿つて流下し、
排水孔９より外箱１外へ排出される。一方、この
ようにして熱交換器８で除湿された温風は再度半
導体ヒーター５で加熱されドラム３内に送り込ま
れる。

以上述べたように本考案の衣類乾燥機ドラム後
部の軸受けは外箱内にドラムを回転自在に支承
し、該ドラム内に温風を送るためのヒーターと、
フアンとを備えた衣類乾燥機において、ドラム支
持板を一部膨出させて円形凹部を形成し、ドラム
背面中央に固着した合成樹脂製円盤体を円形凹部
内に回転自在に収納したので、従来の球面軸受け
とは異なり回転ドラムの軸として太径の合成樹脂
製回転軸を受けることができる。その結果、ドラ
ムの回転で生じる偏心や振動を極力抑えることが
できるものである。

また、球面メタルを使用しないので高温や湿気
に充分耐えられるものであり、かつ部品点数が少
なく簡単かつ安価に製作できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の軸受けを示す縦断側面図、第２
図は本考案の軸受けを使用した薄型除湿タイプの
衣類乾燥機の縦断正面図、第３図は同上縦断側面
図、第４図は本考案の軸受けを示す縦断側面図、
第５図は同上分解斜視図、第６図はドラム支持板
の取付状態を示す斜視図である。 １……外箱、２……扉、３……ドラム、３ａ…
…開口、４……温風循環用フアン、５……半導体
ヒーター、６……モーター、６ａ……駆動軸、７
……ダクト、７ａ……吸気側端、７ｂ……送気側
端、８……熱交換器、８ａ……通気管路、８ｂ…
…放熱フイン、９……排水孔、１０……リントフ
イルター、１１……扉、１２……前部軸受、１３
……パツキン、１５……ドラム支持板、１６……
円形凹部、１７……円孔、１８……凹部、１９…
…フエルトシール、２０……合成樹脂製皿状円盤
体、２０ａ……凹部、２１……金属製皿体、２
２，２３……ビス、２４……回動軸、２５……冷
却フアン、２６……フアンプーリー、２７……給
気口、２８……冷却風路、２９……防塵フイルタ
ー、３０，３０′……支持板、３１……駆動プー
リー、３２……無端ベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外箱内にドラムを回転自在に支承し、該ドラム
   内に温風を送るためのヒーターと、フアンとを備
   えた衣類乾燥機において、ドラム支持板を一部膨
   出させて円形凹部を形成し、ドラム背面中央に固
   着した合成樹脂製円盤体を該円形凹部内に回転自
   在に収納したことを特徴とする衣類乾燥機のドラ
   ム後部の軸受け。