JPS6014461Y2 - 乾燥機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吸入空気と排出空気とを熱交換させるようにし
た乾燥機に関する。

従来、機体内に吸入した外気をヒータにより加熱して乾
燥室内に供給すると共に該乾燥室からの排気を機体外へ
排出するようにした衣類乾燥機においては、乾燥室内の
衣類から湿気を奪った熱風をそのまま排出するようにし
ているため熱損失が大きくて乾燥効率が低くなる欠点が
あり、また排気中に含まれた湿気がそのまま室内に放出
されるために排気口近傍の室壁にかびが発出する等の虞
れもあった。

このため従来において、吸入空気と排出空気との間で熱
交換させる熱交換器を機体内に設けることによって熱損
失を低減させ且つ同時に排気中から除湿するように構成
した衣類乾燥機が供されている。

しかしながらこの構成では、熱交換器としてその熱交換
面積が広い大形のものを使用した場合にはこれを収納す
る機体が大形化してしまう不具合があり、かといって熱
交換器としてその熱交換面積が小さい小形のものを使用
した場合には熱交換能力が低くなって乾燥効率及び除湿
能力の向上をそれ程期待できなくなる。

本考案は上記事情に対処してなされたものであり、その
目的は、吸入した外気と排出空気との間で効率良く熱交
換を行なうことができて、乾燥効率及び除湿能力の向上
を図ることができ、しかも斯かる熱交換を機体の背面開
口部閉鎖用の閉鎖板部材にて行なうようになすことによ
って機体の大形化を招く虞がない等の効果を奏する乾燥
機を提供するにある。

以下本考案を回転ドラム式の乾燥機に適用した一実施例
について図面を参照しながら説明する。

１は機体を樹皮するところの例えば前面及び背面の略全
体が夫々開口した外箱、２は外箱１の前面開放口を閉鎖
する前面板で、この前面板２にはドア受凹部３及びこの
ドア受凹部３から外箱１内に指向する短円筒状の衣類出
し入れ目４を形成しており、上記ドア受凹部３には衣類
出し入れ口４を開閉するドア５を枢設している。

６は内部を乾燥室７とした回転ドラムで、これはその前
端板８に形成した短円筒状の開口部９の内周を前記衣類
出し入れ目４の外周に支持させてこれらを互に連通させ
ると共に、後端板１０に突設した軸１１を外箱１の左右
側壁部間に架設された支持板１２に回転自在に支持させ
ており、該後端板１０には多数の通気孔１３を形成して
いる。

１４は支持板１２に取付固定した拡風板で、これは前記
後端板１０と所定の空間部１５を存して対向するように
位置させてあり、該空間部１５側には環状のヒータ１６
を配設している。

１７は回転ドラム６の下方部に配設したファンケーシン
グで、その吸入側端部を前記ドア受凹部３及びドア５間
の空隙部１８を介して乾燥室７内に連通させると共に、
吐出側端部（図示せず）を外箱１内下部に前後に指向し
て配設されたダクト１９の前端部に連通させている。

２０は両軸形のモータで、回転軸２０ａの一端をファン
ケーシング１７内に突出させてその突出端にファン２１
を連結すると共に、該回転軸２０ａの他端にプーリ２２
を取着している。

２３はプーリ２２と回転ドラム６外周との間に架設した
ベルトで、このベルト２３にはテンションプーリ２４に
よって一定の張力が付与されている。

しかして、２５は外箱１の背面開放口の縁部にこれを閉
鎖するように取付けられた閉鎖板部材であり、以下これ
について述べる。

即ち、この閉鎖板部材２５は、中間部の熱交換板２６と
これを両側から挾むように位置された一対の板状部材た
る外板３７．２８とを夫々の周縁部をロールボンド成形
等により結着することによりユニット化したものであり
、熱交換板２６と外板２７．２８との間には該熱交換板
２６の表裏に夫々沿った吸気通路２９及び排気通路３０
を形成している。

そして、吸気通路２．９の上部を外板２７の第２図中右
側上部に形成した吸気口３１を介して外箱１外部に連通
させている。

一方、閉鎖板部材２５の第２図中右側上部領域は第３図
に示す如く外板２７と熱交換板２６との二者が相互に密
着した構造になっていてこの部分に上記二者にわたる排
気口３２を形成し、且つ外板２７に該排気口３２を介し
て排気通路３０の上部に連通ずる排気パイプ３３を突設
している。

また、排気通路３０の下部を外板２８の下部略中夫に形
成した連通口３４を介して前記ダクト１９の後端部に連
通させると共に、吸気通路２９の下部を熱交換板２６及
び外板２８の第２図中左側下部に夫々形成した連通口３
５及び３６を介して外箱１内部に連通させている。

ここで、第４図に示すように熱交換板２６及び外板２８
の連通ロ３５，３６周縁部位は互に気密に密着されてい
て吸気通路２９に排気通路３０が直接には連通しないよ
うになっており、従って吸気通路２９と排気通路３０と
の間で連通口３５を介して空気が流通することはない。

一方、３７は外板２７及び熱交換板２６を貫通して排気
通路３０の下部に連通させた水抜き孔で、これを着脱可
能なキャップ３８により閉鎖している。

また、３９はタイマーである。

次に上記構成の作用を説明する。

回転ドラム６内の乾燥室７に湿った衣類を収納した後、
タイマー３９をセット操作してヒータ１６及びモータ２
０に通電させると、ヒータ１６が発熱すると共に回転ド
ラム６及びファン２１が回転されるようになり、該回転
ドラム６の回転によって乾燥室７内の衣類が攪拌される
。

そして、ファン２１の回転によって、外気が吸気口３１
を介して吸気通路２９内に吸引された後、該吸気通路２
９内全体に拡がりながら下方に流通して連通口３５．３
６を介して外箱１内に流入する。

そしてこの外箱１内に一旦流入された外気は拡風板１４
によって形成された空間部１５内に流入しここで拡散さ
れた後にヒータ１６により熱風化されて乾燥室７に供給
される。

そして乾燥室７内で衣類から湿気を奪った熱風は空隙部
１８を介してファンケーシング１７内に吸入され、ここ
からダクト１９を介して排気通路３０内の下部にその連
通口３４部分から吐出された後、該排気通路３０内をそ
の全体に拡がりながら上昇して前記排気口３２を介して
排気パイプ３３から外箱１外へ排出される。

このように矢印Ａで示す気体流通を伴いながら乾燥運転
が継続されることによって乾燥室７内の衣類が乾燥され
る。

しかして、上記乾燥運転中において、吸気通路２９を流
通する成人外気は略室温に等しく低温度であるのに対し
て、該吸気通路２９と熱交換板２６により隔てられて隣
接した排気通路３０を流通する排出空気の温度は前記成
人外気よりも高温でこれらの間に温度差がある。

従って、熱交換板２６の表面及び裏面に沿って異方向に
流通する吸人外気と排出空気との間で熱交換板２６を介
して熱交換が行なわれ、成人外気が加熱され且つ排出空
気が冷却される。

そして排気通路３ｏを流通する排出空気は乾燥室７にお
いて衣類から奪った湿気を多く含んで多湿となっている
から、前述した熱交換に伴って熱交換板２６に結露する
ようになり、従って排出空気中の湿気が効果的に除去さ
れると共に湿気が結露するときに放出する潜熱が吸気通
路２９を流通する成人外気の加熱に寄与するようになる
。

尚、上記結露水は水抜き孔３７から必要に応じて排出で
きる。

上記した本実施例は、機体を構成する外箱１の背面開口
部を閉鎖するための閉鎖板部材２５を、熱交換板２６と
これの両側に配置した外板２７゜２８とにより構成して
、該熱交換板２６の表裏に沿うように熱交換用の吸気通
路２９及び排気通路３０を形成腰以て該閉鎖板部材２５
を熱交換器として作用させるようにしたことに特徴を有
する。

即ち、閉鎖板部材２５は外箱１の背面開放口を閉鎖する
役をなすため比較的大面積を保有するものであり、従っ
て熱交換板２６を大形化し得てその熱交換に有効な面積
を大きくでき、これにより熱交換能力を高め得て乾燥効
率及び除湿能力を向上させることができる。

しかも、閉鎖板部材２５の横幅寸法は比較的大きなもの
であって吸気通路２９及び排気通路３０の横幅寸法も大
きくなるから、各通路２９及び３０の前後方向寸法を小
さく換言すれば閉鎖板部材２５全体の厚み幅寸法を小さ
く設定したとしても吸気通路２９及び排気通路３０の通
気断面積（横断面積）を十分に確保することができる。

即ち、本実施例によれば、閉鎖板部材２５を薄形化して
も吸気通路２９及び排気通路３０の流路抵抗がこれ程増
大することがなく、従って全体の前後方向寸法をそれ程
大きくすることなく熱交換能力を高め得、しかもこの場
合外箱１内に従来のように熱交換器を配設する必要がな
いから該外箱１が大形化することもない。

そして、上記実施例では排気通路３ｏを熱交換板２６の
外箱１内部側に形威しであるから、その排気通路３０か
ら放出される熱が直接的に外箱１外に逃げてしまう虞が
なく、この面からも熱交換能力を高め得る。

また、閉鎖板部材２５を構成する熱交換板２６．外板２
７．２８はユニット化されているから、その組立作業が
面倒になる虞がなく、しかも斯ような構成の閉鎖板部材
２５は従来機種の閉鎖板と取換えるだけで該従来機種に
も適用することができる。

本考案によれば以上説明したように、機体の背面開口部
閉鎖用の閉鎖板部材により成人外気と排出空気とを効率
良く熱交換させ得て乾燥効率及び除湿能力の向上を実現
できると共に、機体力状形化してしまうこともない等の
実用的効果を奏する乾燥機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を回転ドラム式の衣類乾燥機に適用した一
実施例を示すもので、第１図は縦断側面図、第２図は一
部破断した背面図、第３図及び第４図は夫々閉鎖板部材
の異なる部分を断面した斜視図である。 図中、１は外箱（機体）、６は回転ドラム、７は乾燥室
、２５は閉鎖板部材、２６は熱交換板、２７．２８・・
・・・・外板（板状部材）、２９は吸気通路、３０は排
気通路、３７は水抜き孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面の略全体が開口した機体内に乾燥室を設けると共に
   、吸引した外気を加熱して前記乾燥室内に流通させた後
   に外部へ排出するようにした乾燥機において、前記機体
   の背面開口縁部にこれを閉鎖するように取付けられる閉
   鎖板部材を、熱交換板とこれの機体外部側及び機体内部
   側に夫々沿った吸気通路及び排気通路を形成するように
   該熱交換板の両側に配置した一対の板状部材とにより形
   成したことを特徴とする乾燥機。