JPS627258B2

JPS627258B2 -

Info

Publication number: JPS627258B2
Application number: JP57015243A
Authority: JP
Inventors: Shoji Kamya; Takeshi Muraki
Original assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Current assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date: 1979-09-28
Filing date: 1979-09-28
Publication date: 1987-02-16
Also published as: JPS57163725A; JPS5651547A; JPS582578B2

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明はアルミニウム（Al）を母材とするア
ルミニウム−亜鉛（Zn）系軸受合金に裏金鋼板
を圧接してなるすべり軸受に関するものである。
さらに詳しくはAl−Zn系軸受合金に硬質物を多
量に分散させて耐摩耗性、耐疲労性にすぐれたす
べり軸受を提供することにある。〔従来の技術と問題点〕従来のアルミニウム系すべり軸受としては、主
としてアルミニウム−スズ（Sn）系材料が使用
されているが、この材料は最近の自動車用内燃機
関がより高速、高荷重条件下で使用されると軸と
軸受との間に介在される潤滑油膜が薄くなつて軸
と軸受の直接接触が生じることに起因して、摩
耗、焼付きの起きることがしばしばあつた。〔問題点を解決するための手段〕そこで本件発明は軸と軸受が直接接触を起こし
ても充分な耐摩耗性を持つと同時に耐疲労性にも
すぐれたAl−Zn系軸受合金に裏金鋼板を圧接し
てなるすべり軸受を提供するものである。すなわち、Alを実質上残部として、重量％で
Zn0.5〜３％未満、シリコン（Si）0.05〜２％未
満、鉛（Pb）および（または）インジウム
（In）0.1〜５％、銅（Cu）および（または）マ
グネシウム（Mg）0.1〜２％、アンチモン
（Sb）、ニツケル（Ni）、鉄（Fe）、マンガン
（Mn）、クロム（Cr）、チタン（Ti）、ジルコニウ
ム（Zr）、モリブデン（Mo）、コバルト（Co）、
タングステン（Ｗ）、バナジウム（Ｖ）の１種ま
たは２種以上を合計で0.2〜５％からなる合金に
裏金鋼板を圧接してなるすべり軸受を提供するも
のである。〔作用〕次に本件合金に添加した各種元素の特性を示
す。 Zn； Al地に固溶もしくはAl−Znの固溶体を分散さ
せて、適度な潤滑性と耐摩耗性を持たせる。0.5
％未満ではZnの添加効果は殆どなく、３％以上
になると潤滑性が低下し、耐荷重性が低下する。 Si；ビツカース硬度で600以上を示す程硬く、Alと
ともに鋳造することにより晶出物を分散させるた
め合金全体の硬さの向上とAl地の強化、および
耐摩耗性を向上させる。 0.05％未満では添加効果がなく、２％以上にな
るとSiの硬さのために相手軸の摩耗が多くなる。 Pb、In；すべり特性の中でも特に非焼付性を持たせ、す
でり性にすぐれた材料になる。また切削性にもす
ぐれ、後加工を容易にする。 0.1％未満では添加効果がなく、また５％を越
えて添加するとAl地への均一分散が重量偏析の
ため困難となる。 Cu、Mg； Al地を耐荷重性、疲労強度の点で強化し、軸
受が高温（200℃以上）にさらされた場合の大巾
な硬さの低下を防止する。 0.1％未満では添加効果がなく、２％を越える
とAl地が硬すぎてもろくなる。 Sb、Ni、Fe、Mn、Cr、Ti、Zr、Mo、Co、Ｗ、
Ｖ；これら元素（一般的に母合金で添加）をAlと
ともに鋳造することにより、析出物等を生じさせ
る。これらはすべて硬質物（ビツカース硬さで数
百以上）であるため合金全体の硬さの向上とAl
地の強化および耐摩耗性を向上させる。しかし、
これらはSiに比較して硬度が低いため同量でSiと
同等の効果は出せない。そのため硬いSiの周囲に
やや硬さの落ちる上記析出物等を分散させること
により、全体として耐摩耗性、硬さの向上および
Al地の強化を図ることができる。 0.2％未満では添加効果がなく、５％を越える
と硬い分散物が多くなりすぎてもろくなる。ここで好ましい範囲は、 Pb、In：0.5〜５％ Si：0.5％以上 Cu、Mg：0.7〜1.5％ Sb等：0.7〜４％である。〔実施例〕次に実施例によつて本発明を説明する。第１表
は本発明にかかる試料(1)〜(12)、比較材として
（13）〜（15）の化学成分値を示すものである。第１表の試料(1)〜（15）はガス炉においてAl
地金を溶解し次にAl−Si母合金、AI−Cu母合
金、Al−Mg母合金、Al−Sb母合金、Al−Ni母合
金、Al−Fe母合金、Al−Mn母合金、Al−Cr母
合金、Al−Ti母合金、Al−Zr母合金、Al−Mo母
合金、Al−Cc母合金、Al−Ｗ母合金、Al−Ｖ母
合金を目的成分に応じて溶解し、最後にZn、
Pb、Inを目的成分に応じて添加した後脱ガス処
理をし、金型に鋳造（厚さ18mm）を行つたもの
で、その後２mmまたは１mmずつの圧延と焼鈍
（350℃・４時間）を繰り返して厚さ１mm（圧延率
94％）とし、その後これらの合金と裏金鋼板とを
接着してバイメタル材とし、これを焼鈍（350
℃・４時間）した後すでり軸受に加工して試験を
行なつた。なお、本発明に係る合金組成において、通常の
精錬技術ではどうしても避けられない不純物が含
まれることは勿論である。

【表】

〔発明の効果〕

以上の通り本発明に係るAI−Zn系軸受合金に
裏金鋼板を圧接してなるすべり軸受は、Znによ
る適度な潤滑性とSi、その他Sb等の硬質物によ
る耐摩耗性、またこれらの相乗効果による耐疲労
性、加えてPb、Inによるなじみ性、耐焼付性の
向上を図ることができ、特に高荷重用すべり軸受
として好適である。

Claims

【特許請求の範囲】

１重量でZn0.5〜３％未満、Si0.05〜２％未
満、Pbおよび（または）In0.1〜５％、Cuおよび
（または）Mg0.1〜２％、Sb、Ni、Fe、Mn、
Cr、Ti、Zr、Mo、Co、Ｗ、Ｖの１種または２種
以上を合計で0.2〜５％と残部が実質的にAlから
なるアルミニウム合金に裏金鋼板を圧接してなる
すべり軸受。