JPS627236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハンドル部分に改良を施した魔法び
んに関する。

従来の外容器の外側にコの字形ハンドルを取付
けた魔法びんは、ハンドル部分が外側方へ突出し
ているために、野外クツキング等のために荷物中
に納めて運搬するとき、蒿ばつて取扱いにくい欠
点があつた。本考案はこのような従来例の欠点を
解決するためになされたもので、魔法びんとして
使用中はハンドルとしての機能を全うし、荷物と
して運搬するときや、箱等に収納するときはハン
ドル部が折れて嵩低くなる一方、使用時にはハン
ドルを遊転しないように所定位置にワンタツチで
固定することができる魔法びんを提供することを
目的とする。

以下本考案の実施例を図によつて詳述する。第
１図において、１は魔法びんの金属製外容器で、
内容器２との間に真空部分を設けて魔法びん容器
を構成する。外容器１はガラス製魔法びんを包む
プラスチツク製のケースであつてもよい。３は口
栓部である。４，５はそれぞれ外容器１の上下部
から円周方向に沿つて突出させた環板部で、この
環板部４，５が内側から喰い入る形で外容器１に
上下に鉢巻部６，７が取付けられている。１０は
鉢巻部６，７の切れ目突片８，９を締付けて結合
するボルトナツトで、１１，１２は鉢巻部６，７
のそれぞれの周囲から上下方向に揃つて一体的に
突出させたコの字形ハンドルＨの脚部の基部にな
る突片で、この突片１１，１２の端部にはそれぞ
れ、コの字形ハンドルＨの握り部１３の上下から
同方向へ直角に曲成して設けた曲げ片部１４，１
５の先端が枢着される。１１と１４、ならびに１
２と１５とはコの字形ハンドルＨの脚部１６，１
７を構成する。脚部１６と１７の枢着部はともに
同一の構成を有するが、下の脚部１７側をもつて
説明すると、第３図に分解図示するごときもので
ある。即ち突片１２の先端は半円柱部１２ａとな
り、上半分が円柱状切欠部１２ｂとなつており、
そして半円柱部１２ａの中心にはピン孔１８が透
設されている。１９は切欠部１２ｂの後部の突片
上面に設けた一文字穴である。また曲げ片部１５
の先端は半円柱部１５ａとなり下半分が円柱状切
欠部１５ｂとなつており、そして半円柱部１５ａ
の中心にはピン孔１８ａが透設されている。ピン
孔１８ａから見て握り部１３側寄りの曲げ片部１
５の上面中央には、この曲げ片部１５の伸びる方
向と直交する形態で短かい凹部２０が設けられて
いる。この凹部２０の両側には半円柱部１５ａ上
部の環形座面１５ｃの周囲に沿つて次第に外方へ
低くなるガイド斜面２１，２１が形成されてい
る。２２は金属板の座板で、中央にピン孔２４が
穿設され、ピン孔２４に関して対称位置に下方へ
曲成された長舌片２３と短舌片状の凸部２５とを
有する。２７はワツシヤで、２６は袋ナツトで、
２８は頭付きピンである。上記の部材は、第４図
に示すように組立てられる。即ち、先ず半円柱部
１２ａ上に半円柱部１５ａを重ねる。このように
すると突片１２と曲げ片部１５とは上下面が面一
になる。そして環形座面１５ｃ上に座板２２を載
置する。このとき長舌片２３は一文字穴１９に嵌
着し、凸部２５は凹部２０に浅く嵌合する。かく
して下方からピン２８をピン孔１８，１８ａ，２
４に挿通し、上端ボルト部にワツシヤ２７を嵌め
て袋ナツト２６を螺着して適当に締付ける。この
構成は、上下逆になるが脚部１６においても同様
である。

上記の構造において、座板２２の凸部２５が凹
部２０に嵌合している場合は脚部１６，１７は伸
直で固定され、握り部１３は最外方にあつてハン
ドルＨは通常の使用状態にある。この状態から握
り部１３に左右どちらかへ廻す力を与えると、第
２図に示すようにピン２８を支点として握り部１
３は鉢巻６，７に当つて外容器１の外側に近接す
る位置まで回動する。この際、座板２２の長舌片
２３が一文字穴１９に入つて突片１２側に固定さ
れているから、凸部２５は凹部２０の横から外
れ、ガイド斜面２１の斜面を滑つて外方へ移動す
るようになつている。そして再び握り部１３を最
外方にあるように廻すと、凸部２５はガイド斜面
２１の斜面を登つて凹部２０に嵌入して突片１２
と曲げ片部１５は伸長状態に固定される。

上記実施例においては、ハンドルＨはコの字形
に外容器１に取付けられているが握り部１３の下
半がなく、脚部１６だけの逆Ｌ形ハンドルとして
も実施できる。

本考案は以上のごときもので、魔法びんとして
湯茶の出入のために使用するときは脚部を伸長状
態に固定して通常のハンドルとして取扱うことが
でき、この伸長状態でハンドルは所定の位置に固
定されるので湯茶の注ぎ出しを安定して行うこと
ができ、また運搬等のために袋や箱等に収納する
ときは脚部を折曲げてハンドルの握り部を外容器
側へ近接させることができるから蒿低いものとし
て取扱いうる利点を有する。

特に本考案では、凹部２０と凸部２５によりハ
ンドルの固定・回動装置を構成すると共に、凹部
２０の側部に凸部２５のガイド斜面２１を形成し
ているので、ハンドルの曲げ片部を突片に対して
伸直状態に回動すれば凸部２５が斜面２１に沿つ
て上昇し凹部２０に好適に係合し、これによりハ
ンドルを固定する一方、伸直状態よりハンドルを
折畳み方向に回動すれば、凸部２５が凹部２０よ
り強制的に離脱され、斜面２１に沿つて自由状態
に開放されるものであり、このような固定・回動
をワンタツチで行うことができる便利がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の右半断面正面図、
第２図は同上の上面図、第３図は要部の拡大分解
斜視図、第４図は同要部の拡大正断面図である。 図中、１……外容器、２……内容器、６，７…
…鉢巻部、１１，１２……突片、１２ａ……半円
柱部、１３……握り部、１４，１５……曲げ片
部、１５ａ……半円柱部、１５ｃ……環形座面、
１６，１７……脚部、１８，１８ａ……ピン孔、
１９……一文字穴、２０……凹部、２１……ガイ
ド斜面、２２……座板、２３……長舌片、２５…
…凸部、２６……袋ナツト、２８……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外容器外側に脚部を介して縦方向のハンドルを
   取付け、脚部が、外容器側の突片と、ハンドル側
   の曲げ片部とを備え、曲げ片部を突片に対して縦
   軸を介して回動自在に連結して成るものに於い
   て：前記突片と曲げ片部との相互に、曲げ片部を
   突片に対し伸直状態に位置せしめたとき係合して
   該曲げ片部と突片とを相互に固定すると共に、曲
   げ片部を突片に対し折曲状態に位置せしめたとき
   前記係合を解除する凹部２０及び凸部２５を構成
   し、前記凸部２５の係脱を案内すべく凹部の開口
   縁より外方へ次第に低くなるガイド斜面２１を凹
   部２０の側部に形成して成ることを特徴とする魔
   法びん。