JPS6271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、テープリール用プラスチツク製フラン
ジの改良に関する。

ハブの軸方向両端にフランジを有し、ハブの外
周に磁気テープを巻き付けるプラスチツク製テー
プリールは、オーデイオ用、ビデオ用等で各種各
様のものが汎用されているが、特に、ハブの一端
側のフランジはハブとプラスチツクで一体成形さ
れるが、他端のフランジは別途に成形してから当
該ハブ端に取付、固定するものが多い。

而して、こうした別体のフランジは、比較的薄
く、またハブ端への取付時に外力を受けるため、
プラスチツク射出成形時に充分均質に作られてい
ないと、歪とか割れを生ずる。特に、射出成形時
のゲート痕近傍での損傷が起こり易い。

第１図に従来のフランジを用いたテープリール
の一例をビデオカセツトテープ用のそれの中から
選んで示し、簡単に説明する。

ハブ１の一端側のフランジ２はプラスチツクで
一体成形されているが、ハブ他端側は自由端３と
なつていて、こちらの端３へのフランジ４は別途
に射出成形されている。

ハブ１は図示のものでは二つの半体１ａ，１ｂ
から成つていて、半径方向に衝き合わせて互いの
スナツプ係止手段５ａ，５ｂを係止させることに
より組み合い、夫々の外周面６ａ，６ｂを相俟つ
て一つの円筒面とする。この組立の時に、一般に
両半体１ａ，１ｂの間にテープ端末（図示せず）
が保持される。

ハブ自由端３には周方向に適宜間隔でボス７…
…が植えられ、一方、別体のフランジ４にはこの
ボスを貫通させるボア８……が対応的に穿たれて
いる。ハブの中央には自由端３から突出する小突
起９があり、フランジ４にはこの小突起及びその
周辺１０を貫通させる中央開口１１がある。小突
起９は周知のように、カセツトケースの弾性押え
片（図示せず）に当接するものである。

フランジ４の取付けは、ボス７をボア８に貫通
させるようにしてハブ自由端３の上に載せてか
ら、超音波溶接によりフランジ４の表側へ突き出
たボス７の先端を潰してなす。

而して、この種の方式で、フランジ４の射出ゲ
ートを点Ｇで示すように成形品の表面に直接設け
ると、それでなくても薄いフランジのこの部分の
痕が弱くなりがちで、超音波溶接の際の外的振動
に対して良く抗せなず、歪、割れを生む因とな
る。

本案は以上に鑑てなされたもので、ゲート位置
に特殊な配慮をなすことにより、上述の欠陥を除
去せんとするものである。尚、第１図示のテープ
リールは一例であつて、本案フランジは総ゆる型
のテープリールのフランジとして援用できるもの
である。

第２図に示す本案一実施例につき説明するが、
符号を同一としたことから判かるように、本案を
適用したフランジは便宜的に第１図示のものと想
定している。

このフランジは、表面の少なくとも一部位に、
比較的太い（といつても従来のゲート開口面積に
比してであるが）突起１２を少くとも一つ設け、
その上面をゲートＧとしていることに特徴があ
る。

望ましくは、このゲート用の突起１２は、なる
べくフランジ４の中央に近い位置が良い。という
のも、このゲートからフランジ最外周各点迄の湯
路長が均等に近く採れ、従つて成形ムラ等が起き
にくいからである。図示の場合、フランジ中央は
開口１１となつているものに適用したため、その
周縁部の一段下がつた表面に設けている。

ゲート数を複数とした方が成形上、望ましい場
合は、その数、位置に応じて、図中、仮想線１
２′で例示のように突起数を増やし、夫々、その
上面に樹脂射出口乃至ゲートを設ければ良い。

また、この突起１２乃至１２′が軸方向に突出
してはまずい場合は、図示のように、テープリー
ルの構成上、フランジの凹んでいる部分を選択し
て突起の高さもそれに合わせるとか、或いは射出
成形が終わつたなら、後述の効果からして、この
突起はその役を果たしたのであるから、適宜、削
り取る等して、その名残りを残すに留めても良
い。

また、第３図のように、フランジ４の裏面側に
突起１２乃至１２′を立てても良い。この場合
は、この突起１２，１２′が、第１図のハブ自由
端３のボス７，７間にできる周方向空間内に入る
位置を選んでいるため、フランジ取付にこの突起
が邪摩になることもなく、また、取付後は外部か
らは隠れるので、体裁を損うこともないため、突
起の削り取り作業等が要らずに極めて合理的であ
る。

以上のように、ゲートを突起上面とすると、成
形後にゲート痕が残つてその部分の肉厚が薄くな
つても、突起の肉厚はそもそも充分にあるため、
強度が低下することもないし、また、この突起部
分が一種の湯溜りとなつてその出口（突起下端）
から樹脂が満遍なく各方位に流れていくため、ゲ
ートを成形品形成チヤンバに直接開口させたがた
めに樹脂流に方向性が出て成形品（フランジ）に
成形ムラが出、真円度、厚さの均質性等が損なわ
れることもない。従つてゲート設計が楽になる利
点もある。

尚、このことから、突起１２，１２′は肉厚部
分と考えて良いことが理解されよう。図示で円筒
形の突起としたのは、型成形のし易さとか、後
程、削り取る場合にはその作業のし易さとかを配
慮したに外ならない。

以上のように、本案に依れば、強度低下とか寸
法性の悪化等の欠陥を持たない優れたテープリー
ルフランジが提供でき、各種テープリールに用い
て有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図はテープリールの一例の分解斜視図、第
２図及び第３図は、夫々、本案実施例のテープリ
ールフランジの斜視図、である。 図中、１はハブ、２は一体のフランジ、４は別
体のフランジ、７はボス、８はボア、１２，１
２′は突起乃至肉厚部、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ハブとは別体にプラスチツク射出成形され、該
   成形後に上記ハブに組付けられる一枚の板状のテ
   ープリール用プラスチツク製フランジであつて、 中央に開けられた開口周縁の凹み部分の表面ま
   たは裏面に、上記プラスチツク射出成形時のゲー
   トがその上面に配された突起またはその名残りが
   あることを特徴とするテープリール用プラスチツ
   ク製フランジ。