JPS626005B2 - - Google Patents

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JPS626005B2
JPS626005B2 JP12311379A JP12311379A JPS626005B2 JP S626005 B2 JPS626005 B2 JP S626005B2 JP 12311379 A JP12311379 A JP 12311379A JP 12311379 A JP12311379 A JP 12311379A JP S626005 B2 JPS626005 B2 JP S626005B2
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JP
Japan
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hollow
viscose
spinning
spinning bath
hollow fibers
Prior art date
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Application number
JP12311379A
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English (en)
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JPS5649010A (en
Inventor
Kazunari Nishama
Sadami Nagatomo
Saichiro Mishima
Tadahiko Takahashi
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP12311379A priority Critical patent/JPS5649010A/ja
Publication of JPS5649010A publication Critical patent/JPS5649010A/ja
Priority to JP20008186A priority patent/JPS62162009A/ja
Publication of JPS626005B2 publication Critical patent/JPS626005B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/08Polysaccharides
    • B01D71/10Cellulose; Modified cellulose

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 近年、イオン、低分子物質、微小粒子の分離手
段として膜分離技術の研究が盛んに行なわれてお
り、膜素材を極めて細い中空糸となし、環状繊維
壁を分離膜として利用する方法が展開されてい
る。 本発明は上記目的に使用されるビスコース法再
生セルロースより成るチユーブ状中空糸の製造法
に関するものである。 (従来技術) ビスコースレーヨンによる中空糸の製造法とし
て代表的なものとしては、(1)無機炭酸塩等の発泡
剤を添加したビスコース原液を用いる方法。(2)特
殊な紡糸口金を用いて気体を連続的に吹込む方
法。(3)馬蹄形紡糸口金を用いて紡糸直後に接着さ
せる方法。(4)二重紡糸口金を用いて中空剤を原液
吐出流の中心部に連続的に押し出す方法などがあ
るが、(1)〜(3)の方法によつて得られた中空糸は全
糸長方向に貫通した中空部を安定して得ることは
困難であり、ピンホール、及び膜厚斑が存在し、
分離用膜としては使用できず、もつぱら衣料用あ
るいは紙用として使用されている現状である。(4)
の方法による中空糸は分離用膜として使用し得る
が、いずれの場合もビスコース原液を直接紡糸浴
中に押し出して紡糸する方法を用いている。しか
しながらこのようなビスコース原液を直接紡糸浴
中に押し出す紡糸法は紡糸ドラフトを0.5〜2.5の
範囲に調整しなければ安定して紡糸できないた
め、極めて精度の高い紡糸口金を使用するか、あ
るいは極めて低紡速で紡糸することが必要であつ
た。さもなければ、半凝固状態での多浴高緊張を
行なう必要があつた。 さらにビスコースレーヨンの再生反応はセルロ
ースザンテートのザンテート基の脱離をともなう
ため、この時発生する二硫化炭素、硫化水素等の
ガスが発生し、紡糸浴中に紡糸口金を浸漬した紡
糸方法を採用する場合には、紡糸口金のビスコー
ス原液が押し出される面は上方もしくは横方向で
あることが一般的であり、紡糸浴の抵抗を軽減す
ることができず、中空糸の壁厚を薄くししかも壁
厚の均一な中空糸を得ることができないとともに
巻取速度を大きくすることができなかつた。 また通常のビスコースレーヨン糸の紡糸方法及
び紡糸浴組成で製造したレーヨン中空糸は外壁表
層に厚いスキン層を有した中空糸が得られるが、
該スキン層が厚い場合、スキン層とコア層の収縮
率の差及び半凝固状態でのビスコース中の水分が
糸条外へ浸出するために表面に激しい凹凸を有す
る中空糸しか得られないし、またこの様にして得
られた中空糸は乾燥後においてその断面形状は円
形の保持性が悪く糸長方向に断面形状の極めて不
揃いの中空糸しか得られない。さらに紡糸浴組成
を変更せしめて塩浴によつて凝固のみを行なわせ
て糸条を形成させても、極めて長い紡糸浴浸漬長
が必要であるばかりでなく極めて低い巻取速度で
しか製造ができない。凝固後延伸を行なわない場
合は、スキン層のほとんどない中空糸が得られる
が、強度が低く、実際上分離膜として使用に耐え
ない。また凝固後高延伸を行なつた場合は極めて
厚いスキン層を有する強度の高い中空糸が得られ
るが、膜透過抵抗が大きく膜透過性能が極めて低
くなるとともに、ビンホールが多発し、工業的製
造には適さない。 上記したような従来技術の中で、近年膜分離用
のビスコースレーヨン中空糸の製造法として、例
えば、東ドイツ特許第131941号公報で提案されて
いるがかかる方法は紡糸口金から押し出したビス
コース原液を直接紡糸浴中で凝固させた後に多浴
延伸させることによつて中空糸を製造するもので
あり、得られた中空糸は膜強度と透過性能を両立
させることができず、さらに巻取速度30m/分以
下と極めて小さく、かつ紡糸口金の精度が極めて
高いことが要求され、工業的製造面で不利であつ
た。 (発明が解決しようとする問題点) 中空糸は中空部分に分離すべき液体、又は気
体、あるいは分離処理された液体又は気体を通過
させるために全糸長にわたつて完全に貫通した中
空部を保持していることが必須であり、しかし中
空部を形成する糸壁は部分的な欠損があつてはな
らないとともに分離処理工程上必要な程度の物理
的強度を有することが必要である。さらに良好な
分離性能を得るためには、該中空糸壁は全糸長に
わたつて均一で可及的に薄いことが必要である。 本発明は、ビスコースレーヨン中空糸の従来技
術の欠点、すなわち、中空糸の円形保持性が悪
い、ピンホールや膜厚斑がある、強度と膜透過性
能の両立が不充分である等の膜分離用途上、不利
な点を一挙に解消し、分離用膜として適するビス
コースレーヨン中空糸の製造法を提供することを
目的としている。 また、従来技術では膜厚が30μ以下の薄いビス
コースレーヨン中空糸で凹凸をなくすことが難し
かつた。そのため通常の2層構造をもつビスコー
スレーヨン中空糸において、凹凸をなくす種々の
試みがなされてきたが、膜強度・膜分離性能・円
形保持性等の分離膜用途に必要な性能を具備する
中空糸の製造法を得るに至らなかつた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、先に述べたように、従来技術で
は困難であつたが膜厚30μ以下と薄くかつ表面に
凹凸のない膜分離用に供し得るビスコースレーヨ
ン中空糸の製造法を得ることを目的としている。
通常ビスコースレーヨン糸の特徴であるスキン・
コア2層構造を持つ中空糸において、そのスキン
層の構造と性質を解析し、その生成過程と、分離
膜としての役割を鋭意研究の結果、スキン層の厚
さが、表面の凹凸の大きさ、及び断面の円形保持
性を左右しており、かつ、膜透過性能及び膜強度
に影響を及ぼしていることを見い出した。 その結果、1μ以下の極めて薄いスキン層を外
層に有し、外壁表層に激しい凹凸がなく、乾燥時
及び湿潤時に円形を安定に保持しており、かつ壁
厚みが30μ以下の極めて薄い膜であり、壁厚み及
び径が全糸長にわたつて均一なビスコースレーヨ
ン中空糸を得るに至つた。 これによつて、膜分離に必要な強度を保持しな
がら膜透過性能の低下を抑制することを可能にし
た。 つまり、スキン層の厚い中空糸においては、該
スキン層とコア層の膨潤度、収縮率、配向性の相
違から乾燥時及び湿潤時に応力が生じて変形し、
外壁表層に凝しい凹凸が生ずるが、該表層に生成
するスキン層を1μ以下にすることによつて、こ
の変形を防止し、全糸長にわたつて均一なる円形
形状及び壁厚みを有する中空糸を得ることができ
た。 本発明に係る中空糸は、ビスコース法再生セル
ロース繊維からなる中空糸であり、該中空糸はそ
の外壁の表層に全糸長方向及び全周囲にわたつて
1.0μ以下のスキン層を有することを特徴として
いる。また該中空糸の好ましい寸法及び形状は全
糸長及び全周囲にわたつて、該中空糸の外径をa
μ、壁厚みをbμとした時、その範囲が50≦a≦
500かつ1.33+10-2a+2.33≦b≦6.67×10-2a+
6.67≦30であり、この範囲であれば乾燥時及び湿
潤時において安定に円形を保持することができ
る。 本発明に使用するビスコース原液は木材バルブ
より製造されたものであり、アルカリセルロー
ス、二硫化炭素、苛性ソーダを含有しており、そ
の粘度は50〜300ポイズ、熟成度HZ価1.5〜4.0の
ビスコース原液が適当である。 すなわち、粘度の低いビスコースは粘稠性が小
さく、50ポイズ以下の原液を用いて、中空剤を充
てんしながら空間落下させることは紡糸が不安定
になりやすく、また熟成度HZ価の大きい原液を
使用すると分解による二硫化炭素等のガスの発生
が急激であり、中空糸膜中のポイド及び形状の不
均一を生ずる原因となることがある。つまり、凝
固速度が早く、再生の比較的遅い熟成度HZ価の
小さいビスコース原液を用いることが必要であ
る。 本発明に適用される中空剤はビスコース原液に
対して急激な凝固作用を有しない液状の物質であ
ることが必要である。つまり凝固作用の強い中空
剤を用いた場合、中空糸の内層部分が自由落下中
あるいは紡糸浴中でまだ外層及び壁内部の凝固が
不充分な状態において、ゲル状凝固物を生成し、
このゲル状物の移動が不均一に発生し、さらには
中空部にセルロースザンテートの分解による二硫
化炭素、硫化水素等のガスが発生し、得られた中
空糸は径の斑及びピンホールの多いものしか得ら
れない。さらに水に相溶性を有する液体、たとえ
ば水又はその溶液あるいは低分子アルコールを中
空剤として用いると、紡糸浴中で中空剤が浴中へ
浸出すること、及び乾燥中に中空糸の外表面への
中空剤の移動及び蒸発を生じ、中空部分のつぶれ
たもの、あるいは完全に密着して空洞部の閉塞し
た中空糸しか得られない。つまり本発明に適した
中空剤は芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、クメン、スチレン
等)あるいは脂肪族炭化水素(ヘキサン、ペンタ
ン、石油エーテル、流動パラフイン等)あるい
は、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ジクロルエチレン、トリク
ロロエチレン、パークロルエチレン等)があり、
特に比重が大きく沸点が紡糸浴温度よりも高い中
空剤(クロロホルム、パークロルエチレン)が適
する。 上記中空糸は、ビスコース原液と上記の中空剤
を二重紡糸口金を用い、中空剤を中心部に包含し
た状態で同時に連続的に押し出し、紡糸浴へ導入
し凝固再生させてチユーブ状中空糸を製造するに
あたり、押し出されたビスコース原液及び中空剤
を一旦空間中で10〜100mm自由落下させた後、紡
糸ドラフト4.0〜16.0で紡糸浴へ垂直に導入した
凝固させ、その後1つの処理方法として形成され
たフイラメントを巻取枠に巻取り綛状となし、こ
れを水洗工程、中和工程、水洗工程、乾燥工程を
通して最終的に得られる。または別の処理方法と
して連続的に上記処理工程を通しても得られる。 ここで、二重紡糸口金の下面を40〜70℃に加熱
させ、例えば紡糸口金下面に電熱ヒーターを組込
んで紡糸口金を温め紡糸浴からの蒸発水分の凝集
による水滴によつて生じるビスコース原液の扁
流、液切れを防止できるので安定操業ができる。
また、この空間の雰囲気は空気中であることが最
も簡単であつて通常好ましい。 空間での自由落下ではビスコース原液はその内
部に中空剤を連続して包含しており、空間落下の
際に流動可能な液体状であり、かつビスコース原
液の粘度が小さいために落下速度は急速に大きく
なり、わずかの空間を通過させることにより、原
液は充分に延伸され、紡糸浴面に到達する時点で
は、中空糸の直径とほぼ同一の充分小さい寸法に
まですることができる。つまり直接紡糸浴に浸漬
した場合には、表面が半凝固状態で延伸されるた
めに、糸長方向に配向した厚いスキン層が生成さ
れるが、空間落下城を設けることにより、ビスコ
ース原液は液体の状態で充分に細い線状になつて
いるため、かかるスキン層を薄くすることができ
る。さらに表面張力によつて壁厚が全糸長及び全
周囲にわたつて、均一なものとすることができ
る。この空間の大きさは紡糸浴面での落下速度か
らその下限が、またビスコース原液の曵糸性能か
らその上限が規制され、その範囲は10〜100mmの
範囲であることが適当である。つまり10mm以下で
ある場合は紡糸口金へ直接紡糸引張り力が影響
し、紡糸口金を厳密に水平状態に位置を規制して
も30m/分以上の巻取速度で紡糸することができ
ない。さらに巻取速度を上昇させると部分的なビ
スコース原液による中空剤の包含状態が破壊さ
れ、多数のピンホールが発生し、分離用膜として
の機能を果さない。さらには、紡糸浴からの水蒸
気の紡糸口金への付着及び凝集が激しく、凝集水
滴がビスコース原液流と接触した部分に壁厚斑が
生じ、均一性が失われる。空間を100mm以上採用
する場合にはもはやビスコース原液の曵糸性は失
われ、全糸長方向に均一な径及び壁厚みを有する
中空糸を得ることはできない。さらに極端に大き
くした場合は表面張力によつて中央部分に中空剤
を包含したチツプ状となり、連続した糸条にすら
ならない。従つてビスコースレーヨン中空糸の製
造にあたつて空間長は10〜100の範囲で巻取速度
及び原液押出量に適した位置に設定して紡糸する
ことにより極めて安定した形状の中空状を製造す
ることができる。つまり以下の実施例1〜3に示
す様に、巻取速度80〜150m/分の高速度におい
ても安定した形状及び膜性能を有したビスコース
レーヨン中空糸が得られる。 Dfについては実施例6の第5表に示したよう
に5.6〜14の範囲で実施した。 紡糸口金は、中空糸の寸法、巻取速度、空間長
等の大きさによつて、最適寸法は異なるが、好ま
しいDfは4〜16の範囲である。ここでDfとは、
巻取速度/ビスコース吐出線速度であり、真の紡
口面におけるドラフトの値ではないが、紡糸口金
の寸法精度に関する影響を評価するための尺度で
ある。Df4未満の小さい領域でも紡糸は可能で
はあるが、空間長を短く設定することが必要とな
り、紡糸浴からの水蒸気の紡糸口金への凝集が激
しくなるとともに、紡糸ノズルの精度を極めて高
くしなければ円形で壁厚斑の少い中空糸が得られ
難くなる。Dfが16を越える領域では、空間長を
短く設定しても、もはやビスコースの曵糸性は失
われ、糸長方向に均一な径及び壁厚みを有する中
空糸を得ることが困難になるとともに、ピンホー
ルが多発するようになる。さらに水滴付着による
斑、あるいは切糸の発生を防止し、安定した連続
運転性能を達成するためには、紡糸口金下面表面
を40〜70℃に加熱することが望ましく、これによ
つて30〜50℃の紡糸浴を用いる場合の水滴の付着
を防止することができ、長時間安定した連続紡糸
が可能となる。 紡糸浴中で垂直走行する部分の距離は30〜150
cm程度が好ましく、またその垂直走行部分を流管
となすことにより、浴抵抗を軽減することが可能
である。特に流管中の紡糸液速度を巻取速度(実
際には、流管中の糸条走行速度と殆んど等しい)
以下としたとき、非常に安定した運転ができる。
このときの巻取速度は65〜150m/分が好まし
い。紡糸浴はその組成が通常レーヨン糸の紡糸浴
をそのまま用いることができる。つまり硫酸50〜
200g/、硫酸ナトリウム100〜350g/、硫
酸亜鉛を20g/以下を含む水溶液であつて、特
に硫酸120〜160g/、硫酸ナトリウム200〜300
g/、硫酸亜鉛5〜15g/を含む水溶液であ
ることが望ましい。さらに紡糸浴温度は30〜50℃
の範囲の比較的低い温度であることが望ましい。
つまり再生の速度を比較的緩慢に行わせしめると
同時に分解による二硫化炭素、硫化水素等のガス
の発生をゆるやかに行わせしめ、これによるボイ
ド、ピンホールの発生を防止できる。なお高い紡
糸浴温度中で紡糸する際には、セルロースザンテ
ートの急激な分解によつて多量の二硫化炭素、硫
化水素等のガスが発生し、これによつてボイド、
ピンホールあるいは中空糸の断面の直径斑が多発
する。 紡糸浴中を垂直下方へ浸漬通過させる工程につ
いて、その距離は30〜150cmであることが望まし
い。つまり30cm以下の浸漬長を採用して糸条の走
行方法を変更糸道によつて変更させる場合におい
ては、該中空糸は外層表面及び内層壁内部の凝固
が充分でなく、物理的な圧迫を受けると中空形状
の変形を生じ、扁平もしくは壁厚みに斑を有した
中空糸になることがあり、これはまた中空糸のピ
ンホール発生の大きな要因となる。150cm以上の
浸漬長を設ける場合にはその紡糸浴抵抗が大き
く、さらには操作性の面から製造上好ましくな
い。特に上記の垂直な浸漬部分を流管となし、流
管長が30〜150cmであり、流管中の流速が巻取速
度以下の速度であることが望ましい。つまり流管
中の流速を制御するにあたり紡糸浴による糸条へ
の抵抗を軽減することによつて、極めて壁厚の薄
い中空糸を安定的に製造できる。また流管中の流
速を流管出口で巻取速度以上にすると空間落下域
での切断が生じることがあり、安定に製造しにく
い。さらに流下速度を巻取速度に近づけるに従つ
て浴抵抗による延伸が軽減され、膜表層のスキン
層の厚さを減少させることができる。また中空糸
の大きさに合わせて、必要に応じて水平浸漬を垂
直浸漬槽の直後に設け、充分な凝固を完了させる
ことが望ましい。上記製造方法によつて得られる
本発明のビスコースレーヨン中空糸の拡大断面形
状を第2図に、またその電顕写真(3万倍)を第
3図に示した。中空儀の中空部を囲む壁厚みは薄
くかつ均一であり、その壁構成部分はスキン、コ
アの二層構造を有しておりその外壁表層にスキン
層部分を1.0μ以下の範囲で有している。スキン
層の厚い中空糸は熟成度HZ価の大きいビスコー
ス原液を用いるか、紡糸浴中で高延伸を行なう
か、あるいは紡糸浴温度を高くするか、紡糸浴中
の硫酸亜鉛濃度を20g/以上にする等の方法及
びそれらを組合せた製造方法によつて製造するこ
とができるが、この様なスキン層の厚い中空糸
は、そのスキン部分とコア部分の収縮率の差によ
つて断面形状は外壁表層に激しい凹凸を有したも
のであり、断面形状及び壁厚みにも不揃いが生じ
る。また発生ガスによるピンホールの多発ととも
に膜分離性能上の通過抵抗が大きく実用に供し得
るものは得られない。 本発明方法によつて得られる中空糸の外径を50
μ以上にする中空糸の中空部分が均一に貫通した
ものが確実に得られ、かつ壁厚みも斑のない中空
糸になる。その結果切糸が発生しなくなり、長時
間の安定紡糸ができる。また中空糸の外径を500
μ以上にするには紡糸口金の変更によつて製造は
可能である。しかし500μ以下にすれば、巻取枠
上及び変更糸道によつて中空部分が潰れたり、扁
平状となることはない。また部分的に密着した中
空糸になることが防止できる。また本発明方法に
よつて得られる中空糸の壁厚みは3μ以上であれ
ば、該中空糸は紡糸浴抵抗及び変更糸道あるい
は、巻取枠上での物理的圧力に耐えることがで
き、貫通した中空糸を安定して得ることができ
る。また30μ以上の壁厚の大きいものを製造する
には垂直浸漬長を数m必要とするとともにその後
水平浸漬長を同じ様に長く採用すれば良い。しか
し30μ以下であれば、150cm以下の垂直浸漬部分
を採れば、糸条を充分に凝固させることができ、
実際的な生産工程として極めて有利であるととも
に浴抵抗が少なく、外壁表層スキン層の薄い中空
糸が得られる。本発明による製造法によつて壁厚
みが極めて薄いチユーブ状中空糸を60〜150m/
分の速い巻取速度によつて、通常レーヨン紡糸浴
組成によつて極めて安定した寸法のレーヨン中空
糸を製造することが可能である。 (発明の効果) 本発明の方法によるビスコースレーヨン中空糸
は、外内壁ともほとんど凹凸のない平滑な表面を
有している。またスキン層の厚さを極めて薄く均
一な状態で得られるために、従来のビスコースレ
ーヨン中空糸に比し分離性能の向上及び薄膜化が
可能となる。さらに本発明の方法により得られた
ビスコースレーヨン中空糸は押圧、屈曲に対する
強度を充分に有すると共に分離性能を充分に有す
る従来のビスコースレーヨン中空糸の二つの背反
する性質を両立させた中空糸である。 以上、詳述した如く、本発明の方法により得ら
れた中空糸は、ビスコースレーヨン中空糸として
はその特殊な断面構造によつて、力学的安定性、
寸法安定性及び膜の透過性能が従来の製造法より
成るビスコースレーヨン中空糸と比して優れてお
り物質分離用膜として有用であり、特に逆浸透
膜、あるいは透析膜として好適である。 実施例 1 本発明の中空糸を得るための製造方法について
第1図を用いて簡単に説明する。二重紡糸口金3
には紡糸原液用タンク1と中空剤用タンク4とか
らギヤポンプ2と定量ポンプ5を介して原液と中
空剤が定量で送られてくる。二重紡糸口金3の環
状の外径0.7mm、内径0.5mmのスリツトより原液
が、中心の径0.2mmの孔より中空剤が押し出され
る。二重紡糸口金3直下に60mmの空間において径
30mm、長さ40cmの流管10が配されている。この
流管10はオーバフロー式になつており、入口よ
り送られてきた紡糸液は流管10の内部を満たし
て自由落下し流管10の最下部の絞りを通して、
水平浸漬浴12へ流入する。流管10内の紡糸液
の流速は流管の長さ(厳密にはヘツドと浸漬浴面
の距離)と絞りの径によつて定まる。本例では巻
取速度110m/分に対し、紡糸浴流速は80m/分
とした。 紡糸口金3より押し出された中空剤とこれを囲
んだ紡糸原液は流管10中の中心へ自由落下し、
流管10内を垂直下方へ走行し、浴面下50cmにあ
るガイド7で方向転換して水平浸漬浴を水平に走
行し、ガイド8,9を通過して巻取枠13に巻取
られる。なお中空糸浸漬浴内通過距離は100cmで
ある。さて公知の方法によつて調整したセルロー
ス濃度8.5%、苛性ソーダ濃度6.0%、HZ価3.1粘
度150ポイズのビスコースレーヨン紡糸原液と中
空剤としてパークロルエチレンとを用いて上記し
たような装置及び方法によつて中空糸を製造し
た。紡糸浴組成は硫酸140g/、硫酸亜鉛10
g/、硫酸ソーダ260g/であり、浴温度40
℃であつた。巻取枠に巻取つた糸条は巻取枠かり
外して綛となし、これをシヤワーによつて充分に
水洗した後、苛性ソーダ2g/で中和しさらに
水洗した。得られた綛を綛枠にかけ、フイラメン
トを引き出しながらトンネル乾燥機内を通して乾
燥した。乾燥機内の温度は120℃に調整した。乾
燥終了後、綛を切断し、数時間室内に放置して中
空部に充填してある中空剤を回収した後、真空脱
気して中空剤を除去した。この様にして得られた
中空糸は外径235μ、横断面の壁厚みは13μであ
つた。この壁厚みは全糸長方向、全断面方向に均
一であり、斑がなく、断面形状は円形に近く表面
に凹凸はみられなかつた。この中空糸を湿潤させ
てその横断面を電子顕微鏡で3万倍に拡大して観
擦した結果、外壁表層に厚さ0.9μのスキン層が
あることが確認された。得られた中空糸は第6表
に示すように分離膜として良好な性能を示した。
この時の中空糸の拡大断面写真を第2図及び電顕
写真を第3図に示した。 実施例 2 実施例1に記載した紡糸方法に従つて、空間落
下長を種々に変化させ紡糸液面へのビスコース原
液流の落下速度を変化させて紡糸した。その結果
を第1表に示す。この表から本発明の方法では空
間自由落下域は10〜100mmであることが、適当な
ことが判る。比較のため紡糸液に紡糸口金を浸漬
した実験も行なつた。
【表】 実施例 3 紡糸浴中の紡糸原液流の垂直走行部分の長さを
種々変化させて紡糸を行なつた結果を第2表に示
す。この結果から本発明の方法では垂直浸漬長は
30cm以上の場合に円形の保持性が良好である。
【表】 実施例 4 実施例1に記載した紡糸方法に従つて垂直浸漬
域の紡糸液速度を種々変化させて紡糸した結果を
第3表に示す。この結果から紡糸液速度が巻取速
度以上では紡糸不能であり、また得られた中空糸
のスキン層の厚さは紡糸液速度を上げるに従つて
薄くなる傾向を示している。
【表】 実施例 5 実施例1に記載した紡糸方法に従つて巻取速度
85m/分で、ビスコース原液及び中空糸の押し出
し量を種々変化させて紡糸を行なつた結果を第4
表に示す。これから、本発明によつて得られる中
空糸は外径50〜500μ、壁厚みとの関係は1.33×
10-2×(外径)+2.33≦壁厚(μ)≦6.67×10-2×
(外径)+6.77≦30である範囲のものであることが
判る。 この範囲で製造した中空糸はいずれも分離膜と
して良好な性能を示した。
【表】 実施例 6 実施例1の方法に従つて巻取速度を変化させて
外径200μ、壁厚み15μの中空糸を製造した結果
を第5表に示す。比較のため紡糸浴中に紡糸口金
を浸漬した結果も示す。この結果から本発明の方
法によれば浴中浸漬の場合に比較して巻取速度を
はるかに大きくすることができると共に、中空糸
形態の安定性を向上させ、さらに紡糸口金の孔径
を大きくできることから生産上極めて優れている
ことがわかる。
【表】 比較実施例 1 実施例1の方法に従つて中空糸を製造した。こ
の際中空剤として10g/の希硫酸を使用した。
得られた中空糸は中空部分が潰れており、しかも
壁厚斑が多い上に、外壁表層部は激しい凹凸が生
じており、透析用に使用することができないこと
が判つた。 比較実施例 2 実施例1の方法に従つて熟成度HZ価6.5のビス
コース原液を用いて外壁200μ、壁厚15μの中空
糸を製造した。得られた中空糸はスキン層厚みが
1.5μあり、外壁表層部に若干の凹凸と内径の斑
が生じていた。この中空糸の透過性能は第6表に
示す如く劣つていることが判つた。 比較実施例 3 公知の方法によつて調整したセルロース濃度
8.5%、苛性ソーダ濃度6.0%、HZ価5.0、粘度70
ポイズのビスコース原液を二重紡糸口金を用いて
紡糸浴中へ直接押し出した。その際、中空剤はパ
ークロルエチレンを用い、紡糸浴は硫酸アンモニ
ユウムを260g/含む水溶液であつて、温度は
30℃、浸漬浴長は3mとした。続いて糸条を100
g/、温度30℃の硫酸浴を3m通過せしめた
後、第2延伸浴(100g/・H2SO4、温度30
℃、浴長1m)を通過せしめその際10%延伸させ
て巻取枠に巻取つた。巻取速度は16m/分とし
た。以後実施例1の後処理方法に従つて処理を行
ない、外径200μ、壁厚15μの中空糸を得た。得
られた中空糸の断面はほゞ円形であつたが、外壁
表層のスキン層の厚さは3μであつた。またその
膜透過性能は第6表に示すように劣つていること
が判つた。 本発明の実施例で得られた中空糸は第6表に示
すように透析用膜として良好な透過性能を示して
おり、本発明の方法によればこの様な分離膜とし
て使用可能なビスコースレーヨン中空糸を極めて
高い生産性で製造できることが判つた。 なお、比較例としてキユブラアンモニウム法に
よる中空糸の透過性能を示した。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の中空糸を製造するのに使用さ
れる1つの例を示す装置の概略断面図であり、第
2図は本発明方法で得られた中空糸の一実施例を
示す拡大断面写真(225倍)であり、第3図は特
に外壁表層部を示す電顕写真(3万倍)である。 なお第1図に示す図中の数字の内容は下記に示
す通りである。1……紡糸原液用タンク、2……
ギヤポンプ、3……二重紡糸口金、4……中空剤
用タンク、5……定量ポンプ、6……中空糸、
7,8,9……ガイド、10……流管、11……
紡糸溶入口、12……水平浸漬浴、13……巻取
枠、14……紡糸浴。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粘度50〜300ポイズ、熟成度HZ価1.0〜5.0の
    ビスコース原液と該原液に対して強い凝固作用を
    もたず且つ水と相溶性を示さない液状の中空剤と
    を二重紡糸口金を用い、中空剤を中心部に包含し
    た状態で同時に該紡糸口金より連続的に押し出
    し、紡糸浴へ導入し、凝固再生せしめて該中空糸
    を製造するにあたり、押し出された該ビスコース
    原液及び該中空剤を一旦空間中で10〜100mm落下
    させた後紡糸浴へ導入し、Df(巻取速度/ビス
    コース吐出線速度)が4〜16の範囲で走行させる
    ことを特徴とするビスコースレーヨン中空糸の製
    造法。 2 紡糸浴が硫酸50〜200g/、硫酸亜鉛0〜
    20g/、硫酸ナトリウム100〜350g/を含む
    水溶液であり、30〜50℃の紡糸浴温度であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のビスコ
    ースレーヨン中空糸の製造法。 3 紡糸口金から押し出された中空剤をその中心
    部に包含するビスコース原液の紡糸浴走行が、該
    紡糸浴導入後ただちに30〜140cmの距離だけ垂直
    下方への走行であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のビスコースレーヨン中空糸の製
    造法。 4 紡糸浴中での垂直下方走行が流管で覆われ、
    該流管中の紡糸浴の流速を巻取速度以下にするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第3項記載のビス
    コースレーヨン中空糸の製造法。 5 巻取速度が65〜150mm/分であることを特徴
    とする特許請求の範囲第3項記載のビスコースレ
    ーヨン中空糸の製造法。 6 紡糸口金が下面表面部分の温度を40〜70℃に
    加熱されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のビスコースレーヨン中空糸の製造
    法。
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