JPS6257900B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、空気調和機本体の上下に２つの独立
したフアンモータを具備した空気調和機の送風制
御装置に関するもので、効果的な冷房あるいは暖
房が行えるようにすることを目的の一つとするも
のである。

従来、この種の空気調和機においては、フアン
モータの回転数を使用者がその都度変える構成で
あつたため、わずらわしさがともない、何らかの
改善策が要求されていた。

一方、特開昭52−28152号に見られる如く、一
つのフアンモータの回転数を連続して可変し、室
内の空気を撹拌する制御も知られている。

ところが、この種の構造は、フアンが１つであ
り、また調和空気の吹出口が固定されているた
め、例えば空気調和機の上部に吹出口が設けられ
ている場合、冷房時では、冷風の下降する性質
上、上方から冷風が流下し、効果的な温度分布が
得られるが、暖房時には、温風が上昇する性質
上、上方に位置する吹出口からでは床面まで温風
が届きにくく、良好な温度分布が得られない欠点
を有していた。

また、フアンを独立して駆動する制御も知られ
ているが、この種のものは上述の如く使用者がそ
の都度制御操作しなければならない等の問題があ
り、好ましくないものであつた。

本発明は、上記従来の空気調和機における送風
制御装置にみられる欠点を除去するものである。

以下、本発明をその一実施例を示す添付図面を
参考に説明する。

第１図および第２図において、１は空気調和機
の室内ユニツト本体で、その上部および下部には
上下吹出口２，３が設けられ、さらに本体１の前
面上下方向中央部には吸込口４が形成されてい
る。５，６は前記上下吹出口２，３にそれぞれ対
応して本体１内に設けられたフアン、７は前記吸
込口４に対応して設けられた室内熱交換器で、圧
縮機等（いずれも図示せず）とともに周知の冷凍
サイクルを構成し、冷房時には蒸発器として、ま
た暖房時には凝縮器としてそれぞれ作用する。８
は前記吸込口４に設けられたエアフイルタ、９，
１０は前記上下両フアン５，６の周囲に設けられ
たフアンケースである。

次に、上記構成からなる空気調和機の制御回路
について第３図をもとに説明する。

同図において、１１は圧縮機用モータで、運転
スイツチ１２、冷暖房切換えスイツチ１３、室内
温度を検出して圧縮機用モータ１１の運転を制御
するサーモスタツト１４をそれぞれ介して交流電
源１５に接続されている。１６は圧縮機等ととも
に構成された周知の冷凍サイクル中に設けられる
四方弁（図示せず）のコイルで、一端は前記切換
えスイツチ１３の暖房接点に接続され、他端は電
源側に接続されている。１７，１８は室内ユニツ
ト１内に設けられた上下のフアン５，６を独立し
て駆動するフアンモータ、１９，２０は後述する
時間信号発生回路２３からの時間信号を受信して
前記フアンモータ１７，１８の回転速度を可変さ
せる可変リレー、２１，２２は前記時間信号発生
回路２３の時間信号を受信してON，OFFの間欠
動作をする間欠リレーである。これら可変リレー
１９，２０および間欠リレー２１，２２は、本発
明の通電制御手段に相当する。２４は前記時間信
号発生回路２３の室内温度検出手段で、室内の適
宜箇所あるいは熱交換器７の吸込側あるいは吹出
側に設けられ、室内温度等の負荷温度を検出す
る。この室内温度検出手段は、本発明の温度検出
手段に相当する。

次に第４図により、時間信号発生回路２３の具
体構成について説明する。ここで、第３図と同一
の構成要素を示すものは、同一の符号を付して説
明を省略する。

同図において、時間信号発生回路２３は、運転
スイツチ１２の投入により、可変リレー１９，２
０、間欠リレー２１，２２への出力を制御する出
力手段２３ａと、室内温度検出手段２４の検出温
度により、間欠運転制御を行うか否かを判定する
判定手段２３ｂと、この判定手段２３ｂの判定出
力により、前記出力手段２３ａへ間欠運転信号を
出力する間欠出力手段２３ｃと、この間欠出力手
段２３ｃの出力タイミングを作る発振器等のタイ
ミング出力手段２３ｄより構成されている。この
時間信号発生回路２３は、マイクロコンピユータ
等の電子部品群によつて実現可能である。

次に、上記フアンモータ１７，１８の制御内容
について説明する。

主な制御を説明すると、例えば、(1)運転スイツ
チの投入と同時に二つのフアンモータ１７，１８
を同時に運転し、室内温度が設定温度に達したと
きに、(a)一方のフアンモータ１７，１８の回転を
可変もしくは間欠運転する制御、(b)両方のフアン
モータ１７，１８の回転を可変もしくは間欠運転
する制御、(c)前記(a)，(b)において一方のフアンモ
ータ１７，１８を停止する制御と、(2)運転スイツ
チ１２の投入と同時にいずれか一つのフアンモー
タ１７，１８を同時に運転し、室内温度が設定温
度に達したときに、(a)残りのフアンモータ１７，
１８も駆動して二つのフアンモータ１７，１８の
回転を可変もしくは間欠運転する制御、(b)残りの
フアンモータ１７，１８も駆動していずれか一方
のフアンモータ１７，１８の回転を可変もしくは
間欠運転または停止する制御等が考えられる。

ここでは、説明の都合上上述の(1)（第１の送風
制御）については(a)を主体とした場合の例と、(2)
（第２の送風制御）については(a)を主体とした場
合の例について説明する。

ここで、各フアンモータ１７，１８は説明の便
宜上いずれも高速運転から開始されるように設定
されているものとする。また運転モードは冷房運
転とする。

まず、上述の(1)の(a)の制御（第１の送風制御）
について、第５図のフローチヤートおよび第６図
のタイムチヤートにもとづき説明する。

運転スイツチ１２を投入すると同時に時間信号
発生回路２３が作動し、出力手段２３ａの各ポー
トａ〜ｆには、第６図のＡモードで示すように信
号が出力される。その結果、フアンモータ１７，
１８はともに高速運転される（ステツプ１）。そ
して室内温度検出手段２４によつて室内温度t₁の
読込みが行われる（ステツプ２）。次に判定手段
２３ｂが室内温度t₁と設定温度ｔの比較を行う
（ステツプ３）。ここで、ｔ＞t₁なる関係が成立す
るまで、先の動作は継続される。そして前記ｔ＞
t₁なる関係が成立すると、判定手段２３ｂは間欠
出力手段２３ｃへ出力し、その結果上部のフアン
モータ１７は高速運転を継続し、下部のフアンモ
ータ１８はその回転が制御される（ステツプ
４）。その制御としては、間欠出力手段２３ｃに
より、出力手段２３ａを介して第６図のＢモード
で示すようにポートａ−ｂ間に断続的にON，
OFF信号を出力して下部のフアンモータ１８を
連続的に高速，低速切換え運転を行う。また必要
に応じてポートｄ−ｅ間にON，OFF信号を出力
して下部のフアンモータ１８を間欠的に停止させ
てもよい。

かかる制御とすることにより、冷房運転開始時
は、上部、下部の２個のフアン５，６によつて大
風量が得られ、急速な冷房効果が期待できる。ま
た室内温度t₁が設定値ｔ以下に到達した際は、上
部のフアン５によつて冷気を連続して室内へ供給
し、下部のフアン６の高速、低速運転（または高
速、停止の間欠運転）によつて冷気を供給しなが
ら室内の空気を撹拌するため、上部のフアン５に
よる冷気を室内の一箇所に集中させることなく分
散することができ、室内の温度分布を良好に保つ
ことができる。

さらに、上述の(1)の(b)，(c)の制御についても同
様に時間信号発生回路２３の各ポートａ−ｂ間、
ポートａ−ｃ間、ポートｄ−ｅ間、ポートｅ−ｆ
間より出力される信号のタイミングを適宜設定す
ることにより、可変リレー１９，２０、間欠リレ
ー２１，２２を制御して第７図に示すように両フ
アンモータ１７，１８の回転数を可変あるいは間
欠としたり、第８図に示すように一方を停止する
制御が可能となる。

次に、上述の(2)の(a)の制御（第２の送風制御）
について、第９図のフローチヤートおよび第１０
図のタイムチヤートにもとづき説明する。

運転スイツチ１２を投入すると同時に時間信号
発生回路２３が作動し、出力手段２３ａの各ポー
トａ〜ｆには第１０図のＡモードで示すように信
号が出力される。その結果、下部のフアンモータ
１８のみが高速運転される（ステツプ１）。そし
て室内温度検出手段２４によつて室内温度t₁の読
込みが行われる（ステツプ２）。次に判定手段２
３ｂが室内温度t₁と設定温度ｔの比較を行う（ス
テツプ３）。ここで、ｔ＞t₁なる関係が成立する
まで先の動作は継続される。そして前記ｔ＞t₁な
る関係が成立すると、判定手段２３ｂは間欠出力
手段２３ｃへ出力し、その結果上部のフアンモー
タ１７も駆動され、両フアンモータ１７，１８は
ともにその回転が制御される（ステツプ４）。そ
の制御としては、間欠出力手段２３ｃにより、出
力手段２３ａを介して第１０図のＢモードで示す
ようにポートａ−ｂ間、ポートｄ−ｅ間に断続的
にON，OFF信号を出力して両フアンモータ１
７，１８を連続的に高速、低速切換え運転を行
う。また必要に応じてポートａ−ｃ間、ポートｄ
−ｆ間にもON，OFF信号を出力して両フアンモ
ータ１７，１８を間欠的に停止させてもよい。

かかる制御とすることによつても、室内空気の
上下からの撹拌が可能となり、室内の温度分布を
良好に保つことができる。

さらに、上述の(2)の(b)の制御についても同様
に、各ポートａ〜ｆ間の出力信号のタイミングを
適宜設定することにより、第１１図のＡモードに
示すように下部のフアンモータ１８の回転の制御
が開始されるまで上部のフアンモータ１７を停止
し、その後同図のＢモードで示すように下部のフ
アンモータ１８の回転制御と同時に上部のフアン
モータ１７を高速運転させる制御が可能となる。
この場合についても、上部のフアン５により冷風
が室内の遠方まで吹出され、下部のフアン６から
の送風制御により、室内空気の撹拌が行われて室
内の温度分布を良好に保つことができる。

また、上述以外の制御についても同様に、時間
信号発生回路２３の各ポートａ〜ｆより出力する
信号のタイミングを設定することにより、任意の
制御が可能となる。

なお、本実施例においては、良好な冷房効果が
得られるように、(1)の(a)〜(c)の制御では運転スイ
ツチ１２の投入により、上部、下部の両フアンモ
ータ１７，１８をともに高速運転とし、また(2)の
(a)，(b)の制御では運転スイツチ１２の投入によ
り、冷風が身近に感じられるように下部のフアン
モータ１８を高速運転するように設定したが、暖
房時についても、運転スイツチ１２の投入後、下
部のフアンモータ１８を高速運転することによつ
て暖気が身近に感じられ、良好な暖房効果を得る
ことができる。また室内温度が設定温度に到達し
た後は、先の冷房時と同様に上部、下部のフアン
モータ１７，１８の双方あるいはいずれか一方の
回転数を制御することにより、室内空気の撹拌作
用が得られ、良好な温度分布を得ることができ
る。

したがつて、室内温度が設定値に到達するまで
の間、二つのフアンモータ１７，１８あるいはそ
のいずれか一方を連続高速回転し、その後両方の
フアンモータ１７，１８あるいはそのいずれか一
方の回転を制御（停止も含む）するため、第１２
図の矢印ａ〜ｄで示す如く室内へ吹出される風の
吹出し位置あるいは送風能力（到達位置）が可変
し、これによつて室内の空気を撹拌することにな
り、室内の温度分布を良好に保つことができ、特
に冷房時は居住者に断続的に冷風を吹当てること
から良好な涼しさを与えることができる。さらに
室内温度が設定値に到達した後、送風制御を可変
するため、立上り特性がよく、また必要以上の電
力消費もさけられるものである。

なお、先の実施例では、運転スイツチ１２の投
入と同時にフアンモータ１７，１８の双方あるい
はいずれか一方が駆動される構成として説明した
が、冷房時において、運転と同時に発生する悪臭
防止あるいは、暖房時において、運転と同時に発
生する冷風感防止等の点から、運転スイツチ１２
の投入後、一定時間経過してからフアンモータ１
７，１８を駆動する制御とすることも可能であ
る。

上記実施例より明らかなように本発明は、室内
が設定温度に到達するまでは少なくとも一つのフ
アンモータを運転するため、立上りのよい冷房あ
るいは暖房が行える。また室温が設定温度に到達
した後は、連続もしくは断続した風量の可変によ
り広範囲にわたる室内空気の撹拌が行えるため、
室内の温度分布を良好に保つことができ、特に冷
房時は居住者に断続的な冷風感を与え、体感的に
良好な効果をもたらす。さらにこのときのフアン
モータへの通電制御は必要最低限であるため、消
費電力の削減化がはかれる等、種々の利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における送風制御装
置を具備した空気調和機の斜視図、第２図は第１
図の−線による断面図、第３図は同送風制御
装置の電気回路図、第４図は同送風制御装置にお
ける時間信号発生回路とフアンモータの具体回路
図、第５図は同制御装置における第１の送風制御
内容を説明するフローチヤート、第６図〜第８図
はそれぞれ同第１の送風制御における異なる動作
を説明するタイムチヤート、第９図は同制御装置
における第２の送風制御内容を説明するフローチ
ヤート、第１０図、第１１図は同第２の送風制御
における異なる動作を説明するタイムチヤート、
第１２図は同送風制御装置による送風状態の説明
図である。 １……室内ユニツト本体（空気調和機本体）、
２，３……吹出口、５，６……フアン、１７，１
８……フアンモータ、１９，２０……可変リレー
（通電制御手段）、２１，２２……間欠リレー（通
電制御手段）、２３……時間信号発生回路、２３
ａ……出力手段、２３ｂ……判定手段、２３ｃ…
…間欠出力手段、２３ｄ……タイミング出力手
段、２４……室内温度検出手段（温度検出手
段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気調和機本体の上部および下部にそれぞれ
   吹出口を設け、さらに前記各吹出口に対応して設
   けられかつ調和空気を前記各吹出口より吐出する
   上部フアンおよび下部フアンと、この両フアンを
   それぞれ独立して駆動する複数のフアンモータ
   と、室温によつて繰返し周期の出力を制御する時
   間信号発生回路と、前記時間信号発生回路の出力
   によつて前記複数のフアンモータへの通電を独立
   して制御する可変リレーあるいは間欠リレー等を
   具備した通電制御手段を設け、前記時間信号発生
   回路を、前記通電制御手段への信号出力を制御す
   る出力手段と、室内等の負荷温度を検出する温度
   検出手段と、この温度検出手段による検出温度が
   設定温度に到達したか否かを判定する判定手段
   と、この判定手段の到達検出出力により前記出力
   手段へ間欠運転信号を出力する間欠出力手段と、
   この間欠出力手段の出力タイミングを出力するタ
   イミング出力手段より構成した空気調和機の送風
   制御装置。