JPS6255059A - 魚介肉の組織化方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な魚介肉の組織化方法、特に魚肉すり身或
はフィツシュミール等の魚介肉をクツキングエクストル
ーダーで処理して組織化して畜肉様の新しい食品を製造
する方法に関するものである。

本邦においては古くから魚介類が広く食用に供されて貴
重な栄養源となっていた。

しかし近年になって生活が漸次洋風化、多様化され、ま
た魚介類には骨が多くその取除きが面倒がられて、特に
若年層において魚介類をとることが少なくなってきた。

これに応じて近年魚介肉から繊維性組織を有する畜肉様
或はカニ肉様の食品が多くつくられ市販に供せられてい
る。

しかしこのようにして魚介類をとるとしても頭、骨、内
臓等の不可食部分を除いた切身状の可食部分のみが食用
に供せられるにすぎず骨などはわずかにフィツシュミー
ルとして肥料乃至飼料に供されるに過ぎなかった。従っ
て折角捕獲した魚介類も従来２０〜３０％程度が食用化
されるにすぎず、その他は飼料としてしか用いず、その
ため骨に含まれるカルシウム等の栄養素も摂取されぬな
ど水産蛋白資源として十分に利用されぬ憾みがあった。

かくて本発明は不可食部分として従来食用に利用されて
いなかった部分も含めて魚介肉を処理して組織化して新
しい畜肉様の食品をつくり、それにより可食部分をより
肉様組織化してより美味に食しうるようにするとともに
骨などを気付かぬ間に美味に食してそこに含まれる栄養
素をも摂取しうるようにし、ひいては未利用水産蛋白資
源の有効活用をはかりうる方法を提供することを目的と
するものである。本発明者によれば、フィツシュミール
を含む魚介肉をアルカリによりｐＨ９，５としこれをク
ツキングエクストルーダーで処理することにより新しい
畜肉様食品を製造しうろことが見出されたのである。

よって、本発明はアルカリを添加してｐＨ９，５以上に
した魚介肉をクツキングエクストルーダーで処理するこ
と、或は更に酸性溶液で処理することを特徴とする魚介
肉の組織化方法を提供するものである。

本発明を以下に詳細に説明する。

本発明では原料として魚肉、貝肉、甲殻頬内、軟体動物
肉等各種の魚介肉を用いることができる。

魚介肉としては、サバ、イワシ、タラ、スケソウタラ、
ヒラメ、カツオ、アジ等各種の魚肉を一種乃至数種用い
ることができる。この場合は各種魚類の魚体から不可食
部分を除去し、魚肉採取機により採肉された落し舟状の
ものこれを更に水晒ししてすり舟状にしたもの或はこれ
を凍結したもの等の外、魚体から切身の可食部分をとっ
て除き、不可食部分を煮熱、圧搾乾燥してえられたフィ
ツシュミールを用いることもできる。

このフィツシュミールは上述のように生魚を煮熟、圧搾
、乾燥粉末としたものであり、タラ、スケソウタラ、カ
レイのような白色の魚肉からはホワイトミール、ニシン
、イワシ、サンマのような赤色肉からはブラウンミール
がえられる。その製造法には種々あり、天日乾燥した押
粕を粉砕する方法、１柏を機械的に乾燥し粉砕する方法
と生魚を用い機械的に製造する方法などがあるが、本発
明ではどのような原料魚肉を用いてもどのような製法に
よってつくっても任意である。

本発明ではこの外アサリ、シジミ、ハマグリ、ホタテ貝
、カキ等の貝肉、カニ、エビ、オキアミ等の甲殻頬内、
イカ、タコ等の軟体動物肉をもちいることができる。

すり身、フィツシュミール或は貝肉、甲殻頬内等は夫々
単独でもよく、或は適宜の割合で組合せて用いることも
できる。

本発明ではかかる魚介肉のみでもよいが、必要に応じて
混合添加物を加えることができる。かかる混合添加物と
してはたとえば小麦粉、大豆粉、大豆蛋白粉末、小麦グ
ルテン、バレイショ澱粉等が好んで用いられる。これら
の混合添加物の仕様は任意であり、その種類、配合比等
も任意であるが使用する場合はこれらが上記高水分の魚
介肉を水分調整、補強あるいはつなぎの役をなして製品
に適当な食感、風味、固さ、色調を与え、添加物の種類
、配合比、組合せによって種々バラエティ−に富み、畜
肉様、或は好ましい食感の組織化食品を与えることがで
き好適である。

尚このような混合添加物を用いると否とに係わらず、こ
れとは別に粉末状又は液状の調味料、香辛料、膨張剤、
増粘剤、着色剤等の添加物を適宜用いることができる。

これら添加物と魚介肉との混合は予め行ってもよく、装
置内で行うこともできる。

本発明ではこれら魚介肉、又は魚介肉と各種添加物との
混合物に苛性ソーダ等のアルカリを加えてそのｐＨを９
．５以上とする。９．５より下のときは後のクツキング
エクストルーダーによる処理後も魚介肉の蛋白は組織化
されないか、やや組織化されるのみであるが９．５以上
とするときはほぼ完全に組織化することができる。

本発明においてはこのようなｐＨ９，５以上の魚介肉、
又はこの魚介肉と混合添加物をクツキングエクストルー
ダーで９ａＰｌするのである。クツキングエクストルー
ダーは温度処理と機械処理を同時に行う機能を有する装
置である。具体的には移送、圧縮、混合、混練、剪断、
加熱、殺菌、膨化、成形などの工程を短時間で処理する
能力を有しており、各種食品の製造に役立っている。

クツキングエクストルーダーの構成は、フィーダー、バ
レル、スクリュー、ダイ、ヒーター（又は冷却部）の五
つからなりぞの特徴を決定するのはスクリューの軸数と
形状、相互の位＠関係（複数の場合）である。

このクツキングエクストルーダーには一般にスクリュー
が一つの一軸型とスクリューが二つの二輪型がある。物
質の移動が一軸型ではバレルと物質の間の摩擦によるだ
けであるが、二輪型では互いにかみ合って回転するスク
リューの押出し作用、滑り作用も加わる。このため製造
能力も一軸型では原料の水分、油分、圧力等により左右
されるが、二輪型ではある範囲内では自由であり、水分
等により左右されず、安定な運転を可−能にしている。

従）で水産物原料の如き高水分、高油分の原料でも二軸
型ならば良好に用いることができるので、本発明では二
輪型のクツキングエクストルーダーを用いるのが好まし
い。しかし−軸型のクツキングエクストルーダーを用い
ても原料水分が適切であれば良好に処理することができ
る。

二軸型エクストルーダーとしては本邦では株式会社末広
鉄工所、株式会社幸和工業より市販のもの、外国製とし
てはフランスのクレクストラル社製のものなどがあげら
れる。これら各社の装置ではいずれも二軸スクリューは
同方向回転で充分に噛み合っており、バレル内の物質の
移送ｔま確実に支障なく行なわれる。

・本発明に従ってｐＨ９，５以上の魚介肉、又はこの魚
介肉と混合添加物をフイルターからクツキングエクスト
ルーダーに供給すれば、この一つの装置の内で混練、加
熱、成形等が連続的に行なわれ、組織化された製品がえ
られる。その際、ダイの形状に応じて平面状、棒状、粒
状、切片状等種々任意の形状に成形することができる。

魚介肉、或はこの魚介肉と混合添加物のエクストルーダ
ーへの供給速度は毎分５０〜３０００ｇ、スクリューの
回転数は毎分８０〜１５０回転がよい。バレル温度は７
０〜２００℃が好ましく、７０℃以下ではまだ組織化が
不充分であり、２００℃以上ではコゲ臭がでてくること
もあり、好ましくない。大豆蛋白粉末等植物性蛋白を用
いるときはバレル温度１５０℃前後（±１０℃）がその
組織化に適当である。

このようにｐＨ９，５以上にした。魚介肉をクツキング
エクストルーダーで処理するときは、高温化での攪拌処
理が行なわれるので、該エクストルーダー内部で魚肉蛋
白は溶融し、ノズルから吐出されるときにはペースト状
ないし膨化した多孔質の成型品となる。

ここでえられる成型品は高いｐＨであるため水を加える
と溶解し、繊維感が乏しくなる惧れがあるのでノズルか
ら吐出後更に酸性液で処理して中和乃至酸性化すると、
水を加えても溶解せずしつかりした１１感を有する食品
を得ることができる。

酸性液としては各種の酸が用いられるが、本発明では１
〜２％濃度の酢酸水溶液を用いこれに３０分〜３時間浸
漬しその後は水洗して酸味を除去するのが好ましい。一
般にエクストルーダーのノズルから吐出したとぎは多孔
質状或は粘性ある流体状であるが酸性液で処理すると凝
固して固体状となる。

このように魚肉落し身、すり身、或は骨などの不可食部
分を含む生魚を煮熟、圧搾粉砕し、乾燥節会と１７３ら
ね−ｆ、−Ｖ　、ｔツリ１ミー１１ノ笛の色合内を水あ
るいは添加物とともにアルカリでｐＨ９，５以上とし、
これを−軸型又は二軸型のクツキングエクストルーダー
で処理するときは、かかる不可食部分を含む魚介肉蛋白
はその内部で溶融し、更に酸性液で処理すると凝固し名
固形食品となり、いずれにしても繊維感に富み、挽肉様
の外観、食感を有する畜肉様の新しい食品かえられる。

これはそのままでも美味に食しつるが、また玉ねぎ等の
野菜類を加えてハンバーグ、ハム様の食品とすることが
できる。又加工食品の素材として提供できる。

かくて本発明によれば魚肉を従来より以上に畜肉様に組
織化された食品となすことかできるとともに、骨などの
不可食部分もその存在に気付かぬま　　゛ま美味に食べ
ることができ、そこに含まれるカルシウムその他の無機
質の栄養素をも摂取することができ、従って食生活の洋
風化、多様化にも十分対応して若年層も喜んで食しうる
新しい畜肉様食品が得られるのであり、ひいては従来フ
ィツシュミールとして肥料乃至飼料としてしか利用しえ
なかった利用度の低い水産蛋白資源をも組織化物として
食用化して有効に活用することができるようになったの
であり、本発明は誠に有効な魚介肉の組織化法を提供し
つるのである。

以下に本発明の実施例をあげる。

実施例１ スケソウタラを原料として製造された工船フィツシュミ
ール１００に対して濃度Ｏ〜１２％のカセイソーダ水溶
液を加えて第１表に示すような５種類のｐｌ＋の異なる
原料を用意し、これらの原料を二輪型クツキングエクス
トルーダー（末広鉄工所製α−１００型）にて処理をし
た。処理条件はフィーダーから原料供給量を５０Ｋｇ／
ｈ、スクリューの回転速度８０ｒｐｍ、バレル温度１６
０℃に調節した。処理された製品すなわちエクストルー
ダーのダイからの吐出物がどの程度組織化されたかを判
定した結果は第１表に示す通りであり、製品ｐＨ８，５
のものは組織化されなかったがｐＨ９，２のものはやや
組織化されており、ｐＨ０のものは完全に組織化された
多孔質の製品であった。

第１表　フィツシュミールの組織化試験＊は本発明の場
合を示ず 実施例２ 上表に示すような原料組成の６種の配合原料に対してそ
れぞれカセイソーダを添加してｐＨを１０になるように
した。なお、表中のサバ落身はナバの頭部及び内臓を除
去してから採肉機で処理して調整したものであり、カツ
オ血合肉は蒸煮したカツオから摘出したもので、カツオ
缶詰製造工程からの派生物である。

これらの原料をそれぞれ実施例１と同じ条件でクツキン
グエクストルーダーで処理を行った。この結果得られた
製品はすべて良好に組織化されていた。

実施例３ スケソウタラを原料として製造されたフィツシュミール
１００″Ｋｇに対してカセイソーダ３　Ｋ９、水３０Ｋ
ｇ及び食用赤色色素１００ｇを添加混合しｐＨを１０．
０にした後二輪型クツキングエクストルーダー（末広鉄
工所製α−１００型）にて処理した。

処理条件はフィーダーからの原料供給量を７０に９／ｈ
、スクリューの回転速度１０１００ｒｐバレル温度１２
０〜１７０℃に調節した。

処理物は多孔質の組織化物であった。この組織化物を酢
酸２％を含有する酸性水溶液中に３時間浸漬した後水洗
して酸味を除去し次いで遠心脱水機にて脱水した。

以上の処理により得られた製品は挽肉様の外観と食感を
有し、水分は７５％であった。

また、この製品６０部に対して魚肉練肉、玉ねぎ、調味
料等の混合物４０部を加えて作ったハンバーグは非常に
好ましい外観、食感、風味を有していた。

実施例４ 解凍したスケソウタラすりみ４０Ｋｙに対して水酸化カ
ルシウム６００！７を添加し、ｐＨを１０．０とし号イ
レントカッターで混練して練肉を調整した。

この練肉を実施例３の条件でクツキングエクストルーダ
ーにて処理を行ったが、このときエクストルーダーのノ
ズルから１％酢酸水溶液中に吐出させた。すなわち、こ
のときの吐出物は粘性のある流体状であるが、酸性液中
に吐出を行い、吐出物を３０分分間法中に浸漬した後水
洗して酸を除去し次いで水切りして組織化物を得た。こ
の組織化物は水分８１％のヒモ状の製品であり、かみ応
えのある好ましい食感であった。

このものは細断し調味、着色するとハンバーグ、シュー
マイ等に配合した場合好ましい外観と食感を有していた
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、アルカリを添加してｐＨ９．５以上にした魚介肉を
   クッキングエクストルーダーで処理することを特徴とす
   る魚介肉の組織化方法。 ２、アルカリを添加してｐＨ９．５以上にした魚介肉を
   クッキングエクストルーダーで処理し、その後更に酸性
   液にて処理することを特徴とする魚介肉の組織化方法。