JPS624267B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ラツクバーピニオンアセンブリに関
し、車輌かじ取り装置に用いられるラツクバーピ
ニオンに関する。

本発明のラツクバーピニオンアセンブリは、ピ
ニオンハウジング内で回転可能に装着されたピニ
オンと、該ピニオンハウジングを通り長手方向に
直線運動可能なラツクバーと、ピニオンが回転す
るとピニオンハウジングを通つてラツクバーが動
くようにピニオンに作動自在に接続されたラツク
バー上でのラツクとを有する。

本発明のラツクバーピニオンアセンブリは、米
国特許第4215591号で提案されており、その内容
とするところは、車輌に使用されるものであつ
て、すべてのかじ取り負荷のもとで、ピニオンか
ら離間したラツクバーの側に偏倚して接触するロ
ーラスプリングを有してなるピニオンハウジング
内でラツクバーを支持すべく、支持アセンブリを
具備している。ローラはラツクバーをピニオンの
方に偏倚させており、従つてピニオンに係合して
いるラツクの歯はかじ取り負荷の軽い時のかじ取
りを効果的にかつ容易にし得るようにしているの
みである。支持アセンブリはまたラツクバーにシ
ヨツク負荷がかかつた時のように、かじ取り負荷
の大きい時、ラツクバーが単に接触しようとする
ピニオンから定距離にウエツジを規定する平坦な
担持面をも有している。このような設備は“ラツ
クのがたつき”を緩和すべく提案されたものであ
るが不都合な点が生じることがしばしばある。た
とえば、停車時にか酷な操縦が行なわれるような
ところでは、前進方向に静かな操縦で通常に駆動
している時よりは、運転者のかじ取り操作力は大
きくなる。これは、主にかじ取り負荷が大きい
時、ラツクバーが平坦でかつピニオンから固定さ
れた位置にある担持面にウエツジ係合させられて
いることによる。

本発明の目的は、かじ取り負荷が大きい時かじ
取り操作力が不当に増えないようなラツクバーピ
ニオンアセンブリを提供することにある。

本発明の前記目的は次の構成によつて達成され
る。即ち、本発明のラツクバーピニオンアセンブ
リは、ラツクバーのラツクピニオン運動を維持す
るための支持アセンブリを有してなり、この支持
アセンブリは、ピニオンとラツクとの噛合を確保
すべく、ラツクバーをピニオン側に弾性力によつ
て偏倚せしめつつ、ラツクバーを支持するための
第１手段と、前記弾性力に抗して、ラツクバーが
ピニオンに対するラツクの噛合を解除する方向に
一定量の間隔以上変位するのを規制すべく、前記
一定量の間隔以上のラツクバーの変位が生じる
際、ラツクバーを支持すべくラツクバーに接触す
る第２手段とからなり、この第２手段とラツクバ
ーとが接触する際に生じるラツクバーのラツクピ
ニオン運動に抗する摩擦力が小さくなるように構
成されている。支持アセンブリはピニオンハウジ
ングとラツクバーのラツクから離間した側（以下
離間側と称す）との間に配置されている。また、
支持アセンブリは、ラツクバーのラツクピニオン
運動方向にほぼ垂直な方向にピニオンハウジング
内で滑動可能であるとともに、ラツクバーの離間
側に向つて偏倚して係合すべくピニオンハウジン
グに弾性的に装着された第１手段としてのラツク
バーキヤリアとラツクバーがピニオンハウジング
内でラツクバーの長手方向に運動する間、長手方
向の運動に対してラツクバーの離間側に低摩擦で
係合することの可能な第２手段としての支持手段
とを有しており、ラツクバーの運動に抵抗する負
荷が比較的軽く、ラツクがピニオンにほぼ完全に
係合するようにラツクバーによつて偏倚せしめら
れている時、該支持手段は、ラツクバーの離間側
から一定量の間隔だけ前記垂直な方向に離間させ
られており、ラツクバーに比較的高い負荷がかか
つた時、ラツクバーは付加支持するための支持手
段と低摩擦で滑動的に係合し、この係合が生起さ
れるまでラツクバーキヤリアの偏倚に抗して前記
垂直な方向にラツクバーは移動可能である。

さらに本発明によれば、前述したようなラツク
バーピニオンアセンブリを具備してなる車輌かじ
取り装置を提供し得る。

好ましい具体例によればラツクバーキヤリア
は、好ましくは通常ラツクバーの駆動される方向
に垂直な面に関し湾曲してなる横方向に離間した
２つの担持面を有しており、かつ、ラツクバーは
該横方向に離間した担持面のそれぞれにラツクバ
ーの側で係合される２つの支持面を有している。
このような支持面は、前記垂直な方向に対して傾
斜しており、前記横方向に離間した担持面が前述
のごとく湾曲しているところでは、支持面は便宜
上平坦でありほぼ該担持面に正接している。担持
面間へのラツクバーのはまりこみはラツクバーキ
ヤリアを弾性的に装着すること及びラツクバーを
支持手段に係合することによつて緩和される。

好ましくは、ラツクバーキヤリアは、ラツクバ
ーキヤリアとピニオンハウジングとの間に伸張す
るコイルスプリングによつてラツクバーの離間側
に係合すべく、偏倚せしめられている。又、コイ
ルスプリングに代えていかなる偏倚手段を用いて
もよい。

さらに支持手段は、ラツクバーがさらに遠い方
の担持面に係合する時、ラツクバーの離間側と低
摩擦で滑動するような係合を行う平坦な担持面で
あつてもよい。しかしながら、好ましくは、支持
手段は、ラツクバーの離間側と係合し得るととも
にラツクバーがピニオンハウジングを通りローラ
上をラツクバーの長手方向に動く間ラツクバーと
共働して回転し得るローラを有してなるローラ手
段の形態をなしてもよい。

ローラ手段は前記回転し得るローラーを担持す
る支持部材を有していてもよく又、好ましくは、
この支持部材はその脚部の間にローラを担持する
Ｕ字型部材からなつていてもよい。

前述の好ましい具体例によれば、該２つの支持
面は、ラツクバーの離間側にラツクバーの長手方
向に伸長する第３支持面の方向に傾斜し得、第３
の支持面は、前記垂直な方向に直交しており、ロ
ーラと係合可能である。ローラおよび前記支持部
材は好ましくはキヤリアによつて規定された凹部
内に設けられている。支持部材が前記キヤリアに
よつて規定された凹部内に設けられているときキ
ヤリアは、２つの担持面の１つをそれぞれ有する
２つの横方向に離間されたキヤリア部材を有して
いてもよく、前記垂直な方向へのキヤリア部材の
動きに対して、キヤリア部材に滑動すべく支持部
材が係合されており、従つて支持部材は、キヤリ
ア部材の距離を維持するのを補助している。

必ずしも必要ではないが好ましくはローラの軸
は、ピニオンハウジングに対して使用するにあた
つては、固定されているがラツクバーから一定量
の間隔をおいた方向に偏倚され得るようにするこ
とも可能である。さらに、支持手段たとえばロー
ラとラツクバーの離間側との間の一定量の間隔は
選択的に調整可能である。

本発明によるラツクバーピニオンアセンブリの
具体例を図を参照しつつ説明する。

図は、ピニオンハウジング３内に装着されたピ
ニオン２に作動可能に接続されたラツクを有する
ラツクバー１を示すものである。ピニオン２の時
計方向あるいは反時計方向への回転によつてラツ
クバーの長手方向すなわち図の紙面に垂直な方向
にラツクバー１がラツクピニオン運動即ち直線運
動するように、ピニオン２はピニオンハウジング
３内に回転可能に装着されている。前述したよう
なラツクバーピニオンアセンブリのこの部分が、
たとえば車輌のかじ取り装置と共働することは周
知であるため、これ以上は説明しない。

図において、ラツクとピニオンの間の作動可能
な接続は支持アセンブリ４によつて維持されてお
り、支持アセンブリ４は、ラツクバー１を支持す
るとともに、ピニオンハウジング３と、ラツクか
ら離間したラツクバー１の離間側との間に配置さ
れている。支持アセンブリ４は、ピニオン２とラ
ツクとの噛合を確保すべく、ラツクバー１をピニ
オン２側に弾性力によつて偏倚せしめつつラツク
バーを支持する第１手段を有しており、この第１
手段は、ラツクバー１の運動の長手方向に垂直な
軸Ｘ−Ｘに沿つてピニオンハウジング３に対して
滑動可能なラツクバーキヤリア５と、ラツクバー
キヤリア５をラツクバー１の離間側に係合するよ
うに偏倚せしめるコイルスプリング６とからな
る。

また、支持アセンブリ４は、コイルスプリング
６の弾性力に抗して、ラツクバー１がピニオンに
対するラツクの噛合を解除する方向に一定量の間
隔以上変位するのを規制すべく、前記一定量の間
隔以上のラツクバー１の変位が生じる際、ラツク
バー１を支持すべくラツクバー１に接触する第２
手段を有しており、この第２手段は、ラツクバー
１がラツクバー１の長手方向に垂直な軸Ｘ−Ｘの
まわりに回転可能であり、かつキヤリア５によつ
てピニオン２にほぼ完全に係合せしめられる時、
ラツクバー１から軸Ｘ−Ｘ方向に一定量の間隔だ
け離間して装着された１個以上のローラ７と、こ
のローラ７を担持する支持部材７とからなる。

ラツクバー１は通常両横方向に離間するととも
に、ラツクバーのＸ−Ｘ軸に対して傾斜してなる
支持面としての２つの側部１ａ，１ｂを有してな
る多角形の横断面からなつており、側部１ａ，１
ｂは第３の支持面としての第３の側部１ｃに向つ
ている。この第３の側部１ｃは、Ｘ−Ｘ軸に直交
するとともに、１個以上のローラ７によつて係合
可能である。ラツクバーキヤリア５は、それぞ
れ、ラツクバーに接触し、低摩擦物質からなる湾
曲担持面を有するとともにラツクバーの長手方向
に伸長する２つの滑動可能なキヤリア部材５ａお
よび５ｂからなり、該担持面はＸ−Ｘ軸のそれぞ
れの側にあり、側部１ａ，１ｂは該担持面にほぼ
正接している。

本具体例において、キヤリア部材５ａ及び５ｂ
の湾曲担持面とは、ラツクバー１の長手方向に垂
直な面でキヤリア部材５ａおよび５ｂを切断した
時の断面形状が、ラツクバー１と接触する部分に
おいて凸状の弧をなすような面を意味する。

凹部８はキヤリア部材５ａと５ｂとの間で規定
されており、該凹部８内には、１個以上のローラ
７を担持する支持部材９が、ハウジング３の側部
および支持部材９と係合して滑動するキヤリア部
材５ａ，５ｂと共に配置されている。支持部材９
は断面Ｕ字型をしており、Ｕ字型支持部材の脚部
は１個以上の各ローラ７の軸を支持している。支
持部材９は、図示のように適宜にハウジング３に
対して固定されてもよく、またハウジング３上に
スプリングを、挾持してＸ−Ｘ軸に沿つて垂直方
向に移動可能であるようにされてもよい。

各キヤリア部材５ａおよび５ｂは、支持部材９
の各側にあるキヤリア部材の元部と、ハウジング
３を閉じるカバープレート１０との間で作動する
コイルスプリング６によつてラツクバー１の方向
に偏倚されている。

図は、ラツクバー１上にかじ取り付加がほとん
どかからない場合あるいは全くかからない場合
の、かじ取り装置に使用されているラツクバーピ
ニオンアセンブリのいろいろな部分の相対的位置
を示している。かじ取り装置が車輌にとりつけら
れており、車輌が停車しているような時に操縦を
行うような場合には、ラツクバー１にかかる負荷
が増加するため、スプリング６により偏倚させよ
うとする力に対抗して同一方向にラツクバーキヤ
ア５を動かしながら、ラツクバー１は、１個以上
のローラ７に向かつて前記垂直な方向に変位させ
られる。結果的に、負荷が増すと、ラツクバー１
は付加支持を与えるためのローラ７に係合し、ロ
ーラ７はラツクバー１の長手方向の運動と共働し
て回転する。負荷が減るとラツクバー１はローラ
７と係合しないで移動するがキヤリア部材５ａお
よび５ｂの担持面とは係合している。

スプリング６の弾性力は、スプリングとカバー
プレート１０間にシム（止め具）を具備すること
によつて調整され得る。このようなシムはまたラ
ツクバー１からローラ７への一定量の間隔をも調
整し得る。カバープレート１０はボルト１１によ
つて着脱自在である。

本発明のラツクバーピニオンアセンブリによれ
ば、かじ取り負荷が大きく、ラツクバーがピニオ
ンに対するラツクの噛合を解除する方向へ第２手
段に係合するまで変位した時に、運転者のかじ取
り操作力を急激に増加させることなく、しかも運
転者がかじを切つた状態でその舵角を維持してい
る時に、路面から運転者に伝達されるかじを戻そ
うとする力をラツクバーと第２手段との摩擦力に
よつて減らし得る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の具体例によるアセンブリをラ
ツクバーの長手方向軸を横断する方向に見た断面
図である。 １……ラツクバー、２……ピニオン、３……ハ
ウジング、４……支持アセンブリ、５……ラツク
バーキヤリア、６……コイルスプリング、７……
ローラ、８……凹部、９……支持部材、１０……
カバープレート、１１……ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ラツクバーのラツクピニオン運動を維持する
   ための支持アセンブリを有してなり、この支持ア
   センブリは、ピニオンとラツクとの噛合を確保す
   べく、ラツクバーをピニオン側に弾性力によつて
   偏倚せしめつつ、ラツクバーを支持するための第
   １手段と、前記弾性力に抗して、ラツクバーがピ
   ニオンに対するラツクの噛合を解除する方向に一
   定量の間隔以上変位するのを規制すべく、前記一
   定量の間隔以上のラツクバーの変位が生じる際、
   ラツクバーを支持すべくラツクバーに接触する第
   ２手段とからなり、この第２手段とラツクバーと
   が接触する際に生じるラツクバーのラツクピニオ
   ン運動に抗する摩擦力が小さくなるように構成さ
   れていることを特徴とするラツクバーピニオンア
   センブリ。 ２ 前記第１手段が、ピニオンの反対側でラツク
   バーと係合すべくピニオンハウジングとラツクバ
   ーとの間に配置されており、ピニオンハウジング
   内でのラツクバーのラツクピニオン運動方向にほ
   ぼ垂直に変位可能であるようにピニオンハウジン
   グに対して弾性的に装着されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載のラツクバーピ
   ニオンアセンブリ。 ３ ラツクバーの駆動が容易に行なわれ得る程度
   に負荷が軽く、ラツクがピニオンにほぼ完全に係
   合するようにラツクバーが偏倚されている場合、
   第２手段は前記一定量の間隔だけラツクバーから
   離間されており、ラツクバーの負荷が高い場合、
   第２手段によつてラツクバーが付加的に支持され
   るべく、ラツクバーと接触するように、ラツクバ
   ーが第２手段に向つて移動され得るように構成さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   又は第２項に記載のラツクバーピニオンアセンブ
   リ。 ４ 前記第１手段が、ラツクバーのラツクピニオ
   ン運動方向に交叉する方向に互いに離間されてな
   る２つの担持面を有しており、ラツクバーが、ラ
   ツクから離れた側に前記２つの担持面の夫々に係
   合されるとともに、弾性力に抗するラツクバーの
   前記偏倚方向に関して傾斜してなる２つの支持面
   を有していることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項から第３項のいずれかに記載のラツクバーピ
   ニオンアセンブリ。 ５ 前記担持面が通常はラツクバーのラツクピニ
   オン運動方向に垂直な面に関して湾曲しており、
   ラツクバーの支持面は平坦であつてかつ該湾曲担
   持面に対してほぼ正接していることを特徴とする
   特許請求の範囲第４項に記載のラツクバーピニオ
   ンアセンブリ。 ６ 第１手段が、該第１手段とピニオンハウジン
   グの間に伸張するコイルスプリングによつて、ラ
   ツクバーと係合すべく偏倚されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項から第５項のいずれ
   かに記載のラツクバーピニオンアセンブリ。 ７ 第２手段が、ラツクバーのラツクから離れた
   側と係合可能であるとともにラツクバーが駆動さ
   れる際ラツクバーに共働して回転可能なローラを
   有してなるローラ手段の形態をなすことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項から第６項のいずれか
   に記載のラツクバーピニオンアセンブリ。 ８ 第２手段は、ローラの回転を支持する支持部
   材を有していることを特徴とする特許請求の範囲
   第７項に記載のラツクバーピニオンアセンブリ。 ９ 支持部材がＵ字型部材からなり、前記Ｕ字型
   部材の２つの脚部間でローラを支持すべく構成さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第８項
   に記載ラツクバーピニオンアセンブリ。 １０ ラツクバーは、ラツクから離れた側で且つ
   前記２つの支持面の間に位置する第３の支持面を
   有しており、ラツクバーの前記一定量の間隔以上
   の変位が生じた場合第３の支持面がローラに接触
   するように、支持部材と第１手段によつて規定さ
   れる凹部内に配設されている特許請求の範囲第８
   項又は第９項に記載のラツクバーピニオンアセン
   ブリ。 １１ 第１手段が、２つの担持面の１つをそれぞ
   れ有すると共にラツクバーのラツクピニオン運動
   方向に対して交叉する方向に離間されている２つ
   のキヤリア部材を有しており、支持部材はキヤリ
   ア部材が弾性力に抗して前記方向に変位される際
   キヤリア部材に対して滑動自在に係合されてお
   り、かつ支持部材は、キヤリア部材の間の間隔を
   維持していることを特徴とする特許請求の範囲第
   １０項に記載のラツクバーピニオンアセンブリ。 １２ 支持部材は、ピニオンハウジングによつて
   弾性力に抗する方向の動きを規制されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第８項から第１１項
   のいずれかに記載のラツクバーピニオンアセンブ
   リ。 １３ ローラーの軸がピニオンハウジングに対し
   て固定されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第７項から第１２項のいずれかに記載のラツク
   バーピニオンアセンブリ。 １４ 前記一定量の間隔が、調整可能であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項から第１３項
   のいずれかに記載のラツクバーピニオンアセンブ
   リ。 １５ 車輌かじ取り装置を構成してなることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第１４項のい
   ずれかに記載のラツクバーピニオンアセンブリ。