JPS6241690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は多湿性化粧材用の密閉型コンパクト
に関する。

化粧材の内にはフアンデーシヨンや練り白粉の
ような多湿性の化粧材が数多くあり、これらは保
管の際、水分の蒸発を防止するために、密閉容器
内に収納されていることが必要である。

しかし上記のような多湿性化粧材を携帯用のコ
ンパクト内にセツトしようとする場合、従来のよ
うな、上蓋が下蓋に対しその後端部を開閉自在に
枢支され、それぞれ前端部に形成された係合突起
が互いに係合されることにより、上蓋が内蓋状態
で下蓋に係止される形式のコンパクトでは、密閉
性が完全でなく、化粧材の水分が下蓋と上蓋の間
の隙間から徐々に蒸発してしまい、長い間放置し
ておくと、化粧材が乾いてしまつて使用不能にな
つてしまつたり、化粧材自体がコンパクト内から
洩れて、周りを汚してしまうというようなことが
しばしば生じていた。また従来のコンパクトは上
蓋と下蓋の係合部が外れ易く、携帯に不便であつ
た。

この考案は、上記のような従来の多湿性化粧材
を収容するコンパクトの欠点を解決するために為
されたものであつて、化粧材の洩れおよび水分の
蒸発を防止することの出来るとともに、上蓋と下
蓋の係合が外れ難い密閉型のコンパクトを提供す
ることを目的とするものである。

以下この考案を図面に示す実施例に基づいて説
明を行う。

第１ないし４図において、化粧材充填用凹部１
ａを具えた下蓋１には上蓋外枠２が、その後端部
を下蓋１の後端部に枢支されて、開閉自在に取り
付けられている。この上蓋外枠２の中央部には真
円形状のプレート嵌合穴２ａが形成され、さらに
このプレート嵌合穴２ａの内周壁には、周面に沿
つて一条の嵌合溝２ｂが形成されている。そして
上蓋外枠２のプレート嵌合穴２ａ内には円板形状
のプレート３が、その外周面に形成された嵌合突
条３ａが嵌合溝２ｂに嵌合されて、上蓋外枠２と
同一平面内で回転自在に取り付けられており、こ
のプレート３と上蓋外枠２とで上蓋４を構成して
いる。

プレート３の前端部には、下面から下方に突出
し、Ｌ字状に屈曲して上蓋外枠２の下方に位置さ
れて、先端部が上蓋外枠２の外縁から突出してい
る開閉レバー５が形成され、この開閉レバー５を
回動させることによつて、プレート３を上蓋外枠
２に対して回動させることが出来るようになつて
いる。

下蓋１の化粧材充填用凹部１ａの外周部には、
弾性体リング６が、その上端部を下蓋１の上面か
ら上方に突出した状態で埋設されており、上蓋４
が閉蓋された際、プレート３の外周部下面に密着
されるようになつている。また下蓋１の前端部に
は、外周面および上面に開口の扇状凹部１ｂが形
成され、上蓋４が閉蓋された際、開閉レバー５が
遊嵌され、第２図の矢印Ａで示すように、所定の
範囲内で開閉レバー５の回動を許容するようにな
つている。

プレート３の下面には、下蓋１の化粧材充填用
凹部１ａの上端部内径とほぼ同一の外径を有する
円筒部３ｂが垂設されて、上蓋４が閉蓋された
際、化粧材充填用凹部１ａに嵌合されるようにな
つており、そしてこの円筒部３ｂの左右両側位置
には、一対の突起３ｃがそれぞれ突設されてい
る。また下蓋１の化粧材充填用凹部１ａの内周壁
には、突起３ｃにそれぞれ対応する位置に、凹部
１ａに開口する摺動溝部１ｃが形成されて、この
摺動溝部１ｃ内に突起３ｃが嵌合されて、プレー
ト３の回動に伴つて摺動可能となつている。

この摺動溝部１ｃは、第２図において化粧材充
填用凹部１ａの中心を中心とする時計回り方向の
後端部側に、上方に開口する開口部１ｄをそれぞ
れ具えており、プレート３を後述する開蓋位置に
位置決めして上蓋４を開閉する際、この開口部１
ｄを通過して突起３ｃがそれぞれ摺動溝部１ｃと
嵌合または離間するようになつている。また摺動
溝部１ｃの天上部下面には、開口部１ｄ側から前
端部側に向つて下向きに傾斜する傾斜部１ｅが形
成されている。

ここで下蓋１の扇状凹部１ｂ、摺動溝部１ｃお
よびその開口部１ｄ、プレート３の開閉レバー５
および突起３ｃのそれぞれの位置関係を説明する
と、第２図から分るように、上蓋４が閉蓋され、
開閉レバー５が扇状凹部１ｂの左側壁と当接する
位置にあるとき、突起３ｃが摺動溝部１ｃの開口
部１ｄと反対側の内壁と当接する位置にあり、開
閉レバー５が左側壁側から回動（第２図の矢印Ａ
方向）されて右側壁と当接する位置（開蓋位置）
にあるとき、突起３ｃが開口部１ｄと対向する位
置に位置されるようになつている。

上記コンパクトの使用方法は、第１および２図
の上蓋４が閉蓋された状態から、開閉レバー５を
指で矢印Ａ方向に回動させると、突起３ｃが摺動
溝部１ｃ内を反時計回りに摺動されて、開口部１
ｄと対向される。この状態で開閉レバー５を離す
と、上蓋４が後端枢支部に介装された捩りばね７
によつて開蓋方向に付勢され、突起３ｃが開口部
１ｄを通つて摺動溝部１ｃから離間して、上蓋４
が開蓋される。次に開閉レバー５を開蓋位置にし
たまま上蓋４を閉蓋すると、突起３ｃが開口部１
ｄを通つて摺動溝部１ｃに嵌合されるとともに、
弾性体リング６の上端部がプレート３の外周部下
面に当接される。そして開閉レバー５を矢印Ａと
反対方向に回動させると、突起３ｃが摺動溝部１
ｃ内を開口部１ｄ側と反対側端部方向に摺動され
る。このとき突起３ｃは摺動溝部１ｃの傾斜部１
ｅに沿つて下方向に押圧されてゆく。この結果、
プレート３の下面が弾性体リング６の上端部に圧
接され、化粧材充填用凹部１ａが密閉されること
となる。

以上のようにこの考案は、開閉レバーの回動に
よつて上蓋に形成された突起が、下蓋に形成され
た摺動溝に着脱自在に嵌合されて、上蓋の下面が
下蓋の上面に取り付けられた弾性体に圧接される
ようになつていることにより、コンパクト内部を
完全に密閉することが出来て、コンパクト内に収
納された多湿性化粧材の乾きおよび洩れを防止す
ることが出来、携帯時に上蓋と下蓋の係合が外れ
難く、しかも開閉が容易であるという優れた効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側断面図、
第２図は第１図の−線における断面図、第３
図は第２図の−線における断面図、第４図は
第２図の−線における断面図である。 １……下蓋、１ａ……化粧材充填用凹部、１ｂ
……扇状凹部、１ｃ……摺動溝部、１ｄ……開口
部、１ｅ……傾斜部、２……上蓋外枠、３……プ
レート、３ｂ……嵌合部、３ｃ……突起、４……
上蓋、５……開閉レバー、６……弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧材充填用凹部を有する下蓋の後端部に、上
   蓋の後端部が開閉自在に枢支されているコンパク
   トにおいて、前記上蓋が、後端部を下蓋に枢支さ
   れた上蓋外枠と、この上蓋外枠の中央部に回動自
   在に嵌合されたプレートとを具えており、プレー
   トが、このプレートと一体となつており、上蓋が
   閉蓋された際、先端部が下蓋と上蓋外枠の外縁か
   ら突出するようになつている開閉レバーと、下蓋
   の化粧材充填用凹部に嵌合し、かつ外壁に突起を
   有する嵌合部とを有し、下蓋が、化粧材充填用凹
   部の外縁部を囲み、下蓋の上面から上方向に突出
   するように取り付けられた弾性体と、化粧材充填
   用凹部の内壁に穿設された横向きに延びる摺動溝
   とを有し、この摺動溝の一端部側に上方向に開口
   する開口部が形成されており、前記開閉レバーを
   所定位置に位置させて上蓋を閉蓋すると、前記突
   起が前記開口部を通つて摺動溝内に嵌合され、開
   閉レバーを一方向に回動すると、プレートの回動
   に伴つて突起が摺動溝内を摺動して、摺動溝の天
   上部と下方向に付勢された状態で係合することに
   より、上蓋の下面が前記弾性体に圧接されるよう
   になつていることを特徴とするコンパクト。