JPS6239960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両のルーフサイドレールを挟着
する挟持部を有するガーニツシユにおける車両用
ガーニツシユ構造の改良に関する。

従来の車両用ガーニツシユ構造としては、例え
ば第１図及び第２図に示すようなものがある。

第１図及び第２図において、符号１は車両のル
ーフサイドレール２に取り付けられる硬質合成樹
脂で押出し成形されたガーニツシユである。

そのルーフサイドレール２はルーフサイドレー
ルアウタ３とルーフサイドレールインナ４とから
なり、そのルーフサイドレールアウタ３の端縁３
ａとルーフサイドレールインナ４の端縁４ａとが
溶着等によつて接合されている。

一方、ガーニツシユ１は断面が湾曲した形状で
あり、下端に所定の間隔を置いて内側フランジ５
と外側フランジ６を立ち上げてＵ字の挟持部７が
形成されている。

その挟持部７の内側フランジ５と外側フランジ
６には共に端縁３ａ，４ａに嵌着しやすいように
軟質合成樹脂のリツプ８が複数フランジ５，６と
一体に設けられている。

そのガーニツシユ１の挟持部７でルーフサイド
レール２の端縁、即ち、ルーフサイドレールアウ
タ３とルーフサイドレールインナ４の接合された
両端縁３ａ，４ａを挟持させてルーフサイドレー
ル２にガーニツシユ１が取り付けられている。図
中、９はルーフサイドレールインナ４の外面に張
設されているヘツドライニングであり、そのヘツ
ドライニング９は芯材層１０と発泡ウレタン層１
１とから形成されている。

しかしながら、このような従来の車両用ガーニ
ツシユ構造にあつては、ガーニツシユ１の挟持部
７の内側フランジ５及び外側フランジ６の端縁３
ａ，４ａ側に設けられた複数のリツプ８で、ルー
フサイドレール２の端縁３ａ，４ａを挟持するよ
うにしているが、それら複数のリツプ８は全て軟
質の合成樹脂で形成されているため、ルーフサイ
ドレール２の端縁３ａ，４ａにガーニツシユ１を
保持させておく充分な強度であつてもガーニツシ
ユ１の自重やルーフサイドレールインナ４との間
にはさみ込まれているヘツドライニング９等の反
発力により、複数のリツプ８が変形してガーニツ
シユ１の上端１ａが室内側に倒れたりしてヘツド
ライニング９とガーニツシユ１の上端１ａとの間
に隙間Ｓを発生させて見栄えが悪くなつたり、ま
た、他のガーニツシユとの合せが良くないという
問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、ルーフサイドレールの端縁を
挟着するガーニツシユに形成された挟持部の外側
フランジ及び内側フランジの対向面に、複数のリ
ツプを突設させた車両用ガーニツシユ構造におい
て、前記外側フランジにおける前記ルーフサイド
レールの端縁の基部側に設けたリツプと、前記内
側フランジにおける前記ルーフサイドレールの端
縁の端部側に設けたリツプとを、他のリツプを形
成する素材よりも硬い素材で、該他のリツプの突
出量よりわずかに短く突出させて形成することに
より、上記問題点を解決することを目的としてい
る。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第３図はこの考案の一実施例を示す図である。

第３図において、前記従来例と同一の構成は同
一符号を付して説明を省略し、前記従来例と相違
する構成について説明する。

この実施例はガーニツシユ１の挟持部７におけ
る内側フランジ５の内面５ａにおけるルーフサイ
ドレール２の端縁４ａの端部Ｐ側下部と、外側フ
ランジ６の内面６ａにおけるルーフサイドレール
２の端縁３ａの基部Ｒ側上部とにそれぞれ設けた
リツプ１２は、ヘツドライニング９等の反発力に
対抗して変形しない限度を有する例えば硬質合成
樹脂で内外側フランジ５，６と一体に成形されて
いる。そして、それ以外のリツプ８は柔軟性を有
する例えば軟質合成樹脂で内外側フランジ５，６
と一体に成形されている。また、上記硬質のリツ
プ１２は軟質のリツプ８よりわずかに短く突設さ
れている。

次に作用を説明する。

ガーニツシユ１のルーフサイドレール２への取
り付けは端縁３ａ，４ａに挟持部７の内外側フラ
ンジ５，６を挿入してリツプ８，１２を端縁３
ａ，４ａの外側に密着させることによつて行なわ
れる。

この場合、外側フランジ６の内面６ａのリツプ
１２と内側フランジ５の内面５ａのリツプ８との
間隔が、端縁３ａ，４ａの厚さより小さくても、
リツプ８が柔軟性を有するので端縁４ａと当接し
て室内側へ湾曲して間隔が拡大されリツプ８，１
２が端縁３ａ，４ａの基部Ｒに位置するまで、内
外側フランジ５，６の先端を挿入することができ
る。このとき、他のリツプ１２とこれと対応する
リツプ８も同様に端縁３ａ，４ａの端部Ｐに位置
するように挿入することができる。このような挿
入の際には、軟質のリツプ８のみをわずかに弾性
変形させるだけで良いため、挿入力つまりガーニ
ツシユ１の装着力が小さくて済み、装着作業が容
易に行なわれることとなる。そして、挿入が終了
すると各リツプ８，１２が端縁３ａ，４ａに密着
して端縁３ａ，４ａは各リツプ８，１２によつて
保持される。従つて、ガーニツシユ１はルーフサ
イドレール２へ確実に固定される。そして、ガー
ニツシユ１の自重やヘツドライニング９の反発力
によつて挟持部７にこの挟持部７を回動させよう
とする力が作用すると、端縁３ａ，４ａは各リツ
プ８，１２を押圧するが、この押圧に対して外力
によつても変形しない強度を有するリツプ１２に
よつて対抗することができる。したがつて、柔軟
なリツプ８の変形が防止され、各リツプ８，１２
の端縁３ａ，４ａへの密着性に変化は生じない。
よつて、各リツプ８，１２の端縁３ａ，４ａに対
する保持力の減少が防止されガーニツシユ１の上
端１ａが室内側へ転倒するのを防止することがで
きる。

以上説明してきたように、この考案によれば、
その構成をルーフサイドレールの端縁を挟着する
ガーニツシユに形成された挟持部の内外側両フラ
ンジの対向面に複数のリツプを一体成形して突設
させた車両用ガーニツシユ構造において、前記外
側フランジにおける前記ルーフサイドレールの端
縁の基部側に設けたリツプと、前記内側フランジ
における前記ルーフサイドレールの端縁の端部側
に設けたリツプを、他のリツプを形成する素材よ
りも硬い素材で、他のリツプの突出量よりわずか
に短く突出させて形成したため、次に述べるよう
な種々の効果を得ることができる。

ガーニツシユをルーフサイドレールに装着す
る場合、対向するリツプの内の一方、つまり柔
軟性のあるリツプのみを変形させれば良いた
め、挿入力が小さく、ガーニツシユ装着作業を
容易に行うことができる。しかも、挿入後は、
各リツプは端縁に密着してこの端縁を保持する
のでガーニツシユはルーフサイドレールに確実
に固定することができる。

また、ガーニツシユの自重やヘツドライニン
グ等の反発力がリツプに押圧力として作用して
も、リツプが設けられた内外側フランジの上下
方向の対向する位置には、この押圧力によつて
も変形しない強度を有するリツプがそれぞれ設
けてある。したがつて、これらのリツプによつ
て押圧力は受け止められ、他の柔軟なリツプに
は変形は生じない。このため、各リツプの密着
性の悪化は生じず、各リツプの端縁に対する保
持力は減少しない。従つて、ガーニツシユの上
端が室内側へ転倒することが防止される。

したがつて、ガーニツシユの上端とヘツドラ
イニングとの間に隙間が発生せず見栄えの良さ
が維持されるとともに、他のガーニツシユとの
合せが良好になる効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両に従来の車両用ガーニツシユ構造
のガーニツシユが取り付けられている状態を示す
部分正面図、第２図は従来の車両用ガーニツシユ
構造を示す一部切欠の斜視図、第３図はこの考案
の一実施例の車両用ガーニツシユ構造を示す一部
切欠の断面図である。 １……ガーニツシユ、２……ルーフサイドレー
ル、５……内側フランジ、５ａ……対向する面、
６……外側フランジ、６ａ……対向する面、７…
…挟持部、８……リツプ、１２……８のリツプよ
り強度をもたせたリツプ、３ａ，４ａ……ルーフ
サイドレールの端縁、Ｒ……端縁の基部、Ｐ……
端縁の端部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ルーフサイドレールの端縁を挟着するガーニツ
   シユに形成された挟持部の外側フランジ及び内側
   フランジの対向面に、複数のリツプを突設させた
   車両用ガーニツシユ構造において、 前記外側フランジにおける前記ルーフサイドレ
   ールの端縁の基部側に設けたリツプと、前記内側
   フランジにおける前記ルーフサイドレールの端縁
   の端部側に設けたリツプとを、他のリツプを形成
   する素材よりも硬い素材で、該他リツプの突出量
   よりわずかに短く突出させて形成したことを特徴
   とする車両用ガーニツシユ構造。