JPS6237335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は配線用フレキシブルフイルムのフレキ
シブル性を利用して回路搭載基板の形状、サイ
ズ、配置に自由度を付与し、ELデイスプレイパ
ネルと回路搭載基板間の電気的導通を得るととも
にELデイスプレイパネルのユニツト全体の薄型
化、小型化及び低コスト化を達成し、機械的振動
に起因する悪影響を改善した回路搭載基板に対す
るELデイスプレイパネルの実装構造に関するも
のである。

従来、EL（Electro Luminescence）デイスプ
レイパネル、プラズマデイスプレイパネル、液晶
デイスプレイパネル等の平面薄型表示パネルと回
路搭載基板との接続構造としては第１図あるいは
第２図に示す如き接続構造が一般的に採用されて
いる。即ち第１図は表示パネル１を回路搭載基板
２に対して一定間隙を隔てて弾性的に支承するた
め、燐青銅板、銅−ベリリウム板等の導電性バネ
材から成る金属リード片３を表示パネル１と回路
搭載基板２間の周縁に配置された各々の電極端子
４，５間に介設し、半田付けにより接着固定する
とともに金属リード片３の弾性を利用して表示パ
ネル１と回路搭載基板２を機械的及び電気的に接
続したものである。回路搭載基板２にはIC，LSI
等の回路部品６が搭載され、表示パネル１が駆動
される。また第２図は表示パネル１と回路搭載基
板２をクリツプ状の金属リード片３′で機械的及
び電気的に接続したものである。クリツプ状の金
属リード片３′は一端がコ字型に分岐しており、
この部分で表示パネル１の端縁を挟持するととも
に電極端子４と電気的に接続され、他端は回路搭
載基板２に挿入されて半田付けにより接着固定さ
れかつ電極端子５と電気的に接続されている。回
路基板２には上記同様表示パネル１の駆動用回路
部品６が搭載されている。

上記の如き従来の接続構造に於いては、回路搭
載基板２は表示パネル１の大きさより小さくする
ことは不可能であり、回路搭載基板２の電極端子
５と表示パネル１の電極端子４とは１対１の対応
関係を必要とする。また電極端子５のピツチ間隔
は１mm程度が限界であり、回路搭載基板２の精度
により接続不良あるいは接続困難な事態を招来せ
しめ、更に回路搭載基板２が２枚以上に多層化さ
れた場合、回路搭載基板間でコネクター等による
接続を行なう必要が生じ薄型化が困難となるのみ
ならず、コネクター配置の面積分だけ基板サイズ
は大きくなる。また、表示パネル１をEL表示パ
ネルで構成した場合、EL表示パネルは交流電圧
で駆動されこの際の交流駆動周波数に応じて微小
振動が生起される。従つて、パネルが耳障りな音
嗚りを起こし、使用者に不快感を与えることとな
る。上記従来の接続構造に於いては表示パネル１
への支持力が強く、従つて表示パネル１の微小振
動や音嗚りを完全に防ぐことは不可能であつた。

本考案は上記問題点に鑑み、配線形成用のフレ
キシブルフイルムを基板間接続体として利用し、
EL表示パネル搭載基板を回路搭載基板上に接続
することにより交流駆動時の音嗚りを防止すると
ともにパネルユニツトの小型化、薄型化を達成し
た新規有用なEL表示パネルの実装構造を提供す
ることを目的とするものである。

即ち本考案は、EL表示パネルが搭載され縁部
に給電用電極端子が配設された表示基板とEL表
示パネルを駆動する回路が搭載された回路基板を
一体化して駆動回路とEL表示パネルを基板へ実
装するEL表示パネルの実装構造に技術的手段を
駆使したものであり、回路基板を表示基板より小
さく成形して双方を積層方向に対向配置し、表示
基板の電極端子に配線形成用フレキシブルフイル
ムの一端部を接続するとともにフレキシブルフイ
ルムを外方向に湾曲させて他方の端部を回路基板
の縁部に配設された給電用電極端子に連結し、こ
のフレキシブルフイルムによつて表示基板を回路
基板に対して浮遊せしめた状態で弾性的に支承す
るとともに表示基板の交流駆動周波数に対応した
振動を吸収する支持機構を構成したことを特徴と
している。

以下、本考案の１実施例について図面を参照し
ながら詳説する。

第３図は本考案の１実施例を示すEL表示パネ
ルユニツトの実装構造部構成図である。

薄膜EL素子を内蔵した表示パネル１と回路搭
載基板２を対向させ、表示パネル１の周縁に位置
する薄膜EL素子に対する給電用電極端子４に配
線形成用のフレキシブルフイルム７の一端を半田
付け、ロー付け等により接着する。フレキシブル
フイルム７は電極端子４と電気的に接続され、他
端は外方へ向かつて湾曲状に折り曲げられ、表示
パネル１の内方位置で対向する回路搭載基板２に
設けられたピンコネクター８のピンに挿入される
とともに半田等で接着固定される。ピンコネクタ
ー８は本体に複数本のピンを貫挿したものであり
本体の一方面に突設されたピンは回路搭載基板２
に挿入され、半田接着されるとともに回路搭載基
板２の配線パターンあるいは電極端子と接続され
ている。また他方面に突設されたピンには前述し
たフレキシブルフイルム７の端部が補強部材９と
ともに挿入され電気的に接続されている。表示パ
ネル１はフレキシブルフイルム７のフレキシブル
性及び若干のバネ性により回路搭載基板２と一定
間隙を隔てた浮遊状態で弾性的に支承されてい
る。またピンコネクター８は本体部分が機械的に
連結されているものであり、この連結機構部で上
下分割可能に構成されているため、表示パネル１
は必要に応じて回路搭載基板２より着脱し得る。
ピンコネクター８の取付位置はスペースフアクタ
ーを考慮すると回路搭載基板２の回路部品６取付
面即ち表示パネル１との対向面と逆の面の周縁部
が望ましい。

回路搭載基板２が２枚以上に多層化された場合
でも同様に接続することは可能である。

本考案の実装構造に於いては、回路搭載基板の
精度は必要ではなく、表示パネル１に対して自由
に複数枚の配置が可能であり、かつ表示パネル１
より小さく成形されているため、表示パネルユニ
ツトの薄型化、小型化が達成される。

また、EL表示パネルを搭載した表示基板はフ
レキシブル配線フイルムの弱い弾性力によつて支
承されているため、交流駆動時に生起されるEL
表示パネルの高周波振動がこの弱い弾性力に吸収
され、これによつて音嗚りが消失することとな
る。従つて、使用者に耳障りな雑音を与えること
もなく、使用時の不快感も解消される。本考案は
この点で非常に優れた効果を奏するものであり、
交流駆動電圧の印加に応答して振動しこの振動が
原因となつて発生する雑音が、表示パネルを浮遊
状態で弾性的に支承するフレキシブルフイルムの
振動吸収効果によつて消失する。フレキシブルフ
イルムはEL表示パネルの実装に際し、機械的連
結、電気的接続及び高周波振動に対する吸収用バ
ネ機能の各機能を有する非常に実用的価値の高い
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の表示パネル接続構造
を示す要部構成図である。第３図は本考案の１実
施例を示すEL表示パネルユニツトの実装構造部
構成断面図である。 １……表示パネル、２……回路搭載基板、４，
５……電極端子、７……フレキシブルフイルム、
８……ピンコネクター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. EL表示パネルが搭載されかつ縁部に該EL表示
   パネルへの給電用電極端子が配設された表示基板
   と、該表示基板より小さく成形され前記EL表示
   パネルを駆動する駆動回路を搭載しかつ縁部に給
   電用電極端子が配設された回路基板とを積層方向
   に対向配置し、前記表示基板の電極端子に配線形
   成用フレキシブルフイルムの一端部を接続すると
   ともに該フレキシブルフイルムを外方向に湾曲さ
   せて他方の端部を前記回路基板の電極端子に連結
   し、前記フレキシブルフイルムで前記表示基板を
   前記回路基板に対して浮遊せしめた状態で弾性的
   に支承するとともに前記表示基板の交流駆動周波
   数に対応した振動を吸収する支持機構を構成した
   ことを特徴とするEL表示パネルの実装構造。