JPS6236833B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術はワークに対しフライス加工する場合
の該ワークに対するバイス締め付けを行うに際
し、側方、及び、上方へのクランプ力を増すよう
にしたバイス締付装置の技術分野に属する。

而して、この発明はバイスフレームのエンドプ
レートとプレスプレートとの間にワークを介装さ
せてウオームを回動させて該プレスプレートの押
進を介して該プレスプレートに端設させたバイス
本体とで締結するようにしたバイス締付装置に関
する発明であり、特に、バイス本体に設けたベー
スに対して締付体を旋回動自在、且つ、平底面で
摺接するようにし、又、プレスプレートとの間に
挾持するワークに対するセツト面とその側方のス
トツパを有するようにしたバイス締付装置に係る
発明である。

＜従来技術＞ 周知の如く、フライスによるカツタ加工等を行
うに際してバイス締付装置を用いてクランプする
ようにされている。

而して、第１，２図に示す様に、バイスフレー
ム１の端部のエンドプレート２にボール３を介し
傾斜板４，５のバイス本体６を具備させ、図示し
ないハンドルを介し回動するウオーム７によりプ
レスプレート８を進退動させ、該プレスプレート
８とバイス本体６との間にワーク９を介装して挾
持させ、フライスヘツド１０に付設したカツタ１
１により該ワーク９の上面加工を行うようにして
いる。

＜発明が解決しようとする問題点＞ さりながら、該種バイス締付装置１２に於いて
はワーク９の摺接する対向辺がそれぞれＸ軸方
向、及び、Ｙ軸方向にＸ°，Ｙ゜ぶれて非並行で
あつても、図示する様に、バイス本体６がボール
３を介してユニバーサル作動を行つてワーク９の
締付面に当接しはするものの、側方、及び、上下
方向の拘束手段は特になく、端に締結摩擦力によ
つて変移を防止するようにされているだけである
ので、ワーク９の上面が傾斜しているような態様
では切削加工プロセスでワーク９はバイス本体６
に対してずれを起こしてしまう欠点があり、その
限り、加工不良を生じたり、精度が設定通りに保
ち難い難点があり、これは振れ角がＸ゜＞15゜に
設計出来ないことによつても制約されていた。

したがつて、加工歩留が悪く、結果的にコスト
高になる不利点があり、又、これに対処するにバ
イスの締付力調整に熟練を要するという不都合さ
もあつた。

この発明の目的は上述従来技術に基づくバイス
締付装置の問題点を解決すべき技術的課題とし、
バイス本体のユニバーサル作用によるセツテイン
グ機能を維持しつつも、該バイス本体に側方に変
位するのを拘束する機能を有させるようにし、し
かも、ワークが対向する辺を非平行とするもので
あつても、容易にクランプ出来、締付状態が定位
に確実に保持することが出来るようにして機械製
造産業における加工技術利用分野に益する優れた
バイス締付装置を提供せんとするものである。

＜問題点を解決するための手段・作用＞ 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とす
るこの発明の構成は前述問題点を解決するため
に、バイス本体とプレスプレート間にワークをセ
ツトするに締付体に当接させると共にプレスプレ
ートを押進させ、締め付けを行うようにし、締付
プロセスにおいて締付体がベースに対して相互の
部分円周面を介し、又、磁石を介して摺動する両
平底面を介し旋回動してワーク端面を確実に締結
し、併せてストツパにより側方へは移動しないよ
うにし、更に、バイスフレームの底部に対しても
確実に固定されるようにした状態でワークの上面
を切削加工することが出来るようにした技術的手
段を講じたものである。

＜実施例＞ 次に、この考案の１実施例を第３図以下の図面
に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、第
１，２図と同一態様部分は同一符号を用いて説明
するものとする。

１３はこの発明の要旨を成すバイス締付装置で
あり、そのバイスフレーム１には端部にエンドプ
レート２が立設され、該エンドプレート２に対設
されて軸方向進退動自在なプレスプレート８には
図示しないハンドルによつて回動されるウオーム
７が螺装されており、又、プレスプレート８のエ
ンドプレート２の対向部側には下縁にエツジ端１
４を形成され、横方向にＹ゜傾斜された補正板１
５が固設されている。

１６はバイス本体であり、この発明の要旨の１
部を成し、そのベース１７はその底面、及び、背
面をバイスフレーム１、及び、エンドプレート２
に添接されて適宜に固定されている。

而して、ベース１７には第５，６図に示す様
に、プレスプレート８側に対向して、長軸に横断
する方向にＡ゜傾斜した円筒に外接する調整腔１
８が穿設され、部分円周面１９、及び、Ａ゜の傾
斜軸に直交する平底面２０から成つている。

又、２１は締付体であり、ベース１７とは別体
に成形され、その背面は該ベース１７の部分円周
面１９に面当接される同一半径の部分円周面２２
を、又、底部は平底面２０に同じく面当接する平
底面２３を形成し、プレスプレート８に対向して
は平面状のセツト面２４を形成し、該セツト面２
４の調整腔１８の低い側に対応してストツパとし
てのリム２５が平面視フツク状にプレスプレート
８側に突出して一体的に形成されている。

そして、第３，４図に示す様に、締付体２１の
底部には磁石２６が埋設されてその底面を該締付
体２１の平底面２３と面一にされており、ベース
１７の平底面２０に吸着するようにされている。

上述構成において、第３，４，６図に示す様
に、ワーク９′が相対向する辺をＸ゜，Ｙ゜非並
行にされ、上面２７が底面に対しＡ゜傾斜してい
るものであつて、その角度がワーク９′の長軸に
直交するものについて、切削加工に際しては締付
体２１にワーク９′の先端側縁をリム２５に係合
させて当接させると、該締付体２１はその部分円
周面２２をベース１７の部分円周面１９に摺接状
態で回動させてセツト面２４をワーク９′の端面
に略当接させると共に調整腔１８の平底面２０に
ワーク９′の底面を当接係止させ、その状態で図
示しないハンドルを介してウオーム７を回動させ
ると、プレスプレート８は前進し、中段程の締付
状態にて該プレスプレート８の底面にＡ゜傾いた
軸線を回動軸としてＹ゜の傾斜より成る補正板１
５がワーク９′の後面に当接して締結状態に入
り、猶ウオーム７を回動することにより締付体２
１は部分円周面１９，２２の相対摺動、及び、平
底面２０，２３の摺接を介してワーク９′の前面
にセツト面２４を緊密に当接させると共に開いた
ベース１７の平底面２０にワーク９′の底面を当
接させ、後面は補正板１５に当接され、したがつ
て、該ワーク９′の長軸とバイスフレーム１の軸
とは並行にされる。

そこで、最終の締め付け前にハンマ等の適宜手
段により側方リム方向、及び、下方に調整力を印
加して打つことによりセツトを調整してずれを修
正し、最後にウオーム７により締め止めを行い、
クランプを完了する。

したがつて、締め付けを完了した時点ではワー
ク９′はバイス本体１６と補正板１５との間に強
固にクランプされた状態となる。

尚、クランププロセスにおいて締付体２１の摺
動中ベース１７に対するワーク９′の脱落につい
ては磁石２６の磁着がこれを防止し、一体化され
て格納管理される。

そして、クランプ終了後、フライスヘツド１０
にカツタ１１を第２図の様に付設して所定の切削
加工をワーク９′の上面２７に対して行う。

而して、該切削加工工程中に傾斜した姿勢のセ
ツトされたワーク９′に対して摩擦力を介して側
方移動力が印加されるが、ストツパリム２５によ
りそれは阻止され、又、上昇力、降下力は補正板
１５、セツト面２４で阻止される。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、Ｘ゜，Ｙ
゜，Ａ°を変化させることも可能であり、方形ワ
ークに対しても適用可能である等種々の態様が採
用可能である。

＜発明の効果＞ 以上、この発明によれば、バイス締付装置に於
いて、エンドプレートに付設したバイス本体とプ
レスプレートとをウオームを介して相対近接さ
せ、介装したワークを締め付けるようにしたこと
により、該ワークはカツタに対して単に強固にク
ランプされる基本的効果を有するのみならず、バ
イス本体に設けたベースに平底面の部分を有する
円周面をプレスプレートに対向して設けると共に
該平底面、及び、部分円周面に摺接する締付体を
相対摺動可能に設けてそのセツト面にストツパを
付設してプレスプレートに対向するようにしたこ
とにより、ワークが例えば、対向辺を非並行にし
たものであり、傾斜する切削平面を有する場合で
あつても、部分円周面が摺動してユニバーサル作
動裡にクランプ作動して確実に締め付けを行い、
しかも、加工中の印加力によつてワークに側方移
動力が付勢されても、ストツパにより側方移動が
阻止され、したがつて、クランプか加工中に確実
に維持されるという優れた効果がある。

又、ベースに対する締付体は部分円周面を介し
ての摺接動作となるために従来のような傾斜板方
式の如く15゜以内の傾斜しか吸収出来ないのに比
し、動作セツト範囲が広くとれる優れた効果があ
る。

更に、従来様式の如く、ボール加工も要らず、
構造的にも部分によつては簡単に出来るという副
次的なメリツトもある。

加えて、締付体の平底面にバイス本体の平底面
に摺接する磁石を一体的に設けたことによりバイ
ス締め付けを行つているプロセスにおいて、締付
体がバイス本体から脱落することがないという効
果があるのみならず、バイス締付時以外の格納時
においても、締付体とバイス本体とを磁石による
磁着一体化が行えるために、治具管理がし易いと
いう効果も奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に基づくバイス締付装置の平
面図、第２図は同側面図、第３図以下はこの発明
の１実施例の説明図であり、第３図は平面図、第
４図は部分断面側面図、第５図はバイス本体の分
解斜視図、第６図は第４図Ａ部の透視図である。 １…バイスフレーム、２…エンドプレート、７
…ウオーム、８…プレスプレート、９′…ワー
ク、１６…バイス本体、１３…バイス締付装置、
１９，２２…部分円周面、２０，２３…平底面、
１７…ベース、２４…セツト面、２５…ストツ
パ、２６…磁石。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ バイスフレームに対設されたエンドプレート
   とウオームに螺装されたプレスプレートとの間に
   介装するワークに対し該エンドプレートに端設さ
   れたバイス本体を有するバイス締付装置におい
   て、該バイス本体が上記プレスプレートに対向し
   て部分円周面及び該部分円周面に連接する平底面
   を有するベースと該部分円周面に部分円周面を介
   して回動自在に摺接すると共に該平底面に磁石を
   有する平底面を介して摺接し該プレスプレートに
   対向する平面状のセツト面の１側にストツパが形
   成されている締付体とから成ることを特徴とする
   バイス締付装置。