JPS6236069B2

JPS6236069B2 -

Info

Publication number: JPS6236069B2
Application number: JP58133216A
Authority: JP
Inventors: Yasuo Kishida; Nobuo Izawa; Tetsuo Nishikawa
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 1983-07-20
Filing date: 1983-07-20
Publication date: 1987-08-05
Also published as: JPS6026057A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は導電性を有する成形用ポリアミド樹脂
組成物に関するものである。最近、熱可塑性樹脂に導電性フイラーとして、
金属短繊維を混入して、射出成形可能な熱可塑性
樹脂に導電性を付与する試みがなされている。就中、ポリアミド樹脂は優れた耐熱性、耐油
性、成形性、剛性、強靭性等の特長を有している
ため、特に注目されている熱可塑性樹脂素材のひ
とつである。しかしながらポリアミド樹脂に充分な導電性を
付与するだけの金属短繊維を混入した場合、種々
の機械的物性の低下を避けることはできないとい
う欠点を有している。上記の機械的物性の低下という欠点を改良する
ため、補強材としてガラス繊維を混入することが
考えられるが、この場合には成形品のウエルドラ
インでの強度低下が著しく、成形品のデザインに
様々な制約を受けるという問題点がある。又、ポリアミド樹脂にアイオノマー樹脂を配合
して衝撃強度を向上することが行なわれている
が、この場合には、ポリアミド樹脂の特長である
剛性や強靭性が少なからず犠性になるという問題
点を有している。本発明等はかかる従来技術の有
する欠点を改良すべく鋭意研究した結果本発明を
完成した。本発明の目的は機械的物性のバランスが良く、
且つ優れた導電性を有する成形用ポリアミド樹脂
組成物を提供するにある。即ち、本発明はポリアミド樹脂100重量部に対
して、ガラス繊維５〜80重量部、エチレン系アイ
オノマー樹脂５〜50重量％、金属短繊維10〜200
重量部を配合してなる導電性を有する成形用ポリ
アミド樹脂組成物からなるものである。以下、本発明を詳細に説明する。本発明に使用するポリアミド樹脂としては、分
子鎖中にアミド基を含有する直鎖状ポリマーであ
ればよく、例えば、ナイロン４、ナイロン６、ナ
イロン７、ナイロン８、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナ
イロン611、ナイロン612、ナイロン6T等の単独
重合体及びこれらの２種以上の混合物、共重合体
を挙げることができるが、特にナイロン６、ナイ
ロン12、ナイロン66が好ましい。ガラス繊維の配合量は、ポリアミド樹脂100重
量部に対して５〜80重量部であり、特に10〜50重
量部が好ましい。配合量が５重量部未満の場合に
は、機械的物性、特に剛性が不充分であり、一方
配合量が80重量部を超えると成形品のウエルドラ
インでの強度低下が著しい。本発明で使用するエチレン系アイオノマー樹脂
とは、エチレンを含むα−オレフインとα・β−
不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体の
ペンダントカルボキシル基に原子価が１〜３の金
属イオンを付加せしめたイオン性炭化水素共重合
体の金属塩である。ここで、α・β−不飽和カルボン酸又はその誘
導体としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸或はこれらの酸の無水物又はエス
テル等が挙げられる。金属イオンとしては、特に
限定されないが、例えばナトリウム、カリウム、
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等が挙げら
れる。本発明の成形用組成物は、上記エチレン系アイ
オノマー樹脂を、ポリアミド樹脂100重量部に対
して、５〜50重量部配合せしめるが、特に８〜35
重量％配合することが好ましい。エチレン系アイオノマー樹脂の配合量が５重量
部未満の場合、衝撃強度の向上効果が不充分であ
り、一方配合量が50重量部を超えると強度、剛
性、強靭性が低下し、ポリアミド樹脂の特徴を活
かすことが出来ず好ましくない。本発明に使用する金属短繊維としては鉄、アル
ミニウム、銅、ニツケル及びこれらの金属の合金
等が挙げられるが、特にアルミニウム短繊維及び
黄銅短繊維が好適である。金属短繊維の形状は、通常、繊維径５〜150
μ、繊維長0.3〜10mmのものを使用するが、特に
繊維径10〜100μ、繊維長0.8〜５mmのものが好ま
しい。金属短繊維の配合量は、ポリアミド樹脂100重
量部に対して、１〜200重量部であることが肝要
であり、好ましくは、20〜130重量部である。金属短繊維の配合量が10重量部未満の場合、導
電性付与効果が不充分であり、一方、200重量部
を超えると成形品のウエルドラインでの強度低下
が著しくなり、何れの場合も本発明の目的を達成
することができない。本発明の組成物は、最終成形品に至る任意の段
階で、各構成成分を均一に混練出来る装置を使用
することにより得られる。例えば、ミキシング部を有した単軸或いは多軸
の混練機を使用して、各構成成分を溶融混練して
ペレツト化した後、通常の射出成形機を用いて成
形加工したり、或は混練機能を有した射出成形機
を用いて、一段で射出成形することもできる。本発明により得られる混練機は、例えばICや
LSIを組み込んだ各種電子機器類の筐体や面発熱
体等に使用される。以下、実施例を用いて、本発明の更に詳細な説
明をする。実施例１ナイロン６樹脂（カネボウ合繊(株)製 MC−
112）、ガラス繊維（日東紡績(株)製 CS 6PE−
472）、エチレン系アイオノマー樹脂（三井ポリケ
ミカル(株)製ハイミラン1885）及び黄銅短繊維
（神戸鋳鉄所(株)製Ｃ−2600 60×１）を表−１に
示す組成比で配合し、25mm押出機を用いて、シリ
ンダー温度260℃で溶融混練してペレツトを製造
した。次いで得られたペレツトを使用して、通常行な
われているナイロン６の射出成形条件で射出成形
を行なつた。得られた射出成形品の物性の測定結果を表−１
に併記する。尚、表−１中の組成覧の数値は重量部を示し、
表−２以下に於いても同様である。又、表−２以
下に於ける物性の測定方法も表−１の場合と同様
である。

【表】実施例２ナイロン66樹脂（旭化成工業(株)製レオナ
1300S）、ガラス繊維（日東紡績(株)製 CS 6PE−
231）、エチレン系アイオノマー樹脂（三井ポリケ
ミカル(株)製ハイミラン1554）及びアルミニウム
短繊維（神戸鋳鉄所(株)製Ａ−5052 90X3）を表
−２に示す組成比で配合し、25mm押出機を用い
て、シリンダー温度290℃で溶融混練してペレツ
トを製造した。次いで得られたペレツトを使用し
て、通常行なわれているナイロン66樹脂の射出成
形条件で射出成形を行なつた。得られた射出成形品の物性の測定結果を表−２
に併記する。

【表】

【表】実施例３ナイロン６樹脂（カネボウ合繊(株)製 MC−
120）、ガラス繊維（日東紡績(株)製 CS 6PE−
472）、エチレン系アイオノマー樹脂（三井ポリケ
ミカル(株)製ハイミラン1706）、黄銅短繊維（神
戸鋳鉄所(株)製Ｃ−2600 20X1）を表−３に示す
組成比で配合し、25mm押出機を用いてシリンダー
温度275℃で溶融混練してペレツトを製造した。次いで得られたペレツトを使用して、通常行な
われているナイロン６樹脂の射出成形条件で射出
成形を行なつた。得られた射出成形品の物性の測定結果を表−３
に併記する。尚、サンプルNo.15の組成のものは溶融時の流
動性が悪く、ペレツト化することは出来なかつ
た。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１ポリアミド樹脂100重量部に対して、ガラス
繊維５〜80重量部、エチレン系アイオノマー樹脂
５〜50重量部、金属短繊維10〜200重量部を配合
してなる導電性を有する成形用ポリアミド樹脂組
成物。２ガラス繊維の配合量が10〜50重量％である特
許請求の範囲第１項記載の組成物。３エチレン系アイオノマー樹脂の配合量が８〜
35重量％である特許請求の範囲第１項記載の組成
物。４金属短繊維がアルミニウム短繊維及び／又は
黄銅短繊維である特許請求の範囲第１項記載の組
成物。５金属短繊維の配合量が20〜130重量％である
特許請求の範囲第１項記載の組成物。