JPS6232754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、モータで回転駆動する砥石の側面
に包丁などを所定角度で押し当てて刃付き面を研
ぐ刃物研ぎ機に関する。

この種の刃物研ぎ機は台所など水滴のかかり易
い場所で使用あるいは保管されることが多い。更
に、上壁側に刃物差込み用の案内溝を有するにも
かかわらず、防滴対策が何ら立てられていない。
そのため上側に開口する案内溝から水滴が本体ケ
ースの内部に滴下して、モータなどの電気系統を
破損する問題があつた。

この考案は、かかる問題に着目してなされたも
のであつて、本体ケースの周囲に保護カバーを摺
動自在に配備して水滴の影響を受け易い刃物差込
み案内溝およびスイツチ部分を開閉自在に覆うこ
とにより、不使用時には開口部分を保護カバーで
蓋して水滴の影響を防止するとともに、スイツチ
が不測に入つて装置が作動しないように、使用時
には刃物差込み案内溝およびスイツチが容易に露
出して研ぎ操作の邪魔にならないようにしたもの
である。

以下、その詳細を図面に基づき説明する。

図面は包丁研ぎ機を例示しており、第１図及び
第２図において、上ケース１および下ケース２を
蓋合せ状にねじ結合して図上右側に研磨室３を、
左側に電池室４をそれぞれ設けた本体ケース５を
左右横長箱状に構成し、研磨室３にモータ６で回
転駆動される荒研ぎ用および仕上げ用の砥石７，
７が、電池室４にモータ６へ電力を供給する電池
８とモータ６の作動時期を規制する押しボタンス
イツチ９がそれぞれ収納配置されている。

第３図において、荒研ぎ用および仕上げ用の砥
石７，７は両者とも略円板状であつて、その両側
面１０，１０は中央付近から周面１１に向けてテ
ーパー面１２に形成されており、各中心孔１３に
はモータ６の左右に突出する回転軸１４，１４の
左右両端がそれぞれ嵌入固定されている。

モータ６はその回転軸１４を左右向きにしてホ
ルダー１５に嵌め込み固定する。このホルダー１
５は研磨室３の上壁２３の内面側に摺動案内機構
１６を介して左右方向に移動自在に吊り下げ支持
し、支持壁１７の中央から突設した案内軸１８を
２枚の板ばね１９，１９間に位置させて左右から
中央の基準位置に向けて常に移動するよう付勢し
てある。いま砥石７の側面１０に沿わせて刃物を
差し込むと、砥石７は板ばね１９に抗して左また
は右に変移し、研磨すべき刃２２に砥石７が一定
圧力で接触する。

本体ケース５の上壁２３側には、各砥石７，７
の左右側面１０，１０に対応して刃物差込み案内
溝２４，２４を左右に開設してあり、左右のそれ
ぞれの案内溝２４，２４が交差する前面位置に、
刃先２２の受け駒２５を着脱自在に嵌め込み、第
７図に示す如く案内溝２４に刃物２０の刃先２２
を下に向けて挿入すると、刃物２０の側面２１が
案内溝２４に支持されて砥石７との接触角度が規
制され、刃先２２が受け駒２５に支持されて砥石
７との接触高さを規制している。

第６図において、モータ６の電力を供給する一
方の配線２６は、電池室４の一方の電極２８へ、
他方の配線２７は押しボタンスイツチ９を介して
電池室４の他方の電極２９へ夫々繋がれており、
押しボタンスイツチ９のオンオフ動作と連繋して
電池室４内の電池８からモータ６への通電が規制
される。

第３図および第６図において、押しボタンスイ
ツチ９は、電池室４の前側壁３０で研磨室３との
境界近傍に略矩形状のスイツチ孔３１を設け、該
スイツチ孔３１にスイツチ片３２を嵌め込み、該
スイツチ片３２の裏面側に板ばねからなるスイツ
チ板３３を接当配備し、該スイツチ板３３でスイ
ツチ片３２を外方へ向けて押圧付勢する一方、ス
イツチ板３３の対向位置に配設した電極２９から
凸状の接触端子３４を突設し、スイツチ片３２を
押すとスイツチ板３３が彎曲して接触端子３４に
接触して回路を閉じる。

第２図において、研磨室３および電池室４の下
方を閉じる下ケース２は、研磨室３に配設した砥
石７の周面１１と対向する部分に開口５５を設け
るとともに、該開口５５を開閉蓋５６で閉じてお
り、研磨時に発生する粉塵５３を開閉蓋５６上に
堆積させて該蓋５６の取外しだけで粉塵５３の除
去を可能としている。

さて本案では、かかる刃物研ぎ機において刃物
差込み案内溝２４および押しボタンスイツチ９を
開閉自在に覆う保護カバー３７を装備したことを
特徴とする。すなわち、第２図において、下ケー
ス２の前後側壁３５，３５の開口縁近傍が細帯状
の薄肉に形成されており、上下ケース１，２を結
合した際、両ケース１，２の接合縁に沿つて本体
ケース５の左右長手方向に摺動溝３６，３６が形
成されている。

第２図および第７図において、保護カバー３７
はその左右および下方が開口する断面が略コ字状
の半透明体であつて、その下方開口縁３８，３８
の各内側に突条３９，３９を対向状に形成し、該
突条３９，３９を摺動溝３６，３６に嵌めること
により、刃物差込み案内溝２４を閉じる右方向へ
の前進位置Ａと開放する左方向への後退位置Ｂと
の間にわたつて指先でスライド操作自在である。
各摺動溝３６の略中央位置には該溝３６から周面
が食み出さない程度の大きさの回転ローラ４０を
垂直軸４１まわりに可回転に配設し、保護カバー
３７の前後の各突条３９に左右の各端部近くにお
いて凹み４２をそれぞれ対向状に設け、回転ロー
ラ４０と凹み４２との接当により保護カバー３７
を左右のスライド位置で節度的に位置決めするも
のとなつている。保護カバー３７にはこれが左側
の後退位置Ｂにある時にスイツチ片３２と重なる
部分に矩形のスイツチ操作口４３を明けてある。
この操作口４３の左右側縁４４，４５は左側縁４
５が右側縁４４よりも緩い内向き傾斜面に形成さ
れていて、案内溝２４を開放した後退時に第６図
に示す如く左手の掌４６で保護カバー３７の上面
をつかんで本体ケース５を固定したあと、親指４
７を操作口４３内に押し込むと、その左側縁４５
の角が邪魔になることなくスイツチをオンでき、
これで砥石７が回転駆動される。保護カバー３７
の上面４８の右端に前後向きリブ５０を、側面４
９に複数本のリブ５１をそれぞれ設け、指先によ
る保護カバー３７のスライド操作が容易に行える
ようにしてある。また、本体ケース５の周面と保
護カバー３７の内面間には全面に亘つて間隙５２
を形成することにより、研磨時に発生する砥粉が
保護カバー３７と本体ケース５間に噛んでケース
表面が傷付くのを防止している。

なお、押しボタンスイツチ９は本体ケース５の
側壁３０側に設けるのに代えて、上壁２３側に配
設してもよい。また、保護カバー３７の後退時
に、その先端縁が押しボタンスイツチ９が完全に
露出する位置にまで移行させるようにすれば、保
護カバー３７にスイツチ操作用の開口４３を設け
る必要はない。

以上説明したように、この考案によれば、本体
ケース５に形成される刃物差込み案内溝２４およ
びスイツチ孔３１を保護カバー３７で開閉自在に
覆つたので、不使用時は該カバー３７で遮られて
本体ケース５内への水滴の浸入が未然に防止でき
るとともに、スイツチが不測に入つて粉塵が刃物
差込み案内溝２４から吹き出す虞れもない。更
に、使用時には指先のスライド操作で刃物差込み
案内溝および押しボタンスイツチ９が容易に露出
できるので使い勝手がよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刃物研ぎ機を例示してお
り、第１図は全体斜視図、第２図は上下ケースの
組立て状況を示す分解斜視図、第３図はモータの
取付け状況を示す分解斜視図、第４図は保護カバ
ーを開いた状態を示す正面図、第５図は保護カバ
ーを閉じた状態を示す正面図、第６図は使用状態
を示す平面図、第７図は第６図における−線
に沿う断面図である。 １……上ケース、２……下ケース、３……研摩
室、４……電池室、５……本体ケース、６……モ
ータ、７……砥石、８……電池、９……押しボタ
ンスイツチ、２０……刃物、２４……刃物案内
溝、３６……摺動溝、３７……保護カバー、５６
……開閉蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース５の内部にモータ６で回転駆動され
   る砥石７を配設し、本体ケース５の上壁２３側に
   該砥石７の側面１０にほぼ沿う刃物差込み案内溝
   ２４を開設し、本体ケース５の側壁３０または上
   壁２３側で刃物差込み案内溝２４に近い位置にモ
   ータ６への通電をオンオフ規制する押しボタンス
   イツチ９を配置した刃物研ぎ機において、本体ケ
   ース５に保護カバー３７が、刃物差込み案内溝２
   ４および押しボタンスイツチ９を覆う前進位置Ａ
   と、両者２４，９を開放する後退位置Ｂとの間に
   わたつてスライド操作可能に装備されていること
   を特徴とする刃物研ぎ機。