JPS6231093B2 - - Google Patents
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- JPS6231093B2 JPS6231093B2 JP53157105A JP15710578A JPS6231093B2 JP S6231093 B2 JPS6231093 B2 JP S6231093B2 JP 53157105 A JP53157105 A JP 53157105A JP 15710578 A JP15710578 A JP 15710578A JP S6231093 B2 JPS6231093 B2 JP S6231093B2
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、複数本の糸条に流体撹乱処理を施し
て嵩高加工糸を製造する方法に関し、更に詳しく
はソフトで且つ糸軸方向の張力に対して安定でし
かも後加工性にすぐれた嵩高加工糸の製造方法に
関するものである。 一般にマルチフイラメント糸は、紡績糸に比べ
て冷たい感じまたは特有のヌメリ感を有し、これ
で編織された布帛は保温性が小さく、手触り、外
観とも暖かみに欠けるという欠点を有している。
このためにマルチフイラメント糸に流体撹乱処理
を施す方法が見出されてきた。この方法において
適当な流体ノズル、加工条件を選べば、環やルー
プは充分に発生するものの、糸軸方向の張力に対
する安定性が低く、張力がかかると環やループが
消滅しやすいという問題があり、したがつて加工
速度に制限が加えられたり、または多量の流体が
必要とされた。 他方、複数本の糸条を供給速度を異ならしめて
流体撹乱室に供給し同時に流体撹乱処理を施す方
法も見出されている。この方法によると、供給速
度の小なる糸条が糸軸方向の張力を受けもち、供
給速度の大なる糸条にループ、たるみ、環などが
発生して、嵩高で且つ後加工性にすぐれた嵩高加
工糸が得られる。しかし、この方法によつても糸
条として通常の延伸糸を用いた場合には、延伸糸
特有の光沢が目立ち、ループが直線的なことから
比較的大きくなり、且つ、ヤング率も大きいこと
からパツケージから解舒される際にループなどが
引つかかりやすくなり、従つて解舒張力変動が大
きくなつて編立、捲返等の際の張力変動による糸
斑、糸切等が発生することがあつた。 この場合に、糸条として捲縮糸を用いると、環
やループも捲縮のために見掛上小さくなり、さら
にまた仮撚加工糸の如きトルクを有する捲縮糸を
用いると、フイラメントのトルクによつてルー
プ、環などが糸軸に沿い、且つ、フイラメントの
ヤング率も延伸糸のそれに比して低くなり、ソフ
トでしかもループ、環が見掛上小さくなつて解舒
性にすぐれ、メタリツクな光沢も著しく少ない嵩
高加工糸が得られ、ひいては落着いた色調の布帛
が得られる。 しかし、捲縮加工のためにコストが上昇した
り、これまでに知られている一つの糸入口通路を
有する流体ノズルに供給速度を異ならしめて複数
本の糸条を供給する場合に、供給速度の小なる糸
条に供給速度の大なる糸条がからまつたりして、
供給ローラーに捲き付いたり間欠的にネツプ状の
斑が発生するなどの問題が発生した。従つて、供
給速度の差をかなり小さくする必要があり、特に
捲縮加工糸を使用すると、その捲縮のために供給
速度の差をほとんどとることができず、ソフトで
嵩高な且つ糸軸方向の張力に対する安定性を満足
する嵩高加工糸の製造は困難であつた。本発明者
は、従来の嵩高加工糸の製造方法の欠点を解消す
べく鋭意研究の結果本発明に到達したものであ
る。 本発明は、かかる目的を達成するため次の構成
を有する。 すなわち、本発明は、複数本の糸条を異なつた
速度で糸入口通路につづいて流体撹乱室に供給
し、これらに流体撹乱処理を施して嵩高加工糸を
製造する方法において、最も供給速度の大なる糸
条として捲縮加工糸を用い、且つ、少なくとも最
も供給速度の大なる糸条と最も供給速度の小なる
糸条とを該糸入口通路内のほぼ同じ長さの複数個
の並列した導糸管に夫々導いて該流体撹乱室に供
給する前において少なくとも該糸入口通路の全長
に亘つては接触することなく案内し、ついで前記
流体撹乱室に供給することを特徴とする嵩高加工
糸の製造方法である。以下に本発明を図面にした
がつて説明する。もとより図面はあくまでも説明
のためのものであつて、本発明の精神を失なわな
い限り変更は許容される。 第1図は、本発明を実施するための装置の一例
を示す略側面図、第2図は第1図において使用さ
れる流体ノズルの一例を示す縦断面図である。 まず、本発明において最も供給速度の大なる糸
条として捲縮加工糸Y1′を用いるのは、手触り、
外観の点において捲縮加工糸100%からなる糸条
と殆んど差がないようにするためと、解舒性を良
くするためである。けだし、供給速度が大なるた
めに捲縮加工糸Y1′が得られる嵩高加工糸Y3の手
触り、外観を支配するからであり、また、嵩高加
工糸Y3から突出した環、たるみ、ループは殆ん
ど捲縮加工糸Y1′からなり、従つて見掛上のルー
プなどが小さくて、且つ、糸軸に沿いやすくなる
ためである。図で糸条Y1は、ツイスター5等に
より仮撚加工されて捲縮加工糸Y1′となり、から
み糸の役目を果たす。 なお、仮撚数は通常の仮撚加工に適用される撚
数よりもやゝ低めに設定した方が、捲縮加工糸
Y1′の開繊性を向上させ、ひいては絡合性を高め
るので好ましい。そして最も供給速度の大なる糸
条たる捲縮加工糸Y1′の効果を充分に発揮させる
ためには、捲縮加工糸Y1′は少なくともデニール
比で30%以上含まれていることが好ましい。他
方、糸条Y2は、パツケージ12から解舒されて
第3ローラー13により最も供給速度の小なる糸
条として流体ノズルに供給され、芯糸の役目を果
たすものである。 捲縮加工糸Y1′としては、仮撚加工糸がトルク
を有しループが糸軸に沿い易い点から好ましい
が、押込法、噴流法、賦型法、サツカ法又は片面
加熱法などによるものも使用される。糸条Y2と
しては延伸糸、紡績糸など強力をもたせるのに充
分なものが使用されるが、捲縮加工糸Y1′とのか
らみ合も考慮されねばならない。さらに、糸条
Y1′,Y2の素材としては特に限定はなく、ポリエ
ステル、ポリアミド、アクリル、プロミツクス、
アセテート、レーヨン、ビニロンなどを単一で又
は複合して使用することができる。流体ノズル7
の一例は第2図に示されるが、流体ノズル7は複
数の導糸管15,15′、流体撹乱室22、流体
噴入孔23及び出口通路19を含んで構成され
る。ここで、導糸管15,15′を糸入口通路1
8中に設けたのは、供給速度の大なる捲縮加工糸
Y1′と供給速度の小なる糸条Y2とを流体撹乱室2
2に供給する前において少なくとも流体撹乱室2
2に至たる糸入口通路18の全長に亘つては接触
することなく案内せしめるためである。かくして
最も供給速度の大なる捲縮加工糸を含む複数本の
糸条を供給速度を異ならしめて同時に流体撹乱室
22に導びき、流体撹乱処理を行うことが可能と
なつたのである。流体撹乱室22にいたる糸入口
通路18での複数本の糸条は、互いに全く接触し
ないのが最も好ましい。しかし、一般的には、供
給速度、供給速度の差及び糸条の構成などによつ
て、接触長さは異なるものの、流体撹乱室22に
いたる糸入口通路18の1/3以上分離していれば
充分である。糸入口通路18での糸条の分離手段
としては図示の如く複数本の導糸管を糸入口通路
内に設けるのが好ましいが、必ずしもこれに限定
されずセパレート板、セパレートピンなどが挙げ
られる。 このように流体撹乱室22にいたる糸入口通路
18の全長に亘つては糸条同志が接触することな
く案内されるので、各糸条間に大きな供給速度の
差があつても各糸条は流体撹乱室にスムースに導
びかれ、糸斑、ネツプの発生や各ローラーへの捲
付きが殆んど起らないのである。16は絞り部、
17はニードル部、19は出口通路、20は糸出
口孔、21は本体である。なお、導糸管の数より
多い複数本の糸条を供給速度を異ならしめて同時
に流体ノズル7に供給して流体撹乱処理を行う場
合には供給速度の差が小さく芯糸とすべき糸条を
同一の導糸管より供給すればよい。捲縮加工糸
Y1′は、第2ローラー6によつて糸条Y2よりも大
なる供給速度で流体ノズル7の流体噴入孔23と
反対側の導糸管15に供給される。捲縮加工糸
Y1′の開繊性、絡合性を高めるので、かかる供給
方法が好ましい。供給速度の差は、好ましい風
合、後加工性等を与えるためには、素材、デニー
ル、糸条の構成等にも左右されるが、少なくとも
10%以上好ましくは15%以上あるようにすべきで
ある。なお、3本以上の糸条を使用する場合に
は、風合、後加工性等に応じて適宜前記の範囲内
で供給速度をきめればよい。流体撹乱室22に導
びかれた複数本の糸条は、流体噴入孔23より導
入されニードル部17の先端と本体21との間に
形成されたせまいすき間を偏流して流体撹乱室2
2に入り複雑な偏渦流の生じている高速流体に接
触し、該高速流体の作用により糸条を構成する単
繊維は、開繊され、撹乱されつつ出口通路19を
通つて外部に高速流体と共に噴出される。この高
速流体と共に噴出された嵩高加工糸Y3は噴出高
速流体の向きとほぼ直角方向に引出され、その際
表面から突出したループが嵩高加工糸Y3の本体
にしつかりと固定される。この場合にほぼ直角方
向に引出すのは、ループの絡合性を高くするため
である。 次に流体ノズル7に供給される高速流体として
は高圧気体(好適には高圧空気が使用されるが糸
条に不活性で無害なガスを使用することもでき
る。)にルーブリケーター14などにより液体
(水が好適に使用されるが無害な油剤等を使用す
ることもできる。)を噴霧状にして気体INM3(1
ノルマル立方米)に対して10c.c.以上混入すること
が好ましいが、個々の糸条に液体をローラー等に
より付着せしめ、他方高圧気体を流体噴入孔23
から導入せしめてもよい。 次に本発明の作用について説明する。 第1図において、パツケージ1から解舒された
糸条Y1は、ガイド2、第1ローラー3を経て仮
撚加工域に導びかれ、ツイスター5によつて加撚
された状態でヒーター4で熱セツトされ、ツイス
ター5によつて解撚された後、捲縮加工糸Y1′と
して第2ローラー6と第3ローラー9との間で流
体撹乱処理に適したオーバーフイード状態で流体
ノズル7に供給される。他方、糸条Y2は、パツ
ケージ12から解舒され、ガイド2′をへて第4
ローラー13によつて第2ローラー6よりも遅い
速度で流体ノズルに供給される。捲縮加工糸
Y1′と糸条Y2とは、第2図に示す如く導糸管1
5,15′によつて互いに接触することなく、流
体撹乱室22に供給されて流体撹乱処理される。
この際にルーブリケーター14により液体が噴霧
状態で高圧気体に混入される。ついで捲縮加工糸
Y1′と糸条Y2とは、同時に流体撹乱処理を受けた
後、ガイド8をへて第3ローラー9により引き取
られ嵩高加工糸Y3として捲取ドラム10に接し
て回転するパツケージ11に捲き取られる。この
ように本発明によれば、ソフトでバルキー性にす
ぐれ且つ後加工性にすぐれ、糸軸方向の張力に対
しても安定な嵩高加工糸が容易に且つ安価に製造
されるという顕著な効果が奏される。 実施例 第1図の装置で下記の条件により嵩高加工糸を
製造した。 条件: 糸条Y1…ポリエステル繊維のPOY (110デニール/36フイラメント) 糸条Y2…ポリエステル繊維の延伸糸 (75デニール/36フイラメント) 第1ローラー3の表面速度…410m/min 第2ローラー6の表面速度…600m/min 第3ローラー9の表面速度…450m/min 第4ローラー13の表面速度…500m/min ヒーター…200℃×1.5m ツイスター…3軸デイスクタイプツイスター (デイスク各軸に1枚取付けたもの
でデイスク周速度…1250m/min) 高速流体…高圧空気INM3に水25c.c.を噴霧状に
混入した流体 (圧力…9.5Kg/cm2G) かくして得られた嵩高加工糸は、ソフトでバルキ
ー性に富み、しかも糸軸方向の引張に対する安定
性も高く後加工性においても全く問題のない嵩高
加工糸が得られた。この嵩高加工糸を用いて24ゲ
ージのリブ編機でダブルピケ組織を編成した。比
較のために本発明に係る捲縮加工糸のかわりに延
伸糸を用いて製造した糸を用いて編成し、得られ
た編地の物性を本発明に係る編地の物性と比較し
たところ、第1表で明らかな如く本発明に係る編
地は、比容積が大きく、通気性が小さく、嵩高で
保温性に富み手触り、外観とともに暖かみに富ん
でいた。 【表】
て嵩高加工糸を製造する方法に関し、更に詳しく
はソフトで且つ糸軸方向の張力に対して安定でし
かも後加工性にすぐれた嵩高加工糸の製造方法に
関するものである。 一般にマルチフイラメント糸は、紡績糸に比べ
て冷たい感じまたは特有のヌメリ感を有し、これ
で編織された布帛は保温性が小さく、手触り、外
観とも暖かみに欠けるという欠点を有している。
このためにマルチフイラメント糸に流体撹乱処理
を施す方法が見出されてきた。この方法において
適当な流体ノズル、加工条件を選べば、環やルー
プは充分に発生するものの、糸軸方向の張力に対
する安定性が低く、張力がかかると環やループが
消滅しやすいという問題があり、したがつて加工
速度に制限が加えられたり、または多量の流体が
必要とされた。 他方、複数本の糸条を供給速度を異ならしめて
流体撹乱室に供給し同時に流体撹乱処理を施す方
法も見出されている。この方法によると、供給速
度の小なる糸条が糸軸方向の張力を受けもち、供
給速度の大なる糸条にループ、たるみ、環などが
発生して、嵩高で且つ後加工性にすぐれた嵩高加
工糸が得られる。しかし、この方法によつても糸
条として通常の延伸糸を用いた場合には、延伸糸
特有の光沢が目立ち、ループが直線的なことから
比較的大きくなり、且つ、ヤング率も大きいこと
からパツケージから解舒される際にループなどが
引つかかりやすくなり、従つて解舒張力変動が大
きくなつて編立、捲返等の際の張力変動による糸
斑、糸切等が発生することがあつた。 この場合に、糸条として捲縮糸を用いると、環
やループも捲縮のために見掛上小さくなり、さら
にまた仮撚加工糸の如きトルクを有する捲縮糸を
用いると、フイラメントのトルクによつてルー
プ、環などが糸軸に沿い、且つ、フイラメントの
ヤング率も延伸糸のそれに比して低くなり、ソフ
トでしかもループ、環が見掛上小さくなつて解舒
性にすぐれ、メタリツクな光沢も著しく少ない嵩
高加工糸が得られ、ひいては落着いた色調の布帛
が得られる。 しかし、捲縮加工のためにコストが上昇した
り、これまでに知られている一つの糸入口通路を
有する流体ノズルに供給速度を異ならしめて複数
本の糸条を供給する場合に、供給速度の小なる糸
条に供給速度の大なる糸条がからまつたりして、
供給ローラーに捲き付いたり間欠的にネツプ状の
斑が発生するなどの問題が発生した。従つて、供
給速度の差をかなり小さくする必要があり、特に
捲縮加工糸を使用すると、その捲縮のために供給
速度の差をほとんどとることができず、ソフトで
嵩高な且つ糸軸方向の張力に対する安定性を満足
する嵩高加工糸の製造は困難であつた。本発明者
は、従来の嵩高加工糸の製造方法の欠点を解消す
べく鋭意研究の結果本発明に到達したものであ
る。 本発明は、かかる目的を達成するため次の構成
を有する。 すなわち、本発明は、複数本の糸条を異なつた
速度で糸入口通路につづいて流体撹乱室に供給
し、これらに流体撹乱処理を施して嵩高加工糸を
製造する方法において、最も供給速度の大なる糸
条として捲縮加工糸を用い、且つ、少なくとも最
も供給速度の大なる糸条と最も供給速度の小なる
糸条とを該糸入口通路内のほぼ同じ長さの複数個
の並列した導糸管に夫々導いて該流体撹乱室に供
給する前において少なくとも該糸入口通路の全長
に亘つては接触することなく案内し、ついで前記
流体撹乱室に供給することを特徴とする嵩高加工
糸の製造方法である。以下に本発明を図面にした
がつて説明する。もとより図面はあくまでも説明
のためのものであつて、本発明の精神を失なわな
い限り変更は許容される。 第1図は、本発明を実施するための装置の一例
を示す略側面図、第2図は第1図において使用さ
れる流体ノズルの一例を示す縦断面図である。 まず、本発明において最も供給速度の大なる糸
条として捲縮加工糸Y1′を用いるのは、手触り、
外観の点において捲縮加工糸100%からなる糸条
と殆んど差がないようにするためと、解舒性を良
くするためである。けだし、供給速度が大なるた
めに捲縮加工糸Y1′が得られる嵩高加工糸Y3の手
触り、外観を支配するからであり、また、嵩高加
工糸Y3から突出した環、たるみ、ループは殆ん
ど捲縮加工糸Y1′からなり、従つて見掛上のルー
プなどが小さくて、且つ、糸軸に沿いやすくなる
ためである。図で糸条Y1は、ツイスター5等に
より仮撚加工されて捲縮加工糸Y1′となり、から
み糸の役目を果たす。 なお、仮撚数は通常の仮撚加工に適用される撚
数よりもやゝ低めに設定した方が、捲縮加工糸
Y1′の開繊性を向上させ、ひいては絡合性を高め
るので好ましい。そして最も供給速度の大なる糸
条たる捲縮加工糸Y1′の効果を充分に発揮させる
ためには、捲縮加工糸Y1′は少なくともデニール
比で30%以上含まれていることが好ましい。他
方、糸条Y2は、パツケージ12から解舒されて
第3ローラー13により最も供給速度の小なる糸
条として流体ノズルに供給され、芯糸の役目を果
たすものである。 捲縮加工糸Y1′としては、仮撚加工糸がトルク
を有しループが糸軸に沿い易い点から好ましい
が、押込法、噴流法、賦型法、サツカ法又は片面
加熱法などによるものも使用される。糸条Y2と
しては延伸糸、紡績糸など強力をもたせるのに充
分なものが使用されるが、捲縮加工糸Y1′とのか
らみ合も考慮されねばならない。さらに、糸条
Y1′,Y2の素材としては特に限定はなく、ポリエ
ステル、ポリアミド、アクリル、プロミツクス、
アセテート、レーヨン、ビニロンなどを単一で又
は複合して使用することができる。流体ノズル7
の一例は第2図に示されるが、流体ノズル7は複
数の導糸管15,15′、流体撹乱室22、流体
噴入孔23及び出口通路19を含んで構成され
る。ここで、導糸管15,15′を糸入口通路1
8中に設けたのは、供給速度の大なる捲縮加工糸
Y1′と供給速度の小なる糸条Y2とを流体撹乱室2
2に供給する前において少なくとも流体撹乱室2
2に至たる糸入口通路18の全長に亘つては接触
することなく案内せしめるためである。かくして
最も供給速度の大なる捲縮加工糸を含む複数本の
糸条を供給速度を異ならしめて同時に流体撹乱室
22に導びき、流体撹乱処理を行うことが可能と
なつたのである。流体撹乱室22にいたる糸入口
通路18での複数本の糸条は、互いに全く接触し
ないのが最も好ましい。しかし、一般的には、供
給速度、供給速度の差及び糸条の構成などによつ
て、接触長さは異なるものの、流体撹乱室22に
いたる糸入口通路18の1/3以上分離していれば
充分である。糸入口通路18での糸条の分離手段
としては図示の如く複数本の導糸管を糸入口通路
内に設けるのが好ましいが、必ずしもこれに限定
されずセパレート板、セパレートピンなどが挙げ
られる。 このように流体撹乱室22にいたる糸入口通路
18の全長に亘つては糸条同志が接触することな
く案内されるので、各糸条間に大きな供給速度の
差があつても各糸条は流体撹乱室にスムースに導
びかれ、糸斑、ネツプの発生や各ローラーへの捲
付きが殆んど起らないのである。16は絞り部、
17はニードル部、19は出口通路、20は糸出
口孔、21は本体である。なお、導糸管の数より
多い複数本の糸条を供給速度を異ならしめて同時
に流体ノズル7に供給して流体撹乱処理を行う場
合には供給速度の差が小さく芯糸とすべき糸条を
同一の導糸管より供給すればよい。捲縮加工糸
Y1′は、第2ローラー6によつて糸条Y2よりも大
なる供給速度で流体ノズル7の流体噴入孔23と
反対側の導糸管15に供給される。捲縮加工糸
Y1′の開繊性、絡合性を高めるので、かかる供給
方法が好ましい。供給速度の差は、好ましい風
合、後加工性等を与えるためには、素材、デニー
ル、糸条の構成等にも左右されるが、少なくとも
10%以上好ましくは15%以上あるようにすべきで
ある。なお、3本以上の糸条を使用する場合に
は、風合、後加工性等に応じて適宜前記の範囲内
で供給速度をきめればよい。流体撹乱室22に導
びかれた複数本の糸条は、流体噴入孔23より導
入されニードル部17の先端と本体21との間に
形成されたせまいすき間を偏流して流体撹乱室2
2に入り複雑な偏渦流の生じている高速流体に接
触し、該高速流体の作用により糸条を構成する単
繊維は、開繊され、撹乱されつつ出口通路19を
通つて外部に高速流体と共に噴出される。この高
速流体と共に噴出された嵩高加工糸Y3は噴出高
速流体の向きとほぼ直角方向に引出され、その際
表面から突出したループが嵩高加工糸Y3の本体
にしつかりと固定される。この場合にほぼ直角方
向に引出すのは、ループの絡合性を高くするため
である。 次に流体ノズル7に供給される高速流体として
は高圧気体(好適には高圧空気が使用されるが糸
条に不活性で無害なガスを使用することもでき
る。)にルーブリケーター14などにより液体
(水が好適に使用されるが無害な油剤等を使用す
ることもできる。)を噴霧状にして気体INM3(1
ノルマル立方米)に対して10c.c.以上混入すること
が好ましいが、個々の糸条に液体をローラー等に
より付着せしめ、他方高圧気体を流体噴入孔23
から導入せしめてもよい。 次に本発明の作用について説明する。 第1図において、パツケージ1から解舒された
糸条Y1は、ガイド2、第1ローラー3を経て仮
撚加工域に導びかれ、ツイスター5によつて加撚
された状態でヒーター4で熱セツトされ、ツイス
ター5によつて解撚された後、捲縮加工糸Y1′と
して第2ローラー6と第3ローラー9との間で流
体撹乱処理に適したオーバーフイード状態で流体
ノズル7に供給される。他方、糸条Y2は、パツ
ケージ12から解舒され、ガイド2′をへて第4
ローラー13によつて第2ローラー6よりも遅い
速度で流体ノズルに供給される。捲縮加工糸
Y1′と糸条Y2とは、第2図に示す如く導糸管1
5,15′によつて互いに接触することなく、流
体撹乱室22に供給されて流体撹乱処理される。
この際にルーブリケーター14により液体が噴霧
状態で高圧気体に混入される。ついで捲縮加工糸
Y1′と糸条Y2とは、同時に流体撹乱処理を受けた
後、ガイド8をへて第3ローラー9により引き取
られ嵩高加工糸Y3として捲取ドラム10に接し
て回転するパツケージ11に捲き取られる。この
ように本発明によれば、ソフトでバルキー性にす
ぐれ且つ後加工性にすぐれ、糸軸方向の張力に対
しても安定な嵩高加工糸が容易に且つ安価に製造
されるという顕著な効果が奏される。 実施例 第1図の装置で下記の条件により嵩高加工糸を
製造した。 条件: 糸条Y1…ポリエステル繊維のPOY (110デニール/36フイラメント) 糸条Y2…ポリエステル繊維の延伸糸 (75デニール/36フイラメント) 第1ローラー3の表面速度…410m/min 第2ローラー6の表面速度…600m/min 第3ローラー9の表面速度…450m/min 第4ローラー13の表面速度…500m/min ヒーター…200℃×1.5m ツイスター…3軸デイスクタイプツイスター (デイスク各軸に1枚取付けたもの
でデイスク周速度…1250m/min) 高速流体…高圧空気INM3に水25c.c.を噴霧状に
混入した流体 (圧力…9.5Kg/cm2G) かくして得られた嵩高加工糸は、ソフトでバルキ
ー性に富み、しかも糸軸方向の引張に対する安定
性も高く後加工性においても全く問題のない嵩高
加工糸が得られた。この嵩高加工糸を用いて24ゲ
ージのリブ編機でダブルピケ組織を編成した。比
較のために本発明に係る捲縮加工糸のかわりに延
伸糸を用いて製造した糸を用いて編成し、得られ
た編地の物性を本発明に係る編地の物性と比較し
たところ、第1表で明らかな如く本発明に係る編
地は、比容積が大きく、通気性が小さく、嵩高で
保温性に富み手触り、外観とともに暖かみに富ん
でいた。 【表】
図は、本発明に係るもので、第1図は本発明を
実施するための装置の一例を示す略側面図、第2
図は流体ノズルの一例を示す縦断面図である。 Y1…糸条、Y2…糸条、7…流体ノズル、1
5,15′…導糸管、18…糸入口通路。
実施するための装置の一例を示す略側面図、第2
図は流体ノズルの一例を示す縦断面図である。 Y1…糸条、Y2…糸条、7…流体ノズル、1
5,15′…導糸管、18…糸入口通路。
Claims (1)
- 1 複数本の糸条を異なつた速度で糸入口通路に
つづいて流体撹乱室に供給し、これらに流体撹乱
処理を施して嵩高加工糸を製造する方法におい
て、最も供給速度の大なる糸条として捲縮加工糸
を用い、且つ、少なくとも最も供給速度の大なる
糸条と最も供給速度の小なる糸条とを該糸入口通
路内のほぼ同じ長さの複数個の並列した導糸管に
夫々導いて該流体撹乱室に供給する前において少
なくとも該糸入口通路の全長に亘つては接触する
ことなく案内し、ついで前記流体撹乱室に供給す
ることを特徴とする嵩高加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15710578A JPS5584425A (en) | 1978-12-18 | 1978-12-18 | Production of high bulk processed yarn |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15710578A JPS5584425A (en) | 1978-12-18 | 1978-12-18 | Production of high bulk processed yarn |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5584425A JPS5584425A (en) | 1980-06-25 |
JPS6231093B2 true JPS6231093B2 (ja) | 1987-07-07 |
Family
ID=15642333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15710578A Granted JPS5584425A (en) | 1978-12-18 | 1978-12-18 | Production of high bulk processed yarn |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5584425A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0259155U (ja) * | 1988-10-21 | 1990-04-27 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60215832A (ja) * | 1984-04-04 | 1985-10-29 | 井沢 泰雄 | 滞留機能による複合形状異状糸の製造方法並びにエア−ノズル |
JPS60187298U (ja) * | 1984-05-21 | 1985-12-11 | 株式会社 上杉工業 | シヤツタ捲上げ駆動機構の停止装置 |
JPS63203839A (ja) * | 1987-02-13 | 1988-08-23 | ユニチカ株式会社 | 複合交絡糸の製造方法 |
JPH0696814B2 (ja) * | 1987-04-13 | 1994-11-30 | ユニチカ株式会社 | 太細糸の製造法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4825387A (ja) * | 1971-08-10 | 1973-04-02 | ||
JPS496508A (ja) * | 1972-05-10 | 1974-01-21 | ||
JPS5438941A (en) * | 1977-08-25 | 1979-03-24 | Mitsubishi Rayon Co | Production of *tsumugi* like composite yarn |
-
1978
- 1978-12-18 JP JP15710578A patent/JPS5584425A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS4825387A (ja) * | 1971-08-10 | 1973-04-02 | ||
JPS496508A (ja) * | 1972-05-10 | 1974-01-21 | ||
JPS5438941A (en) * | 1977-08-25 | 1979-03-24 | Mitsubishi Rayon Co | Production of *tsumugi* like composite yarn |
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---|---|---|---|---|
JPH0259155U (ja) * | 1988-10-21 | 1990-04-27 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5584425A (en) | 1980-06-25 |
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