JPS6229670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はモルタル・コンクリート等を給送する
ホツパー付ポンプにおける洗滌装置に関するもの
である。

従来、モルタル・コンクリート等を給送するポ
ンプとしては吸込側においてホツパーが連結され
ている。

しかして、使用後はポンプ内および吐出管内に
モルタル・コンクリート等の被移送材が残留し、
早急に排出しない場合は内部において固化するた
め次のポンプ作業が不能となるものである。

現状としては最も簡便な方法として給送完了後
に、予め数個のバケツ等の容器に溜めておいた水
を連続的にホツパー内に注入し、ポンプ運転によ
つてポンプおよび吐出管内に残留している被移送
材の押出しおよび洗滌を行つている。

この場合、洗滌水が直接最後尾のコンクリート
材を押す様になると、水により混練状でセメント
中にあつた小石類の骨材が洗われ、セメントと水
のみが管内を先行して骨材の集合部ができ、これ
の移送が困難なため詰りを生ずることとなる。

そのため、通常はコンクリート材の最後尾と洗
滌水との間に管径より適宜大径のボール状または
棒状のスポンジ材を介在させて相互の直接接触を
避け、しかも該スポンジ材が水圧によつて圧潰状
に管内に拡がることによるパツキンの役目をさ
せ、途中で水圧を低下させることなく一息に押出
す様にして閉塞を防止している。

前述水洗運転は吐出管全長により使用水量が異
なるが、吐出管が20〜30m以上となる長尺の場合
はバケツによる注水回数が余りにも多くなるため
人力では無理があり、途中で運転を停止したり水
切れが生じたりすると吐出管内で詰りが生じ、し
たがつて水道水をホースにより直接ホツパー内に
導入する方法では水量がポンプ吐出量に負けるた
め頻繁に水切れを起す不都合があり、注水手段の
早急なる改善が要望されていた。

また、夏季の炎天下でコンクリート打設を行う
場合、運転当初は空の吐出管（多くの場合鉄管が
用いられる）自体および管内空気は高温となつて
おり、このまま目的コンクリート材等の移送を開
始すると、運転当初において内部を通過する被移
送材は熱により水分を奪われて固形物のみとな
り、運転不能により吐出管途中で閉塞を生ずる。

これの防止策として最初は水のみを送給して各
部冷却を行う、謂わゆる濡らし運転が行われてお
り、この場合も前述洗滌運転と同様に大量の水が
必要とされるものである。

本考案は前述現状に鑑み、目的被移送材の移送
運転終了後の洗滌運転や移送開始前の濡らし運転
が、何らの労力を要することなく簡単容易に行い
得る洗滌装置を提供することを目的とするもの
で、ポンプ吸込側にホツパー出口を連結してモル
タル・コンクリート等の給送を行うものにおい
て、該ホツパー出口の内側よりゴム等の弾性材よ
り成る接手を挿脱自在且つ密に嵌合可能に設け、
該接手と連結した吸込管を介し別に設けた水溜部
より吸水し得るごとくしたことを特徴とする、ホ
ツパー付ポンプにおける洗滌装置に関するもので
ある。

図の実施例につき詳述すれば、１はスクイズ式
チユーブポンプのケーシングで、ゴム製のポンピ
ングチユーブ２をＵ字状に内接させている。

３は回転軸で、一体的に固定したアーム４の両
端対向位置にスクイズローラ５を可回転に支承
し、図において反時計方向回転によつてポンプ作
用を行うものである。

６は前記ポンピングチユーブ２の吸込側におい
て連結した脚付ホツパー、７は吐出管、８はスポ
ンジ材、９は被移送材としてのコンクリートを示
す。

１０は前記ホツパー６の出口部６ａに挿脱自在
且つ密に内嵌させたゴム製Ｌ形接手で、上端には
吸水用ゴム管１１を外嵌連結してあり、該ゴム管
１１の他端は別に設けた水溜めとしてのドラム管
１２内に挿入してある。

しかして、通常の給送作業を行う際はＬ形接手
１０を抜脱してホツパー６に混練済みコンクリー
ト９を注入し乍ら連続運転を行うものであるが、
作業終了時はホツパー６内にコンクリート９がな
くなつた状態において一旦運転を停止する。

次いでホツパー出口部６ａ内にスポンジ材８を
挿入し、Ｌ形接手１０を嵌入後ゴム管１１を連結
する。ドラム管１２には予め水を満しておくもの
とする。尚、ゴム管１１は内部にバケツ等によつ
て適宜注水後ドラム管１２に挿入させる。

前述準備が完了すればポンプ運転を再開する。
これにより、最後尾のコンクリート９に続いてス
ポンジ材８およびドラム管１２内の水が吸入さ
れ、先行するスクイズローラ５による閉込みを解
放された後は吐出管７およびポンピングチユーブ
２内のコンクリート９には吐出側の揚程および抵
抗相当の圧力がかかるため、スポンジ材８は水と
の間において押付けられて管内に密着し乍ら前進
する。

これによりコンクリート９と水は完全にシール
された状態で吐出側を前進し、スポンジ材８が吐
出管７先端より飛出した際に洗滌作業が完了する
ので運転を停止すればよい。

前述洗滌作業において、吐出管７の全長が長い
場合は洗滌運転中に水道水を補給するか適宜バケ
ツにより補給してもよく、さらには予め満水状の
ドラム管１２を並列準備しておき、水位低下時点
で素早くゴム管１１を差替えてもよい。

尚、夏季における濡らし運転に際してはスポン
ジ材は必要としないが全く同要領で実施可能であ
り、前述実施例におけるポンプはスクイズ方式の
ものとしたが別段これに限られるものではなく、
例えばピストン式のものであつても同様に実施し
得、前記Ｌ形接手は材質をゴムと限定するもので
はなく弾性材であればよいのであり、また形状も
ホツパーおよびホツパー出口部の形状に相応した
ものとして、場合によつては挿脱作用に便ならし
めるために適宜鍔付または把手付としてもよい。

さらに、給水用としてのドラム管は複数のもの
の底部を連通させておけば、途中におけるゴム管
の差替えの必要はなくなる。

以上詳述せるごとく本考案洗滌装置によれば、
濡らし運転および洗滌運転に際しいちいちホツパ
ーとの連結を外して吸水装置と接き替える等の手
数を要せず、単に弾性材の接手をホツパー出口部
に挿入するのみで簡単に洗滌装置を構成し得、し
たがつて作業の容易性は勿論のこと、途中におけ
る水切れの恐れもないため確実性に富み、迅速な
洗滌作業により作業効率を大巾に向上せしめ得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断面図で、図
中２はポンピングチユーブ、６はホツパー、６ａ
はホツパー出口部、１０はＬ形接手、１１は吸水
用ゴム管、１２はドラム管である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプ吸込側にホツパー出口を連結してモルタ
   ル・コンクリート等の給送を行うものにおいて、
   該ホツパー出口の内側よりゴム等の弾性材より成
   る接手を挿脱自在且つ密に嵌合可能に設け、該接
   手と連結した吸込管を介し別に設けた水溜部より
   吸水し得るごとくしたことを特徴とする、ホツパ
   ー付ポンプにおける洗滌装置。