JPS62270774A - 硬質透光膜で被覆した装飾品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 産業上の利用分野 本発明は可視光に対して透光性の硬質膜を有する装飾品
に関する。更に詳しくいえば、表面に透光性硬質膜を設
けて基体の耐久性、退色寿命を改善し、また干渉色を持
たせて意匠効果をも付与した装飾品に関するものである
。

従来の技術 金属、超硬合金、サーメット、超合金、セラミックス、
不透明ガラスなどが、各種装飾品例えば指環、ネックレ
ス、ブローチ、腕環、イヤリング、カフスボタン、ネク
タイピン等の装身具は勿論のこと、ライター、時計等の
実用品に於ける高級品等に於て使用されており、これら
の装飾性・耐久性は商品価値を決定ずける重要なファク
ターである。

従来、これらの装飾品は一般に金属等の基板の表面に貴
金属をメッキしたり、そのまま基材を無垢の状態で使用
するか、あるいは最近では金の色調に類似した、かつ硬
質の金よりも耐摩耗性に優れた窒化チタンを気相蒸着す
ることが一般化してきている。

しかじから、貴金属メッキの場合には、これが一般に硬
質で傷が付き易いことから耐久性の点で問題があり、ま
た窒化チタンの気相膜を用いた場合にも被覆物質の最外
表面からの反射光をその装飾品の色調として利用してい
るのみであり、従って深みのある色調の製品が得られず
、また赤色、紺色、紫、緑等の色調を有し、しかも耐候
性に富む被膜を形成することは困難であった。

発明が解決しようとする問題点 以上の如く、一般に各種の材料が装身具、置物など日常
良く使用される装飾品に利用されているが、該材料をそ
のまま使用した場合には耐候性、退色性などの点で問題
があり、耐用寿命の長いものは期待できない。また、装
飾品にとってはその呈する様々な色調が極めて重要であ
り、商品価値、購買者の購買意欲を決める大きなファク
ターとなっている。

そこで、従来では貴金属メッキを施したり、窒化チタン
の気相堆積膜を設けたりして意匠効果、耐久性を改善し
、その商品価値を高める試みがなされていた。しかしな
がら、従来の製品はいずれも耐久性、意匠効果の両者に
おいて満足し得るものではなく、一方が満たされると、
他方が劣る等、依然として改善すべき余地が残されてい
る。

即ち、貴金属メッキを施した場合には、色調は優れてい
るが、厳しい環境下では耐候性に劣り、また一般に硬質
であることから傷が付き易いといった欠点があり、化学
的腐食、表面傷などのためにその特有の輝き、色調など
が損われ、使用に伴って退色等を生じ、短期間で再研摩
等の後処理を施す必要が生ずるので、商品価値の点で問
題があり、また保守が面倒である。

一方、耐研磨性に優れた窒化チタンの気相堆積膜を用い
た場合にも、耐候性等の点ではほぼ満足でき、高耐久性
の各種装飾品を得ることができるが、色調の自由度、意
匠的効果の点で不満であり、更に改善が望まれている。

そこで、本発明の目的は耐候性の点で優れた高い耐久性
の、また色調並びに光沢に於て従来にない意匠的特徴を
有し、退色寿命の長い装飾品を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明者等は装身具、置物等の各種装飾品の耐久性並び
に色調を改善し、その商品価値を高めるべく鋭意研究し
た結果、可視域の光に対して透光性である硬質膜を所定
の厚さで使用することが、上記従来法の諸問題点を改善
し、かつ上記目的を達成する上で極めて有効であること
を見出し、本発明を完成するに至った。

即ち、本発明の硬質透光膜で被覆した装飾品は、鏡面仕
上げを施した金属、超合金、サーメット、超合金、セラ
ミックスおよび不透明ガラスから選ばれた基体と、その
表面に設けられた可視領域で透光性の硬質薄膜層とで構
成されることを特徴とするものである。

本発明において有用な可視領域で透光性の硬質薄膜材料
としてはダイヤモンド、ｉ　−Ｃ（硬質アモルファスカ
ーボ：／）　、Ａｌ２Ｏ３、ＺｒＯ２、Ｓｉ　Ｏ□、Ａ
Ｉ　Ｎ　、　Ｂ　Ｎ１５１３’Ｎ４などが例示でき、こ
れらは単独でまたは混合物として使用でき、単層あるい
は２層以上の積層膜として利用する。薄膜の厚さは３０
０〜５．００ＯＡの範囲内で変えることができる。

上記硬質薄膜は各種成膜法を利用することにより形成で
き、例えば化学気相蒸着法（ＣＶＤ）、例えば光ＣＶＤ
、熱分解ＣＶＤ、プラズマＣＶＤ等および物理的気相蒸
着法（ＰＶＤ）　、例えばスパッタリング法、イオンブ
レーティング法、真空蒸着法などがいずれも使用できる
が、特に複雑な形状を有する装飾品の場合には、良好な
付き回り性やステップカバレージ性が要求されるので、
これらの点で優れているＣＶＤを利用することが好まし
い。また、形状が単純である場合などでは金属アルコラ
ードの溶液を塗布し、熱処理することにより薄膜を形成
することも勿論可能である。

例えば、ＣＶＤ法で硬質透光膜を形成する場合、Ａｒ＋
ｏ２雲囲気、Ｎ２（＋８２）雰囲気等の下で、例えばＡ
ｌ２Ｏ３の場合にはＡＩＣ，Ｉ　３　＋　８２０を原料
ガスとし、５ｉｎ２の場合には５ｉＣ１＊＋ＨｚＯを、
またＺｒＯ□の場合には２ｒＣ１＜などが、またＡＩＮ
、Ｓｉ３Ｎ＜の場合には夫々式ＩＣｌ５　＋　Ｎ２　＋
　Ｎ２０および３ｉ（ＮＮ２）ｉが原料ガスとして使用
できる。

また、プラズマＣＶＤ法では低温条件下での成膜が可能
であるなどの特徴を有することから、高温条件下でのそ
の他のＣＶＤ法等により成膜することが被処理物品にと
って好ましくない場合には有利である。また、スパッタ
法、イオンブレーティング法などのＰＶＤ法では、機械
的に被コーテイング物品の表面に損傷を与える恐れがあ
るので、被処理物品の表面損傷を避けたい場合には、予
めＣＶＤ法等の表面損傷性の小さいと思われる方法で一
旦成膜した後に、その上にＰＶＤ法による薄膜を積層す
るなどの方法を採用することにより、表面損傷の恐れな
しに、ＰＶＤ法を有利に利用できる。従って、ＰＶＤ法
も本発明の範囲内にはいる。

尚、硬質アモルファスカーボン膜や、ダイヤモンド膜な
どはメタン、エタン、エチレンなどの炭化水素系ガスの
熱分解、高周波分解、プラズマ中での分解を利用した化
学的成膜法の他、イオンビーム蒸着、イオンビームスパ
ッタ蒸着等の物理的成膜法を上記のように組合せて利用
することも可能である。

本発明の装飾品用基体としては、鉄、ニッケノペ銅、亜
鉛、ジルコニウム、クロム、マンガンなど、あるいはこ
れらの合金、鋼等といった金属；ＷＣ−Ｃｏ系、Ｗ　Ｃ
−Ｔｉ　Ｃ−Ｃｏ系、ＷＣ−ＴｉＣ−ＴａＣ−Ｃｏ系等
の各種超硬合金；　Ｃｒ、　Ｎｉ、　Ｃｏ、　Ｍｏ、Ｎ
ｂ、　Ｔｉ。

Ｗ等を含有するＮｉ−Ｃｒ系オーステナイト鋼、ニッケ
ル合金、コバルト合金などのいわゆる超合金；Ａ１□Ｏ
，−Ｆｅ系、Ｔｉ　Ｃ−Ｎｉ系、ＴｉＣ−Ｃｏ系、Ｂ、
Ｃ−Ｆｅ系などのいわゆるサーメット；その他各種のセ
ラミックスおよび不透明ガラス製の各種形状寸法の装飾
品であり得る。

このような装飾品基体上に上記の如き材料の薄膜を上記
の如き厚さで適用することにより、硬質膜材料と鏡面処
理された基体により種々な干渉色のものが得られ、黄金
、黄、青、緑、紫、赤の２種以上からなる意匠性に優れ
た色調を実現することができる。

尚、各基体の鏡面仕上げは従来公知の各種方法がいずれ
も利用でき、特に制限されない。

作用 一般に装身具、置物などの装飾品においては、金属等の
基材上に貴金属をメッキしたり、そのまま基材を無垢の
状態で使用したり、窒化チタンを気相蒸着して使用して
いた。しかしながら、既に述べたようにいずれも何等か
の問題点を有しており、商品価値を高めるためには、耐
久性、色調等の点で更に一層改良する必要がある。

そこで、本発明では各種の可視領域の光に対して透光性
の硬質薄膜を装飾品基材上に設け、これによって耐久性
を大幅に向上させると共に色調の多様化を図り、意匠効
果を付与することによって商品価値を高めることを可能
とした。

本発明で利用する硬質透光性薄膜は、ダイヤモンド、ｉ
　　Ｃ，Ａｌ２Ｏ３、ＡＩＮ、ＢＮ、Ｓ！ｓ０４などの
機械的強度の極めて優れた材質であるので、引っかき等
に対する耐性は著しく改善され、またこれらは耐酸化性
、耐化学薬品性等において優れているので、装飾品基材
の耐腐食性、耐酸化性をも大幅に改善することを可能と
する。

更に、基材と硬質透光薄膜とが相互に共働して干渉色を
与え、意匠効果に優れた美しい色調を実現する。また、
上記の耐腐食性、耐摩耗性、耐候性が改善されることか
ら長期に亘る耐退色性を維持できる。上記の色調は基材
の表面からの反射光と被膜の表面からの反射光とが干渉
を生ずることにより得られるものであり、単なる反射光
による色調よりも深みがある。

このような干渉効果を達成すると共に耐退色性、耐スク
ラッチ性等目的とする効果を装飾品の基材に付与するた
めには上記のように最低３００人必要であり、また上限
の５０００人を越えて適用した場合には被膜を透過する
際の光の減衰が大きくなり干゛渉色も暗色となって見映
えが悪くなるので好ましくない。従って、本発明の装飾
品においては被膜の厚さは３００〜５．０００　Ａとす
ることが有利である。

本発明によれば以上のような優れた効果を達成する装飾
品を提供することができ、このような装飾品としては、
例えば指環、腕環、ネックレス、イヤリング、カフスボ
タン、ネクタイピン、ブローチ、ヘアーピン、メダル、
ペンダント等の装身具をはじめ、ライター、時計枠等あ
る各種置物などを例示できる。

実施例 以下、本発明を実施例（作製例）に基き更に具体的に説
明し、その奏する効果を明らかにするが、本発明の範囲
は以下の例によって何等制限されない。

実施例１ 鏡面仕上げしたステンレスと超硬合金から夫々形成され
た時計枠の表面に、気相蒸着法によりＡｌ２Ｏ３膜を２
．０００　Ａの厚さで形成した。得られた被覆製品の色
調はいずれも紺または紫を帯びた紺色であった。両者共
に１年間使用した後も全く退色はみられず、また傷もつ
かなかった。

実施例２ 鏡面仕上げした軟鋼、ステンレスおよび超硬合金から夫
々形成したペンダントに、気相蒸着法によりＳ１３　Ｎ
　４膜を１．５００人の厚さで形成した。得られた被覆
ペンダントの色調はいずれも金色であった。これらサン
プルは、いずれも３年間使用した後も全く退色せず、傷
もつかず、深みのある黄金色を維持していた。

実施例３ 鏡面仕上げしたステンレスからなる時計枠、ブレスレッ
ト、ネックレス、ペンダント、カフスボタンに、気相蒸
着法によりまず最初にＳｉ３Ｎ、膜を２．５００人堆積
し、次いでその表面を厚さ２００人の透光性の擬ダイヤ
モンド炭素膜で被覆した。得られた被覆サンプルは紫乃
至黄緑色の美しい色調を有しており、５年間使用した後
も全く退色はみられなかった。

実施例４ 鏡面仕上げした超硬質合金製のペンダントに５１３Ｎ４
膜を気相蒸着法を用いて２．０００人の厚さで被覆し、
次いで更にその上にＡｌ２Ｏ３膜を厚さ１，０００Ａで
形成した。得られた被覆ペンダントの色調は深みのある
紫色を呈していた。このペンダントは５年を経過した後
も全く退色せず、また表面に傷の発生もみられず、光沢
の変化もなかった。

実施例５ 鏡面仕上げを施したクロム鋼（耐食硬合金鋼）製の板の
表面にＡｌ２Ｏ３膜を気相蒸着法で１．５００人形成し
たところ、深みのある黄金色の色調を有するＡｌ２Ｏ３
被覆のクロム鋼板が得られた。かくしてＡｌ２Ｏ３被覆
したクロム鋼板を用いて、神社、仏閣の内張りに用いた
ところ、１０年経過しても全く退色せず、兄事な黄金色
を呈していた。

実施例６ ステライト合金でメダルを作製し、このメダルを鏡面仕
上げして、その表面にシリコン膜を５μｍの厚さで蒸着
し、更にその上にｉ　−Ｃ膜を１．７００　Ａの厚みに
蒸着した。得られた被覆メダルの色調は深い紺色を呈し
ており、装飾性に優れると共に、耐退色性、耐火スクラ
ッチ性等に優れたものであった。

発明の効果 以上詳細に述べたように、本発明によれば耐久性に優れ
、しかも色調の優れた商品価値の高い各種装飾品が提供
される。これはコーテイング膜として可視領域の光に対
して透光性の特定の材質を所定の厚さで堆積したことに
基くものである。これらのコーテイング膜は透光性で装
飾品基体と共に様々な意匠効果に優れた色調を実現する
ことができ、また硬質で耐スクラッチ性、耐摩耗性等に
優れており、しかも耐薬品性、耐酸化性に優れているの
で、長期に亘り良好な耐退色性を装飾品基体に付与する
ので、耐久性に優れ、多様な色調の意匠効果に優れた商
品価値の高い各種装身具、置物を提供し得る。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）鏡面仕上げを施した金属、超硬合金、サーメット
   、超合金、セラミックスおよび不透明ガラスからなる群
   から選ばれた基体と、その表面に設けられた可視領域で
   透光性の硬質薄膜層とで構成されることを特徴とする硬
   質透光膜で被覆した装飾品。
2. （２）上記透光性硬質膜がダイヤモンド、硬質アモルフ
   ァスカーボン、Ａｌ＿２Ｏ＿３、ＡＩＮ、ＢＮおよびＳ
   ｉ＿３Ｎ＿４からなる群から選ばれた少なくとも１種の
   材料の単層膜または積層膜であることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の硬質透光膜で被覆した装飾品。
3. （３）上記透光性硬質膜の厚さが３００〜５，０００Å
   の範囲内であることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項記載の硬質透光膜で被覆した装飾品。
4. （４）上記透光性硬質膜と基体とで生ずる干渉色が黄金
   、黄、青、緑、紫、赤から選ばれる少なくとも２種から
   なることを特徴とする特許請求の範囲第１〜３項のいず
   れか１項記載の硬質透光膜で被覆した装飾品。
5. （５）上記基体が時計枠、ライター、ブローチ、ネック
   レス、指環、イヤリング、ネクタイピン、カフスボタン
   、ヘアーピン、メダル、ペンダントまたは腕環であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１〜４項のいずれか１
   項に記載の硬質透光膜で被覆した装飾品。