JPS6226579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はラジエータおよび冷却フアンを一体に
備えた内燃機関に係り、特に傾斜したシリンダブ
ロツクの外側面に前記冷却フアンおよびラジエー
タを気流方向に沿つて一直線に配列した傾斜形内
燃機関に関するものである。

（従来の技術） 従来の水冷式エンジンにおいては、エンジンの
クランク軸の軸端に設けたプーリおよび該プーリ
に巻掛けたフアンベルトを介して冷却フアンを駆
動するため、該冷却フアンの軸は通常、前記クラ
ンク軸と平行に支承されている。

従つて、冷却フアンの起こす冷却風を利用して
シリンダブロツクを同時に冷却するには、エンジ
ンの前後方向に沿つて(イ)冷却フアン→ラジエータ
→シリンダブロツクの順に配列するか、もしくは
(ロ)ラジエータ→冷却フアン→シリンダブロツクの
順に配列することが考えられる。

（例えば、実開昭53−32246号公報参照） （考案が解決しようとする問題点） ところが、前記(イ)のようにラジエータを冷却フ
アンとシリンダブロツクとの間に介在させると、
ラジエータが相当な体積を占めることからラジエ
ータと冷却フアンがクランク軸方向に突出し、機
関全体の据付スペースが前後に長くなる問題があ
る。また、前記(ロ)のように配置するとラジエータ
とシリンダブロツクとの間に冷却フアンを収納す
る大きな空間を介在させる必要があり、機関の据
付スペースが却つて大きくなると共に、シリンダ
ブロツク側の冷却水ジヤケツトとラジエータの水
出入口とを連絡する配管が相当長くなり自然循環
による冷却方式の採用が困難になるため、冷却水
ポンプを別途付設する必要が生じ機械の部品点数
の増加ならびにコストの高謄を招く問題があつ
た。

本考案はかかる従来の内燃機関が有していた問
題点に着目してなされたもので、シリンダブロツ
クをクランク軸を中心に傾斜させ、その上向き傾
斜側面に隣接してラジエータおよび冷却フアンを
この順序に従つて気流方向に沿い斜め一直線に配
列し、冷却フアンおよびラジエータをシリンダブ
ロツク側面のデツトスペースに収納して据付面積
を減少させると共に、ラジエータで起される冷却
風によつてラジエータおよびシリンダブロツクを
同時に冷却し、もつて前記問題点を解消せんとす
るものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案の構成を実施
例に対応する添付図面について説明する。

本考案の傾斜形内燃機関は、水平な基礎台３上
に垂直に載置されるシリンダボデイ２の上部に、
クランク軸４を中心として鉛直線ｖから所要角度
α傾けた状態でシリンダブロツク１を一体形成
し、該シリンダブロツク１の上部にシリンダヘツ
ド１０を取付けると共に、前記シリンダブロツク
１の上向き傾斜側面に隣接して偏平なラジエータ
８を添着し、該ラジエータ８の冷却水出入口９，
１２を前記シリンダブロツク１およびシリンダヘ
ツド１０内の水ジヤケツト６と連通させ、該ラジ
エータ８の外側面に冷却フアン１５を配置し、こ
れを前記シリンダブロツク１により支持せしめた
構成を特徴としている。

（作用） しかして、上記構成を備えた本考案の傾斜形内
燃機関は、傾斜したシリンダブロツク１の上向き
傾斜側面にラジエータ８および冷却フアン１５が
積重ね状態で取付けられているため、据付け面積
が従来の立形内燃機関の前部にこれらを配置して
いる場合に較べて遥かに小さくなつている共に、
シリンダブロツク１、ラジエータ８および冷却フ
アン１５がこの順序で直線的に配列されているた
め、冷却フアン１５で起される冷却風によりラジ
エータ８およびシリンダブロツク１が同時に冷却
されることになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面にもとづいて
詳細に説明する。

図は本考案傾斜形内燃機械の一実施例を示す正
断面図であり、シリンダブロツク１を上部に設け
たシリンダボデイー２は、基礎台３に取付けられ
ている。シリンダブロツク１中には、クランク軸
４の中心０を通過する鉛直線ｖと角度αをもつて
傾斜したシリンダライナ５が水ジヤケツト６に囲
まれて配設されている。上記シリンダブロツク１
の上向き傾斜側面には、シリンダライナ５の中心
線７と平行して偏平な形状のラジエータ８が設け
られており、ラジエータ８の流出口９は、水ジヤ
ケツト６と連通していて、該水ジヤケツト６は、
シリンダブロツク１の上部に設けたシリンダヘツ
ド１０の水ジヤケツト１１に連絡している。又、
この水ジヤケツト１１は、流入口１２を経てラジ
エータ８の上部へ連絡している。更にラジエータ
８を挾んでシリンダブロツク１と反対側には、前
記中心線７と直交する軸芯１３をもつモータ１４
に取付けられた冷却フアン１５が、フアンケース
１６内に収納されており、フアンケース１６の上
部には気流案内ダクト１７が連設されている。フ
アン用モータ１４は図示せぬフライホイール部に
装備した発電機又はセルモータ１８によつて駆動
することができ、その回転・停止の制御は、冷却
水通路１９に設けた温度センサ２０によつて、冷
却水温が高いときのみ回転するようにもできる。

本考案の傾斜形内燃機関は叙上の如き構成を有
するもので、フアン用モータ１４を駆動させ、冷
却フアン１５による冷却風が矢印Ｘの方向に流れ
るようにすれば、該冷却風がラジエータ８を冷却
して通過した後、シリンダブロツク１の外壁に衝
突し、その周囲を流れる間に、該シリンダブロツ
ク１を冷却することになる。また、一方、フアン
用モータ１４を上記の場合と逆に回転させ、冷却
フアン１５の吸込みによる冷却風が矢印Ｙ方向に
流れるようにすればシリンダブロツク１の周囲を
冷却した空気が、ラジエータ８を通過する際に該
ラジエータ８を冷却し、気流案内ダクト１７から
排出されることになる。

（考案の効果） 以上述べた如く本考案の傾斜形内燃機関は、水
平な基礎台上に載置されるシリンダボデイの上部
に、クランク軸を中心として鉛直線から所要角度
傾斜した状態でシリンダブロツクを一体形成し、
該シリンダブロツクの上部にシリンダヘツドを取
付けると共に、前記シリンダブロツクの上向き傾
斜側面に隣接して偏平なラジエータを添着し、該
ラジエータの冷却水出入口を前記シリンダブロツ
クおよびシリンダヘツド内の水ジヤケツトと連通
させ、該ラジエータの外側面に冷却フアンを配置
し、これを前記シリンダブロツクにより支持せし
めることにより、冷却フアン、ラジエータおよび
シリンダブロツクをこの順に直線的に配列し、か
つ、ラジエータおよび冷却フアンをシリンダブロ
ツクの上向き傾斜側面に形成したデツトスペース
に収納したものであるから、冷却装置を含め機関
全体をコンパクトにまとめることが可能で、機関
の全高および据付面積を大巾に減少させることが
出来ると共に、冷却フアンで起こした冷却風によ
つてラジエータとシリンダブロツクとを同時に冷
却するため冷却効率が高く、また、ラジエータと
シリンダブロツクとを隣接して配置しているた
め、両者間の冷却水連絡経路が短縮されて、冷却
水の循環を円滑に行わせることが出来るというす
ぐれた効果を発揮する。

しかも、本考案において冷却フアンをモータ駆
動方式とした場合は、従来のベルト駆動方式のも
のに比べて、ベルト、テンシヨンプーリ、クラン
クプーリ等の部品を省略出来ると共に、ベルトに
よる引張り応力がなくなるので、フアンケース等
の肉厚を薄く軽量化出来るという効果も期待でき
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る傾斜形内燃機関の一実施例を
示す正断面図である。 １……シリンダブロツク、２……シリンダボデ
イ、３……基礎台、４……クランク軸、６，１１
……水ジヤケツト、８……ラジエータ、９……冷
却水出口、１０……シリンダヘツド、１２……冷
却水入口、１４……フアン用モータ、１５……冷
却フアン、Ｖ……鉛直線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平な基礎台上に載置されるシリンダボデイの
   上部に、クランク軸を中心として鉛直線から所要
   角度傾斜した状態でシリンダブロツクを一体形成
   し、該シリンダブロツクの上部にシリンダヘツド
   を取付けると共に、前記シリンダブロツクの上向
   き傾斜側面に隣接して偏平なラジエータを添着
   し、該ラジエータの冷却出入口を前記シリンダブ
   ロツクおよびシリンダヘツド内の水ジヤケツトと
   連通させ、該ラジエータの外側面に冷却フアンを
   配置し、これを前記シリンダブロツクにより支持
   せしめたことを特徴とする傾斜形内燃機関。