JPS6226315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はノズル付船舶に関する。

一般に、船舶は流体の粘性作用により船体後方
で伴流を持つが、通常、この伴流は粘性のため拡
散するので、プロペラはその一部しか利用できな
かつた。最近、この伴流を有効に利用するため
に、プロペラ前方に断面翼型のリング状ノズルを
設けた船舶が提案されている。ところで、このノ
ズルはプロペラの吹込作用によつて、自ら推力作
用を出すと共に、伴流をできるだけプロペラに送
り込むようにして、プロペラの船後効率を改善し
ようとするものであるが、さらにその推進性能の
よい船舶が望まれている。

そこで、本考案は上記ノズル付船舶の推進性能
をさらに向上し得る船舶を提供することを目的と
する。

即ち、本考案は船体船尾中央傾斜底部に断面半
円形状凹部を船首尾方向で且つ傾斜底部に沿つて
ほぼ一様な深さに形成し、上記凹部の一部と一体
となつて正面視円形状の通路を構成する断面翼型
の半円形状ノズルを上記傾斜底部に取付け、該ノ
ズル後方で上記円形状通路に対応する位置にプロ
ペラを設け、上記円形状通路内に、プロペラによ
つて引き起こされる回転流とは逆方向の流れを引
き起こす反動フインを複数個設けたことを特徴と
するものである。

上記構成によると、船尾中央底部に形成された
凹部によたて、伴流は効果的に円形状通路に案内
されるので、伴流の大部分を有効に利用でき、従
つてノズル効果も向上し、また円形状通路内の反
動フインによつて、プロペラに流入する流れには
プロペラとは逆方向の回転が与えられるため、プ
ロペラ後流内の回転流が減少し、従つてプロペラ
効率が改善されると共に船体振動、プロペラキヤ
ビテーシヨンが減少し、ひいては船舶の推進性能
が向上する。

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づき説明する。船体１の船尾中央の船尾側ほど
上方に傾斜する傾斜底部には、断面半円形状の凹
部２が傾斜底部に沿つてほぼ一様な深さで船首尾
方向に形成され、また傾斜底部には上記凹部２の
一部と一体となつて正面視円形状の通路４を構成
する断面翼型の半円形状ノズル５が取付けられ、
更に上記ノズル５の後方で円形状通路４には船尾
プロペラ３が配設され、更にまた上記円形状通路
４内には、プロペラ３によつて引き起こされる回
転流とは逆方向の流れを引き起こす反動フイン６
がプロペラ軸７を中心にして放射状に複数個（本
実施例では４個）設けられている。なお、上記反
動フイン６はプロペラ軸７の軸受の役目も兼用す
るもので、従つて各反動フイン６の内端部はプロ
ペラ軸７に外嵌する１個のボス８によつて連結さ
れている。

従つて、上記構成によると、船体１底部に沿う
伴流は凹部２内に流入してノズル５の通路４内に
効果的に案内されると共に整流され、そしてこの
通路４内で、反動フイン６により、上記伴流は、
プロペラ３によつて引き起こされる回転流とは逆
方向の流れが与えられてプロペラ３に流入する。
このように、船尾中央底部に形成された凹部２に
よつて、伴流は効果的に円形状通路４に案内され
ると共に整流されるので、伴流の大部分を有効に
利用でき、従つてノズル効果も向上し、また円形
状通路４内の反動フイン６によつて、プロペラ３
に流入する流れにはプロペラ３とは逆方向の回転
が与えられらるため、プロペラ後流内の回転流が
減少し、従つてプロペラ効率が改善されると共に
船体振動、プロペラキヤビテーシヨンが減少し、
ひいては船舶の推進性能が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部側面図、第２
図は第１図Ａ，Ｂ，Ｃ位置における船尾正面形状
を示す。 １……船体、２……凹部、３……プロペラ、４
…通路、５……ノズル、６……反動フイン、７…
…プロペラ軸、８……ボス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船体船尾中央の傾斜底部に断面半円形状凹部を
   船首尾方向で且つ傾斜底部に沿つてほぼ一様な深
   さに形成し、上記凹部の一部と一体となつて正面
   視円形状の通路を構成する断面翼型の半円形状ノ
   ズルを上記傾斜底部に取付け、該ノズル後方で上
   記円形状通路に対応する位置にプロペラを設け、
   上記円形状通路内にプロペラによつて引き起こさ
   れる回転流とは逆方向の流れを引き起こす反動フ
   インを複数個設けたことを特徴とするノズル付船
   舶。