JPS6226200Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として自動捺染機に装設する糸
くず等の異物除去装置に関するものである。

ところで、被捺染布に所要の模様染めを行なう
捺染作業においては、該布面に毛羽・塵・糸くず
等の異物が付着している場合、被捺染布に対して
良好な印捺を行なうことができず、例えば柄の不
均一或は使用不能な不良製品が発生する等の重大
な弊害を招来することになる。このため、上記異
物を除去するための装置として、従来、例えば、
走行移送する被捺染布面に回転ロールブラシを接
当させて、該ブラシにより上記異物を払いよける
ように構成したものが提供されている。しかしな
がら、このような従来装置においては、回転ロー
ルブラシが被捺染布面を単に撫擦するのみであ
り、或は、異物を該布面上の他の場所へ払いよけ
ることになるだけであつて、異物の除去効率が低
く、実際上は異物の完全除去を行なうことができ
ないといつた欠点を有していた。

また、走行シートに付着した微細な異物除去装
置として、固定ブラシと該ブラシの前後にエアー
による吸塵口を開設したものがある（例えば、
「スクリーン印刷ハンドブツク」昭和53年５月31
日第３版、日本スクリーン印刷技術協会 P244
〜245）。

しかしながら、この構成によるときは、走行シ
ートに付着した微細な塵埃等の異物除去効果は認
められるが、糸くず等の糸状異物の除去効果はな
く、従つて、完全な異物除去を期待することがで
きないといつた問題がある。

この考案は、布帛面上の異物を捕捉する異物捕
捉用回転ロールブラシと、該ロールブラシ上の捕
捉異物を転送する異物転送用回転ロールブラシ
と、該転送用回転ロールブラシを被覆するケース
状の異物収容体と、上記両回転ロールブラシを同
一方向へ回転させるための駆動機構とから成り、
上記両回転ロールブラシを、その両ブラシ部材が
係合する所要の間隔位置において略平行に夫々軸
装し、また、上記異物転送用回転ロールブラシの
軸部全周に多数の通気孔を穿設すると共に、該ロ
ールブラシの軸部内に非回転エアーダクトを密嵌
状に嵌合し、且つ、該エアーダクトにおける上記
異物収容体の内側となる位置には、異物転送用回
転ロールブラシにおける上記通気孔と連通可能に
形成した多数の通気孔を穿設し、更に、上記エア
ーダクト内とエアー源側とをエアー流路を介して
連通させたことを特徴とする自動捺染機における
布帛面上の異物除去装置に係るものであり、布帛
面上の異物を完全に除去することを目的とし、こ
れによつて、布帛の捺染仕上げを向上させる等の
良好な後処理効果の向上を図るものである。

以下、本考案の詳細を図に示す実施例に基づい
て説明する。

第１図及び第２図は、布帛（被捺染布）１に所
要の印捺を施すための自動フラツトスクリーン捺
染機２と、上記布帛１の印捺面に付着した糸くず
等の異物除去装置３との配設状態を示しており、
上記捺染機２は布帛１の給布部４と、給布された
布帛に対する印捺部５と、印捺処理された布帛の
乾燥機６とから構成され、また、上記印捺部５は
一定の距離毎に間欠的に回送されるエンドレスベ
ルト７と、該ベルトの上方に配置された複数個の
プリンテングヘツド８並びに、給布部４側の下方
に配設された地張用のり付装置９及び乾燥機６側
の下方に配設されたベルト水洗装置１０とを備え
ており、従つて、給布部４側から所要の幅出し及
び拡布作用を受けながら給送された布帛１_１は、
エンドレスベルト７上の地張用のりを介して該ベ
ルト上の一定位置に地張りされると共に、上記布
帛１_１はその状態でエンドレスベルト７の回送に
伴なつて乾燥機６側へ間欠的に移送されると共
に、エンドレスベルト７の停止時において、プリ
ンテングヘツド８が下降しそのスキージー８ａが
下方の布帛１_１に夫々所要の印捺を順次に施した
後、この印捺処理が施された布帛１_２は乾燥機６
内での所要の乾燥処理を経て布帛の模様染め製品
１_３を得るように構成されている。

本考案装置３を上述した自動捺染機２に装設し
て用いる場合は、同各図に示すように、布帛１_１
を地張りした後に、プリンテングヘツド８による
印捺処理が開始される前までの間の適当な位置に
おいて、エンドレスベルト７の間欠的回送時にの
み作動させるように関係付けておけばよい。即
ち、本考案装置３は、上述した給送布帛１_１の移
送方向に対して直交する方向に、適当な支持具１
１を介して架設したケース状の異物収容体１２
と、該収容体に適当な軸受１３を介して同じく直
交状に軸装した給送布帛１_１面上の異物捕捉用回
転ロールブラシ１４と、上記収容体１２内におい
て、該ロールブラシの回転軸１４ａの軸架方向と
略平行に且つ所要の間隔位置に架設した非回転の
エアーダクト１５と、該エアーダクトの外周面上
に密嵌状に嵌合した異物転送用回転ロールブラシ
１６と、上記両ロールブラシ１４，１６を所定の
同一方向へ夫々回転させるためのモータ１７・プ
ーリ１８及び伝動ベルト１９から成る駆動機構２
０とから構成されている。また、上記異物収容体
１２の上部には異物転送用回転ロールブラシ１６
の上方を開閉する回動蓋１２ａが設けられると共
に、該収容体の上述した反プリンテングヘツド８
側の壁部には通気可能なメツシユ板１２ｂが取り
付けられており、更に、プリンテングヘツド８側
は上記両ロールブラシ１４，１６におけるブラシ
部材２１，２２を係合させるために開放されてい
る。また、上記エアーダクト１５の内部とエアー
源（図示なし）側とは適当なエアー流路２３を介
して連通されており、更に、該エアーダクトにお
ける収容体１２の内部側（図例においては、異物
捕捉用回転ロールブラシ１４の位置とは反対側）
となる位置には、多数の通気孔１５ａが長手方向
へ配列されている。また、上記異物転送用回転ロ
ールブラシ１６の軸部全周には、エアーダクトに
おける通気孔１５ａの夫々と連通可能な多数の通
気孔１６ａが穿設されている。従つて、エアーダ
クト１５内に圧縮エアー２４が圧送されている場
合において、異物転送用回転ロールブラシ１６が
前記駆動機構２０によつて回転されると、上記エ
アー２４はエアーダクト及びロールブラシにおけ
る両通気孔１５ａ，１６ａを通して収容体１２の
内部側に噴出するように構成されている。また、
上記両ブラシ部材２１，２２は動・植物繊維或は
化学繊維素材から形成されると共に、それらの形
状は通常の場合は、第４図に示すような直線形状
のものが用いられるが、給送布帛１_１上に付着し
た異物２５の捕捉用回転ロールブラシ１４におけ
るブラシ部材２１に、例えば第５図に示すよう
に、直線形状部分２１ａと凹凸形状部分２１ｂと
を交互に形成した形状を有するものを用いること
により、上記異物２５の捕捉効率の向上を図るよ
うにしてもよい。また、上記両ロールブラシ１
４，１６は所定の同一方向へ夫々回転されるので
あるが、この所定方向とは、第３図に矢印にて示
すように、エンドレスベルト７によつてプリンテ
ングヘツド８側へ移送される給送布帛１_１面上に
接当する異物捕捉用回転ロールブラシ１４のブラ
シ部材２１が、該布帛面との接当側において布帛
１_１の移送方向とは逆向きとなる回転方向をい
う。

以下、本考案装置の異物除去作用を説明する。

捺染機２における前記エンドレスベルト７によ
つて印捺部５側に給送される給送布帛１_１は、前
述したように、プリンテングヘツド８による複数
回の印捺処理が施されることから間欠的に移送さ
れるが、この給送布帛１_１の間欠移速時にのみ本
考案装置３は作動する。いま、エアーダクト１５
内に圧縮エアー２４が圧送された状態で給送布帛
１_１の上記移送が行なわれる間、両ロールブラシ
１４，１６は駆動機構２０によつて上述した所定
方向へ夫々回転されるが、給送布帛１_１面上に異
物２５が付着している場合、その異物２５は第３
図に示すように、まず、捕捉用回転ロールブラシ
におけるブラシ部材２１にて捕捉される。次に、
捕捉されたブラシ部材２１上の異物２５_１は、該
ブラシ部材と係合する異物転送用回転ロールブラ
シにおけるブラシ部材２２にて収容体１２内へ転
送されるのであるが、両ブラシ部材２１，２２は
略平行に配設されているため両者の係合部におけ
る回転方向は反対向きとなり、従つて、異物転送
用のブラシ部材２２は、異物捕捉用のブラシ部材
２１に対して、その捕捉異物２５_１を収容体１２
内に払い落とすように作用するのである。また、
上記作用によつて払い落とされた捕捉異物２５_１
は収容体１２内の下方に落下収容されることにな
るが、落下せずに転送用のブラシ部材２２に付着
した状態にある転送異物２５_２は前記した圧縮エ
アー２４によつて収容体１２内に強制的に収容さ
れる。即ち、前述したように、非回転エアーダク
ト１５における通気孔１５ａと、異物転送用回転
ロールブラシ１６における通気孔１６ａとは収容
体１２の内部側となる位置にて連通するから、エ
アーダクト１５内に圧送された圧縮エアー２４が
両通気孔１５ａ，１６ａを通して噴出する際に上
記転送異物２５_２を収容体１２内へ吹きとばすこ
とになり、また、吹きとばされた該異物は収容体
１２内の下方に落下収容されると共に、上記噴出
エアー２４_１は収容体のメツシユ板１２ｂを通し
て該収容体外部に放出されることになるのであ
る。なお、収容体１２内に収容された異物２５_３
の排除は回動蓋１２ａを開くことによつて簡易に
行ない得るものである。

以上のように、本考案装置においては、布帛面
上の異物（特に糸状の異物）を完全に除去するこ
とが可能となり、特に、従来装置と較べて顕著に
異なる点は、まず、布帛面上の異物を捕捉する回
転ロールブラシと、該ブラシ上の捕捉異物を異物
収容体側へ転送する回転ロールブラシとを並設し
たことによつて、捕捉用回転ロールブラシ上の捕
捉異物を完全に除去収容することができ、従つ
て、従来装置におけるロールブラシのように、一
度捕捉した異物が該ブラシの回転によつて、移送
される布帛面上に再び付着する等の弊害を未然に
防止することができるのであり、これによつて、
布帛の捺染仕上げを向上させる等の良好な後処理
効果の向上を図ることができるといつた実用的な
効果を奏するものである。また、本考案装置の構
成によれば、上記異物転送用回転ロールブラシに
おけるブラシ部材上の異物は、圧縮エアーによつ
て異物収容体内に完全に収容できるため、該ブラ
シ上の異物が上記異物捕捉用回転ロールブラシ側
へ再び付着することがなく、従つて、捕捉異物の
完全除去を図ることができるので、前記した従来
装置における問題点を確実に解消できる優れた効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は本
考案装置を捺染機に装設した状態を示す一部欠截
正面図、第２図は捺染機と本考案装置との要部を
拡大して示す一部欠截平面図、第３図は、第２図
−線における拡大断面図、第４図及び第５図
はブラシ部材の形状を示す要部拡大斜視図であ
る。 １……布帛、３……異物除去装置、１２……異
物収容体、１４……異物捕捉用回転ロールブラ
シ、１５……非回転エアーダクト、１５ａ……通
気孔、１６……異物転送用回転ロールブラシ、１
６ａ……通気孔、２０……駆動機構、２１，２２
……ブラシ部材、２１ｂ……凹凸形状部分、２３
……エアー流路、２５……異物、２５_１……捕捉
異物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 布帛面上の異物を捕捉する異物捕捉用回転ロ
   ールブラシと、該ロールブラシ上の捕捉異物を
   転送する異物転送用回転ロールブラシと、該転
   送用回転ロールブラシを被覆するケース状の異
   物収容体と、上記両回転ロールブラシを同一方
   向へ回転させるための駆動機構とから成り、上
   記両回転ロールブラシを、その両ブラシ部材が
   係合する所要の間隔位置において略平行に夫々
   軸装し、また、上記異物転送用回転ロールブラ
   シの軸部全周に多数の通気孔を穿設すると共
   に、該ロールブラシの軸部内に非回転エアーダ
   クトを密嵌状に嵌合し、且つ、該エアーダクト
   における上記異物収容体の内部側となる位置に
   は、異物転送用回転ロールブラシにおける上記
   通気孔と連通可能に形成した多数の通気孔を穿
   設し、更に、上記エアーダクト内とエアー源側
   とをエアー流路を介して連通させたことを特徴
   とする自動捺染機における布帛面上の異物除去
   装置。 (2) 異物捕捉用回転ロールブラシにおけるブラシ
   部材に、異物捕捉用の凹凸形状部分が形成され
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の自動捺染機における布帛面上の
   異物除去装置。