JPS6226079Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は脱水洗濯機の改良に関するものであ
る。

従来の脱水洗濯機では、ワイシヤツなどの襟，
袖などの局部汚れは標準的な洗濯時間では十分に
汚れが落ちず、また洗濯時間を増して局部汚れを
十分にすると、襟などの布の損傷が激しくなると
いう欠点があり、使用者は、予め洗面器や脱水洗
濯槽内やあるいは予め脱水洗濯機に設けられてい
る部分洗いコーナなどで部分洗いを行なつている
が、洗剤液が飛散し、かつ洗剤液の処理にも不便
であつた。

また、洗濯工程と脱水工程とを別々の槽で行な
う２槽式の洗濯機の脱水機では、脱水槽の高速回
転中に外蓋を開いても、脱水槽が直接むき出しに
ならないようにし、かつ外蓋を開くと同時にブレ
ーキがかかり、その上内蓋をあけるまでの時間の
経過が得られるので、この時間内に脱水槽の回転
が急速に低下するように安全性の面から配慮がさ
れているが、脱水洗濯機では外蓋を開くと同時に
ブレーキがかかる構造になつているものの２槽式
の洗濯機に比べて安全上まだ不十分であるという
問題があつた。

この考案は、上述した問題を解決しようとする
ものであつて、脱水兼洗濯槽の上方開口部と外蓋
との間に内蓋を設け、この内蓋に部分洗い面を設
けることにより、ワイシヤツなどの汚れのひどい
部分の部分洗いが簡易にできるようにすると共
に、脱水工程時の安全性を向上させることができ
る脱水洗濯機を提供することを目的とするもので
ある。

以下、この考案の一実施例を第１図、第２図に
よつて説明する。

第１図、第２図において、１は外箱、２は外箱
１の上部に嵌合固定したトツプパネル、３は吊り
棒６および防振ばね７を介して上記外箱１上端に
上下方向と水平方向に揺動自在に支持された水受
槽、４は水受槽３の下部に配置された駆動用電動
機、５はこの電動機４の回転を伝達するための機
構部、８は水受槽３内に配設されかつ駆動用電動
機４で回転されると共に側壁および底面に脱水孔
１０を多数個形成した脱水兼洗濯槽、９は脱水兼
洗濯槽８内の底壁中央部に配設されかつ駆動用電
動機４で回転される回転翼、１１は上記水受槽３
の底に設けられた排水口１２と連通しかつ排水弁
１３を有する排水ホース、１４は上記トツプパネ
ル２の外蓋受１５に開閉自在に設けられた外蓋、
１６は外蓋１４と脱水兼洗濯槽８の上方開口部と
の中間に位置してトツプパネル２の内蓋受１７に
開閉自在に設けられた内蓋であり、この内蓋１６
は外周部に鍔部１８が形成され、この鍔部１８の
中心側には鍔部１８より低い部分洗い面２０が形
成され、この部分洗い面２０は栓１９ａを有する
排水口１９に向つて徐々に下方に傾斜し、さらに
波板状に複数の凸部２１および半球状の突起２２
が形成されている。２３は給水弁２４を有しかつ
脱水兼洗濯槽８に給水する給水管２５は上記電動
機４、排水弁１３、給水弁２４およびブレーキ機
構、クラツチ機構（ともに図示せず）などの動作
シーケンスを制御するタイマである。

次に、上述のように構成された脱水洗濯機の動
作について説明する。脱水工程中に外蓋１４を開
くと、電気的に上記電動機４がオフすると共に、
ブレーキ機構が動作して脱水兼洗濯槽８が減速状
態となり、慣性によつて数秒間の後に完全に停止
する。なお、この脱水兼洗濯槽８が慣性によつて
回転する時間は洗濯物の負荷量によつて若干異な
る。

この実施例の脱水洗濯機では、まず外蓋１４を
開き、内蓋１６の排水孔１９に栓１９ａを嵌め、
内蓋１６の部分洗い面２０に洗剤および少量の水
を入れ、ワイシヤツなどの襟，袖などの局部的に
汚れのひどい部分を凸部２１や突起２２でこすり
ながらもみ洗いすることにより、簡単にワイシヤ
ツなどの局部的な汚れを落すことができる。局部
的な洗浄が終つた後、排水孔１９から栓１９ａを
外すと、部分洗い面２０が排水孔１９に向つて
徐々に下方に傾斜しているため、洗剤液などの残
溜液が脱水兼洗濯槽８内に流れ込む。この状態で
新しい水を若干流せば、部分洗い面２０はきれい
に洗い流され、掃除も容易にでき、この掃除に用
いた水も脱水兼洗濯槽８内へ流れ込み、脱水兼洗
濯槽８内での洗濯に利用できる。

そして、内蓋１６を用いて洗濯物および洗剤を
所定量脱水兼洗濯槽８内に入れてタイマー２５を
セツトすると、給水弁２４が開いて給水が始ま
り、所定量給水されると給水弁２４が閉じ、続い
て上記電動機４がオンし、クラツチ機構の作用に
よつて回転翼９が回転し、脱水兼洗濯槽８内の洗
濯物、洗剤および水が複雑に撹伴されて洗濯物が
洗浄される。

所定時間洗浄されると電動機４がオフし、同時
に排水弁１３が開いて水受槽３および脱水兼洗濯
槽８内の洗剤液が排水口１２から排水ホース１１
によつて外箱１内に排出される。次に、電動機４
がオンして脱水兼洗濯槽８が高速回転し、洗濯物
に含まれている洗剤液が遠心力の作用により脱水
孔１０から排出される。この脱水工程中に、脱水
を停止して洗濯物を取出すために外蓋１４を開
き、あるいはタイマー２５をオフにすれば、電動
機４がオフすると同時にブレーキ機構（図示せ
ず）が働き、脱水兼洗濯槽８が制動される。そし
て、内蓋１６を開き終るまでにはある時間を要す
るために、この間に脱水兼洗濯槽８は完全に停止
しあるいはかなり減速して停止に近い安全な状態
になつており、１〜２秒の待ち時間程度で脱水兼
洗濯槽８が完全に停止する。このため、使用者は
いらいらすることなしに、脱水兼洗濯槽８の停止
を確認し、脱水兼洗濯槽８から安全に洗濯物を取
出すことができる。

以上説明したように、この考案によれば、外蓋
と脱水兼洗濯槽の上方開口部との間に位置させて
開閉可能に内蓋を設け、この内蓋に凹凸と排水孔
とを設けるという簡単な構造により、ワイシヤツ
などの汚れのひどい部分の部分洗いを容易にかつ
簡単に行なうことができると共に、脱水工程時の
安全性の向上ができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による脱水洗濯機
を示す縦断面図、第２図は同上部の拡大部分斜視
図である。 １……外箱、３……水受槽、４……駆動用電動
機、８……脱水兼洗濯槽、９……回転翼、１０…
…排水孔、１４……外蓋、１６……内蓋、１８…
…鍔部、１９……内蓋の排水孔、１９ａ……栓、
２０……部分洗い面、２１……凸部、２２……突
起。なお、図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外箱１内に、底部に回転翼９を設置した脱水兼
   洗濯槽８を回転自在に収容し、この脱水兼洗濯槽
   ８の上方開口部を外蓋１４で開閉可能に覆つた脱
   水洗濯機において、上記脱水兼洗濯槽８の上方開
   口部と上記外蓋１４との中間に開閉可能に内蓋１
   ６を設け、この内蓋１６は、外周部に鍔部１８を
   形成し、この鍔部１８より低い部分洗い面２０を
   鍔部１８の中心側に形成し、上記部分洗い面２０
   に排水孔１９と複数の凹凸を有していることを特
   徴とする脱水洗濯機。