JPS6225661Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍、冷蔵シヨーケースの空気吸込部
に関するものである。

従来、第１図に示すように冷凍、冷蔵シヨーケ
ースは、断熱壁４内側に底部から背部そして上部
に延びる空気ダクト９′を内箱８′によつて形成
し、この空気ダクト９′に蒸発器１２および送風
機１４を配置し、上部側空気ダクトに通ずる吹出
口から冷却空気を吹き出し、庫室５′を冷却し、
その後、その冷却空気を下部側空気ダクト９a′に
通ずる空気吸込口１１′から吸引し、ふたたび蒸
発器１２と熱交換させるようになつている。その
ため蒸発器１２を第１図のように下部側空気ダク
ト９a′に配置した場合に、蒸発器１２の空気入口
側部１２−２前方に大きなスペース１８が存し、
庫室容量の拡大化の点で問題があつたが、後記の
理由からなおざりにされていた。

他方、空気吸込口１１′が下部側空気ダクト９
a′の前縁にあるため、冷却商品の過充填、あるい
は異常な載置状態、例えば図示の如く、傾め積み
などによつて空気吸込口１１′が塞がれ、冷却性
能に悪影響を与えることもあつた。ところで上記
庫室５′容量の拡大化の問題を解決するために、
第１図中２点鎖線に示すように内箱８′を曲折げ
形成することも考えられるが、このようなダクト
構造にしてしまうと、冷却空気の流れが蒸発器１
２の下部のみを通過するため、蒸発器１２の有効
熱面積が減少してしまう問題点がある。このこと
が、同時に第１図実線のような構造を採らざるを
得ない理由となつている。

本考案は上記従来例の欠点に鑑してなされたも
のであり、その目的とするところは、内箱によつ
て形成される冷凍、冷蔵庫室の容量を拡大させる
ことにある。その上で商品の過充填もしくは商品
の異常な載置状態に対しても常に良好な冷却空気
の循環を行なわせることにある。

以下、実施例を示す図面によつて本考案を説明
する。

先ず１は密閉型の冷凍、冷蔵シヨーケースであ
り、照明灯２を配した照明室３、断熱壁４で熱絶
縁された冷凍、冷蔵庫室５および冷却機械６を収
容した機械室７等からなる。８は断熱壁４の内側
に間隔を置いて備えた内箱である。９は断熱壁４
と内箱８との間隔により形成した空気ダクトであ
り、内箱８に沿つて底部から背部そして上部に延
びる。また上部側空気ダクト９ｃの前縁には吹出
口１０を備え、下部側空気ダクト９ａの前縁には
後述の第１吸込口１１を設ける。ここで上部側空
気ダクト９ｃと下部側空気ダクト９ａは背部側空
気ダクト９ｂで連通する。ところで内箱８の底部
側は第３図に示す敷板８−１で構成され、この敷
板８−１は、背部から上部に延びるダクト板８−
２のフランジ部８−２ａで後端が支持される。１
２はパイプを蛇行曲折した蒸発器であり、空気ダ
クト９の下部側空気ダクト９ａに配置され、該蒸
発器１２の空気出口側部１２−１には取付板１３
によつて送風機１４が対向配置される。また内箱
８の一部である敷板８−１は、後部側には段部８
−１ａが形成され、前部側には湾部８−１ｂが形
成される。該段部８−１ａと該湾部８−１ｂは平
坦部８−１ｃによつて連絡されている。このため
下部側空気ダクト９ａの前方側容積は非常に小さ
い。さらに段部８−１ａの垂直辺８−１aaは蒸発
器１２の上部に対向配置している。そして湾部８
−１ｂに上記した第１吸込口１１を備え、段部８
−１ａの垂直辺８−１aaに第２吸込口１５を備え
る。

なお敷板８−１の平坦部８−１ｃおよび段部８
−１ａの水平辺８−１abにはそれぞれ補助吸込
口１６，１７が穿設される。

以上のような構成からなる実施例は、蒸発器１
２によつて、底部側空気ダクト９ａの部分の空気
が冷却され、その冷却空気は送風機１４によつて
先ず背部側空気ダクト９ｂに導かれ、その後上部
側空気ダクト９ｃを経て吹出口１０から吹き出さ
れる。その後庫室５の前面側を通過して冷却商品
と熱交換し、第１吸込口１１もしくは第２吸込口
１５または補助吸込口１６，１７から吸引され
る。また底部側空気ダクト９ａは敷板８−１の段
部８−１ａによつて、前方が狭路となつていて、
該段部８−１ａの前方、即ち平坦部８−１ｃ上に
空間が形成される。したがつてこの空間によつて
庫室５容量が増加するため、多くの冷却商品を庫
室５に収納できる。また敷板８−１の平坦部８−
１ｃに商品が並んだ場合には段部８−１ａが見え
なくなるため、あたかも冷却商品Ｇ（第２図参
照）の後部側にも商品があるかのように見えるた
め、商品の豊富さをアツピールでき、陳列上好ま
しい。ところで冷却商品が、第５図に示すように
第１吸込口１１を全部塞ぐように敷板８−１上に
載置された場合は、冷却空気は第１吸込口１１か
らは吸引されないにしても、第２吸込口１５から
第５図中矢印で、示すように吸引されるため、冷
気循環は良好に行なわれ、常に良好な庫室冷却が
期待できる。さらに冷却商品の過充填が著しくな
つた場合や例えば青果物の葉により、第１吸込口
１１および第２吸込口１５が塞がれた場合には、
補助吸込口１６，１７からの吸引が主となること
も考えられるが、このようなことはめつたにない
ため、第１吸引口１１および第２吸込口１５があ
れば、おおよその商品充填に関する悪条件に応ず
ることができる。即ち補助吸込口１６，１７を設
けない場合にも充分な冷気循環が期待できよう。
また上述のように庫室容量を拡大するため、内箱
８底部側（敷板８−１）に段部８−１ａを設けて
も、該段部８−１ａの垂直辺８−１aaに設けた第
２吸込口１５が蒸発器１２の上部と対向している
ため、蒸発器１２の有効熱面積が低下することは
ない。勿論、蒸発器１２下部は平坦部８−１ｃか
らの吸込空気と熱交換し、有効に利用される。

以上、密閉型冷凍、冷蔵シヨーケースの実施例
により、本考案を説明してきたが、開放型冷凍、
冷蔵シヨーケースでも同様に実施できるし、空気
ダクト９は底部から背部そして上部に延在したも
のを示したが、底部から側部そして上部に延在し
たものであつてもよい。

上述のように本考案は断熱壁４内側に間隔を置
いて内箱８を備え、該内箱８によつて底部から上
部に延びる空気ダクト９を形成するとともに、該
空気ダクト９の底部に蒸発器１２を有する底部側
空気ダクト９ａの前縁および上部側空気ダクト９
ｃの前縁にそれぞれ第１吸込口１１および吹出口
１０を備えた冷凍・冷蔵シヨーケースにおいて、
該内箱８底部を段部８−１ａを有する敷板８−１
で構成し、かつ該段部８−１ａの垂直辺８−１aa
に第２吸込口１５を穿設するとともに、蒸発器１
２の空気入口側部１２−２を対向させたことを特
徴とする冷凍、冷蔵シヨーケースであるから、冷
凍、冷蔵庫室５の容量を拡大できるとともに、商
品の過充填もしくは第１吸込口１１を塞ぐような
商品の異常な載置状態に対しても常に良好な冷気
循環を行なうことができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷凍、冷蔵シヨーケースの空気
吸込部を示す断面図、第２図は本考案の一実施例
を示す冷凍、冷蔵シヨーケースの断面図、第３図
は本考案一実施例による敷板の斜視図、第４図は
本考案一実施例の要部を示す一部破断斜視図、第
５図は本考案一実施例の説明図である。 ４……断熱壁、８……内箱、８−１ａ……段
部、８−１aa……垂直辺、９……空気ダクト、９
ａ……底部側空気ダクト、９ｃ……上部側空気ダ
クト、１０……吹出口、１１……第１吸込口、１
２……蒸発器、１２−２……蒸発器の空気入口側
部、１５……第２吸込口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱壁内側に間隔を置いて内箱を備え、該内箱
   によつて、底部から上部に延びる空気ダクトを形
   成するとともに、該空気ダクトの底部に蒸発器を
   有する底部側空気ダクトの前縁および上部側空気
   ダクトの前縁にそれぞれ第１吸込口および吹出口
   を備えた冷凍・冷蔵シヨーケースにおいて、該内
   箱底部を段部を有する敷板で構成し、かつ該段部
   の垂直辺に第２吸込口を穿設するとともに、蒸発
   器の空気入口側部を対向させたことを特徴とする
   冷凍・冷蔵シヨーケースの空気吸込部。