JPS6225405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車等の車輌に取付けられるバン
パの、特にバンパサイド部の取付構造に係る。

自動車等の車体の前、後部に取付けられるバン
パとして、車輌の幅方向に延在するバンパストレ
ート部と該バンパストレート部の両端より車体の
前後方向に延在するバンパサイド部とを有するバ
ンパがあり、バンパサイド部がさほど長くないも
のにあつては、バンパストレート部にて車体に取
付けられるだけで充分な取付強度を有するが、バ
ンパサイド部が比較的長いものにあつては、バン
パストレート部に加えてバンパサイド部に於ても
車体に取付けられる必要がある。

本考案はバンパのバンパサイド部を車体に能率
良く簡便且確実に取付けることができ、しかも衝
突時の衝撃力が車体に伝わることを回避して車体
の変形を防止できる新しいバンパサイド部の取付
構造を提供せんとするものである。

本考案による取付構造の特徴は、バンパサイド
部と車体の側壁にそれぞれ取付けられる一対の係
止部材を含み、該係止部材は車体の幅方向に互に
逆止的に係合する逆止係合部を有し、この逆止係
合部は車体の前後方向に実質的に一様な断面形状
にて延在し、前記バンパサイド部と前記車体と
を、車体方向に完全に相対変位不能であるが、車
体前後方向には相対変位可能に接続するよう構成
されていることである。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図は本考案による取付構造が適用される如
き比較的長いバンパサイド部を有するバンパが取
付けられた自動車を示している。この図に於て、
１はフロントバンパを、２はリヤバンパを各々示
しており、リヤバンパ２は車体の幅方向に延在す
るバンパストレート部３の両端より車体の前後方
向に比較的長く延在するバンパサイド部４を有し
ている。

第２図は本考案によるバンパサイド部の取付構
造の一つの実施例を示す縦断面図である。バンパ
サイド部４はその内側壁にて車体の側壁５に対向
し、そのバンパサイド部の内側壁には係止部材１
０が、また側壁５には係止部材２０が各々固定さ
れている。

係止部材１０は、第３図に良く示されている如
く、その上下両端近傍部に各々矢印形の断面を有
する逆止爪部１１を有しており、この逆止爪部１
１は、両側にもどり部１１ａを有し、車体の前後
方向に実質的に一様な断面形状にて延在してい
る。また係止部材１０はその上下両端部に各々取
付孔１２を有している。係止部材１０は、第２図
及び第５図に示されている如く、取付孔１２にて
バンパサイド部４の内側壁に突出形成された突起
片６に係合し、該突起片にスプリングナツト７が
装着されることによりバンパサイド部４に固定さ
れている。

係止部材２０は、第４図に良く示されている如
く、その上下両端部に各々前記逆止爪部１１を逆
止的に受入れる受入れ溝部２１を有しており、受
入れ溝部２１は、溝側壁を構成する鉤形断面を有
し且逆止爪部１１のもどり部１１ａと係止的に係
合合するばね性を有する一対の係合片部２１ａ
と、溝底部を構成し逆止爪部１１の先端部を受止
めるばね性を有する一対の受止片部２１ｂとによ
り構成されており、この受入れ溝部２１は車体の
前後方向に実質的に一様な断面形状にて延在して
いる。また係止部材２０はタツピングスクリユ８
（第２図参照）を受入れる筒状突起部２２を受入
れ溝部２１とは反対側に有している。

車体の側壁５は筒状突起部２２の各々を受入れ
る貫通孔９が明けられている。

係止部材２０は第２図及び第６図に示されてい
る如く、筒状突起２２にて貫通孔９に係合し、筒
状突起部２２にタツピングスクリユ８がねじ込ま
れ、これにより筒状突起部２２が脹らむことによ
つて側壁５に固定されている。

バンパサイド部４の車体に対する取付けは、第
７図に良く示されている如く、係止部材１０をバ
ンパサイド部４に、または係止部材２０を側壁５
に上述の如き要領にて固定した後、バンパサイド
部４を若干量車体の外側方に変形させた状態にて
これを側壁５の外面に対向させ、係止部材１０の
逆止爪部１１と係止部材２０の受入れ溝部２１と
を互に整合させ、この整合状態にてバンパサイド
部４をその外部より側壁５の側に押付け、第２図
に示されている如く、逆止爪部１１を受入れ溝部
２１に逆止的に係合させる。これによりバンパサ
イド部４の取付けが完了する。この取付け完了時
に於ては、逆止爪部１１は、もどり部１１ａの背
面部にて受入れ溝部２１の係合片部２１ａと逆止
的に係合し、該係合片部２１ａと受止片部２１ｂ
とにより弾力的に挟圧され、受入れ溝部２１に逆
止的にスナツプフイツトして係合する。

これにより係止部材１０と２０とが互いにがた
付くことなく係合し、バンパサイド部４は側壁５
に対しがた付くことなく確実に接続される。逆止
爪部１１と受入れ溝部２１とは、一旦上述の如く
係合すると、もどり部１１ａと係合片部２１ａと
の逆止係合に加えて逆止爪部１１が係合片部２１
ａと受止片部２１ｂとに挾まれることにより車体
の幅方向には相対変位できないが、即ち互いに抜
出すことができないが、車体の前後方向には相対
変位可能に係合しており、このため車輌の衝突時
にバンパに車体の前後方向の衝撃力が作用しても
バンパサイド部４が車体に対し前後方向に相対移
動し、これによりその衝撃力が車体に伝わること
が回避され、車体の変形が防止される。

係止部材２０は車体の外側から車体の貫通孔９
に挿入された筒状突起部２２にタツピングスクリ
ユ８が車体の外側からねじ込まれてこれが脹らむ
ことにより車体に取付けられるから、車体の内側
に障害物があつて近接できない場合でも係止部材
２０を車体に取付けることができる。

以上に於ては本考案を特定の実施例に詳細に説
明したが、本考案はこれに限定されるものではな
く、本考案に範囲内にて種々の実施例が可能であ
ることは当業者にとつて明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による取付構造が適用されるバ
ンパを備えた自動車を示す概略斜視図、第２図は
本考案によるバンパサイド部の取付構造の一つの
実施例を示す縦断面図、第３図及び第４図は各々
係止部材を示す斜視図、第５図及び第６図は各々
係止部材の取付構造を示す分解斜視図、第７図は
バンパサイド部の車体に対する取付構造を示す分
解斜視図である。 １……フロントバンパ、２……リヤバンパ、３
……バンパストレート部、４……バンパサイド
部、５……側壁、６……突起片、７……スプリン
グナツト、８……タツピングスクリユ、９……貫
通孔、１０……係止部材、１１……逆止爪部、１
２……取付孔、２０……係止部材、２１……受入
れ溝、２２……筒状突起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の幅方向に延在するバンパストレート部と
   該バンパストレート部の両端より車体の前後方向
   に延在するバンパサイド部とを有するバンパのバ
   ンパサイド部の取付構造にして、前記バンパサイ
   ド部に固定され逆止爪部を有する係止部材と、車
   体の側壁に固定され受入れ溝部を有する係止部材
   とを含み、前記逆止爪部は両側にもどり部を有す
   る矢印形の断面を車体の前後方向に一様に有し、
   前記受入れ溝部は前記もどり部と逆止的に係合し
   溝側壁をなす鉤形状の一対の係合片部と前記逆止
   爪部の先端部を受止め前記係合片部と共働して前
   記逆止爪部を挾圧する一対の受止片部とを車体の
   前後方向に一様に有し、前記逆止爪部と前記受入
   れ溝部との係合により前記バンパサイド部と前記
   車体とを、車体幅方向には相対変位不能である
   が、車体前後方向には相対変位可能に接続するよ
   う構成されていることを特徴とするバンパのバン
   パサイド部の取付構造。