JPS6223055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、腕時計、電子卓上計算機などの圧
電ブザー用昇圧回路などに用いる小型インダクタ
の改良に関するものである。

従来この種の小型インダクタは、第１図および
第２図に示すように一対の切欠窓部２を設けた一
対の壺形コア１および１ａで巻芯部に装着したコ
イル３を外側から上下一体に組み合わせるととも
に、一方のコア１ａの底部上に導電パターン５を
形成した端子板４の両端部を一対の切欠窓部２か
らそれぞれ外部へ突出させて配置し、コイル３の
リード線端末６を端子板４の導電パターン５に巻
き付けて構成されていた。

このような従来の小型インダクタは、BT樹脂
やアルミナ磁器などの厚みの薄い絶縁物から成る
端子板４の両端に銅箔などを接着し導電パターン
５を形成して、コイル３のリード線端末６を導電
パターン部５に巻きつけ、その上から半田７付け
を行なつた構造なので、コア材として比抵抗の小
さい例えばMn−Zn系フエライトを用いて、比較
的大きいインダクタンスがとれる小型インダクタ
を製造できるなどの利点があるが、反面上記のよ
うに銅箔などによる導電パターンを形成した厚み
の薄い端子板を使用するため、端子板そのものが
振動、衝撃などによつて折れたり屈曲されやすい
ので、これに伴ない端子板に巻きつけている極細
線から成るリード線が断線するといつた欠点があ
つた。

このため、パーツフイダーなどを利用したプリ
ント基板へ装着するための自動挿入機の使用が困
難となるだけでなく、従来の方式では、コアの直
径が３mm程度という小型インダクタの端子板にリ
ード線を巻きつけることになるので、作業が煩雑
となり実用上および製造上問題となるものであつ
た。

この考案は、上記従来の欠点の解消のためにな
されたもので、壺形コア内に挿着できる外径で、
内部の巻芯部の外径に適合するように端部を切欠
するなどして形成した金属からなる接続板の端子
部の側面を、Ｌ字形状など、コイルのリード線端
末を挟着できるように成形して、該端子部の少な
くとも内面に半田層を形成して成る一対の接続板
を、端子部がコアの両側の切欠窓部からそれぞれ
導出するようにコア底部に設置し、この一対の接
続板のコアから外に導出している端子部で、熱溶
融性の絶縁材で被覆されている一対のリード線端
末を挟着し、加熱してリード線と接続板とを半田
付けして一体化した小型インダクタを提供するこ
とを目的としている。

以下図面に従がつて、この考案の実施例を説明
する。

第３図はこの考案に係る小型インダクタを用い
る端子部８付き接続板９を示すもので、真ちゆ
う、銅、鉄などの金属から成り、Ｌ字形状に形成
された端子部８の少なくとも内面には半田層７ａ
が形成され第４図に示す部分説明図のように、コ
アの巻芯部に巻装されるコイル３の底部に配置さ
れ、リード線端末６を挟着する。

この接続板９の半田層７ａは、半田めつきある
いは溶融半田中への浸漬などの手段で被着され、
少なくともリード線端末部と当接する部分に被着
されておればよいが、端末部８を含んだ接続板９
全面に被着されていてもよい。

第５図はこの考案の小型インダクタを示すもの
で、内部の巻芯部にコイル３を巻装した壺形コア
１および１ａからなり、一対の切欠窓部２から導
出されている金属製の接続板９の端子部８は、そ
の一部を折り曲げてコイル３のリード線端末６を
挟着し、加熱により該端子部８内面の半田層７ａ
が溶融して、該端子部８とリード線端末６が接続
される。

この場合、コイルの線材を被覆しているポリウ
レタンなどの絶縁材は熱溶融性であるので、端子
部８を加熱したときに絶縁材が溶融してリード線
端末の線材が露出するので、上記半田付けの妨げ
にはならない。なお、接続板９は、コア底面にエ
ポキシ樹脂などの接着剤により固着されている。

上記この考案の小型インダクタは、特に金属製
の接続板９を採用しているので、上記コア１およ
び１ａが、例えばNi−Zn系フエライトなどの比
抵抗の大きい材料である場合は、上記実施例の構
成で実使用に供されるが、Mn−Zn系のフエライ
トなどのように比抵抗が小さい材料で構成される
場合は、第６図に示すように該コア１ａ内底面お
よび切欠窓部２と接続板９との間に絶縁シートな
どの絶縁材１０を介入させて、両者を絶縁するこ
とによりこの考案の目的を達成することができ
る。

この考案は上記のような構成であり、巻芯部に
コイルを巻装しているコアの切欠窓部から導出す
るリード線端末が金属製の接続板の端子部で挟着
されて半田付けされるため、従来のように外力に
よりリード線が断線することなどの不良現象は全
くなくなつて、プリント基板への自動装着にあた
つてパーツフイーダなどを用いることができるよ
うになると共に、端子部にリード線を巻き付ける
といつた煩雑な作業も必要ないので、作業効率を
大幅に改善することができる。

以上この考案の小型インダクタは、上記のよう
に構造的にも簡便なものになるので、総合的な品
質の向上が計れるものであり、またこの考案は上
記実施例で示した一対の壺形コアに限ることな
く、一方のみを壺形とし、他方を平板状のものと
するなどは全く任意であつて、要は閉磁路を形成
するコア形状であればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は、従来の小型インダクタを示
す斜視図および断面図、第３図はこの考案に係る
小型インダクタに用いる接続板の斜視図、第４図
はこの考案に係る小型インダクタの接続板とコイ
ルの構成部分斜視図、第５図はこの考案に係る小
型インダクタを示す斜視図、第６図はこの考案の
他の実施例を示す小型インダクタの断面図であ
る。 １，１ａ……コア、２……切欠窓部、３……コ
イル、６……リード線端末、７，７ａ……半田
層、８……端子部、９……接続板、１０……絶縁
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部の巻芯部にコイルが巻装されるととも
   に、このコイルの外周面を覆うように２個のコ
   アが組合わされてなる閉磁路コアと、このコア
   の外周面に形成された一対の切欠窓部と、上記
   コアの内底面に配置されるとともに接着剤によ
   つて固着され、かつその端子部が上記切欠窓部
   から導出された金属からなる一対の接続板とか
   らなる小型インダクタであつて、上記コイルの
   線材は熱溶融性の絶縁材により被覆されてお
   り、上記切欠窓部から導出されたコイルのリー
   ド線端末がその絶縁材により被覆されたままで
   上記接続板の端子部に、その端子部の一部を折
   り曲げることにより挟着され、そのリード線端
   末を挟着している端子部の少なくとも内面には
   半田層が設けられており、その半田層の溶融に
   よりリード線端末の絶縁材が溶融し、それによ
   り露出した線材がその端子部に半田付けされて
   なることを特徴とする小型インダクタ。 (2) 上記コアの内底面および切欠窓部と接続板と
   を、絶縁材を介して絶縁したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の小型イン
   ダクタ。