JPS6222677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、デイスクブレーキに関するものであ
る。

次に第１図および第２図により従来のデイスク
ブレーキを説明する。

第１図および第２図において、１はモートルの
エンドブラケツト、２はコイル３を内蔵したヨー
ク、４はヨーク２の磁引力により移動する可動鉄
心、７はヨーク２の一方側に回転軸と同一方向に
伸ばして固定された取付スタツド。５はスタツド
７の先端に固定ナツト８により固定した支持板、
６は回転軸１３にハブ９を介して固定されたブレ
ーキライニング、１０は前記可動鉄心４をライニ
ング６を介して支持板５に向つて圧接するブレー
キバネを示す。

前記の如く構成されたデイスクブレーキは、ブ
レーキバネ１０のバネ力により可動鉄心４を押出
し、その可動鉄心４を支持板５との間にライニン
グ６を挾着して回転軸１３を制動し、コイル３が
励磁されると、ヨーク２の磁引力により前記可動
鉄心４をブレーキバネ１０に抗してストロークｇ
だけ吸引し、ブレーキライニング６に加つていた
バネ力を除去して制動が解かれるように構成され
ている。なお第１図および第２図において１１は
ブレーキカバーであり、１２はブレーキカバー１
１の止めネジである。

前記の如き構造よりなる従来のデイスクブレー
キにおいて、ブレーキのトルクを変更したい場合
には、ブレーキカバー１１は勿論、取付スタツド
の固定ナツト８および支持板５並びに回転軸端に
固定したライニング６、可動鉄心４等を全部取外
してブレーキバネ１０を新規のバネと交換する必
要があり、ブレーキトルクの変更作業はきわめて
繁雑である。

またコイル３の付勢を解くと、ブレーキバネ１
０の力が全部可動鉄心４に作用するためライニン
グ６が支持板５に激しく突き当り、ライニング６
に可動鉄心４が激しく突き当つて、大きな衝撃を
生じ、ブレーキの寿命を短かくする原因になつて
いた。

本考案は、前記の如き従来の問題に鑑み、ブレ
ーキを分解することなく、外部から簡単にトルク
調整ができるデイスクブレーキを提供せんとする
ものである。

本考案の他の目的はブレーキ作動時に生じる衝
撃力を小さくして寿命の長いブレーキを構成する
ことにある。

本考案は、前記の目的を実現せんがため、ヨー
クに、ブレーキカバーおよび可動鉄心を貫通して
回転軸と同一方向に延びるスタツドを設け、その
スタツドに前記ブレーキバネと反対方向に作用す
るトルク調整バネを嵌合して取付け、そのトルク
調整バネのバネ力を、前記ブレーキカバーの外側
に位置しており前記スタツドに螺合した調整ナツ
トで調整し得る如くしたものである。

次に第３図および第４図により本考案の一実施
例を説明する。

第３図は、本考案のデイスクブレーキの縦断面
図、第４図はカバーの半分を断面した第３図の右
側面図であつて、第１図および第２図と同一符号
は同一部分を示す。

本考案においては、ヨーク２にブレーキカバー
１１および可動鉄心４を貫通するスタツド１４の
一端を固定してそのスタツド１４を回転軸１３と
並行にカバー１１の外方まで延長させ、該スタツ
ド１４にトルク調整バネ１５を取付け、かつ該ト
ルク調整バネ１５のバネ力が前記ブレーキバネ１
０のバネ力と反対方向に作用するようにスタツド
１４にトルク調整ネジ１６を螺合する。１７は座
金である。

本考案は、前記のような構造よりなるので、ス
タツド１４のトルク調整ナツト１６をネジ込んで
行くと、トルク調整バネ１５が可動鉄心４の端面
を押して、そのバネ力がブレーキバネ１０のバネ
力と反対方向に作用し、かくしてブレーキバネ１
０とトルク調整バネ１０との双方により決定され
るブレーキトルクに変更することが出来る。

以上述べた如く、本考案のデイスクブレーキ
は、ただ単にトルク調整用のナツトを締めつける
だけで、ブレーキトルクを無段階に、かつ任意に
調整することが出来る効果がある。

また本考案ではブレーキバネと、これに対して
反対方向に作用するトルク調整バネを設けたの
で、ブレーキ作動時に於ける衝撃を緩和すること
ができ、寿命の長いブレーキを構成することがで
きる。

さらに、トルク調整バネのバネ力はヨークに固
定したスタツドの座金およびトルク調整ナツトで
受けられるので、ブレーキカバーにバネ力が作用
しない。したがつて、ブレーキカバーは剛性の低
い材料で形成することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のデイスクブレーキの構造を示す
断面図、第２図は同じくカバーの半分を断面とし
た側面図、第３図は本考案を適用したデイスクブ
レーキの構造を示す断面図、第４図は同じくカバ
ーの半分を断面とした側面図である。 １……モートルエンドブラケツト、２……ヨー
ク、３……コイル、４……可動鉄心、５……支持
板、６……ブレーキライニング、７……取付スタ
ツド、８……固定ナツト、９……ハブ、１０……
ブレーキバネ、１１……ブレーキカバー、１２…
…カバー止ネジ、１３……回転軸、１４……トル
ク調整スタツド、１５……トルク調整バネ、１６
……トルク調整ナツト、１７……座金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルを内臓したヨークと、該ヨークの接極面
   に対向する可動鉄心と、前記ヨークに支持された
   支持板と、回転軸に回り止めされて前記支持板と
   可動鉄心との間に配設されたライニングと、前記
   可動鉄心に、これを前記ヨークから引き離す方向
   の力を与えるブレーキバネと、これらを覆い前記
   ヨークに固定したブレーキカバーと、よりなり、
   前記ブレーキバネのバネ力により制動を行なうデ
   イスクブレーキにおいて、前記ヨークに前記ブレ
   ーキカバーおよび前記可動鉄心を貫通して回転軸
   と同一方向に延びるスタツドを設け、前記可動鉄
   心に対して前記ブレーキバネと反対方向に作用す
   るトルク調整バネを前記スタツドに嵌合して取付
   け、かつ該トルク調整バネのバネ力を前記ブレー
   キカバーの外側に位置しており前記スタツドに螺
   合した調整ナツトで調節し得る如くしたことを特
   徴とするデイスクブレーキ。