JPS5830991Y2 - スプリング制動式電磁ブレ−キ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はスプリング制動式電磁ブレーキの改良に関し
、特にブレーキライニングの摩耗調整機構、ブレーキト
ルク調整機構およびブレーキの手動解放機構の取扱いを
容易にしたものである。

従来この種のスプリング制動式電磁ブレーキ装置には第
１図、第２図に示す方式のものがあるが、かかる方式の
ブレーキ装置において、回転軸１に一体に取付けられか
つ外周部が角形に形成された・・ブ２の外周に軸方向に
のみ可動に嵌合支持されたライニング３が摩耗すると、
その摩耗分だけブレーキ解放を行う固定鉄心４と可動鉄
心５間のギャップｔが広くなり、そのギャップグが設定
値以上になった場合には、固定鉄心４がコイル６によっ
て励磁されても可動鉄心５を吸引することができなくな
ってし１う。

したがってライニング３の摩耗に応じてその調整を行わ
なければならないが、従来ライニングの摩耗調整に際し
ては、ブレーキカバー７およびこれに取付けた手動解放
ハンドル８、調整軸９の回止め板１０を取外し、可動鉄
心５と回転可能に連結された調整軸９を回転させること
によシ可動鉄心５のねじ部Ａで螺合されたブレーキ板１
１をボルト１２の軸方向に沿って移動させ、ライニング
３の摩耗分だけＢの寸法を拡大して摩耗分を補正する。

オた、ブレーキトルクの調整に際しては、上記と同様手
動解放ノ・ンドル８、ブレーキカバー１および回止め板
１０を取外し、固定鉄心４の支持枠内径部に螺合したト
ルク調整ナツト１３を回転させて、ナツト１３を調整軸
９の軸方向に移動させれば、ナツト１３と可動鉄心５の
支持部材間に介挿した制動用スプリング１４の押付力が
変えられ、ブレーキトルクが調整されることになる。

さらに昔た、ブレーキを手動解放する場合は、バインド
１５を取外し、手動解放ハンドル８を手動解放ロンド１
６を中心にして所定方向に回転させれば、ブレーキカバ
ー１とのねじ部Ｃによって手動解放ロッド１６が矢印り
の方向へ移動し、ロンド１６の後端鍔部が調整軸９に衝
合してスプリング１４に抗し調整軸９、可動鉄心５およ
びブレーキ板１１を矢印り方向に移動させる。

この結果スプリング１４により圧接されていたブレーキ
ライニング３は解放され、同時に回転軸１への制動も解
放されるのである。

このような従来方式においては、ライニングの摩耗調整
、トルク調整等を行うのにその操作が極めて面倒で迅速
な調整作業ができない欠点があった。

普た、従来、外部から手動解放およびトルク調整の操作
ができるようにしたものも知られているが、これは制動
用スプリングがブレーキ装置の外周部の２個所以上に設
けられていたため、上記操作が面倒であり、かつこれの
ライニングの摩耗調整は一部の部品を外さなければでき
ない欠点があった。

この考案は、上記のような従来の欠点を除去するために
なされたもので、制動用スプリングを軸心部に設け、か
つブレーキ板と可動鉄心を相対位置調整可能にねじ結合
することにより、１個所の操作で無段階的に手動解放お
よびトルク調整ができ、さらにライニングの摩耗調整も
ブレーキ外部からブレーキを分解せずに容易にでき、ラ
イニングが均一に押圧されて安定した制動を行える電磁
ブレーキ装置を提供することを目的としている。

この目的を達成するために、この考案のスプリング制動
式電磁ブレーキ装置は、ブラケットの軸心に配設した回
転軸と、この回転軸に一体に取付けたハブに軸方向のみ
に可動に嵌合支持されたブレーキライニングと、このブ
レーキライニングの上記ブラケットに対向する側と反対
側の端面に離接するように設けたブレーキ板と、このブ
レーキ板と相対位置調整可能にねし結合されかつ上記回
転軸の軸方向に移動可能に配置した可動鉄心と、この可
動鉄心に対向設置されかつ可動鉄心を吸着することで上
記ブレーキ板のブレーキライニングへの押圧力を解放す
る励磁コイルを備えた固定鉄心と、上記鉄心、およびブ
レーキ板等を収容するように上記ブラケットのブレーキ
ライニングと対向する側の端部に一体に取付けたブレー
キケースと、このブレーキケースのブラケットと反対側
端の開口部を閉塞する端板と、この端板の軸心部におい
て進退自在に螺合された一部が上記端板外方に露出する
トルク調整ナツトと、このトルク調整ナンドと上記可動
鉄心間に介挿された制動用スプリングと、上記トルク調
整ナツトの軸心を貫通してブレーキケース内に抜差可能
に挿入されると共にその内方端を上記可動鉄心に固着し
さらに一部が端板外に突出する調整軸とを備えたもので
ある。

以下、この考案の一実施例を第３図および第４図につい
て説明する。

第３図、第４図において、２０はブラケットを示し、こ
のブラケット２０の軸心部には回転軸２１が配設され、
さらにブラケット２０の前端面すなわち第４図左側端面
（以下前とは第４図左側をいう）にはボルト２２によっ
て第１のブレーキケース２３が一体に固着されてしると
共に、この第１のブレーキケース２３の前端縁に第２の
ブレーキケース２４を接合シ、かつ第２のブレーキケー
ス２４の前端開口には端板２５を嵌合して、これら端板
２５および第２のブレーキケース２４を前ブラケット２
０の前端面に螺着したボルト２６とこのボルト先端に螺
合されるナツト２７によりブラケット２０に一体に取付
ける。

昔た、上記回転軸２１のブレーキケース２３内への突出
端には外周部が角形に形成されたハブ２８が一体に固定
され、ハブ２８の外周に軸方向にのみ可動にブレーキラ
イニング２９．２９が嵌合支持されており、この両ブレ
ーキライニング２９．２９間には停止円板３０を介挿し
、そしてその外周縁部を上記ボルト２２および２６に係
合して、停止円板３０を回転できないようにすると共に
、ボルトの軸方向に対しては移動できるようになってい
る。

３１は開放面側のブレーキライニング２９に接触するブ
レーキ板で、このブレーキ板３１の外周縁部は上記ボル
ト２２および２６に係合され、これによりブレーキ板３
１を回転軸２１の軸方向に対し移動可能に、また回転方
向に対しては回止めされた状態にし、そしてブレーキ板
３１の回転軸２１と同心の内筒ねじ部３１ａを可動鉄心
３２の支持フレーム３３を構成する円筒ねじ部３３ａに
螺合し、支持フレーム３３を回転させることで円筒ねじ
３３ａに対するブレーキ板３１の軸方向への位置調整を
可能にすると共に、支持フレーム３３の軸心部には上記
回転軸２１に軸線を一致させた調整軸３４の一端を回着
し、その他端を端板２５を通して外方に突出させる。

３５は上記端板２５の内側に上記可動鉄心３２にギャッ
プグを介して対向するよう取付けた励磁コイル３６を有
するブレーキ解放用の固定鉄心、３７は上記端板２５の
軸心部内筒ねじ部２５ａに螺合された上記調整軸３４が
貫通するトルク調整ナツトで、このナツト３７と上記支
持フレーム３３間には上記ブレーキ板３１をブレーキラ
イニング２９に所定圧力で圧接させる制動用スプリング
３８が介挿されている。

３９は上記調整軸３４を回転させるギャップ調整ハンド
ルで、このノ）ンドル３９の一端は上記調整軸３４の端
板外突出端の角柱部３４ａに係合され、他端部は台座４
０を介してボルト４１により端板２５に取付けられるよ
うになっている。

また、４２は上記トルク調整ナツト３７を回転させるト
ルク調整ハンドルであり、この・・ンドル４２の一端は
ナツト３７の端板外突出端面に形成した溝３７ａに係合
されるようになっていると共に、ボルト４３によって端
板２５に固定されるようになっている。

なお、第４図中４４は可動鉄心３２と固定鉄心３５のギ
ャップ外周側に対向するように配置して、ブレーキケー
ス２４に形成したギャップ測定用穴、４５はギャップ測
定用穴４４を覆うキャップでブレーキケース２４に着脱
可能に固定されている。

上記のように構成されたこの考案の電磁ブレーキ装置に
おいて、常時（ブレーキ時）は、第４図に示す如く、ラ
イニング２９．２９は停止円板３０を間にしてブレーキ
板３１とブラケット２０の前端面間に制動スプリング３
８の押圧力により押圧され、これによりブレーキトルク
を発生させて回転軸２１を制動する。

また、固定鉄心３５の励磁コイル３８に通電すれば、ブ
レーキ板３１とねじ結合された支持フレーム３３と一体
の可動鉄心３２は制動スプリング３８のばね圧に打勝っ
て固定鉄心３５に吸着され、両鉄心間のギャップｉが零
になると同時に、ライニング部分にギャツ、プ１分に相
当する隙間ができ、回転軸２１への制動を解放する。

次にライニング２９の摩耗に伴うギャップ調整（補正）
に際しては、ボルト４１を取外し、そしてギャップ調整
・・ンドル３９を調整軸３４に係合した１Ｆ・ンドル３
９で調整軸３４を回転させ、ライニング摩耗量分だけね
じ部分のリードで支持フレーム３３を含む可動鉄心３２
を固定鉄心３５方向に移動させる。

すなわち寸法Ｂをライニング摩耗分だけ大きくすること
で調整する。

そして、この場合にキャンプ４５を外してギャップ測定
用穴４４から固定鉄心３５と可動鉄心３２とのギャップ
を確認しながら調整を行えば、きわめて正確なギャップ
の調整がねじ嵌合方式によって行える。

昔た、ブレーキトルクの調整に際しては、１ず第４図に
おけるボルト４３を取外し、次にフＩＪ −状態にある
トルク調整ハンドル４２によりトルク調整ナツト３γを
回転すれば、制動スプリング３８のばね力が変化され、
ブレーキトルクが調整することになる。

さらに昔た、停電時、あるいは位置合せ等のように電源
を入れることなくブレーキを解放する、所謂手動解放時
は、第４図におけるボルト４３を取外し、しかる後制動
スプリング３８ば自由長となってばね圧が生じなくなる
昔でトルク調整・・ンドル４２によりトリク調整ナツト
３７を緩めればよい。

以上のようにこの考案によれば、可動鉄心に連繋された
調整軸およびトルク調整ナツトをブレーキケース開口を
閉塞する端板から外方に突出させた構造にしたので、ブ
レーキのライニング摩耗調整、ブレーキトルクの調整お
よびブレーキの手動解放が、全てブレーキ端面（同一側
面）より可能であり、かつ又従来のようにブレーキカバ
ーや回止め等を取外すことなくブレーキ本体の外部から
簡単に、かつ迅速に行うことができ、しかも制動用スプ
リングを軸心部に設けたので１個所でライニングが均一
に押圧されて安定した制動ができると共に、ブレーキ板
と可動鉄心を相対位置調整可能にねじ結合したので無段
階的な正確な摩耗調整ができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における電磁ブレーキ装置の正面図、第２
図はその一部を切欠いて示す側面図、第３図はこの考案
における電磁ブレーキ装置の一実施例を示す正面図、第
４図はそのＩＶ−ＩＶ線の断面図である。 ２０・・・・・・ブラケット、２１・・・・・・回転軸
、２２゜２６・・・・・・ボルト、２３，２４・・・・
・・ブレーキケース、２５・・・・・・端板、２８・・
・・・・ハフ、２９・・・・・・ブレーキライニング、
３０・・・・・・停止円板、３１・・・・・・ブレーキ
板、３２・・・・・・可動鉄心、３３・・・・・・支持
フレーム、３４・・・・・・調整軸、３５・・・・・・
固定鉄心、３７・・・・・・トルク調整ナツト、３８・
・・・・・制動スプリング、３９・・・・・・ギャップ
調整ハンドル、４２・・・・・・トルクＮ整ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケット２０の軸心に配設した回転軸２１と、この回
   転軸２１に一体に取付たハブ２８に軸方向のみに可動に
   嵌合支持されたブレーキライニング２９と、このブレー
   キライニング２９の上記ブラケット２０に対向する側と
   反対側の端面に離接するように設けたブレーキ板３１と
   、このブレーキ板３１と相対位置調整可能にねじ結合さ
   れかつ上記回転軸２１の軸方向に移動可能に配置した可
   動鉄心３２と、この可動鉄心３２に対向設置されかつ可
   動鉄心３２を吸着することで上記ブレーキ板３１のブレ
   ーキライニング２９への押圧力を解放する励磁コイル３
   ６を備えた固定鉄心３５と、上記鉄心３２．３５および
   ブレーキ板３１等を収容するように上記ブラケット２０
   のブレーキライニング２９と対向する側の端部に一体に
   取付けられたブレーキケース２３，２４と、このブレー
   キケース２４のブラケット２０と反対側端の開ロ部ヲ閉
   塞する端板２５と、この端板２５の軸心部において進退
   自在に螺合された一部が上記端板外方に露出するトルク
   調整ナラ）３７と、このトルク調整ナツト３７と上記可
   動鉄心３２間に介挿された制動用スプリング３８と、上
   記トルク調整ナツト３７の細心を貫通してブレーキケー
   ス内に抜差可能に挿入されると共にその内方端を上記可
   動鉄心に固着しさらに一部が端板２５外に突出する調整
   軸３４とを備えたことを特徴とするスプリング制動式電
   磁ブレーキ装置。