JPS6218087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体等の固定部材に、窓ガラス等の
板状部材を取付け、車体等の固定部材と窓ガラス
等の板状部材との間の隙間にもウインドウモール
等の装飾部材をクリツプを使用して取付ける装飾
部材等の取付け構造に関する。

自動車のフロントウインド、リヤウインド等の
はめ込み型窓ガラスを車体へ取付けるため、従来
から第１図及び第２図の方法が用いられていた。
第１図において、車体１へＴ−スタツドＳを溶着
して樹脂製クリツプ２を固定し、モール３をクリ
ツプ２に取付けるようになつている。窓ガラス４
は接着剤５によつて支持されており、クリツプ２
は窓ガラス４の保持には貢献していない。そこで
第２図の窓ガラス保持法が採られている。第２図
において、車体１にはタツピンねじ６が金属クリ
ツプ７を固着するように取付けられ、これによつ
て窓ガラス４は接着剤５だけでなくクリツプ７に
よつて確実に保持されるようになつていた。

しかしながら、これらの取付方法において、Ｔ
−スタツドの溶着作業は面倒なものであり、また
金属クリツプの使用によつて電触による錆の発生
や自動車振動時の異音の発生等があつた。このこ
とはタツピンねじと車体との関係においても同様
である。

従つて、本考案の目的は、上記の欠点を解消し
た、窓ガラス等の板状部材とウインドウモール等
の装飾部材を車体等の固定部材にクリツプを用い
て取付ける取付け構造を提供するにある。

かかる目的を達成するため、本考案によれば、
窓ガラス等の板状部材を車体等の固定部材に取付
けるとともに、ウインドウモール等の装飾部材を
板状部材と固定部材の間の隙間を覆うように、ク
リツプを使用して取付ける取付け構造であつて、
前記固定部材と前記板状部材との間には弾性体が
設けられ、クリツプによつて板状部材を固定部材
に固定し、また、このクリツプを用いて、装飾部
材を固定部材と板状部材の隙間を覆うようになつ
ている。このため、本考案によるクリツプは合成
樹脂製のブツシユと合成樹脂製のピンとの２部品
で成る。ブツシユは、軸部の係止爪と頂部のフラ
ンジとにより車体に形成された穴に固定されるよ
うになつていて、軸部及びフランジが中空に形成
されている。ピンは、ブツシユの中空部分を貫通
し先端の係止爪によつてブツシユ軸部に係止する
軸部と、この軸部に一体に形成され横方向に張出
した頭部とを備えている。そして、前記ピン頭部
は、一方の側で窓ガラス等の板状部材の側縁を保
持するように該頭部の頂部が前記一方の側に張出
して保持部を形成しており、前記一方の側と反対
の方向に向けて頭部の基部が張出してフランジを
形成し、前記ピン軸部の係止爪と協働してブツシ
ユに固定されるようになつており、前記頂部の保
持部の先端と前記基部のフランジ先端とには、ウ
インドウモール等の装飾部材の内側折曲げ縁部の
各々が係合する係止爪がそれぞれ形成されてい
る。更に、前記ピン頭部の保持部は、ピンがブツ
シユに係止した状態で、板状部材の上面から弾性
部材を押圧して固定部材に保持させる位置に形成
されている。

以下、本考案の実施例について図面を参照しな
がら詳述する。第３図は、本考案に係る装飾部材
等の取付け構造を示しており、この図において、
独特の構成で成るクリツプ１０を使用して、板状
部材としての窓ガラス４が固定部材としての車体
１に弾性部材としてのスポンジ８を介して取付け
られ、装飾部材としてのウインドウモール３が窓
ガラス４と車体１の間の隙間を埋めるように覆つ
て取付けられている。クリツプ１０はブツシユ１
１とピン１２とから成る２部品クリツプであり、
ポリアセタール、ナイロン、ポリプロピレン等の
合成樹脂で成る。この図において、車体１と窓ガ
ラス４との間にはスポンジ８等の弾性体が介挿さ
れていてガラス４を車体１から離すような偏倚力
を与えている。またはモール３の上面には保護用
のゴム体９が取付けられている。なお、ブツシユ
１１のフランジと車体１との間にはパツキン１３
が介挿され、ブツシユ１１と車体１の穴１４との
間を水密に保持するようになつている。車体１の
穴については第３図ａに図示されるように角穴１
４が穿たれており、これにより、ブツシユ１１の
回転を防止している。穿孔後車体には必要な塗装
が施こされている。

ブツシユ１１について、第４図ないし第７図が
詳細に示している。ブツシユ１１は、車体１の角
穴１４（第３図ａ）に適合する断面矩形の中空軸
１６とその頂部の横方向に張出したフランジ１７
とから成る。中空軸１６に対向する側面に外方に
突出する係止爪１８，１８が設けられており、こ
の係止爪１８に弾性を与えるよう各爪は下端での
み軸１６に連結され上端及び両側面には溝１９が
形成されている。軸１６はその断面で示されるよ
うに肉厚に形成され、係止爪１８が根元から破断
されるのを防止している。フランジ１７からは中
空穴２０の全周に亘つてその穴がフランジの上方
に且つ外方に向けて拡がるような延長薄肉部２１
が設けられている。これは後述のピンの挿入性を
良くするだけでなくピン軸部と密着して水密機能
を果す。軸１６の先端部にはその内側に係止肩部
２２が形成されてピン軸の係止爪と係合するよう
になつている。

ピン１２は第８図ないし第１２図に詳細に示さ
れている。ピン１２はブツシユ１１の中空穴２０
に挿入される軸２５とその上方の頭部２６とから
成る。軸２５はその断面においてブツシユ１１の
中空穴２０の大きさと等しいかやや小さな大きさ
を有し、その先端にはブツシユ軸１６の肩２２に
係合する係止爪２７が設けられている。この先端
はブツシユへの挿入性を良くするため先細形状に
され、ブツシユの延長部２１の拡がりと協働して
挿入性が高められている。更に先端の内部は空胴
２８が形成され係止爪２７に弾性が与えられてい
る。軸２５の根元部は頭部２６に向けて太くなる
ように傾斜している。この傾斜部２９は、ブツシ
ユ１１の延長部２１の拡がり穴と同一形状にさ
れ、軸２５がブツシユ１１の穴２０に完全に挿入
されたとき軸２５がブツシユ軸１６と共軸関係と
なるだけでなく、軸２５の傾斜部２９の相補形状
により相互に密着して水密になる。

ピン１２の頭部２６は基部３０と頂部３１とを
有し、窓ガラス４の厚さＴ（第３図）よりも高く
なつている。頭部２６の頂部３１は一方の側（第
８図では左側方向）に向けて窓ガラス４の側縁を
外側から保持するように張出してガラス保持部３
２を形成している。頂部３１の他方の側は前記保
持部３２の強度を維持するように補強リブ３３が
形成されている。この補強リブは後述のようにウ
インドウモール３の摺動面となるようにその側面
は傾斜している。頂部３１は基部３０への連結の
ためリブ３３の外に肉厚連結部３４を有し、リブ
３３と反対の側面はガラス４の端縁のストツパと
しての機能を果しており、ガラス端縁と車体１と
の間に必要とされたスペーサの必要性をなくして
いる。

上記した頭部２６は第９図に示すようにガラス
４の側縁に沿う方向にやや長く形成されており、
保持部３２は一定の長さに亘つてガラス４を保持
するようになつている。基部３０は頭部の保持部
３２とは反対の方向に延びる肉厚のフランジ３６
（第１０図）を有する。このフランジ３６の反対
の側であつて保持部３２の下方には、その根元で
ほぼガラス４の厚みＴ（第３図）に相当する距離
だけ間隔をあけて張出した延長部３７が設けられ
ており、その先端はガラス４を押圧支持するよう
保持部３２に向けて延びている。この延長部３７
とフランジ３６の肉厚根元部は、スポンジ８（第
３図）の厚さD₁を定める機能を果しており、従
来、必要とされたスペーサが必要でなくなる。

基部３０の長手方向両端の下面には基部面より
下方に突出して両側に延びるリブ３９，３９がそ
れぞれ設けられており、その下面が車体１に直接
接触するようになつており、挿入限ストツパとし
ての働きをしている。リブ３９の、フランジ３６
側の端部は車体１の形状に従う形状でやゝ長く形
成され、これにより頂部３１の保持部３２のガラ
ス押え方向に働く力に対向するスポンジ８の反撥
力が保持部３２に加わつたとしても、この反撥力
をリブ３９の端部によつて対抗することができ
る。また該リブ端の上面はモール３の一方の折曲
り端縁が車体方向へ沈まないようにするストツパ
としての機能を果す。第３図、第８図、第９図に
示すように、保持部３２の先端とフランジ３６の
先端（リブ３３の下端に相当する）とにはウイン
ドウモール３の内側折曲縁部の各々が係止する係
止爪４０，４１がそれぞれ設けられている。な
お、ピンの軸２５の肉逃げ部４２及びリブ３３の
肉逃げ部４３はクリツプの価格の低下を目的とし
たもので、必要に応じて他の部分にも施すことが
できる。

上記のような構成でなるクリツプは、先ずブツ
シユ１１がパツキン１３を装着した状態で車体１
の角穴１４に押込められる。押込められたブツシ
ユ１１は係止爪１８とフランジ１７とにより車体
１に固着される。この場合、穴１４並びにブツシ
ユ１１の軸１６が矩形であるので、ブツシユ１１
が回転することはない。次にピン１２は、保持部
３２と延長部３７との間にガラスの端縁を挾持し
た状態でピン軸２５がブツシユの中空穴２０に挿
入されそのまま押し込められる。これによりリブ
３９の下面が車体１の接触する一方、ピン軸２５
の係止爪２７がブツシユ軸の肩２２に係合してブ
ツシユ１１に固定され、ひいては車体１に固定さ
れる。この場合、ピン頭部の基部はブツシユの延
長部２１の反撥力によつて、組立完了時にはかす
かに押し戻されブツシユに対してしつかりと係止
される。また、スポンジ８はやや押圧されこれに
よりガラスのガタツキもなくなつている。そして
モール３がピンの係止爪４０，４１に係合するよ
うに押込められる。必要に応じて、モール３の上
面にはゴム体９が押込められる。このゴム体９は
モール３と予じめ一体にされたものでもよい。ク
リツプ１は、窓ガラスの各端縁に沿つて複数個使
用されるのが普通である。この場合、ブツシユ１
１のフランジ１７が外方に拡開（21）しているの
で、ピンの挿入が容易であり、作業性が向上す
る。

第１３図は、本考案によるクリツプの第２の実
施例を示すもので、前記した第１の実施例と異な
るのはピンの形状であり、ブツシユ１１は第１の
実施例と同じである。ピン１２′は、第１の実施
例のピン１２の基部３６から保持部３２方向に延
びる延長部３７がなく、従つてガラス４は保持部
３２だけで保持されるようになつている。この点
を除けば、第１実施例のピン１２と実質的に同じ
であり、窓ガラスやモールの取付方法も同じであ
るので詳細な説明を省略する。

本考案によれば、固定部材と前記板状部材との
間には弾性体が設けられ、クリツプは合成樹脂製
のブツシユと合成樹脂製のピンとの２部品で成
り、ブツシユは、軸部の係止爪と頂部のフランジ
とにより車体に形成された穴に固定され、ピン
は、ブツシユの中空部分を貫通し先端の係止爪に
よつてブツシユ軸部に係止する軸部と、横方向に
張出した頭部とを備え、ピン頭部は、一方の側で
窓ガラス等の板状部材の側縁を保持するように張
出し、反対の方向に向けて頭部の基部が張出して
フランジを形成し、頂部の保持部の先端と基部の
フランジ先端とには、ウインドウモール等の装飾
部材の内側折曲げ縁部が係合する係止爪が形成さ
れ、ピン頭部の保持部は、ピンがブツシユに係止
した状態で、板状部材の上面から弾性部材を押圧
して固定部材に保持させる位置に形成されている
装飾部材等の取付け構造が提供されるので、従来
の取付け構造において見られた欠点が解消され
る。

特に、本考案におけるクリツプの構成によれ
ば、ブツシユとクリツプの２部品により、自動車
の外側から押し込むだけの、工具を一切必要とし
ない簡単な作業で、窓ガラスとモールを固定でき
る。しかもブツシユと車体との間のパツキン、窓
ガラスと車体との間のスポンジを押し付けるので
連結部の水密性が維持される外に、ブツシユとピ
ンとの間の水密性をも良好に果すことができる。
本考案によるクリツプの連結は強く、従来必要と
されたガラスと車体との間の接着剤を不要として
おり、また簡単な治具によりピンをブツシユから
外すことができ、修理、再組付作業も容易であ
る。この場合、ブツシユは車体に固定されたまま
であり、ブツシユ取付作業は不要である。またピ
ンを押し込んだときブツシユの車体への係合力は
強固になる利点もある。更に、クリツプは合成樹
脂製であり、Ｔ−スタツドやねじを不要にしてい
るので、錆や異音の発生の外に、車体への損傷も
一切ない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のモール及び窓ガラス
取付用クリツプの側断面図、第３図は本考案の第
１実施例の装飾部材等の取付け構造を示してお
り、独特の構成で成るクリツプを用いてモール及
びガラスを車体に取付けた様子を示す断面図、第
３図ａは車体に形成された穴を示す斜視図、第４
〜７図は第３図のクリツプのブツシユを示してお
り、第４図はブツシユの平面図、第５図は第４図
の５−５線断面図、第６図は第５図の６−６線断
面図、第７図は第４図の７−７線断面図、第８〜
１２図は第３図のクリツプのピンを示しており、
第８図はピンの正面図、第９図はピンの側面図、
第１０図は第９図の１０−１０線断面図、第１１
図は第９図の１１−１１線断面図、第１２図は第
９図の１２−１２線断面図、第１３図は本考案の
第２実施例のクリツプを用いてモール及びガラス
を車体に取付けた様子を示す断面図である。 １……車体、２，７……従来のクリツプ、３…
…ウインドウモール、４……窓ガラス、８……ス
ポンジ、９……ゴム体、１０……本考案クリツ
プ、１１……ブツシユ、１２，１２′……ピン、
１３……パツキン、１４……車体穴、１６……ブ
ツシユ軸、１７……ブツシユフランジ、１８……
係止爪、２０……中空穴、２１……延長部、２５
……ピン軸、２６……ピン頭部、２７……ピン軸
係止爪、２９……ピン軸傾斜部、３０……ピン頭
部の基部、３１……ピン頭部の頂部、３２……ガ
ラス保持部、３６……フランジ、３７……基部延
長部、３９……リブ、４０，４１……モール係止
爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 窓ガラス等の板状部材を車体等の固定部材に
   取付けるとともに、ウインドウモール等の装飾
   部材を板状部材と固定部材の間の隙間を覆うよ
   うに、クリツプを使用して取付ける取付け構造
   において、前記固定部材と前記板状部材との間
   には、弾性体が設けられており、前記クリツプ
   は合成樹脂製のブツシユと合成樹脂製のピンと
   の２部品で成り、ブツシユは、軸部の係止爪と
   頂部のフランジとにより車体に形成された穴に
   固定されるようになつていて、軸部及びフラン
   ジが中空に形成されており、ピンは、ブツシユ
   の中空部分を貫通し先端の係止爪によつてブツ
   シユ軸部に係止する軸部と、この軸部に一体に
   形成され横方向に張出した頭部とを備え、前記
   ピン頭部は、一方の側で窓ガラス等の板状部材
   の側縁を保持するように該頭部の頂部が前記一
   方の側に張出して保持部を形成し、且つ前記一
   方の側と反対の方向に向けて頭部の基部が張出
   してフランジを形成し前記ピン軸部の係止爪と
   協働してブツシユに固定されるようになつてい
   て、前記頂部の保持部の先端と前記基部のフラ
   ンジ先端とには、ウインドウモール等の装飾部
   材の内側折曲げ縁部の各々が係合する係止爪が
   それぞれ形成されており、更に、前記ピンの頭
   部の保持部は、ピンがブツシユに係止した状態
   で、前記板状部材の上面から弾性部材を押圧し
   て該板状部材を前記固定部材に保持させる位置
   に形成されていることを特徴とする装飾部材等
   の取付け構造。 (2) クリツプのブツシユのフランジには中空穴の
   全周に渡つて該中空穴が外方且つ上方に拡がる
   ように延長片が形成されており、前記ピン軸の
   根元は前記延長片の形状と相補形状になるよう
   にピンのフランジに向けて傾斜している実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の取付け構造。 (3) クリツプのピン頭部の基部は、頂部の張出し
   保持部の下方に間隔をあけて張出しており、前
   記板状部材が頂部と基部の２つの張出し部によ
   つて保持される実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の取付け構造。 (4) クリツプのピン頭部の基部は軸を中心として
   横方向に張出しており、その両端に基部下面よ
   り下方に突出したリブが設けられており、ピン
   軸の係止爪がブツシユ軸部に係止したときリブ
   下面が車体面に当接してフランジをやや撓める
   ようになつている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の取付け構造。