JPS6216369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車室内に荷台を有する自動車のラゲツ
ジサイドパネルに備えられたボツクス構造に関す
る。

一般に自動車は一車種多種仕様（たとえばスタ
ンダード、デラツクス、GL、SSS等の記号で仕
様の違いを識別している）が用意されていて、一
仕様車には標準装備部品であるが他仕様車は選択
装備部品であるなどの異なりがある。

リアウインドワイパーについても、装備される
仕様の自動車と、装備されない仕様の自動車があ
る。そして、リアウインドワイパーが取付けられ
た自動車にはリアウインドワイパーのブレードあ
るいは周囲より噴出する水を貯蔵するウオツシヤ
タンクがたとえばラゲツジサイドのインナパネル
に形成したボツクスに設けられている。このラゲ
ツジサイドのインナパネルを覆うラゲツジサイド
トリムには前記ボツクスに連通した出入口および
該出入口に開閉自在に設けられ且つウオツシヤタ
ンクを覆う蓋が設けられている。

これに対し、リアウインドワイパーが装備され
ない自動車はウオツシヤタンクを格納する前記ボ
ツクスを必要とせず、前記インナパネルは開口さ
れていない。従つて、開口に連通した出入口およ
び蓋の設けられた前記ラゲツジサイドトリムをリ
アウインドワイパーの装備されていない自動車に
用いることはできない。従つて仕様が２種類であ
るため、ラゲツジサイドのインナパネルおよびラ
ゲツジサイドトリムを２種類用意しなければなら
ず、コスト高となる欠点があつた。又、車載用工
具を格納する場所が狭い車両内には少ないため、
リアシート下の床に陥凹部を設けて格納してい
た。従つて、工具を車載しているけれども取り出
しにくかつた。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、リア
ウインドワイパーを取付ける自動車でも、取付け
ない自動車でも同じ構造のラゲツジサイドトリム
およびラゲツジサイドのインナパネルを用意すれ
ばよく、しかも工具入れを該トリムを取り出し口
とするボツクスにリアウインドワイパーのウオツ
シヤタンク格納部と並存せしめることを目的とす
る。

この目的を達成するため、本考案はリアウイド
ワイパーを取付ける自動車の場合にはウオツシヤ
タンクおよび工具とを並存させることができ、リ
アウインドワイパーを取付けない自動車の場合に
は工具以外の雑物の収納ボツクスになり、また水
抜きを設けてあるので、ウオツシヤタンクに水を
補給する時あやまつてボツクスにこぼしても、水
抜き手段が容易であるとともに、蓋のロツクに手
が干渉して負傷しないように保護板を一体に設け
たことを特徴としている。

以下、図面に示す実施例により本考案を詳細に
説明する。

第１図乃至第８図の実施例において、１は荷台
２を有する自動車で、この自動車１のラゲツジサ
イドパネル５のインナパネル５ａに合成樹脂材よ
りなるラゲツジサイドトリム３が設けられ、該ラ
ゲツジサイドトリム３には開閉自在の蓋４が薄肉
ヒンジにより一体に設けられ、該蓋４の側部、す
なわち、ラゲツジサイドパネル５のインナパネル
５ａとアウタパネル５ｂとの間に合成樹脂材より
一体に形成されたボツクス６が設けられている。
尚、２ａは床面、２ｂはサイドウインドである。

前記ボツクス６は前記蓋４の開口部と対向する
開口部７が形成されたボツクス本体８と、このボ
ツクス本体８の室を略半分に分割し、一方をリア
ウインドワイパーのウオツシヤタンク格納室９と
し、他方の工具格納室１０とする仕切壁１１と、
前記ウオツシヤタンク格納室９と工具格納室１０
との底面にそれぞれ形成した水抜き孔２２，２２
と、前記開口部７の外周に前記ラゲツジサイドボ
ツクス本体８と一体に形成した車体への取付用フ
ランジ部１２と、このフランジ部１２に形成した
複数個の長孔１３と、前記ウオツシヤタンク格納
室９の上部に設けた第６図に示すようなウオツシ
ヤタンクWTを取付けるためにボツクス本体８と
一体に形成されたフツク１４，１４と、前記ボツ
クス本体８の略中央上部に一体に形成したインナ
パネル５ａへの取付用ブラケツト１５と、このブ
ラケツト１５のクランク状に折曲げられた中央部
１６にカシメ１７止めされ、前記蓋４に取付けら
れた係合片１８と係合するロツク部材１９と、こ
のロツク部材１９の外周を覆う前記ブラケツト１
５と一体に形成した保護板２０と、前記ブラケツ
ト１５の上部に形成した長孔２１とから構成され
ている。

上記構成にあつては、リアウインドワイパーが
取付けられた荷台を有する自動車の場合、ボツク
ス６のウオツシヤタンク格納室９にウオツシヤタ
ンクWTを入れ、フツク１４，１４に係合させて
ウオツシヤタンクWTをウオツシヤタンク格納室
９内に取付け使用する。またリアウインドワイパ
ーが取付けられない荷台を有する自動車の場合、
ボツクス６のウオツシヤタンク格納室９に小物、
雑物などを入れて使用する。

以上の説明から明らかなように本考案にあつて
は、荷台を有する自動車のラゲツジサイドパネル
に設けられたボツクス構造において、リアウイン
ドワイパーのウオツシヤタンク格納部と、工具格
納部とを併存させるとともに、下部に水抜き孔を
設け、上部にロツクの保護板を一体に形成したの
で、従来のようにリアウインドワイパーを取付け
る自動車と、取付けない自動車のための２種類の
ラゲツジサイドトリムおよびラゲツジサイドパネ
ルを用意する必要がなく、１車種に１種類のラゲ
ツジサイドトリムを用意すればよく、部品管理工
数および成形型の種類が削減でき、更に仕様によ
つて採用する部品をへさねばならない等の組立管
理工数も削減でき、大巾なコストの低減を図るこ
とができる。また下部に水抜き孔を形成している
ので、ウオツシヤタンク格納室内に水がたまるの
を防止することができるし、ウオツシヤタンク
WTを配設したまま水を供給してこぼれてもすぐ
に水を抜くことができる。さらにロツクの保護板
を一体に形成しているので、ロツク時に手の指な
どをはさんで負傷したりするのを確実に防止でき
る。加えて、工具室とウオツシヤタンク格納室が
仕切壁によつて仕切られているので、車体の揺れ
や車体振動があつても、工具がウオツシヤタンク
に干渉することがなく、ウオツシヤタンクの損傷
を防止できるなどの実用上優れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を施した自動車の側面図、第２
図は第１図の−線に沿う拡大断面図、第３図
は本考案のボツクスの一実施例を示す正面図、第
４図は第３図の−線に沿う断面図、第５図は
第３図の平面図、第６図は第３図の−線に沿
う断面図、第７図は第３図の−線に沿う断面
図、第８図は第７図の−線に沿う断面図であ
る。 １……自動車、２……荷台、３……ラゲツジサ
イドトリム、４……蓋、６……ボツクス、９……
ウオツシヤタンク格納室、１０……工具格納室、
１５……ブラケツト、１８……係合片、１９……
ロツク部材、２０……保護板、２２……水抜き
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内に荷台を有する自動車のラゲツジサイド
   パネルにおいて、該ラゲツジサイドパネルのイン
   ナパネルとアウタパネルとの間に合成樹脂材によ
   り一体に形成されたボツクスを設け、該ボツクス
   は、開口部が形成されたボツクス本体と、このボ
   ツクス本体の室を略左右半分に分割し、一方をリ
   アウインドワイパーのウオツシヤタンク格納室と
   し、他方を工具格納室とする仕切壁と、夫々の格
   納室の底面に形成した水抜き孔と、上部に両格納
   室を覆う蓋体を係止するロツク部の保護板とより
   構成したことを特徴とするラゲツジサイドパネル
   に備えられたボツクス構造。